遊戯王ARC-V 次元戦争なんて冗談じゃない!!! 作:皐月の王
謝罪だけはさせてください
デュエル終了後、遊希はデュエルをスペースを出て皆所に戻り両膝と両手をついていた。遊矢一人は俯いていた。
「もう…頭真っ白なんですけど……」
どこぞのボクサーの如く真っ白になっていた。得意じゃない読み合い(アニメの展開とDDの展開の知識)の末に、奇跡的に引いた救世竜セイヴァー・ドラゴンでセイヴァー・スター・ドラゴンを召喚し、引き分け(?)に持っていくことが出来た。相手は退いたし、塾を守れた。結果を見れば大金星である。
「凄かったぜ遊希お姉ちゃん!」
「そうだよ!ピンチを何度も切り抜けて、アイツの場のカードを全部破壊したし!」
「あのドラゴンかっこよかったし、デュエルの時の遊希お姉ちゃん凄くかっこよかったよ!」
小学生組は目を輝かせて遊希の前に集まる。その後ろから
「お疲れ様、遊希」
「うむ、胸が熱くなる良いデュエルだった!!!」
柚子と権現坂が遊希の健闘を讃えるが……遊希はわなわなと震えながら頭を抱えて
「終わって振り返ったら……もっと上手く立ち回れたでしょ私ぃぃぃいいい!!!」
叫び、地面に頭を叩きつける。何度もぶつけるものだから、権現坂と柚子が止める。
「どうしたというのだ!?」
遊希はポツポツと話し始める
「3ターン目でDDナイトハウリングに対してブレイクスルー・スキルを使えば三王を並べさせることは無かったんだよね……まぁ、それじゃ増殖するGの手札補充を優先で言い訳つくけど……その次のターン、もっと上手く行けばあのターンで仕留めきれたのにぃ!頭が回らなかったよぉ!!!」
そう言うと再び暴れ出す。それを見る小学生組は
「な、なんかデュエルとのギャップがすごいね」
「情けなさすぎるぜ」
「さっきはあんなにかっこよかったのに……」
小学生組は遊希の今の姿をがっくり肩を落とす。柚子と権現坂もこれには苦笑い。そんな中、遊矢の様子がおかしい事にアユと柚子が気づく。
「どうしたの?遊矢お兄ちゃん」
「どうしたの遊矢?」
「ペンデュラム召喚は……俺だけの……」
ペンデュラム召喚。ストロング石島とのデュエルの時に覚醒した遊矢だけの召喚法。だが、その召喚法は遊矢だけでは無いと、赤馬零児に叩きつけられた。自分だけと信じていた力は今は自分だけの力じゃなくなった。
「ペンデュラム召喚は……もう!」
悔しさを滲ませて走り出す遊矢の腕を
「お前まで何処に行く気だ?」
塾長の修造に掴まれた。
「逃げても現実は変わらない。お前の言う通り、もはやペンデュラム召喚はお前1人だけのものじゃない!……大方、ペンデュラムカードは自分だけに与えられた力。なのに他にも使うやつが現れた……それがショックだと言うわけだろう」
遊矢は押し黙った。図星をつかれて黙っているのだ
「赤馬零児がどうやってペンデュラムカードを手に入れたのかは分からない……もしかしたら彼の会社が開発したのかもしれない」
赤馬零児の会社ならそれが可能だと修造は言う。
「デュエルシステムの世界ナンバーワンのシェアを誇る彼の会社ならペンデュラムカードの秘密を解き明かし、作り出すことも可能だろう。そうなれば……世界中にペンデュラムカードが溢れ出る」
それを聞き遊矢は腕を振り払う。そしてその腕を今度は遊希が掴んでいた
「遊希!?」
「私とデュエルをして……!」
「離せよ!遊希!」
遊矢は抵抗するが遊希は離さずに
「塾長!良いですよね!」
「ああ、お願い出来るか?」
「任せてください。ほら、行くよ塾長の代わりにその凹み叩いてあげる!」
柚子は遊希を止めようとするが、柚子を
「柚子!遊希にも考えがあるんだろう。口出し無用だ」
「けど!遊希も疲れているのよ!?あんなデュエルの後なのに!それなのに!」
「何か考えがあってのことだろう!」
遊希は確かにヘロヘロだ。もう一度あんなデュエルをしたら精神的疲弊待ったなしで、自分でも柄じゃないことだと思っているが、心がそうしないと行けないと言い、体が動いていた。
(柄じゃないし、何もするつもりは無かったけど、気がついたら体が動いていた!もう!勢いは怖いよ!)
内心そんな事を思いながら、遊矢手を引っ張りデュエルスペースに逆戻り
「オレ!まだやるだなんて!」
「塾長!お願いします!」
「おう!アクションフィールドON!フィールド魔法!マジカル・ブロードウェイ!」
デュエルスペースは明るく華やかな街並みに変わる。眠らない街とはまた別ベクトルで綺麗な街だ。
「このフィールドは……父さんの!」
「そうなんだ……だったら尚更ちょうどいいね」
そう言うと遊希はデッキを入れ替える。
「構えて遊矢、後から来た私が言うのも何だけど……少し相手してあげるから」
「だから、オレは!」
煮え切らない遊矢にカチンと来たのか
「ふぅ〜ん。まだやる気にならないんだ。こんなにお膳立てもしてくれてるのに。残念だよホント。あぁそれとも…ストロング石島や北斗には決闘したけど、私とはしてくれないんだ」
遊希が心底残念そうに仰々しく言う。それを聞き遊矢は遊希を見る。
「なんで今その二人が出てくるんだよ…関係ないだろ」
そう言う遊矢を見てニヤリと笑い
「あるよ、二人は遊矢の対戦相手で決闘者。で、君は勝った。でも今は私とはしてくれない。ま、簡単な
そんな煽りを受けて流石の遊矢も黙っていることができず
「ないだろ……父さんの事は関係無いだろ!そこまで言うならやってやるよ!!」
遊矢もその気になり口上を言い始める。
「戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが」
「モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!」
「見よ、これぞ、デュエルの最強進化形、アクション…」
そして遊希と遊矢、二人はカードを手に持ち高らかに言う。
「「デュエル!」」
星風遊希LP4000
手札5枚
榊遊矢LP
手札5枚
「私の先行から行かせてもらう!私はモンスターを一体裏側守備表示で召喚。そして、カードを一枚伏せてターンエンド!」
「え!?もう終わり!?」
「カードを伏せただけ!?」
星風遊希LP4000
手札3枚
場:裏側表示モンスター 1体
伏せカード1枚
榊遊矢LP4000
手札5枚
「今の遊矢ならこれで十分だよ!悔しかったら突破してみなよ!」
べぇーっと舌を出して挑発する遊希。
「何よ!あの挑発!」
「最低よ!」
「っ!俺のターンドロー!俺は手札からEMフレンドンキーを召喚!」
EMフレンドンキー Lv3 ATK1600
リボンと箱をつけたラクダのモンスターが姿を表す。
「この召喚に成功した時、手札からLv4以下のEM 1体を特殊召喚する!俺はEMウィップ・バイパーを特殊召喚!」
EMウィップ・バイパー Lv4 ATK1700
「バトルだ!EMフレンドンキーで裏側表示モンスターに攻撃!」
E・HERO クレイマン Lv4 DEF2000
「守備力2000!?」
「守備力が上回っていた場合はその差分のダメージ受けてもらうよ?」
「くっ……!」
榊 遊矢 LP4000→LP3600
「俺は……カードを1枚伏せてターンエンド」
「その瞬間リバースカードを発動、サイクロン。その伏せカードを破壊させてもらうよ?」
「なにっ!?」
「言ったでしょ?十分だって?」
星風遊希LP4000
手札3枚
場:E・HEROクレイマン Lv4 DEF2000
伏せカード1枚
榊 遊矢LP3600
手札3
場:EMフレンドンキー Lv3 ATK1600
EMウィップ・バイパー Lv4 ATK1700
「私のターンドロー!」
遊希はドローしてニヤリと笑い。
「ペンデュラム召喚する気がないなら別にいいよ?ペンデュラム召喚なしで私に勝てると言うならね。そこまでやる気ないのに付き合わせるのもね……!」
大きく息を吐いて遊希は動き出す
「手札からE・HEROエアーマンを召喚!」
E・HERO エアーマン Lv4 ATK1800
「エアーマンの召喚時効果発動!デッキから『HERO』モンスター1体を手札に加える!私が手札に加えるのはE・HEROバーストレディ!そして、私は手札から融合を発動!」
遊希が融合のカードを見せた瞬間、みんなは驚愕する
「融合!?」
「遊希お姉ちゃんってシンクロ使いじゃ!?」
「融合召喚もできるというの!?」
「シンクロ召喚だけでは無く、融合召喚もだと!?」
「遊希……!」
遊希は不敵に笑い合い言う
「私のデッキが3つあるのは知っているはずだよ?遊矢、柚子。私は手札のE・HEROスパークマンと場のE・HEROクレイマンで、融合召喚をする!英雄、大地の気を得て地神と成らん!融合召喚!来て、E・HERO ガイア!」
そのモンスターは遊希の後ろの地面から姿を現す。黒鉄のように真っ黒な装甲に全身を包み、胴体の中央部や額や肩はオレンジ色の球体がはめ込まれていて、腕はがっしりしていて非常にデカいモンスターだ。
E・HERO ガイア Lv6 ATK2200
「で、デカイ!」
「これが遊希お姉ちゃんの融合のエース!?」
「驚くのはこれから。E・HEROガイアの召喚時効果!融合召喚に成功した時、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動する。ターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力を半分にし、このカードの攻撃力はその数値分アップする。私はEMウィップ・バイパー の攻撃を半分にする!」
EMウィップ・バイパー Lv4 ATK1700→ATK850
E・HEROガイアLv6 ATK2200→ATK3050
「攻撃力3050!?」
ゆっくりと遊希は手を挙げて振り下ろし攻撃宣言をして走り出す。
「E・HEROガイアでEMウィップ・バイパーに攻撃!コンチネンタルハンマー!」
E・HEROガイアは巨大な腕を振りかぶりEMウィップ・バイパーを叩き潰す。
「うわあああああ!」
榊遊矢LP3600→LP1400
「続けてE・HEROエアーマンでEMフレンドンキー に攻撃!」
「くっ!!!」
榊遊矢LP1400→LP1200
遊希は遠慮なく全力で攻撃をする。そして遊矢に話をする。
「遊矢は何を恐れているのさ。唯一無二だと思ったペンデュラム召喚が赤馬零児に使われたこと?それとも、これから先、自分以外のペンデュラム使いが増える事?それの何を恐れる必要があるのさ!」
遊希は手を広げて言う。
「君が生み出したペンデュラムなんでしょ!?君が切り開いた道なんだから、君が先陣を切らなくてどうするのさ!君のお父さん、榊遊勝さんだって、エンタメデュエルを切り開いたんでしょ?そうですよね?塾長!」
「ああ、そうだ!あの人はアクションデュエルにスリルとスピードを持ち込んだ。最初はその曲芸とも言えるデュエルスタイルは多くの批判を浴びたが、その批判は歓声に変わり、熱狂へと変化させ、本物のスターになったんだ!」
それを聞いて遊矢は目を見開き
「父さんが……」
そうつぶやく。遊希は続ける。
「君はこの世界で初めてペンデュラム召喚を成功させた。だけど、これから先、恐らくペンデュラム召喚を使うのは君だけじゃない。他の人も使う」
「他の人も……」
遊矢は拳を強く握る。遊希は声を上げて叫ぶ。
「けど、それがどうした!皆が使うのを恐れてどうする!止まってたら何も進まない!勇気を持って前に出ろ!!その勇気が!ペンデュラム召喚を生み出したんだから!その思いが道を切り拓くんだから!君は榊遊矢だ!ペンデュラムのその先は君が切り拓き歩くんだ!」
遊希はそう言い切り息を一息ついて。
「これで、私はターンエンド。この時、E・HEROガイアの攻撃力は元に戻る」
E・HEROガイアLv6 ATK3050→ATK2200
「さぁ、来なよ遊矢!今の持てる君の最高の力で!」
星風遊希LP4000
手札2枚
場:E・HEROガイア Lv6 ATK2200
E・HEROエアーマンLv4 ATK1800
榊 遊矢LP1200
手札3
場:無し
遊矢は首にかけているペンデュラムを握りしめる
「そうだよな……!怖がっていたら……何も出来ない、勝ちたいなら前に出ろ!俺のターン!ドロー!」
遊矢は気合いを入れてドローをする。
「来た!」
遊矢はドローしたカードを見てニヤリと笑い
「レディース&ジェントルメン!これからお見せしますは、華麗なる逆転劇でございます!私は手札からスケール1の星読みの魔術師とスケール8の時読みの魔術師でペンデュラムスケールをセッティング!」
遊矢の後ろに光の柱が二本立ち、それぞれのモンスターが浮かび上がる。そしてそのモンスターの下にはそれぞれのスケールの数字が描かれる。
「これで、レベル2~7までのモンスターが同時に召喚が可能!揺れろ魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!現れろ俺のモンスター達!」
ペンデュラムスケールの中心にゲートが開き、モンスターが場に現れる。
「まずは、新しい仲間!EMペンデュラム・マジシャン!そして!雄々しくも美しい二色の眼!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!」
EMペンデュラム・マジシャンLv4 ATK1500
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンLv7 ATK2500
「来た!遊矢お兄ちゃんのペンデュラム召喚!」
「痺れるぅ!」
「遊矢!」
「さぁ!ここからです!EMペンデュラム・マジシャンの召喚時効果発動!特殊召喚に成功した場合、自分フィールドのカードを2枚まで対象として発動できる。そのカードを破壊し、破壊した数だけデッキから『EMペンデュラム・マジシャン』以外の『EM』モンスターを手札に加えることができます!私はペンデュラムスケールの時読みの魔術師と星読みの魔術師を破壊します!」
「ペンデュラムを!?」
「破壊する!?」
その動きに皆が驚く。遊矢は得意げに笑い
「そして私がデッキから手札に加えるのはEMファイア・マフライオと2体目のEMフレンドンキー です!そして!EMフレンドンキー を召喚し、召喚時効果で手札からLv4以下のEM 1体を特殊召喚します!勿論召喚するのは、EMファイア・マフライオです!」
EMフレンドンキー Lv3 ATK1600
EMファイア・マフライオLv3 ATK800
「さぁ、これで演者が揃いました!皆さんご注目!我が一座のスーパースター!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンによる炎の曲芸をご覧頂きます!」
そう言うと遊矢はオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンに乗り走り出す。
「バトルだ!E・HEROエアーマンに攻撃!螺旋のストライクバースト!」
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンは口から炎をだしてE・HEROエアーマンを破壊する
「うっ!」
星風遊希LP4000→3300
「そしてこの時!EMファイア・マフライオのモンスター効果発動!ファイア・マフライオが攻撃表示の時相手モンスターを破壊したペンデュラムモンスターはバトルが終わるまで攻撃力を200アップし!二回目の攻撃ができる!」
「まずい!」
遊希はアクションカードを取るべく走り出す。そのタイミングでファイア・マフライオは自身の炎を燃え上がらせて火の輪を作り出す。
「オッドアイズ!あの火の輪中を超えて決着だ!」
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンLv7 ATK2500→ATK2700
火の輪を通るのと同時にオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンは加速し、遊希よりも早くアクションカードのところに辿り着き遊矢はアクションカードをゲットする。
「なっ!」
「これは私が頂いていきます!そしてそのまま発動!ハイダイブ!フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで1000アップできます対象はオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!」
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンLv7 ATK2700→ATK3700
「螺旋のストライクバースト!!!」
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの攻撃をE・HEROガイアは腕を交差させて防御する。
「この瞬間!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの効果発動!Lv5以上のモンスターバトルする時、戦闘ダメージを2倍にする!リアクションフォース!!!」
炎の威力が増した攻撃にガイアは耐えきれずに破壊される。
「きゃあああ!!!」
星風遊希LP3300→LP300
「そして、これにて、フィナーレ!EMペンデュラム・マジシャンでダイレクトアタック!」
ペンデュラム・マジシャンがトドメを指すべく遊希に近づき攻撃をする、直前。遊希は遊矢に笑いかけた。
「私の負けだよ……。よく頑張ったね、遊矢」
星風遊希LP300→LP0
WIN 榊 遊矢
デュエルは遊矢の勝利で幕を閉じた。
「ありがとう遊希。俺、遊希のおかげで前に進むことが出来た!」
「まだ、皮肉で返してくれた方が良かったよ……。ごめん。やる気を出させるためとは言え、遊矢のお父さんを悪く言って……」
「え?あー、良いよ。本心じゃないんだろ?だったら良いよ。それに、態々それを言わせたのも俺みたいなところあるしな」
遊矢は頬を掻きながら目を逸らして言う
「……立ち直ってくれて良かったよ。楽しかったよデュエル」
遊希は微笑んで遊矢に言う。遊矢はその笑顔を見て照れたのか顔を赤くしてそっぽを向き再度頬を描いてから、手を出して
「さぁ、皆の所に行こうぜ」
と誘う。遊希はその手を取り
「ありがと……。はぁ、疲れたから肩貸してくれる?」
「ったく……しょうがないなぁ」
遊矢が遊希に肩を貸して歩く。そして遊矢は再度小さく呟く
「ありがとうな。俺、ペンデュラムの先にたどり着いてみせるから」
それに対して遊希は少し笑い
「うん、頑張ってよ」
そう返すのだった。
3つ目の融合デッキはHEROデッキで行かせていただきます!