いつものその先の彼女たち   作:dublinbay

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こんにちは。
初投稿ですが、最近バンドリのストーリーにハマりまして、勝手に将来像を考えていたら、思わず作品として投稿したくなりました。

各キャラのお話を考えているわけではなく、思い付きで始めたので更新は遅いとは思います。

拙いものかもしれませんが、お読みいただけると幸いです。

ではどうぞ。


紗夜のギター

203X年1月1日某会場。

 

”カウントダウンライブパーティー”

 

「3,2,1…

あけましておめでとう!!」

 

その声と共に響く破裂音。

同時にステージから勢いよく放たれた多数の銀テープとひらひらと舞い降りる紙吹雪。

 

「わー、おめでとー!!」

 

普段ならもう寝なさいと怒られる時間でも起きていられること、非日常感のある会場とその場の雰囲気、なおかつ騒いでいても特に咎められないことなどが重なっているのだろう。

招かれた子供たち同士が興奮状態で騒ぎ出す。

 

これはそんな子供達とステージに立つ彼女たちの日常の物語。

 

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世間からお正月気分が抜け仕事や学校といった日常が戻りだした日、

朝食の準備を進めていると、テレビの朝の情報番組から年末年始の振り返りといった企画の趣旨が聞こえてきた。

『恒例のカウントダウンライブパーティー今年も開催!

 彼女たちの今年の活躍も見逃せません…』

 

テレビではきっとあの時の映像が流れているのだろう。

「あ、ママ達だ」

それに気付いたのか、日課となっている朝食前30分間の勉強を行っている子供たちが声を上げる。

「そもそも勉強中にテレビをつけていることが褒められたことではありません」

子供たちではなく、その勉強を見守っているはずの夫に向かって苦言を呈す。

教えることがなく手持無沙汰なんだよねって言い訳に呆れつつ、でもさと返される。

「この日も本当に素敵なステージだったよ、紗夜」

褒められることに慣れていない私は未だに夫からのそれであっても照れが出る。

出会ってから随分と時は経ち、ふたりの関係性も変化しているが彼からの不意の一言は変わらずに私を虜にさせるのだ。

 

 

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彼に出会ったのは初めて自分がエンドース契約を結べることとなり、その打合せをする為の訪問先でだった。

“Roseliaの氷川紗夜モデル”

“Pastel*Palettesの氷川日菜モデル”

双子のようなギターを提案したいというのが先方側の要求。

同席していた双子の妹である日菜はそれを聞くや、るんってきた!!って乗り気になったけど、

わたしは少し考えて思ったことを口にした。

「ご提案内容自体は面白いとは思いましたが、日菜と私は双子とはいえ似ていないといいますか、よく周りからも全く違うというようなことを言われますので、その…私たちで良いのでしょうかと…」

わたしが懸念していることを上手く伝えられた訳ではないのだが、

初対面の彼は、あぁと納得したようにひとりごちると説明してくれた。

 

「コンセプトは違うタイプでありながら同系統のギターであると思って頂ければ思います。

他社のものになりますが、ストラトキャスターとテレキャスターのような…

私共としましては形、色合いやサイズと言ったところで似たものをというわけではなく、

失礼ながら氷川さん達のことで例えさせて頂くと、日菜さんはどちらというと直感型。紗夜さんは理論型と思っておりますが、そのどちらも才能に溢れたお二人であると私は認識しております」

 

「日菜はともかく、私はそのような才能は…」

私の言葉を彼が遮り「いえ、才能です」と言い切った。

 

「これは私の想像も含まれており、なおかつ些か失礼な表現となるかもしれませんが、私から見ると良い演奏の定義をお二人に当てはめると全く別物…

日菜さんの才能は閃きと言うのでしょうか、その独特な感受性から閃きと共に奏でられる旋律と音色。

紗夜さんの場合は積み重ねられた研鑽による技術とその技術を支える確かな音楽的理論による一音ずつの構成…例えるならジャズとクラシック音楽のような違いと私は捉えております。

どちらも音楽的にはすばらしく、良いかどうかは聴き手の好み次第」

そこで一旦喉を潤すと、彼は続ける。

「私どもが考えた今回のコンセプトはまさにそれです。使用する材質はほぼ同じでありながら、それぞれの個性を際立たせ、弾き手の理想とする音をどちらかが必ず奏でるようなギター。氷川さん姉妹それぞれの個性ある才能と共にそれを生み出したいというのが今回のお話の趣旨となります」

 

「ねぇ、それってあたしがお姉ちゃんのギターを使っても良いの?」

彼が言い終わるとすぐに日菜が質問する。

「勿論、日菜さんが紗夜さんモデルを。紗夜さんが日菜さんモデルを弾いて頂くことで新しい音を生み出して頂くことも願っております」

それはるるるっんだ!と日菜の声色がひと際明るいものへと変わる。

 

「趣旨は理解できました。そういうことであれば私からも特に異論はありません。どうぞ私からもよろしくお願い致します」

わたしの一言で打合せは終了となり、場の雰囲気が安堵のものへと変わったのを肌で感じた。

 

退室後、日菜と自販機で飲み物を購入し一息ついていると先ほどの彼が私たちの所にやって来た。

お疲れ様でしたと社交辞令の挨拶を交わしつつ、そういえばと彼が声を出す。

 

「先ほどは無遠慮で失礼致しました。出来れば近い内にお詫びと言ってはなんですが、お食事でもいかがですか」

「ありがとうございます。ですが、お詫びされるような失礼を私はされたとは思っておりませんので、お気持ちだけ受け取っておきます」

「あ、すいません。そう返されるか…」

彼は頭に手をやると、しばし逡巡した後言葉を続けた。

「単刀直入に言いますと、僕はもっと氷川紗夜さんとお近づきになりたい。貴女の音が、そして貴女自身が僕は好きです。その為にこの機会を活かしたい」

 

彼の真っ直ぐな言葉は、私自身が未だに好きだと誇れない音をそして自分自身を肯定し、その瞬間私も彼のことを知りたいと感じたのだ。

そう、私は初めて異性を意識した。

 

それが彼…夫との出会い。




お読み下さった方ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。
煮え切らないような内容になったかもしれませんが、
まずは氷川紗夜の未来の状況と馴れ初めのきっかけを書いてみた感じです。

氷川紗夜は、日菜と違って天才肌じゃないような設定に思えますが、
作者からすると才能の質の違いというのが最初から抱いている印象です。

経験、知識、練習の量をきちんと還元できるのは才能以外のなにものでもないと思います。
日菜が前衛、紗夜は後衛。それぞれの役割がしっかりと出来ている関係性だと思います。


未来の家族像は少し曖昧にしていますが、
他のキャラクターの回などで少しづつ肉付けしていくことも考えておりますので、
その辺りも楽しみにして頂ければなとは思いつつ、
今回はこの辺で失礼いたします。
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