「——————こうして、見知らぬ神が、私の兄、空を連れ去った。
そして、私も神に封印され、本来の力を失うことになる。
数多の世界を乗り越えてきた私たちは、ここで囚われの身となった……」
「へぇ〜オマエにはそんな過去があったんだな」
「そう。それから私はただ生きるだけだった。今日、あなたに会うまでは……」
そう言って目の前に広がる広大な海を眺める。
その表面は彼女の内心とは裏腹に、のどかにゆっくり、波打っている。
「そうなのか……でも今からどうするんだ?」
「パイモンが私を案内してくれるそうだし、ここから抜け出して
お兄ちゃんの手がかりを探しにいくかな」
「おう! オイラに任せてくれ!」
「じゃあ行こうか」
重い腰を上げて固まった体をほぐす。決して加齢などではない。
「こっちだぞ!」
少し先にパイモンが浮かんで手を振っている。
少し急いでついて行く。パイモンはこっちのペースを把握して
ところどころで止まってくれるからありがたい。
今までは考えもつかなかった道無き道を進んで行くと、
少し土の表面が見える道の様なものと、手を振るパイモン、
そして何よりも、チェスのルークにも似た赤く発光するオブジェがあった。
「はぁ……はぁ…… パイモン、これって何?」
「それか? ワープポイントだぞ」
「わーぷぽいんと?」
「試しに触れてみろよ!」
恐る恐る「わーぷぽいんと」なるものに触れると、それは青く発光しだし、
50cmほど上空に浮き、その状態で止まった。
「それがワープポイントを解放したってことだぞ!
“ここに行きたい”ってワープポインとのことを想像すれば、
そこにワープできるんだぞ!」
「へぇ〜」
そう言いつつ少し離れてみる。
そして目の前のワープポイントを想像する。
“ここに行きたいっ! ”
すると、自分の体が少し中に浮いた感じがしたと思ったら、
また足の地面の感覚が戻ってきた。
恐る恐る目を開けると、そこはさっきいたところではなく、
想像した通りのワープポイントのの真ん前に移動していた。
「なにこれすごい」
「そうだろ!」
そうやって少し遊んだ後、見つけた道を進んでゆく。
「あ」
少し先に、少し小さい湖と、その中央に位置する小さい赤い塔があった。
目の前は崖になっているので、横にある緩やかな下り道からゆっくりと
降りていく……とでも思ったか!
勢いをつけてジャンプし、そのまま湖に飛びこむ!
「あぇ!?」
驚くパイモンを横目に泳いで中央の七天神像のある島まで泳いでいく。
距離にして10mくらいで、すぐ辿り着くことができた。
「おい! ヒヤヒヤしたじゃないか!」
怒るパイモンを尻目に、私は目の前の、赤く光る七天神像にワープポイントと
同じ様に触れてみる。
「うっ」
「大丈夫か!?」
手の先、七天神像に触れたところから元素力が流れてくる。
新しい感覚に少し気持ち悪くなった。
しかしそれも少ししたら落ち着いて、自分の体の中に
不思議なエネルギーがある感じだけが残った。
「ぶわーって感じがする」
「どんな例えだよ!」
パイモン、ナイスツッコミ(微笑み)
「というか、それってオマエが元素力を使える様になったってことじゃないのか」
パイモンが言うには、自分の体の中にある元素力を外に放出することによって、
自分の持つ元素属性の攻撃が打てるようになるらしい。
試しに自分の手のひらの上に渦巻きができるように、
体の中から手のひらへ、そして手のひらから空中へスピンを描くように、
流れを意識して見れば、元素がイメージ通りに流れていく感覚とともに
手のうえに小さな渦巻きができた
「風の元素力が使える様になったみたい」
「そうっぽいな! んでこの七天神像っていうのは、ワープポイントみたいに
ワープできるだけじゃなくて、近くに寄ったら回復もできるんだ!」
確かに歩いてきた疲れは今何故かない。
「ほんとだね。疲れが吹き飛んでる。じゃあ今日はもうちょっと行けそうだね」
「おう! ここからもう直ぐしたら自由の国モンドの中心、モンド城につけるぞ!」
そう言って今度は割と整備されている森の道を進む。
整備のレベルが上がっていて、モンド城が近くにあることがわかる。
「何ッ!?」
そうやって歩いていくと、大きな龍が頭上を通り過ぎた。
「うう……怖かったぞ」
「パイモンはあれ知らないの?」
「知らないぞ」
「テイワット一のガイドなのに?」
「知らないこともあるんだぞ!」
そうやって道を進む。横目に城のようなものが見えてきて、
少しペースを上げていたその途中で、
「ほら、ボクは帰ってきたよ」
ー私たちは先ほど頭上を通って行った龍と話している、
緑の服を着た少年を見つけた。
評価、コメント宜しくお願いします