破滅した悪役令嬢がいたので殺人マシーンにしてみた件   作:らくべえ09

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実は五馬やノマが登場する魔法少女もの? とか書いてみたいかも
当然キャパ的にそこまで手は回らないのですが





その108・5、番外・黒蠍精-3 さておそろしき……

 

 

 

 

 

 

 

 Bという人物について。

 およそ、健全とか爽やかという言葉からはかけ離れている。

 

 少なくとも――

 異性から見て、魅力的とはまず言えない。

 

 あるいは。

 本人はそういう努力など全て放棄しているようだ。

 

 さらに。

 似たような趣味嗜好の集まる、【オタク系サークル】。

 そこでも排除されるような言動。

 

 

 こんな男なのだが……。

 

 

 それなりに評判の、イタリアンレストランである。

 

「さて……」

 

 空になったワイングラスを置いて、女はつぶやく。

 

 長い、癖のないつややかな黒髪。

 きつそうな雰囲気だが、誰も否定できないような美貌。

 その、肉感的な肢体(からだ)が服の上からでも見て取れる。

 半面。

 きつそうな性格がにじみ出ている。

 

 相対するBは、いつもとは違うこざっぱりしたジャケット姿。

 

「じゃあ、そろそろ行きましょうか?」

 

 女が言った。

 いや。

 命令したとするべき?

 

 

 Bは、レジで会計をすませていた。

 女の姿は見えない。

 【化粧室】に行ったらしい。

 

「――はい。それでは、**円のお返しに……」

 

 と。

 レジの店員が言いかけた時、

 

「おつりはけっこう」

 

 いきなり、女が言った。

 

 店員は一瞬ビクリとする。

 まるで瞬間移動でもしたかのように。

 気がつけば、Bの後ろに立っていた。

 

 会計後。

 女は先に立って歩き出し、Bはその後を犬のようについていく。

 

 ――ああ。お財布役ね……。あんな美女(ひと)と食事できるんだから、安いもんか。

 

 見送りながら、店員はそう納得していた。

 

 

 が。

 

 

 店を出た少し後で、

 

「あの、これ……」

 

 Bは革財布を女に渡そうとした。

 

 実は先ほど、

 

「じゃあ、支払いをすませておいて」

 

 女がBに渡したもの。

 カード類や身分証明書などはない。

 ただ。

 高額紙幣が、およそ十数枚は入っていた。

 

「いらない」

 

「え。いや、でも」

 

「とっておきなさい」

 

「……だけど」

 

「こういう時は――」

 

 女はぐいっと、Bに顔を近づけた。

 

 奇妙な……。

 独特のものがある、体臭と息がBの顔に迫る。

 

「相手に恥をかかせないものよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ******

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうやら。

 部屋の主は留守らしかった。

 

「ふうん……」

 

 カーシャは部屋の中を見まわし、ため息。

 感心したような、呆れたような――

 または、その両方をこめて。

 

「意外にこぎれいな……いや、整理されているというのかしらね」

 

 Bなる人物。

 

 あのいかにも小汚い……。

 オシャレや美容とは無縁の、無精ひげの風貌。

 

 それとは対照的に?

 部屋はきちりとした印象だった。

 

「というか。自分の好きなこと、興味のあること以外は無頓着というんでしょうね。そう考えれば、まあ普通?」

 

「ちょっと、わかる気もします」

 

 横に立つバッキーは妙な気分でうなずいた。

 

 両者ともに、その姿は半透明。

 他の人間には、肉体も見えず、声も聞こえない。

 幽霊みたいな状態である。

 

「で……」

 

 カーシャは無遠慮に部屋を探し回っていく。

 

「実体はないのに、物に触れる。干渉できる。便利なものねえ」

 

 やがて、見つけたもの。

 それにカーシャは高笑いする。

 

「あははは。なるほど、なるほど? ある種の人間は激怒しそうだわ」

 

 いや?

 期待通りと喜んで、小躍りするかしらねえ?

 

 たっぷりと出てきた成年コミック―ー

 つまりエロ漫画。

 そのジャンルは、全てロリもの(・・・・)

 

「うわあ……。 ん? よ、喜ぶ?」

 

「自分の偏見や悪意、それが正当なものだと確信できるから。ケシカラヌと言いながら、腹の底、あるいは自覚はなくてもね」

 

「そんなものですか……?」

 

「ま。そうはいっても、〝同じ穴の(むじな)〟というパターンもあるけれど」

 

「はあ」

 

「子供の保護。女性の権利。それが大事だと大声で言って回る男が――その裏で子供を……ええと、そうそう。性的虐待、というんだっけ。そんなのをやってたり」

 

 陰では、女をレイプしてたりね。

 

 カーシャは、おかしそうに笑った。

 

「それは」

 

「よくある話でしょ」

 

「確かにそうだけど……」

 

「かと言って。現実の子供はこれほど可愛くもないし、魅力的でもないけれどね」

 

 カーシャは、成年コミック(エロ本)を1冊取り上げて、

 

「だから。ほとんどのヤツはそれはそれ、これはこれで分けてるでしょうけど」

 

「そんなもんですか?」

 

「でなきゃ、あちらこちらでその手の事件が起きてるわよ。それに、生きた人間なんて基本臭いし汚いからね。男女の区別なく。自分じゃわかりにくいだけで」

 

「……はあ」

 

「あんただって、これと似たような本は持ってるでしょ? けっこう数を」

 

「いや、あれは」

 

「ああ。あっちは男の子ものだったかしら」

 

「うぐっ……」

 

「ともあれ。こいつの場合は、放置しておくと犯罪を起こしちゃうから。その点では」

 

 石の中で眠ってるバケモノに――

 起きて、動き出してもらったほうが良いのだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Bはベッドの上で、汗だくとなっていた。

 

 ついさっき。

 横の美女(おんな)にさんざん油を吸い取られた直後。

 

 ――うう……。ま、まるでダメだ。

 

 Bは心の中でうめいた。

 いや。

 うめきそのものは、口から漏れている。

 

 重量感がたっぷりとした、かと肥満ではない。

 そんな女の肉体に翻弄され、好き勝手にされて、

 

 ――ど、どうなってるんだ?

 

 B自身も、まるで制限なくいきり立ってしまう。

 男には、どうにもならない肉体的〝限界〟があるはずなのだが。

 その常識が通じない。

 

 自分の血や肉、骨、内臓。

 この全てが、それ(・・)となって放出されていくような。

 

 少なくとも。

 不必要についたダラシナイ脂肪は、そうなっているようだった。

 

 この女――

 都賀氏(つがし)務津(むつ)と名乗った女。

 

 何が気に入ったのか。

 Bはずっとこの女にしゃぶられ続けている。

 

 女の肉体とはこういうものか。

 

 いや。

 おそらくは違う、とBは考えている。

 この女が異常なのだと、確信していた。

 務津以外の女は知らないのだが。

 

 正直なところ。

 絶世とも言える美女だが、務津はBの趣味嗜好とはまるで違う。

 

 高い背丈。

 大きく魅惑的なバスト。ヒップ。

 そして、攻撃的な内面を隠さない鋭い眼。

 

 むしろ真逆とさえ言えた。

 

 だが。

 性欲を持て余し、夜な夜な……。

 下手をすると、日夜クダラナイ妄想にふける若い男。

 肉の欲望には逆らえるわけもなく。

 

「私はね」

 

 務津がBの顔をのぞきこんできた。

 

「お前の臭いが、血が、肉が、骨が、体のひとかけらまで、愛しくって愛しくってたまらないの」

 

 紅い舌。

 それが額の汗をなめとった。

 

「逃げたら許さないからね」

 

 ねっとりとした務津の視線に、Bは戦慄する。

 

「殺す、なんてありきたりで野暮なことは言わない」

 

「うう……」

 

「たとえ地獄に堕ちようと」

 

 うめくBに対して務津は、(うた)うように、

 

「ふふ? よくある? 【異世界転生】? そうなったとしても、どこまでもどこまでも、どこまでも追いかけて、必ず捕まえるからね」

 

 その言葉は――

 脅しでも冗談でもなく、心からの本音で確信だとわかった。

 

 

 

 

 

 

 

 




5億年とは言わないけど
一か月ボタンとかないものかなあと無双するたびたび

当然年だけ取らないで
書きためたものは全部持ち帰れるという都合のよいボタンが
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