破滅した悪役令嬢がいたので殺人マシーンにしてみた件   作:らくべえ09

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その110、オグ事件-8 それは話していいことなのか?

 

 

 

 

 

 

 

「まあ、大別しますと――」

 

 と。

 チーム―リーダーは、魔導ボードを指して語る。

 いわゆる、映像装置。

 パソコンのモニターみたいなもの。

 

「40人のうち、戦闘型と非戦闘型の2種類となります。戦闘型は大よそ、能力だけを見るならすぐに実戦でも戦えますが……」

 

<やっぱり精神面まで、カスタマイズはされてないわけですねえ?>

 

「はい」

 

「非戦闘型も、自分の能力を完全に理解してるとは言いがたい状況です」

 

「また、スキル使用における魔力の消費量。これがかなり大きいですな。負担や消耗も」

 

「このへんは、経験や訓練を積めばいずれは改善されると予測されます」

 

 チームリーダーを補足するように、魔導士たちが意見を述べていく。

 

「ただ中には……例をあげますと、このモンスターを呼び寄せるスキルですが、どの程度制御が可能なのか、未知の要素が大きいです。検証にもかなりの危険性が――」

 

<そのへんは、ミズ・カーシャの協力を得られればなんとかなりません?>

 

「かなり長期的なものになると思いますし……あのヒトがそこまで付き合ってくれるか、どうか」

 

「あまり期待はできないかと」

 

<ん~~。月いちくらいなら、いけるかもしれないですねえ?>

 

「そこは何とも……」

 

<ふむふむ。で、転移者たちの仮住居は、指示通りにやってくれましたか?>

 

「はい。とりあえず、8つに分割して対応しております。お互いにトラブルを起こしにくい組み合わせで」

 

<けっこう、けっこう。この調子で頼みますよ?>

 

 画面の中で――

 ユオン・キナは満足そうにうなずいていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガション、ガション……

 

 広い庭の中を、岩の巨人が歩いている。

 いわゆる、ゴーレムと呼ばれるもの。

 

「すぐにこのレベルを生成して操作できるのは、非常にすごいことですが」

 

「ちと、古臭いというか効率性も良くないでね?」

 

「現在だと、使い捨て型に近いかも」

 

「そのほうが生成は簡単なんですがね」

 

「どうやら、構造の不備を魔力で補っているわけですな」

 

「一時的なものではなく、完成型とするには……。

 

 ――なんだ、この状況……。

 

 少年は、微妙な気分となっている。

 学者に観察されている動物のような気分。

 

 ゴーレムクリエイト。

 これが、与えられたスキルなのだが?

 

 スキルの検証や調査、それが始まってから、

 

 ――何というか……。自動車教習ってこんな感じ?

 

「ヒト型じゃなくって、4つ足のもっと安定した形状にできませんか? え、無理?」

 

「やはりまだ慣れてないというか、()()()()()()()感じですねえ……」

 

「他の魔法を学んでいけば、改善も早まるでしょうな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、あなたはいわゆるドワーフ、さん?」

 

「そうです。見た目でわかりませんか? ドワーフ系はけっこう特徴的なはずなんですが」

 

「いえ、見たのは初めてというか……」

 

「あ、そうか。あなたの世界では、人間以外の知性種族はいないんでしたか」

 

「そうっすね。他にも、モンスターってのも……空想の中にしかいない、と思います」

 

「思う?」

 

「人間が、世の中の全部をわかってるわけでもないんで」

 

「そういう思考は賢明ですね」

 

「でも、アラクネとかラミアとか、ハーピー? そういう種族もいるんでしたっけ。街とかにはたくさんいたり?」

 

「研究所職員にもけっこういますが。聞き取り調査をしてる中にもいますよ」

 

「え? いや、だって」

 

「ん? ああー、普段はヒト型に近い形態になっておるんです。服の上からだとちょっとわからんでしょうね」

 

「へえ……」

 

「他の種族と暮らす場合、不便ですからね」

 

「そういうもんですか」

 

「ええと、それで。あなたがたは、いわゆるブッキョウ? を信仰してるわけではないんですかな?」

 

「無宗教というか、神道もあるのかなあ。神社参りも普通にするし……」

 

「しんとう……。おお。つまり、太陽の女神を中心とした多神教ですな」

 

「え? よくわかりますね」

 

「まあ、隠してもいずれわかるでしょうが、あなたがたの前にも日本からの転移者は何人もおりましてね」

 

「ええっ」

 

「北西のあたりでしたか、わりとたくさんの転移者が来たという記録があります。他の転移者から得た情報によると、天明……西暦でいうと1700年代の後半あたりですか。あなたがたより、だいぶ過去ですな」

 

「そ、そんなことが!??」

 

「発見が遅れてモンスターにやられた者もかなりいたようですが、何だか喜んでたそうです」

 

「喜んで……?」

 

「食い物がたくさんあるとか、なんとか……。確かに、食用できるモンスターを狩って生活してたらしい」

 

「そういうのがいるとは、聞いたけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あるメモ帳より抜粋

 

 

 〇食用に用いられることの多い、主なモンスター

 

 ・アルミラージ

 一本角のウサギ。雑食性。木の根から木の実、雑草。肉類まで食べる。

 弱っていれば同族やほかのモンスターでも襲う。

 積極的な駆除が推奨されている。

 群れで行動することが多く、その場合安易な接近は危険。

 

 ・ジャッカロープ

 鹿の角を持つ大型ウサギ。サイズは中型犬ほど。

 肉類以外はアルミラージと同じ食性。

 個体で行動することが多いが、まれに2~3匹でいることもある。

 オウムのように言葉をおぼえる。

 

 ・ビートルボア

 甲虫の羽や甲殻を持つ小型のイノシシ。

 その羽で短距離、低空ながら飛行できる。

 他のイノシシ種より複雑な動きをする点に注意。

 

 ・バロメッツ

 体にさまざまな植物をはやした羊。

 その植物は体毛と共に様々な需要あり。

 頭部、および角は非常に硬い。

 

 ……

 

 ……

 

 ……

 

  ※いずれも攻撃力や耐久力は低く、駆除は比較的容易である。

   ただし、モンスターであるために基本的に攻撃的であることを留意すべし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――それで? あの()はずーっとアニメを見てるわけ?」

 

「ボロンちゃん、すっかり気に入っちゃって。色々あって面白いって……。気持ちはよくわかるんですけど」

 

「まあ、いいけど。しかし、向こうにもアニメはあるのね」

 

「こっちで知った時は驚きましたよ。映画だけみたいだけど……」

 

「けどよお? アレって聞いた話だといちいち絵に描いたもん動かしてんだろ? すげえ手間だな」

 

「技術はすごいけど、職人はだいぶ過労死してるんじゃないの?」

 

「いえ、それは……どうなのかなあ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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