破滅した悪役令嬢がいたので殺人マシーンにしてみた件   作:らくべえ09

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200回をこえて
登場人物たちを作った時について思い返してみると――


・モデルやイメージもととなったキャラ

カーシャ:いる。
マコネ:いる。外見の一部と、とふわっとした特徴などをいくらか参考。
バッキー:いる。

ライワ:いる。外見とふわっとした特徴を参考。
ミゾイ:いる。外見の一部。性質などはだいぶ異なる。

みんな元ネタ? があるのに気づきました(;^ω^)





その111、ウズコッケの保養地-1 「ある種の捕獲依頼ですかね」

 

 

 

 

 

 

「う~~む……」

 

 バッキーは、その光景を見て妙な気分になっていた。

 

 巨大な建築物

 ……の中に造られた大型のプール。

 

 水着の男女が泳いだり、遊んだり。

 あるいはデッキチェアに座って優雅にくつろぐ者。

 

 その中で。

 バッキー自身も水着になってプールの中にいる。

 

 

 わけではない。

 

 

 いつもとほぼ変わらぬ冒険用の衣服、装備。

 目立たない位置に設置された監視所で座っている。

 つまり監視員なのだが。

 

「なんか、今までで、一番つらいクエストみたいな気がしますね……」

 

「そりゃ気のせいだろ」

 

 横に座るマコネはのんきそうに言った。

 

「ダルいところはあるけどさ? こんなんでそれなりの報酬もらえるんなら安いもんだ」

 

 ま。

 姐さんところに来たんだから、安いわきゃあねーだろうけど。

 

 言いながら、透明なボトルから麦茶をコップに注ぐ。

 

「あいだに、お茶まで飲めるし休み時間もあるし。すげえ楽だね」

 

「ま、言われてみれば」

 

 バッキーはちょっと反省して同意。

 

「ダンジョンで血まみれになって、モンスターと戦うよりずっとマシですか」

 

「そうそう」

 

「しかし……。こんなのがあるなんて、ぜんぜん知らなかったし。考えたこともなかったですよ」

 

 バッキーはやはり、変な気分。

 

 ――日本にあるレジャープールと、遜色ないじゃん……。

 

「リーダーは、退屈じゃないんですかね?」

 

「客のふりして、監視をするんだからな。アレはアレでめんどーくせーだろうなあ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マコネとバッキーが話しているとおり……。

 

 カーシャはデッキチェアで横になっていた。

 そばに小さな丸テーブル。

 その上には、透明なボトルとグラス。

 冷えたボトルの中身は、水で割った薬膳酒(コーディアル)

 

 着ているのは、美しく洗練された水着。

 髪の色は、金色に変えていた。

 

 どう見ても?

 上流階級の令嬢がバカンスに来ているとしか思えない。

 

 しかし。

 

 カーシャは、何気ない態度のまま周辺の動きや変化を監視していた。

 

 ――妙な仕事(クエスト)だこと。

 

 そう思うものの、

 

 ――罠とか、そういうのではなさそうねえ。

 

 カーシャの引き締まった肉体。

 そして、美貌。

 異性・同性関係なく人目を引いた。

 

 が。

 近づく者はいない。

 

 明らかに、上位の貴族階級と思われる女。

 迂闊(うかつ)な接触をすれば、どんな目にあうかわかったものではない。

 

 それに。

 

 ――当たり前だけど、こういうのが周りにいてはねえ?

 

 カーシャの周辺には……。

 数人の従者が控えている。

 

 全員若い女ではあるが?

 中には、大柄で明らかな暴力装置みたいな女も。

 

 貴族の娘。

 それが、こういう場所にひとりでいるわけないのだから、

 

 ――まあ、普通といえば普通なのだけど。しかし、こいつ()()()()()()のかしらね?

 

 カーシャは、大柄な女を見てそんなことを思う。

 

 お付きたちは、単なるメイドの(たぐい)ではない。

 全員が、(レア)クラスの冒険者だった。

 

 特に?

 大柄な女は、アマゾネスの重戦士。

 

 つまり。

 カーシャと同じく、変装した監視員なわけで。

 

 

 

 

 

 …………。

 

 

 

 

 

「――まあ、簡単に言ってしまえば。ある種の捕獲依頼ですかね」

 

 と。

 エルフの……外見上は……美少女。

 ユオン・キナは言った。

 

「なにそれ」

 

「実質は、この前やっておられたのと同じですね。すなわち、ミスがあった場合の備えと申しましょうか」

 

「ふうん……。で、なにをどうしろと」

 

「ウズコッケの娯楽施設で、変装監視員を」

 

「そこは、確か」

 

「はい。セーヅと並ぶ温泉街ですね。ただ、セーヅとは違って? さほど伝統も歴史もない新しい街ですから」

 

 色々と新機軸の娯楽も多いわけでして。

 

 エルフはそのように語り、笑った。

 

「でも? 最初に言ったわね、個別――名指しの依頼だと」

 

「ええ。で、その依頼主ですが」

 

 

 

 

 

 …………。

 

 

 

 

 ――トーザ侯爵か。

 

 カーシャはチラリと視線を上に上げた。

 

 離れた場所で……。

 水着に薄物を羽織った貴婦人がくつろいでいる。

 

 ――で……。アレがその奥方と。

 

 ジャコー・バーツ・トーザ。

 

 黒髪黒目。

 美しく成熟した、泣きぼくろが魅惑的な美女。

 所作も優雅で、いかにも――という雰囲気。

 

 そばにいる侍女たちも、それぞれタイプは異なるけれど、

 

 ――みんな、見栄えの良いのをそろえているわね。

 

 いずれも、それらしく控えめ、地味目。

 しかし。

 よく見れば、あるいはひと目で美女・美少女だとわかる。

 

 ――お付きの女なんてものは、確かに相応の見栄えが要求されるけど……。

 

 あまり、きれいどころは選ばれないもの。

 特に。

 仕えるのが婦人であれば、

 

 ――主人より目立つようなのは、最初から弾かれるのよね。

 

 ジャコーがしっとりとした美女であるため……。

 侍女たちよりは、1も2も上を行っている。

 

 が。

 その侍女たちも、決して引き立て役という感じではない。

 

 ――トーザ侯がああいうのばかり選んで雇っているのか……。

 

 カーシャは肥満体形の巨漢を思い出す。

 

 美男子とはほど遠い容姿ながら――

 宮廷内では強い発言力、影響力を持つ人物。

 

 そして。

 ユオン・キナの上司にあたる男。

 

 ――そんな()()()が、どういう意図でこんなのを依頼しに来たのか……。

 

 ちょっとした好奇心。 

 そんなものを抱きながら、カーシャはジャコーを見ていたが、

 

「?」

 

 ふと。

 

 侍女のひとりと話していたジャコーは、その手を侍女の頭に伸ばした。

 そして。

 髪の毛を優美な手つきで触れる。

 白い指の間に、侍女の髪の毛が……。

 

 ――妙な女ね。

 

 貴族時代から、トーザ侯爵も、ジャコーも顔は知っていた。

 何度か、社交界で顔を合わせたこともある。

 

 その時は気づかなかったが?

 

 ジャコーの目つきは、どこかおかしなものがあったかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






トクベー:ふわっとした、偏見の多いなろう系主人公のイメージ。
ボッツ:ふわっとした、適当な追放系主人公のイメージ。
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