破滅した悪役令嬢がいたので殺人マシーンにしてみた件   作:らくべえ09

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今回のややオマケ的なものです

※前回同様かなりひと選ぶ内容なのでご注意を……!


その111、ウズコッケの保養地-9 「おじさんはねえ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あのオッサン、やっぱそんなンだったのかよ」

 

「そのようね」

 

 マコネはカーシャからことのあらましを聞いて……。

 いわゆる、〝ドン引き〟となっていた。

 

 ――うっわ……。マジで種オジだったのかあ……。スゴイ話。

 

 バッキーのほうも、似たような感じである。

 

「だけど、そのオッサン? とっつかまった後どうなったのかね?」

 

「さあ。ギルドナイトがこっそりと連行していったけど」

 

 カーシャはお茶をいれながら、

 

「どっちにしろ、明るい未来はない」

 

「だよなあ……」

 

 マコネはうなずいた後、

 

「そーいやさ? 侯爵様もそうらしいけど、ウズコッケの支部長さん? けっこうなデブだったなあ」

 

「ああ。そういえば、そうだったかしら。どうでもいいことだから、意識してなかったわ」

 

 ――ウズコッケの支部長かぁ……。

 

 バッキーは、ウズコッケに赴いた直後を思い出す。

 手続きをするためにギルドへ行ったのだが?

 

 そこで会った支部長というのは、

 

 ――まあ、ヤクザみたいなおじさんだったなあ……。だいたい冒険者がヤクザみたいなもんではあるけど……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 広めの部屋だった。

 大きなベッド。金のかかった内装。

 

 その床に、数人の男が座っていた。

 いや。

 座らされていた。

 

 いずれも、若い。 

 見た目や所作からして……。

 全員軽薄そうな、遊んでいるというのがわかる。

 

 若者たちは腕を拘束され、一列に並んでいた。

 

 それを見ながら、男はベッドに腰をかけている。

 

 小太りの……だが、手足は太かった。

 突き出た丸い腹は、外見ではわからないが鉄のように硬い。

 黒い髪の下に、怖いものを含んだ眼がギラギラとしている。

 

 さらには。

 全裸。

 股間からぶら下がったどす黒いものを、隠そうともしない。

 

 いや?

 

 ()()()()()()()()()()

 

「すいません! すいませんッ!! 俺たちが悪かったです、すいません!!」

 

「カンベンしてください……カンベンしてください……!!」

 

 男たちは必死になって謝り続けていた。

 幼児のごとく泣き、鼻水をたらしている。

 

「困るんだよなあ」

 

 男は立ち上がると、いきなり、

 

 ゴッ

 

 若者の一人を蹴った。

 顔面を容赦なく。

 

 歯と血が飛び散って、男は転がった。

 

「ダメだろ? 今さらそんなこと言ってちゃ……」

 

 転がった若者を踏みつけながら、男は首を振った。

 

「君たちさあ、なーんでわざわざ他人の(もの)に手を出そうするかなあ」

 

 ゴリ、ゴリュ……

 

 一人を踏みつけたまま、男は他の若者を見る。

 

「女欲しかったらさ? サキュバス街いきなよ。()い女より取り見取りで、余計な手間もかからないじゃん」

 

 その声に、若者たちはより声を大きくして、

 

「すみません、すみません!!」

 

「二度としません、カンベン、カンベンして……!」

 

 しかし。

 男はまた首を振って、

 

「無理でしょ。君たち学習能力低そうだもん。ひとのオモチャ盗んで喜んでるお子様じゃん」

 

 別の一人を、蹴りつけた。

 こちらは腹。

 

「おじさんはねえ? 後始末やら何やらであちこち行ったり頭下げたりしたのよ。君たちのせいで」

 

 ゴッゴッ……

 ベチィ

 メキ

 

 殴る。蹴る。

 淡々と振るわれる暴力は、床に血を飛び散らしていった。

 

 

 やがて。

 

 

「すいません……。もう、もう逆らいません、ぜったい逆らいません……。言うこと聞きますから、カンベンしてください…………」

 

 痣だらけ、血まみれとなった若者たちは力のない声で言った。

 

「まったく……。初めから素直になってくれたら、おじさんもボーリョク振るわずにすんだんだよ? じゃ、お尻上げて?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ。色事師(ドンファン)きどっているくせに、情けないヤツ」

 

「言ってやるなよ。支部長に詰められたら、あんなガキ(くそ)もらさないだけ上等ってもんさ」

 

「明日からは、オムツがご入用になるかもしれないわねえ?」

 

「あははは! 大根みたいのでケツ可愛がられちゃ無理もないか」

 

 

 

 しばらくして。

 部屋から出てきた男は、ソファーにどかりと腰をおろした。

 一応、ガウンを着ている。

 

「支部長、お疲れ様です」

 

「バッカヤロ。おかしな言いかたするな。なんだよ、お疲れ様ですって」

 

 男は笑って、片手を出す。

 

「それで――あいつら、どうされますか?」

 

 水割りの入ったグラスを手渡して、部下はたずねる。

 

「もう用はない。どっかに渡しとけ」

 

 まったく……。

 いちいち、困るんだよなあ。

 ああいう新顔は。

 

 水割りをゆっくりとやりながら、男――ウズコッケ支部長は言った。

 

他国(よそ)では、女で食ってた連中らしいですね」

 

「それで結局、尻に火がついてこっちへ逃げてきたと」

 

「もう少し、出入り……特に入ってくるのを厳しくできませんかね?」

 

 部下たちの声に、

 

「色々と小細工するのがいるからな。金とって入れさせるのもいるらしい」

 

 支部長は相手を手を上げる。

 それにタバコが渡され、火がつけられた。

 

「小銭でも稼がせてもらわにゃ、割に合わん」

 

「そのついでで、支部長も役得ですか」

 

「ばっかやろ。生意気言うんじゃねえや」

 

 支部長は笑って、

 

「どーせ、くだらんことしていきがってた連中だ。殺そうとどうなろうと、知ったことじゃねえ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そっちのアレか」

 

 ゴトクは微妙な顔をする。

 

「アレってさ、インキュバスじゃ間に合わんのかねえ」

 

 買い物にやってきたマコネ。

 ウズコッケでのクエストについて語った後、不思議そうに言った。

 

「インキュバスってのは、いわゆる美男子とかそんなんばっかだからなあ」

 

 品物を出しながら、ゴトクは言った。

 

「太ったのとか、男臭いのはいねえ。だから、そっちの趣味はなあ……」

 

「ふーん……」

 

「だから、捕まって処分されそうなのが、裏で引き渡されるってのは意外とあるらしい」

 

 そうなったら悲惨だがな?

 表に出ないだけ、どんなご乱行に付き合わされることやら……。

 

 想像をしたのか。

 ゴトクはげんなりした顔で、肩をすくめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回から番外編をやる予定であります
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