破滅した悪役令嬢がいたので殺人マシーンにしてみた件   作:らくべえ09

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その119、いつかどこかは語らず-4 意外な発見と問題

 

 

 これは――

 非常に大きな発見です。

 これまで多くの調査をしてまいりましたが、最大のものといっても過言ではない。

 

 結論から申し上げますと……。

 ある種の農作物。

 それを育てる環境はダンジョンの発生を極めて薄める効果があるのです。

 発生したとしても、その危険性は低い。

 

 例えば、A地点にそれがあるといたしましょう。

 するとその周辺領域、離れるほどに効果は弱まりますが――

 ダンジョンの発生を抑えるのです。

 ここ数年の調査からも確実と断言できますね。

 

 それは、この穀物。

 コメです。

 

 いえいえいえ。

 無論我が国にも同じものはありますが。

 しかし、品種が異なる。

 さらにニッポンという全体的な土地の条件も加わります。

 小さな島国ながら、環境も異なり、一概には言えませんが、大よそ決まった条件がある。

 

 つまり――

 ニッポン由来のコメと、それを育てる土壌があれば今後のダンジョン対策は大いに楽になると言えましょう。

 

 ただし。

 実験を重ねた結果、効果は実証できたのですが……。

 それを大々的にやるための時間と予算がまだ足りません。

 工事を行うための技術者、周辺をガードする軍もです。

 また、ニッポンと近しい育成環境を作るのにもやはり、時間と予算、技術が必要です。

 

 そして、ここが重要なのですが――

 田地はダンジョンの発生を抑えるのには有効ですが、モンスターを防ぐことはできない。

 当然ですね。

 つまり、田地周辺は防備をしっかりと固めなければならない。

 今まで以上に防衛力、軍事力が必要となるわけです。

 

 

 ・  ・  ・

 

 

「――どういうことだ?」

 

「つまりは、ニッポンで我が国に対する反発が強まっているようで」

 

「ふうん」

 

「石油以外でそこまでの付き合いがあったか?」

 

「まあ、民間人の行き来はほぼゼロですな」

 

「もっと値を下げろとでも言うのか」

 

「そういうことではないようです」

 

「じゃあ、何だ」

 

「奥歯にものが挟まったような言い草はやめろ」

 

「端的に言いますと、我が国における人権侵害、女性差別への批判・非難が多くなっているそうです」

 

「うん。うん……?」

 

「何なんだ、それは」

 

「例をあげますと、先日某国の第2王子正妃として、**家の**様が輿入れされた一件ですか」

 

「何か問題などあったか?」

 

「あったとして、そこに何でニッポンが出てくる」

 

「ニッポン国というよりは、その民間の一部ですが……。さて、**様はおいくつでしたか?」

 

「13……今年で14か」

 

「早いと言えば早いが、王族としては普通の範疇だろう」

 

「それがどう関わってくるのかね」

 

「つまり、あれは一種の児童虐待であると、ま、民間団体などが騒いだようです」

 

「?」

 

「どうもよくわからんのだが?」

 

「かの国では、成人は18歳から。それより下の者は婚姻を許されないのです。さらに本人の意思を無視したものは人権侵害に当たると」

 

「……まあ、ニッポンの法とやらはわかった。だが、それと我が国と何の関わりがあるというのだね」

 

「まさかとは思うが、ニッポンの法に我が国が準じろというのではあるまいな? 日本国内の話であれば、わかるが……」

 

「このヤオアムトを、属国扱いする気か? なめ腐った真似を……」

 

「まあまあまあ。あくまで民間団体の主張です。日本政府は、これについては関与する意図はないと」

 

「当たり前だ!」

 

「ハハッ。国内のとち狂ったハネッ返りも制御できんとはな。お粗末な話だ」

 

「それと――」

 

「まだ何かあるのか?」

 

「はあ。我が国におけるサキュバスのことで」

 

「さきゅばす?」

 

「ええ、はい。サキュバス族に対する性的搾取をやめろ、と。複数団体が大使館前などで騒いでおりますね」

 

「これまたわけのわからん話だな?」

 

「つまり、どういうことだ」

 

「ええと、はい。その。サキュバスへの搾取をやめて解放しろと」

 

「かいほう?」

 

「連中はサキュバスが奴隷だと勘違いしているのか?」

 

「わかりません。まあ、そう考えれば多少話もわかりますが……」

 

「――で? それを聞き入れなければ、どうなるというのだ」

 

「わかりません」

 

「わからんって」

 

「タダ嫌だやめろと、騒いでるだけか?」

 

「そういうことになりますね」

 

「わけがわからん」

 

「……そもそも、サキュバスに関しても詳細を調べていたのか?」

 

「外務省とやらは、あまり突っ込んでではきませんでしたがね。揉めて、石油が止まってはたまらんと思ったのでしょう」

 

「なら、どうやってその情報は流れた?」

 

「さあ?」

 

 

  ・  ・  ・

 

 

 つまり?

 ヤオアムトと距離を置くために、我が祖国とつながりが欲しいと。

 端的に言えば、そうおっしゃりたいわけですか。

 

 ……。

 あのですねえ?

 

 再三申し上げた通り、関わりを持つのは利益が大きいようで、非常に危険なのですよ。

 一定以上の接触は禁じられております。

 また、それがなければ、公私関係なく様々な連中が関わってきますよ。

 

 中には、この国の行く末とか国民とか。

 そういうものを考えない、気まぐれで何かやらかすのだっているでしょう。

 

 いいですか?

 仮に誰かがニッポンへ大きく肩入れしたとしましょう。

 そうなれば、別の誰かが偽装か事実か知らないが、敵対国家へ肩入れしかねない。

 

 例えば――

 ヤオアムトとかね?

 

 そうなれば、もはや2国間の争いではない。

 単なる代理戦争、代理闘争だ。

 あなたがたは、ゲームの駒になりたいんですか?

 

 ニッポンにも国を運営したり戦争をしたりするゲームがあるでしょう。

 それを現実でやりかねないんです。

 

 まさか。

 使い捨てのカードや駒として消費されるのが、一般国民だけと思っているのじゃないでしょうね?

 あなたがたの代わりを仕立て上げるなど、いくらでもできるのですよ?

 

 いや。

 むしろ面白がって、積極的にそれをやるかもしれない。

 その時になって、やめておけばよかったと後悔しても遅いんだ。

 

 ああ。

 それから……。

 

 私はね、あくまでもこの国全体の助けとなり、この国全体を良くするために動いているのですよ。

 成人の儀式、修業としてね。

 

 つまり、あなたがたに仕えているわけではない。

 あなたがたの党に従っているのではない。

 それをお忘れなく。

 

 何を勘違いするかは勝手だが、それに付き合う義務などない。

 

 この国の象徴たる方々への援助は、それが重要で替えが利かないからです。

 あなたがたは違う。

 ぶっちゃけ、いくらでも交換可能な、国営のためのパーツにすぎませんよ?

 

 

 

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