破滅した悪役令嬢がいたので殺人マシーンにしてみた件 作:らくべえ09
カーシャの令嬢時代関係が多い模様
リーンや家族関係の他なにがありそうだろうか?
とりまき?
※書きためがかなり減ってきて自転車操業ぽくなってきてしまった……
それから―――
「調べた結果だけど、どうもゾンビはこのあたりからわいてるみたいだねえ」
魔導タブレットに映る地図。
ミゾイは地図の白い円で囲まれた箇所を指した。
「円の中心から広がる感じで、ポコポコと」
そう言ってから、肩をすくめた。
「けどなあ?」
ガジカは不思議そうに、
「あそこにゃ墓場跡や死体がたくさん出たって話は聞かないぞ? 記録を調べたけど人の住んでたことはない」
「記録がないから、なかったと何故言い切れるのかしら」
カーシャは、冷たい声で言った。
「え?」
「人がいようが墓場があろうが、都合が悪ければ記録なんか残さないわ」
「「あ~……」」
ネクロマンサーたちはうなずきあった。
「ふむぅ。それに、大昔……この国ができる前に何があったかはわかりにくいしねえ。地面の下には古代の戦場やら住居跡があるかもしれない」
「確かに、このへんは直接行って調べたわけじゃねーからなあ」
「死体が土に還ってても、大がかりな術式を使えば死体を復元することはできるしね。ただし、大量の魔石を消費するし、術が弱けりゃすぐ土に戻っちまう」
言ってから、ミゾイの頭によぎったもの。
――エルフ討伐で大量の魔石が見つかったって話……。並の鉱脈以上の量かも知らないって噂、あれがガセじゃなかったとしたら? 横流し? 中央がなにかしてる? いや、中央とも限らない……?
「おい、なに急に黙りこくってンのさ」
ガジカは不審そうにミゾイをつつく。
「……ともかく、当面はわいてきた感染型ゾンビを駆除するってことだけど」
「ハウンドグールやオンモラキが寄ってきてるんなら、そこまであわてなくっていいンじゃないの?」
「そりゃそうとも言える。だが、被害にあった……ゾンビになっちまった連中やその関係者は? 対応が遅れたらギルドの信用問題だぁね」
「だけどさ、もうギルドは誰かを行かせてんだろ?」
ガジカの疑問へ、
「そりゃ当然。ギルドナイトが人数引き連れてすっ飛んでったよ。ほっときゃどんどん増えるもの。1匹でも逃せば面倒だ。と言っても……たいていはハウンドグールに喰われて終わるけどさ」
ミゾイは人さし指を立てて言った。
「だったら、いいじゃん」
「さっきも言ったろ。信用問題さ」
「だったら――」
カーシャは席から立ち上がり、
「そもそも、私は別に要らなかったんじゃないの?」
「あんたが動いてくれればてっとり早く片がつくんでね」
ミゾイは苦笑しながらも、
――タイガー・トラッシュ……群れで行動した記録はないが、絶対にないとも言えない。それに……。
「それに、大量発生の原因もまだ不明だよ? 何かあった時ドラゴンスレイヤーのあなたがいりゃあ心強い」
「結局、わしらは留守番かあ」
バイナの市場。
屋台店が並ぶあたりで、3人は軽食を取っていた。
「ジロさんは当然として。私も方針が決まったら引っ込んどくべきでしょうね。さほど戦闘が得意でもないですから」
「当然ってなんやねん」
「じゃ行きたいんですか?」
「それはカンベンやね」
「雑魚が根性見せる場面は感動しますが、あっさり死ぬことも多いですから。しかも、何の役にも立たずに」
「身もフタもないこと言うな……」
「経験談といいますか、実際見てきたので」
2人の会話に、クガヤは沈んだ顔になっていた。
「……やっぱ、そうなのかな」
「はい?」
「必死になっても、勇気とかみせても、雑魚は雑魚だって」
「そうですね」
暗くなっている少年に、ネイテクはあっさりうなずく。
「もっとも……無駄死にする場合は、勇気というより蛮勇がほとんどですが」
「どうちがうんだよ!?」
「直情的で考えなしにつっこむのが蛮勇。冷静かつ
「後のほうは、なんかちがう気がするけど……」
首をかしげる少年に、
「対処するより、さっさと逃げるのが普通なんですよ。危険に直面したらパニックになることが多いのでね、冷静に行動できるほうが少ないんです」
「……」
ネイテクの言葉に、少年は考え込んでしまった。
「自分、なんかええアドバイスしてない?」
「いやあ、テキトーに一般論的なことを言っただけですよ。最終的には時と場合と個人差で決まるので」
感心したジロへ、ネイテクは小声でそう言った。
「えええ……」
「落ち込んでメンタル病んだり、自暴自棄になるよりはいいでしょ?」
「そうかもしれんけど……」
「オッサンのアドバイスなんて大半は自己満足ですから」
「え。自分オッサンなん? そういや
「半エルフなので人間と比較はしにくいですが、若くはないです」
それから、また時間が流れて
川沿いの岩場。
ドサリ……
カーシャは、2人のネクロマンサーを地面に放り出した。
「っと……。ホントに早いな」
ガジカは身軽に着地。
「ちょい頭はグワングワンしたけど、グズグズしてるよりはマシかねぇ……」
ミゾイは重さを感じさせない、羽毛のような感じで降り立った。
軽く首を振った後、自分の頭を軽く小突く。
2人はカーシャに抱えられ、ここに運ばれてきた。
高速で走り、飛び跳ねるという動作に翻弄されながら。
「あんたアレだけピョンピョンしてて、平気そうだな? 後衛タイプなのに」
ガジカが言うと、
「お前さんだって後衛じゃないか。前衛で戦うネクロマンサーなんざいないけどさ」
「そりゃ、私はヴァンパイアの端くれだし。でもお姉さんは……」
「私も
「まーな? なに?」
「ああ、人間を指す言葉さ」
ミゾイは目を細め、フェイスベールを取ってみせた。
口が耳元まで裂けて、まるで蛇のようになっている。
牙の間から、長く細い舌がチロチロとのぞく。
――人間じゃないと思ってたけど、獣人ともちがう……。
カーシャは無言でミゾイの姿を見た。
「リザードマン……じゃないな? ラミアでもないし」
首をひねるガジカへミゾイは笑い、
「知らんだろうね。私らはマホーラガ。
「へえ……」
「さてと、もうここらは問題の場所だけど」
フェイスベールを戻しながら――
ミゾイはかがんで、右手を地面につけた。
少し目を閉じて、
「確かにゾンビが動き回ってた
ブツブツつぶやいていたが、
「……! 妙な気配がある……。
ミゾイの声と同時に、川上のほうを見た。
――妙な気配……? なるほど、確かに何か蠢いているようだけど。
「あっちの方角には、なにかあるのかしら?」
「えーと……。確か廃村の跡があったはずだ。ダンジョンがわいた時に対処が遅れたせいらしいや」
地図を見ながら、ガジカも同じ方角を見る。
そうしたわけで。
3人が廃村の場所へ行ってみると。
「けっこう建物が残ってるんだな?」
ガジカは腰の手を当てて、廃村の中を見まわしている。
「元々、ここは貧乏人やら流民が開拓を始めてた村なのさ。当然周りはろくに整備もされてなきゃ、ギルドや軍を救援に呼べるわけでもない。大体冒険者ギルドなんざ比較的歴史の浅い組織だから」
「ほーん? けっこう前からあるって聞いたけど?」
「この国は歴史が古いからねえ。下手すりゃ2~3百年前でも最近になっちまうのさ」
ガジカに対し、ミゾイはあれこれ説明している。
――長い歴史か。
カーシャも令嬢時代、この国……ヤオアムトの歴史については、家庭教師から習っていた。
――2千5百……いえ、6百年だったかしら?
歴史書ではヤオアムトは2千数百年以上も前に建国された。
そういうことになっている。
実際、それがどこまで真実なのかはカーシャの知るところではない。
――……しかし。
カーシャは廃村を歩きながら、少し目を閉じる。
それから、ある廃屋に入っていった。
「おーい、あんま1人で……」
呼びかけたガジカだが、立ち止まって右の手を広げた。
その上に、青白い炎が揺らめく。
「こいつぁ……」
「ああ、生きの良い死人がいるらしいねえ?」
2人のネクロマンサーはうなずき合う。
廃屋に入ったカーシャは、ボロボロの床を軽く蹴っていたが、
ボゴッ!!
いきなり、何でもないような顔でそこを蹴りぬいた。
床下へ、大き目の出入り口らしきものがある。
「地下倉庫か?」
「いいや、どっちかといえば避難場所って感じだね? 有事の時に逃げ込むための場所さ」
話しているネクロマンサーたちの前で、
「血と死体の臭いね」
カーシャは微かに鼻をひくつかせた。
「らしいな。けど、アンデッドの気配はない……」
ガジカは顔をしかめ、
「この中で妙な
ミゾイは皮肉な笑みを浮かべた。
――お遊戯ねえ……。
そういえば、とカーシャは思い出す。
夏に開かれた夜宴の場。
とりとめもない噂、あるいは珍談奇談など。
そういったものが交わされていた時――
『***の血まみれ夫人』
ある国で、美容の特効薬として若い娘の血を浴び、すすっていたという貴婦人の話。
よくある噂、あるいは誹謗中傷の類だと思っていたが、
――あるいは、本当なのかもね。
そして、
――この国でも、似たようなことをしていたヤツはいたかもしれない。
カーシャはそんなことを頭の隅で思いつつ、地下へと降りていく……。
テストとしてやってみました:本作で興味のある部分
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サブキャラの過去など
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世界観など
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令嬢時代カーシャの関係者など
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他の国など