超高校級の幸運とプラスαがボーダーに入隊する話   作:九店直下

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展開が進まん。これが絶望か。

取り敢えずヒロインはつける方針でいきます。圧倒的でちょっとビビり散らかしてます(震)。

取り敢えずまた新しいアンケート作ったのでどうか頼んます……。
頼んます(念押し)。


苗木誠③

「……ふぅ、終わった」

「お疲れ様。テストの結果はどうだったかしら?」

「うーん、上々とまでは言えないけど、手応えはある、って感じかな? 確かに生駒さんのいう通り、そこまで難しくなかったのかも」

 

 あれから忍田さんに連れられて、テストについて簡単な説明を受けた後、90分くらいの学力試験と、基礎体力試験を行った。

 ペーパーテストの問題自体は先程言った通りそこまで難しいものではなく、ボクでもそれなりに解けるものがほとんどだった。

 

 さっきの手応えで言えば、7割は取れてる自信があるから……、霧切さんなんかはもっと上なんじゃないかな。だって霧切さん、すごく頭いいし。

 

「そう、ね。確かに捻った問題もなかったし、そこまで難しさは感じなかったわね。それで、体力テストの方はどうだった?」

「そっちも似たようなものだね。でも、学力試験に比べたら自信あるかも。大和田クン達とのトレーニングのおかげかな。霧切さんは?」

「私もよ。完璧、とまでは言えないけれど、十分手応えは感じてるわ。聞く限りだと当日中に結果を出してくれるみたいだけど……、どうなるかしらね」

 

 そんな他愛もない会話をしつつ、ボク達は今、学力試験を受けた部屋で、結果が通達されるのを待っているところだ。

 ……まぁ、正直なところ、これはボクの幸運のカリキュラムの一環として、というところもあるみたいだから、落ちてしまうと非常に困る。それは多分霧切さんも一緒だろう。

 

 だから実のところボクは平静を装いつつも、内心ものすごく緊張している訳だけど……本当にどうなるかな。

 

 そう思ってドアの方を見ると、ガチャリとドアが開かれる音がする。

 入ってきたのは……忍田さんと、迅さん、そして後1人は知らない人。山田クンほどじゃない、けど少し太ったおじさんだ。ちょっと強面。

 

「さて、苗木君、霧切さん。君達の合否が出たから報告させてもらうよ。でもその前に、紹介しときたい人がいるからまずはそこからだな。……じゃあ鬼怒田さん。お願いします」

 

 迅さんにそう促され、横のおじさんはゆっくりと口を開く。

 

「うむ。鬼怒田本吉だ。ここの技術開発室の室長をやっとる。よろしくな」

 

 ちょっと圧のある人だけど、不思議と怖いとは思わないのは、出会った時の十神クンより冷たさを感じないからかな、なんて推測する。

 寧ろ、どこか親しみやすさを感じるな。家族がいたら大切にしてそうだ。

 

「……はい。宜しくお願いします」

 

 そんな鬼怒田さんの挨拶に、ボク達も軽く頭を下げて応じる。それを見て、忍田さんが口を開いた。

 

「まず君達の合否について、もう察しているとは思うが……、合格だ。数日後に君達個別の入隊式を設けるから、それに参加してほしい」

「そう、ですか。良かった」

 

 合格。そう聞いて少し安堵する。取り敢えず幸運のカリキュラムは、問題なく行えそうだから。

 霧切さんも……やっぱり。少し安心したような顔をしている。得意のポーカーフェイスで装ってはいるけど、それでも少し顔の緊張がほぐれたのが、なんとなくわかった。

 

 忍田さんはそんなボク達を見て少し微笑んだ後、話を続ける。

 

「今日はこの後、君達には入隊に向けて、簡単にボーダーの『トリガー』について説明を受けてもらう……が、ここから先は機密事項も含まれる。君達は希望ヶ峰学園の生徒、ということもあるから、学園にある程度ボーダーの活動について報告する義務もあるだろうが––––––」

「その、話す内容には慎重になってほしい、ですか」

「ああ、提携を結んだとはいえ、情報を何もかも渡すわけにはいかないからな。それはそちらも一緒だろう?」

「……」

 

 霧切さんは少しの間、考えるように沈黙する。

 

 ……なんとなくだけど、ボクも察している。このボーダーと学園の提携が、単なる「才能の提供」であったり、「お互いの組織の発展」だけの話ではないことを。

 

 それがどんなものなのかは詳しくはわからないけれど、もっと他に、主に学園側の思惑が、ボクの知らないところでそれなりに巡らされているんじゃないか……とは、思っている。おそらく忍田さんの今の一言は、暗にそれを牽制したのだろう。

 

 この様子だと、霧切さんは何かを知ってるんだろうな。ボクにいらぬ心配をさせないように黙ってていてくれてるんだろう。でも、なんとなくはわかるよ。伊達に江ノ島さんの一件を経験してないんだから。

 

「……その、通りですね。わかりました。学園長には、そのように伝えておきます。それでは–––––––」

「トリガーについてだな。それついてはわしから説明しよう。元よりそれが目的でここまで来たのだしな」

 

 まぁ、でもこの話は一旦終わりだ。今日の本題はまた別にある。断じてお互いの腹の探り合いが目的ではないはずだ。

 

 さて、そこからは鬼怒田さんからトリガーについての詳しい説明が始まった。トリガーについて鬼怒田さんから聞いた説明を簡単にまとめると、ヒトの体の中にある「トリオン器官」というところから生成される「トリオン」という物質を動力として動く技術……とのこと。

 

 武器として使う以外にも、強靭な壁を作ったり空間を拡張したりとさまざまな用途に使えるらしいけど……今ここでその話をすると長くなってしまうから割愛する、と言われた。

 

 さて、そんな色々な用途に使えるトリガーだけれど、ボク達が主に使うトリガーは勿論武器用のトリガーだ。

 ボーダーには攻撃手(アタッカー)銃手(ガンナー)(もしくは射手(シューター)狙撃手(スナイパー)という3つの役職があり、その役職ごとにそれぞれ3・4種類ほど、専用のトリガーが用意されているとのことだ。

 

 最初のうちはこの3つのうちのどれか一つのポジションを選び、そこからトリガーを一種類だけ選んで、訓練生として練度を高めていく、らしい。

 取り敢えず、役職ごとのトリガーの概要について、一通り聞き終わったところで、鬼怒田さんの話は一区切りついた。

 

「さて、わしからの説明は以上だが……、何か質問はあるか? といっても、そこの嬢さんが粗方聞いておったから、特に何もないだろうが」

「あはは……。確かにほとんど聞くことはないんですけど、一つだけ、質問いいですか?」

「おぉ、まだあるのか。なんだ?」

 

 そう、鬼怒田さんが話してる時に、その都度霧切さんが質問を投げてくれてたおかげで、確かにトリガーに関する質問はほとんどない……けど、少し聞いておきたいことはある。

 

「さっき訓練生としての期間があるって言ってましたけど、具体的にはどのくらいの期間なんですか?」

「それについては、私から話そうか。C級からB級……、訓練生から正隊員になるには、訓練や隊員同士の模擬戦を通して一定のポイントを稼ぐ必要がある。C級からB級に上がるのに必要なポイントは4000ポイント。先ずは君達には、そこを目指してもらう必要がある」

 

 成程。一定の期間が来たら卒業……といったようなシステムではなく、あくまでしっかりと実力をつけた上で上に上がるシステムというわけか。

 

「でも、テストの時に測定した君達のトリオン量を見る限り、B級に上がるまだそこまで時間はかからないと思うぞ。といっても、努力次第なところはあるけれどな」

 

 そう、忍田さんに言われて、ふと、先程鬼怒田さんから受けた説明の一節を思い出す。

 そういえば、トリガーを使うのにも「才能」がいるみたいで。

 

 どうやら先程のテストの時に、学力、体力を測るのと同時にその才能も密かに図っていたんだとか。

 おそらく、その体内で生成されるトリオンの多さ的なものなのではないか……なんて霧切さんが聞いてたけど、どうやら当たりだったみたいだ。

 

 体内で生成されるトリオンが多い程、トリガーの出力も比例して上がるらしい。そしてボクたちは他の隊員と比較しても平均より多めのトリオンの量が観測されたみたいだ。

 だからこうして期待しているような言葉をかけられるのだろうけれど、その分プレッシャーも大きい。

 

「そう、ですね。早くB級に上がれるように、頑張りますよ。ありがとうございます、忍田さん。ボクからの質問はもうないんですけど……この後ボク達、何かすることはあるんですか?」

「あぁ。一応、少しでも早くトリガーに慣れてもらう為に軽く演習を行おうと思っていたが……、2人とも、時間は大丈夫か?」

「ええ、大丈夫です。今日は一日空けて来てますから。ね、霧切さん?」

「そうね。私も予定は他に特にないので、大丈夫ですよ」

「そうか。なら、ルームに案内するよ。ついてきてくれ」

 

 そう言うと、忍田さん達は椅子から立ち上がり、ボク達を先導する形で歩き始める。

 ボクと霧切さんもその後を追うように歩き始めた––––––、その時。

 

「よ、苗木君、お疲れ様。ひとまずは良かったね。無事入隊が決まってさ」

 

 迅さんがおもむろにボクに向かって話しかけてきた。

 

「あ、お疲れ様です、迅さん。……そうですね。取り敢えずは一安心って感じです」

「そっか。ところで、使うトリガーは決まったかい? 演習室に行ったら直ぐにどのトリガーを使うか決めてもらうことになると思うから、今のうちに決めておいちゃった方がいいぞ」

「それについては、実はもう決めてるんです。この役職で、このトリガーを使おうって……」

「おっ、そうなのか。それじゃあこの後が楽しみだ。君なら直ぐに、そのトリガーを使いこなせるようになると思うからさ」

 

 迅さんはそう言って不敵に笑ってくれたけど、

 何をとっても人並み、成長速度もそこまで速いわけじゃないボクだから、それはいささか過大評価な気がしてならない。でも、社交辞令でもそう言ってくれるのは嬉しい限りだ。

 

「あはは、そんな事もないと思いますよ? だってボク、超高校級の幸運として希望ヶ峰学園に入学した事以外は、どこをとっても人並みなんですから––––––」

「そんな事もないんじゃないか? きっと君達はここに来る前にも、『色々経験してきてる』と思うから……さ」

「……?」

 

 今の迅さんの言葉に、ボクは少し違和感を覚える。

 色々経験してきてる……っていうのは、学園で様々な才能ある人と関わって、普通では得られない経験をしてる……という意味で、迅さんは使ったのだろうか。

 

 普通に考えれば、そう捉えるのが妥当。だけど、

 この言葉には別の意味が込められているような、そんな気がする。

 なんとなくだけどそう感じた。

 

「ま、兎に角楽しめよ少年。ボーダーじゃ確かに色々あるけど、楽しいところでもあるんだぜ。難しい事は一旦隅に置いておこうぜ。……ところで霧切さんも、もう使うトリガーは決めたのか?」

「……はい。私ももう決めてます。けれど、詳しく話すのは演習室に行ってからでもいいですか?」

「そうかそうか。別にいいよ。楽しみは最後まで取っておいた方がいいからな。2人がどんなトリガーを選ぶのか、楽しみだ」

 

 引っかかる事は色々とあるけれど、確かに、迅さんの言う通りだ。今は細かいことを考えず、色々と楽しむ時なのかもしれない。

 そう考えてボクは、迅さんと霧切さんと一緒に軽く雑談を交わしながら、演習室までの道のりを歩いた。

[newpage]

 

 ––––––やれやれ、こいつは思った以上に面倒かもしれないな。

 

 迅悠一が初めて苗木誠と霧切響子の未来を「視た」時、思わずそんな考えが頭をよぎった。

 

 迅悠一は、人の未来を見ることができる。実際に出会った人間であれば、年単位レベルで、その人に訪れるであろう未来を予知することができる能力を、彼は持っている。

 故に、その能力を使えば、その人間の過去をある程度予測する事もできる。

 

 この2人から見えた未来から予測できる事、それは、

 この人達は相当な修羅場を経験してきたのだろう、ということだ。

 

 迅達が旧ボーダーにいた時のそれとはまた異なるが、それでも相当な修羅場を潜ってきている。

 そう思う根拠はいくつか見えたのだが、特に、強く印象に残った単語がある。

 

 超高校級の絶望。

 

 2人の未来から……というかその言葉から、それが決していい意味のものではないことは容易に推察できる。下手をすれば災厄まがいの可能性だってあるくらいだ。

 そして––––––、近い将来、それはボーダーに大きく関わってくるであろう事も、同時に視えてしまっている。

 

 正に、面倒。早急に本部上層部に報告を行い、対策を練るべき事柄だ。

 しかしながら迅は、そんな面倒を前にして、こうも思っていた。

 

 それでも決して未来は、悪いようにはならないと。

 

 どうして、そう思うのだろうか。

 そう思う根拠はそれこそ、苗木誠の存在だった。

 

 苗木誠。彼が、超高校級の絶望に対するキーを握っている。彼から視えた未来から、そんな風に思えたのだ。

 

 

 ––––––大丈夫だ。未来はきっと明るい。だって、おれのサイドエフェクトがそう言ってるんだから。

 

 そんな、彼にとってはお決まりの文句を、迅は呟いて自分に喝を入れ直す。

 さて、未来を明るいものにする為には、まずはもっと苗木君と仲良くならないとな。と、迅は考える。

 

 彼の趣味は暗躍。

 

 故に、どこか楽しそうに、それでいて至って真剣に、事に取り組み始めた。

とりあえずヒロインは霧切さんメインで行くとして聞いておきたいハーレムの範囲について

  • ダンロンキャラのみ
  • ワートリキャラも含める
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