超高校級の幸運とプラスαがボーダーに入隊する話   作:九店直下

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超お久しぶりです(震)
嵐山隊や迅さんの話し方や雰囲気はワートリを読み返しつつきっちり描写できるようにしたつもりですが……何かおかしいところがあればお知らせ頂ければ……(汗)


入隊式 個人ランク戦

 さて、数日の時が過ぎて、ボーダーの入隊式の日がやってきたわけだけれど……、その式自体はあっさり済んでしまった。

 以前試験を受けた部屋に案内され、ボーダーの偉い人……、忍田さんや鬼怒田さん達のお話を軽く聞いて、訓練生用のトリガーを渡されて、終わりだ。

 

 ちょっと味気なくはあったけど……、でも確かに、この入隊式はボク達専用に設けられた特別なもの。人数も少ないし、急なことではあるだろうし、こぢんまりとしているのは、ある意味当然なのかもしれない。

 それに、いくら味気なかったとはいえ、印象に残った事もいくつかあったし。

 

 あの、ボーダーで一番偉い人––––––、城戸さん、と言ったかな。

 強面で、顔に傷がある人。基本無表情で喋るからあまり感情が読めなかった人だ。

 

 でも、その顔には何処か暗いものが宿っているようでもあって。

 何かに対する澱んだ感情みたいな、そんなものを感じさせた。

 

 多分、色々あるのだろう。主に近界民(ネイバー)絡みで。だって別の世界から攻めてくる存在と「戦う」組織だもの。黒い感情、恨みつらみの一つや二つ、組織内にあっても不思議じゃない。

 まぁ、その感情は「危うい」とも思ってしまうけれど––––––って、いけないいけない。

 

 まぁ兎にも角にも、改めて覚悟を決める上では非常に有意義だったとは思う……。ちょっと眠くなっちゃったのも事実だけど。

 で、そんなこんなで式は終わり、今、ボク達はとある場所に来ている。

 

 どうやらここは個人戦を行うところ、らしい。上を見上げると数多くのブースがあり、隊員達が出入りしている。この部屋で隊員たちはランク戦……、ボイントを取り合う模擬戦を行い、スキルアップをしていくのだとか。

 そんな話を目の前にいる嵐山さん達から聞いた。

 

「さて、これから実際にランク戦を経験してみようか。準備はいいか? 苗木君、霧切さん」

「はい。そしたらまずブースに入って、対戦相手を選択して……」

「相手が承認したら対戦、だな。まぁまずは習うより慣れろ、とも言うし、1度やってみるといい」

「わかり、ました。それじゃあお互いに頑張ろうね。霧切さん」

 

「ええ、そうね。苗木くんの戦闘ログも後できっちり見直すつもりだから、そのつもりで頑張ってね?」

「あはは、善処するよ……」

 

 霧切さんのそんな少し怖いような一言に、ボクは苦笑いで返す。

 ボーダーでは一隊員のランク戦での戦闘記録が細かく記録されるらしい。で、そのログ自体は見ようと思えば割と誰でも見ることができるらしいから……、下手な戦いができないな。少しプレッシャーだ。

 

「はは、お互いに切磋琢磨し合う関係みたいだな。いい事だと思うぞ? 入隊試験後の演習の話を聞いた限りだと2人ともすごい才能を持ってるそうじゃないか。期待してるぞ」

「あ、嵐山さんまで……」

 

 嵐山さんにとっては激励のつもりなんだろうけど、今のボクにとってはちょっと重荷だ。そう思うと困った顔で笑い返すくらいしかできることがなかった。

 でも、超高校級の彼ら、彼女らはこういった「期待」にも負けないように戦ってるのかも、しれない。

 

 まぁみんなからしたらボクが感じてるものなんてちっぽけなものなのだろうけど、一年みんなと過ごして、また「あの一件」以降周りのボクに対する目線が変わったこともあって、なんとなくそう思うようになった。

 

「それだけみんな貴方に期待してくれてるってことよ。なら、その期待に応えてこそ超高校級、なんじゃないかしら?」

 

 霧切さんからも、そんな言葉をかけられる。

 まぁ、その通りだよな。どこをとっても普通なボクだけど、一応超高校級の肩書を持ってるんだ。

 ボクの唯一の取り柄は、人より少し前向きなことだ。後ろ向きにならず立ち向かっていかないと。

 

「そう、だね。期待に応えられるように頑張るよ……。それじゃあ気合い入れて行ってきますね」

 

 あぁ、行ってこい。そんな嵐山さんの爽やかな声を背中で感じつつ、ボクはブースの中に入る。霧切さんもそんなボクを見て微笑みながら、別のブースへと入っていった。

 

 さて、対戦相手を選ぼうか。自分の腕試しついでに、自分とポイントが近い、2800くらいの人を選んで、対戦を申し込む。ちなみにボクのポイントは2700。結構高めのレートでのスタートだと聞いた。

 霧切さんは3000ポイントからだと聞いた。演習であんなすごい結果を出してたから、それも当然とは思える。

 

 ーーーーーーよし、相手からの承認が届いた。そう思うやいなや直ぐに転送が始まる。

 視界は一転して、ブースの景色から市街地の景色へと変わる。これもボーダーの施設の中にあるってこと、だよな。すごいや。

 

 でも、今はそんなこと考えてる場合じゃない。

 戦いはもう始まってるんだから。

 

「よし、いくぞ……!」

 

 ボクはそう自分に喝を入れて、前へ一歩飛び出した。

 

☆★☆

 

「噂には聞いていたけど……2人ともやっぱりすごいな!」

「動きが他のC級とは全然違いますね。戦い慣れしてるというより……、()()()()()()()というか」

「そうですね。霧切さん、という方は特に。実際に何か格闘術とか習ってたのかしら……?」

 

 苗木達をブースへと送り出した後、嵐山・時枝・木虎の3名はその後の様子を見守りつつ、噂に聞く超高校級とはどんなもんか……などといった興味半分で見学していた。ちなみに佐鳥・綾辻は別件で席を外している。

 

 結果として言えば、期待通り、いや、それ以上の動きであると言える。

 流石にボーダーのトリガーを使いこなし、戦い慣れているというわけではないが、それでも柔軟かつ軽やかに動き回り、相手を圧倒していた。

 動きだけ見た限りではB級中位・上位の隊員ともいい勝負ができるのではないか、そう思わされるほどだ。

 

「確かに霧切さんは超高校級の探偵、と聞くからな。危険な場面も経験してるだろうし、そこで培われたものもあったのかもな。確か対近界民(ネイバー)戦闘演習の時の記録は8秒、だったそうだぞ」

「……8秒、ですか」

 

 8秒、という数字を聞いて、木虎の顔が少し険しくなる。

 なにぶんプライドが高く、向上心もあり、負けず嫌いな性分だ。刺激されるものがあるのだろう。

 

 そんな感情を向けられている霧切だが、市街地での戦いで相手を壁際まで誘導し、スコーピオンを手から壁の中に這わせ、相手の近くで飛び出させ貫く……。そんな戦い方で勝利を収めていた。

 もぐら爪(モールクロー)に似た使い方だ。……あれを誰からも教わらず、その場の発想でやってのけているのであれば、凄いどころの騒ぎではないが。

 

「発想力と応用力が飛び抜けてますね。あそこまで機転の効く動きができる人ってそうそういないんじゃないですか? それに、苗木くんも霧切さんほどではないですけど中々の動きですよね」

「この前舞園さんから話があった人だな。見た目は可愛らしいけど芯の通った人だと言ってたが……、なるほど確かに、素直そうな人だ。それにどこか『不思議な』動きをするな」

「ですね。なんか()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ような、そんな動き方ですね」

 

 嵐山と時枝の2人は視線を苗木が映るモニタの方に写し、お互いに感じた事を述べる。

 当の苗木は、炸裂弾(メテオラ)使いとの一戦の最中だ。苗木は射手(シューター)用トリガーの特性でもある弾速を調整出来る機能を上手く使って

、相手の動きを封じ勝ちを取っていた。

 

 普通に見れば、トリガーを上手く使えている……と、そう捉えられるのだが。彼の動きを見ると、それだけとも言いきれないような雰囲気がある。

 色々な運的要素や偶然といった、苗木自身も意図しないようなものが重なり合っているような気がするのだ。

 

 そして苗木も不思議と「そうなる」ように動いているような、そんな気がする。

 どこか、不思議な男だ。特段目立った特徴はないが、どこか極限状況下においても生還できてしまいそうな、そんな感じがする。

 

 2人がそう感じたことに特に理由はない。強いて言うなら、ボーダーという特殊な環境に長く身を置いている故に培われた勘ゆえに、そう思ったのだろう。

 因みに木虎はただただ2人の動きを見て「負けたくない」という気持ちを強めていた。素直である。

 

「よ、嵐山。お前も苗木くん達の試合を観戦中か?」

 

 そんなことを嵐山たちが考えていると、ふと、後ろから聞き慣れた声が聞こえてくる。

 迅悠一だ。含みのある笑顔を携えて、嵐山たちの元へと歩み寄ってくる。

 

「迅か。まぁ入隊後の付き添いもあるけど、今はそんな所だな」

「そうか。で、どうだ? 2人ともすごいだろ」

「ああ。お前から聞いてた通りだよ。そして確かに……なにか不思議なものも感じさせる。そんな人達だな」

 

 迅からは予め2人のことについて話は聞いていた。「超高校級ってこともあるだろうけど、それを抜きにしてもどこか面白い人達だぜ」なんて聞いていた。

 流石は迅といったところで、期待した通りのものが見れた訳だが……きっと彼のことだ。もっと深いところまで彼らのことがわかっているのだろう。

 その上での「面白い」なのだろう。と、嵐山はなんとなくそう思っていた。

 

「だろ。彼らは今後、このボーダーにおいても重要な役割を果たしてくるよ。近々発生する脅威にも役に立ってくれるだろうさ」

「それは……この前言ってたことか? 2人の未来を見た時に視えたっていう……」

「それだけじゃないけど……まぁそんなところだな。でも、未来は決して悪いようにはならないよ。俺のサイドエフェクトがそう言ってる」

 

 初めて迅から「絶望」の話を聞いた時、嵐山は少し不安になった。災厄紛いの存在。果たして未来は本当に大丈夫なのかと。

 だが、何度聞いたかわからないが……彼のそんなお決まりの文句を聞いて、嵐山は少し安心する。

 いくつもの未来が見える迅が言うのだ。きっと、大丈夫なのだろう。

 

「そうか、お前がそういうなら、きっと大丈夫だな」

「ああ、信じてくれよ。でもそのためには苗木くん達だけじゃない。みんなの頑張りも必要なんだ。頼むぜ、嵐山」

「あぁ、当然だ」

 

 お互いを信頼し合う2人はそう言って、朗らかに笑い合った。

とりあえずヒロインは霧切さんメインで行くとして聞いておきたいハーレムの範囲について

  • ダンロンキャラのみ
  • ワートリキャラも含める
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