ポピーのひしょはいわつかい!   作:ポブラノ

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ポピーがメインの小説が無かったので書きました。


プロローグ

 

 俺の二度目の人生はどこで当初の予定が狂ったのだろうか?

 

 ポケモンの世界のカロス地方に生まれたこと?

…違う。

 

 化石研究所勤めの父親に泣き付いて最初のポケモンをチゴラスにしてもらったこと?

…違う。

 

 前世の知識フル活用してジムバッチ8個を半年で取って現チャンピオン(主人公)に迫る程の鬼才として注目されたこと?

…多分違う。

 

四天王に手も足も出ずに蹂躙されたこと?

…ここだろう。

 

 

では俺の人生においての次善策が降ってきたのは何処がきっかけだろうか?

 

 親の脛にゼンリョクでかじりつくニート生活を始めたとき?

…違う。

 

 カロスの恥だとか、実力派ニートだとか、掲示板で書き込まれた時?

…絶対違う。

 

 ミアレシティの雑居ビルで幽霊に遭遇したこと?

…恐らく違う。

 

 ミアレシティで観光に来ていたはがねタイプ使いの幼女にボコボコにされたこと?

…多分これ。

 

 

『…アンタムさん。ポピーからの“お願い”聞き入れていただけますかな?』

 

 

 嗚呼叶うなら──去年の俺を全力で褒めてやりたい。

 

 

 

 

 さて、俺ことアンタムは現代日本からこのカロス地方に転生してきた者だ。

ポケモンの最終遍歴は剣盾で禁伝環境前まではレート戦をしていたくらい。

ちなみにマスターボール級に滑り込むのがやっとの実力だった。

 

そんなぱっとしない戦績で終わってしまった俺がその鬱憤を晴らすためにカロス地方のジムバッチ集めに繰り出したのはある意味当然の帰結だった。

 

幸いXYはクリア済み。今世の親の伝手や前世の知識を振り回して既にチャンピオンであった主人公もかくやといった大躍進を遂げることになった。

 

 

結局、四天王相手には手も足も出ず俺の快進撃はそこで終わったのだが。

 

四天王には勝てなかったよ…(即落ち2コマ並感)

 

そんな不完全燃焼状態でニート生活を謳歌しながらミアレシティをぶらついていた時にはがねロリ…もといポピーに出会ったのだ。

 

「ポピーしってますの!めとめがあったらポケモンバトル、ですの!」

 

そしてポケモンバトルを吹っ掛けられ、

 

「デカヌちゃん!デカハンマー!」

 

ぱるであちほう?のポケモンに手持ちをボコボコにされ、

 

「もしかして…しょうきん、ないんですの?」

 

ついさっきおまもりこばん持ちのトレーナーにやられて一文無しであることを見抜かれた後、

 

「じゃあ…しょうきんのかわりに、ポピーとおともだちになりましょう?」

 

何故か友達になったのだ。

 

それから1年後、冒頭に戻る。

 

なんでだよ!!(魂からの叫び)

 

まぁ今の俺が騒いだところで場に出てるポケモンが3ターンの間ねむらなくなるだけなのでこの辺りの疑問はともえなげする。

 

電話を掛けてきたポピーの父親曰く、パルデア地方に来てほしい。俺にしか頼めない仕事がある。ポピーが強く希望している。とのこと。

 

俺は一も二もなく頷いた。

 

疑問もあったがそれよりもうだつの上がらない今の生活をどうにかしたくて誘いに乗った。

 

最悪ポピーのヒモになれば良いだろうとも考えた。

お嬢様らしいし、ポピー。おともだちを見捨てることをしないだろう、きっと。

 

そうして俺は辻斬り紛いにポケモンバトルを吹っ掛けて周り賞金を巻き上げて交通費を確保し、パルデア地方へと向かったのだ!

 

 

 

 

 

「パルデアのジムバッチの所持数は…0個ですか…」

 

待ち合わせ場所のポケモンリーグに行ったら緑髪の顔面600族による面接が開始しましたとさ。

 

チャンチャン。

 

 

いやなんでだよ!!(魂からの叫びpart2)

 

 

 

 

 

 

 

▼▼▼

 

 時は一週間ほど遡りパルデア地方ポケモンリーグ本部。

 

パルデア四天王の一人、チリは頭を抱えていた。

 

「あ~あかん。どないしよ。」

 

彼女の悩みの種は先月新しく四天王に就任したポケモントレーナー、ポピーである。

 

彼女はまだ6歳の身でありながらトップチャンピオン、オモダカにスカウトされた才能の権化である。

 

実際にポケモンバトルをした結果も、チリ含めたパルデア四天王3人にそれぞれ10戦して平均勝率3割、本気のジムリーダーを相手にしても相性次第では平均勝率4割強を叩き出す等、6歳のものとは思えない程のものになった。

 

 しかし彼女が未だ未成年であることには変わりなく四天王のポケモンバトル以外の仕事をこなすことは難しい。

 

幸い今月中の事務仕事の量は少なく他の四天王の3人で充分カバー出来るが、来月からはオレンジアカデミーの校外実習、通称“宝さがし”が始まる。

 

 

そうなればポケモンリーグは繁忙期に突入し仕事量は爆増。

四天王兼チャンプルシティジムリーダー兼ポケモンリーグ営業部のアオキは年末の仕事納め直前以上のデスマーチに呑まれ、

四天王兼オレンジアカデミー美術教師のハッサクはあまりの仕事量に男泣きし、

四天王兼チャンピオン認定試験の一次試験の面接官であるチリはストレスと心労からひとりでに体重が減っていく、

正に地獄絵図が展開されることは必至である。

 

そのため今月中にポピーの分の仕事をこなす人員を用意することが必要になってくる。

 

しかし現在のポケモンリーグの人員はカツカツ。

前任の四天王も年齢を理由に引退した手前、呼び戻す訳にもいかない。

かといって今から新しい人材を発掘するのも不可能。

 

故に八方塞がりである。

 

「チリちゃんどうしたんです?」

 

思い詰めた表情でパソコンに向かうチリに話し掛けたのは件の四天王、ポピーであった。

 

「ん?おーポピーかいな。

いやーポピーのお仕事を手伝ってくれる人が居ないか考えとってな。

そうだ!ポピー、エエ感じにお仕事出来そうな人、知り合いにおるか?」

 

ポピーの両親は東3番エリアの開発事業に参加している企業の経営者であり、有能な人材を多数抱えていることでも有名であった。

 

チリはその伝手をポピーから引き出そうとしたのだ。

 

「エエかんじのひと…ですの?う~ん、う~ん…あっ!」

 

「どや?心当たり合ったか?」

 

「カロスちほうのおともだちならエエかんじだとおもいますの!アオキおじちゃんみたいなふんいきでしたからきっとおしごともできるとおもいますの!」

 

チリの脳裏に草臥れたリーマン四天王の姿が浮かぶ。

 

(アオキっぽいっつってもあれ程の図太さのリーマンはそうそういないだろうし大丈夫やろ。)

 

(おともだちっちゅーのは大方、カロス地方のポピーんとこの会社の支社勤めの会社員やろうから呼び出してもまぁなんとかなるやろ。)

 

「そりゃエエなぁ。んじゃあ今度そのおともだち?をこっちに呼んでくれへん?

ポピーのお仕事のお手伝いをお願いしたいんや。」

 

「ばっちりおまかせ!ですの!」

 

ポピーはポテポテと走っていった。

 

「ポピー!走ったら危ないでー!」

 

「がってんしょうちですの~!」

 

 

 

ポピーの元気な返事を聞いたチリは先程より安心したようで再びパソコンに向かった。

 

(後でトップにも報告せなあかんなぁ。

でもまぁ何とかなりそうで良かったわ。)

 

 

 この1週間後、少し厄介なことになることをこの時のチリはまだ知らなかった。




・アンタム
 カロス地方出身の一般通過転生者トレーナー兼ニート。
 名前の由来はアジアンタム。
 いわタイプが好き。
・ポピー
 パルデア地方の四天王兼幼女。
 はがねタイプが好き。
・チリ
 パルデア地方の四天王兼顔面600族。
 じめんタイプが好き。
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