常にまっすぐに。   作:がんがんがん

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趣味がこの二次創作更新になっています。

書きたいこと書いて読んでくれる人がいてほんとにありがたいです

この話を少しでも楽しんでくださっていればほんとにありがたいです


新しい風。これが破天荒娘…?

 時の流れは速いもので、気が付くと吐く息が白い季節から、視界が花の咲き誇る春になっていた。町の空気も目覚めるような雰囲気を帯びており、なぜか何かを始めたくなるような気分にさせられる。

 そんな季節感で私の制服姿は違和感を覚える。何かとミズキには「嫌味か!」と言われるが、この気持ちを理解してくれると思い相談したこちらが詰められるのは納得がいかない。

 私にイエスマンの千束に相談しても、「ファーストなんだから赤に戻してよ」と我儘を聞かされる羽目になる。せめてもの抵抗で、セカンドの制服に変えてもらっているが、それでも鏡を見るのが億劫にはなってきている。

 

 今までの春とは違う思いを抱えて、ペダルをこぎ進めいつもの喫茶店に到着する。

 

 挨拶を交わして店に入ると、ミズキにカウンターでPCを渡される。

 

 「どうかしたの?」

 「ここ指名での依頼が来たの。内容としては護衛任務ね。」

 「へー。受けるの?」

 「まぁ、コレがいいのよね。」

 「なるほど。」

 

 ミズキがにやけながら、指で金を表現する。あまりにも行動原理が露骨ではあるが、彼女の収入減を考えると仕方ない。

 

 「私も何かするの?」

 「そりゃそうよ。今回アイツにも手伝わせるんだけど、囮作戦で一旦クライアントを相手から死亡認識させんだって。めんどくさいけど私が着ぐるみ着て囮ね。」

 「ミズキがわざわざやんなくても私がやろうか?」

 「あんたにそんなことさせたって知られたら、ミカでもただじゃすまないでしょ!」

 「うーん。ミズキにそんなことさせるほうが心配だけど。」

 「…ありがと。」

 「どういたしまして。で、私は何すればいいの?」

 「護衛対象が世界一のハッカー様だってことで、いろんな恨み買ってるらしいんだけどここまで露骨に攻撃を食らってどうしようもないんだって。だからさ。」

 「依頼元の特定と排除ね?」

 「まぁ、概ねそんなとこ。」

 

 そういうことであれば私が適任であると思える。実際、私のスタイルとしてチームを率いるというよりも個人で殲滅していくほうが性にあっているのだ。

 

 「ある程度絞り込めてるの?」

 「ソーレが進められる状況でもないってことで、全然だって。」

 「なるほど。これは私もそこそこのボーナスをいただけるのかな?」

 「そこはクライアントと相談ね。」

 

 状況や依頼内容の記載がされたPCを手元に戻し、操作を行う。終わったのかこちらに水色の画面にリスのロゴが乗った画面をこちらに向けてくる。

 

 『初めまして。今回依頼させていただく「ウォールナット」だ。よろしく頼むよ。災害さん?』

 「ずいぶんな言いようだね?私についてある程度調べがついてるってことかな?」

 

 そこから情報交換を行い、彼との決行日時を定めて画面が終了した。

 厨房にはいつの間にかいたミカがコーヒー豆をいじっている。

 

 「ずいぶん物騒な世の中になったもんだねぇ。」

 「君たちが維持してくれているんだ。まだまだ平和なものだと私は感じているよ。」

 「そりゃどーもです」

 

 机に突っ伏して答える私にコーヒーを継いでくれるミカ。こんな時に何をしてほしいのかわかってくれる彼には本当に頭が上がらない。

 

 「いつも君には世話になっているね。」

 「なーにいってんだか!」

 

 照れ隠しにぶっきらぼうに答えながら淹れたてのコーヒーに口をつける。世話になっているのはこっちのほうだ。私も千束も、あなたに多くを救ってもらったのだ。

 

 「そういえば、後輩が午後くらいに来るそうだよ。」

 「あー、話題のセカンド?」

 「そう。随分と本部にこだわっていると楠に聞いている。」

 「まぁ、リコリスの宿命みたいなものだよね」

 「私にゃわからん感情だね。あんなとこの何がいいんだか。」

 「そういうなミズキ。彼女たちも漠然と任務をこなすのはしんどいものだ。道導になるのが共通意識なのだろう。」

 「そんなもんなの?」

 「私にはわかりませーん!!」

 

 ミズキがにやけながら問いかけるもので、少しいらだちながら返す。コーヒーを一気に飲み下し、更衣室に早足で向かう。

 

 「いじわるだったかな?」

 「まぁ、あの紅葉は黒歴史らしいからな。」

 

 『黒歴史いうな!!!!』

 

 にぎやかに時間が過ぎる空気が、ミズキもミカも好きだった。出会った頃の彼女を知っているからこそこんな何気ないやり取りにも幸せを感じるのだろう。

 

 千束が出勤し、準備が整っていつもの営業が始まる。

 

 ランチタイムを終え、営業に一息ついたころ、ミカが厨房から困った表情を浮かべていた。

 

 「せんせーどしたの?」

 「材料が切れてしまってな、うっかりしていた。すぐに買ってくる。」

 「ちょいちょい!店主なしでどーすんの?私が買ってくるから待ってて!!」

 「待ちなさい千束、買い物リストまとめるから支度をしてきてくれ。」

 「はーい!あ、紅葉!看板娘の不在任せたぞー!」

 「私じゃ役不足でしょ。ミズキが接客頑張るってさ。」

 「なーに勝手いっとんじゃい!」

 

 千束が支度を整え、買い物に出る。相変わらず嵐のような娘だ。

 

 しばらくして、ドアベルが鳴る。そこには黒い制服に身を包み、頬にはガーゼを付けた黒髪の美少女がそこに立っていた。

 

 「本日からこちらに派遣されました、井上たきなです。よろしくお願いします。」

 「や。私は柊紅葉です。よろしくね。」

 「あなたが…。よろしくお願いします!!」

 

 一言目のあいさつで生真面目な態度から目を輝かせて両手を握り詰め寄ってきた。もしかして最近の若い子はこんなに距離を詰めてくるものなのか??

 

 

 




ありがとうございます。土日で二話更新できました。

いよいよたきなちゃん登場です!!彼女のこの態度の秘密とは?
その前にウォールナットですね。
この段階で依頼を受けて作戦を進めていたということで進めさせてください

あの組織とのかかわり方も大きく変えていきますので、そこもお楽しみいただけると嬉しいです。

今回もありがとうございました!

誤字などありましたら教えて下さい!
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