生暖かい目で見守っていただければ幸いです。
拝啓、お母さん。いや、この場合は「前世の」とつけるべきか。
拝啓、前世のお母さん。私は今、赤ん坊になってベビーベッドに寝転んでいます。
察しがいい画面の前のあなたならわかるでしょう。そうです。転生しちゃったんDA☆HAHA☆
なんでテンションが高いのかって?そんなの決まってるじゃないか。そうでもしないと、
「オギャァァァァアァアァアァァ!!!!!」(やってらんねえからだよおおぉぉぉぉおぉ!!!!!)
「あなた!この子元気に泣いたわ!」
「あぁ!よかった...なかなか泣いてくれないから、何か悪い病気なのかと...」
「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」(ふざけるなああああぁあぁぁぁぁ!!!!!)
「あなた!また泣いたわ!」
「あぁ、本当に、感動的だ...ズビッ」
きったね今鼻水垂れたぞ
まぁそれはさておいて、説明しよう!この俺がタクミ・タチバナとして、コーディネーターの母とナチュラルの父の間に転生して生まれてきた世界とは...ガンダムシリーズの中でも地獄と名高いあのコズミック・イラ、C.E.の世界なのである!
もっとわかりやすく言うと、『機動戦士ガンダムSEED』の世界である!
いやさ、転生モノって憧れるよ?憧れるけどさ、まさか地獄に直送されるとは思わないじゃん?俺そうと知ってたら絶対神様に土下座してたもん。『靴舐めでも何でもするんで、コズミック・イラだけはやめてください』って。
そんな地獄に生まれた俺だが、どうしてもやりたいことがある!そう!ガンダムに乗りたい!男の子の夢である!
あとついでに推しのナタルさんと結婚出来たらいいな
というわけで、軍の士官学校をなんとかこんとか卒業した結果、
私は今、グリマルディ戦役にて、モビルアーマー「メビウス」のパイロットとして最前線にいます。
「嫌だあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「うるさいぞ新入り!」
「まぁまぁ、俺だって初実戦の戦況がこんな絶望的だったら、発狂の1つや2つしたくもなるさ。」
こう言うのは、「メビウス・ゼロ」を駆るムウ・ラ・フラガ少尉
原作でも重要な立場にいる、ネームドキャラである。
原作開始時点では異名持ちの大尉だったが、この時点ではまだ昇進していなかったらしい。
「し、失礼いたしました、フラガ隊長。何分初めての実戦なもので、緊張してしまいまして。」
「いいってことよ!俺もルーキーの頃は、っと、そろそろ敵部隊との接敵が予想される地点だ。各自、気を引き締めるように。」
「「「「「了解!」」」」」
くっそぉ、やっぱ、いざ実戦となるとおっかねぇよぉ
こんな時は、逃げるに限る!今ならまだ引き返せる!
そう思い立ち、反転するためにこっそりと機体のスピードを落とした時だった。
「ん?おい新入り!何をしてい...」
上官からの無線はそこで途切れ、隣を飛んでいた機体が爆散した。
「なッ、敵襲!敵しゅ...」
「うわあああぁぁぁ!!!」
「嫌だぁぁぁ!お母さああああぁぁ...」
断末魔をあげ、散っていく同胞たち。
阿鼻叫喚。まさに、一方的な虐殺だった。
6機いた小隊が、気づけば、俺とフラガ隊長の2機になっていた。
目の前には一つ目を光らせる巨人。
あぁ、俺の2度目の人生はここで終わりか
死の間際って、ほんとにどうでもいいことばかり考えつくんだな
そんなことを思いながら、瞼をきつく閉じた。
しかし、いつまで待っても痛みも衝撃もやってこない。
目を開くと、輝く橙の流星が、戦場を駆け回っていた。
「ボサっとするな!動け!やられるぞ!」
「ッ!うおおおおおぉおおぉぉ!!!」
今思えば、あの時はどうかしてたんだと思う。
バカ正直にジンに突撃なんかしちゃってさ。
たまたま被弾しなかったからいいものの、いつ死んでもおかしくなかった。
そのまま至近距離でレールガンを発射、これが運よくジンに当たって、あたりどころが良かったのかそのまま撃墜までしちまった。
「初戦果が初陣とは、やるじゃないのルーキー!俺とエレメントを組むぞ!死なないことだけ考えるんだ!いいな!」
「畜生!ちくしょおおおぉぉぉぉぉ!!」
そこから先は、あまり覚えていない。
我に返ると、どこかのハンガーにいた。
「ルーキー!ルーキー!おい無事か!」
「うぅ...隊長...俺、生きてますか...」
「あぁ、もちろん生きてるさ!よく頑張ったな!よく生きて帰ってきた!」
「そうですか...俺、生きてるんですね...良かっ...た...」
「おい!どうした!おい!くっそぉ、だれか担架持ってきてくれ!ルーキーが倒れたぞ!」
しばらくして、起きてから聞かされて知ったことだが、俺は隊長との共同戦果2機含め、ジンを3機撃墜したらしい。
その後基地へ戻り、俺とフラガ隊長は表彰された。
この表彰で、フラガ隊長は大尉に、俺は曹長に昇進した。
数か月後、それなりに仲良くなった俺たちは、基地の港にいた。目の前には、これから乗り込むことになるシャトルが鎮座している。
「しっかし、まさか俺が異名持ちになるなんてね。入隊した頃は考えてもみませんでしたよ。」
「俺だって考えてなかったさ。あの頃の隊長と新人が、今となっちゃ二人そろってエースパイロットになるなんてな。人生何が起こるかわからないもんだ。」
「俺はイケてると思いますよ?フラガさんの異名。『エンデュミオンの鷹』!かっこいいじゃないですか。」
「俺はあんまり気に入ってないんだけどなぁ、それ。もっと、『不可能を可能にする男』とかのほうが良かったんだがなぁ。そういうお前も、『レッドウイング』なんてカッチョイイ異名持ってるじゃない。」
「まぁ、俺はそこそこ気に入ってます。名前の由来は気に入ってませんけど。」
「そういうなって。『ジンの返り血に染まった両翼』なんて、イカしてるじゃないの。」
「いうなれば返り血ならぬ『返りオイル』ですけどね。なんにせよ、お偉いさんたちにとってはプロパガンダにちょうどよかったんでしょうね。」
「違いないな。そういや、この前また昇進したんだろ?その年で准尉まで上り詰めるやつはなかなかいないって、どこ行ってもその話題で持ちきりだぜ。」
「俺まだ新米の枠組みに入ってると思うんですがね。だって24ですよ?お給料よくなるのはありがたいですけど。」
「そんでもって、若くして『極めて重要な任務』に就くとは、エリートコースまっしぐらじゃないの。」
「不安でしかないですけどね。『指定のシャトルに乗り、月面基地へ向かえ。詳細な指示は現地にて通達する』なんて。」
「まぁ、何とかなるだろ。...しかし、寂しくなるな。」
「ええ。寂しくなりますね。でも、当分は宇宙にいますし、また会えますよ。」
「ああ。そうだな。さよならなんて言わないぞ。二度と会えなくなりそうだ。」
「俺だって言うつもりないですよ。...じゃあ、『また
「いいねぇ、気に入った!」
「それじゃ、『また
「あぁ。『また
「さて、着いたわけだけど、どこ行きゃいいのかしらっと。3番ドック3番ドック...すいません、3番ドックって、どちらでしょう...か...」
なぜ最後、言いよどんでしまったのか。理由は、俺が尋ねたのがどこからどう見ても原作のネームドキャラにして、主人公が乗艦するアークエンジェルのメカニックリーダー、コジロー・マードックその人だったからだ。
やっぱり原作キャラに会うってのはヲタクにとっては夢にまで見たことだから、あまりの衝撃についボーっとしてしまった。
「3番か?ちょうど俺も行くところだから、案内してやるよ。なんだ?俺の顔になんかついてるか?」
「あ、いえ。慣れない場所なもので、緊張してしまいまして。」
「なんだ?今日来たばかりの新人か?よし若造!気になることがあったら、何でも先輩であるこの俺、コジロー・マードックに聞いてくれていいぞ!」
「は、はあ。ありがとうございます。」
「いいってことよ!それじゃ、行くぞ!」
「ここが3番ドックだ。」
「ありがとうございます。マードックさん、これって...」
あのあと、雑談をしながら移動し、お目当ての3番ドックに着いた。
そこで俺を待っていたものは、
「あれか?あいつぁ、今度連合で初めて試作されたモビルスーツだ。確か、GAT...」
「GAT-X101 モビルスーツ『アサルト』だ。」
モノアイではあるものの、二本の角のようなアンテナを持つ灰色の巨人、
ガンダムだった。
「失礼ですが、あなたは...」
「私はナタル・バジルール少尉だ。今回の任務にサブリーダーとして参加する。貴官らは?」
「少尉殿でしたか。俺...私は、メカニックとして参加いたします、コジロー・マードック軍曹であります!ほら若造、お前も挨拶しろ。」
「自分は、タクミ・タチバナ准尉であります!」
「えぇ!?」
「ふむ。軍曹、先ほど上官に対して不適切な言動があったようだが?」
「い、いえ、あれはですね...」
「自分が頼んだのであります!」
「ほう?どういうことか、説明しろ准尉。」
「はっ。自分が年上から敬語で接されることに慣れていないこと、軍曹と話した際に何度もつっかえて敬語に言い直すなど、スムーズなコミュニケーションがとりにくかったこと。以上二つの理由から、円滑なコミュニケーションを図るために、軍曹には普段と同じ口調で話すように頼んだのであります。」
「ほう、そうか。軍曹、話の内容は正しいか。」
「はっ!正しいであります!」
「そうか。では今回は不問とするが、今後公の場では慎むように。いいな!」
「「はっ!」」
「私はこの後業務があるのでこの場を離れる。各自、自分の作業に取り掛かるように。」
あーまじ推しに出会えた感動より威圧感と緊張でガッチガチに萎縮してしまった!俺ちゃん一生の不覚!ま、これから会うことも多いみたいだし、いっか☆
それにしても、原作前の段階で推しに会えるなんて、俺ァラッキーボーイだぜぃ☆
「ありがとうございやした。まさか、准尉殿だったとは。大変失礼いたしました。」
「いえいえ、お気になさらないでください。むしろ、これからもさっきまでの口調で接してもらえませんか?年上からの敬語ってのは、なんかむず痒いんです。」
「いえしかし、上官殿ですし...」
「では、こうしましょうか。コジロー・マードック軍曹に告ぐ。私には、今後もさっきまでの態度で接するように。これは上官命令である。なんちゃって。」
「ずるいですぜ?准尉殿。そうやって言われちゃ、断れなくなっちまう。」
「ええ。断ってほしくなかったので。」
「はぁ~...んじゃ、改めて。コジロー・マードック軍曹だ。」
「改めまして、タクミ・タチバナ准尉です。」
「よろしく頼むぜ!若造!」
「こちらこそ、よろしくお願いします、おやっさん。」
「おやっさんだぁ?まだ俺そこまで老けてるわけじゃねぇんだけどなぁ。」
「あんちゃんとか兄ちゃんって感じでもないなと思いまして。」
「ははっ、それもそうだ。ま、とにかくよろしく頼むぜ!ガッハッハ!」
「こちらこそ、よろしくお願いしますね。」
「そういえば、この機体って、誰が乗るんですかね?俺への任務も聞かされてないし。」
「なら、さっきの少尉殿のところ行って聞いてくりゃいいんじゃねぇか?」
「ですね。行ってきます。」
コンコン
「タクミ・タチバナ准尉であります!任務について質問があり、参りました!」
「入れ!」
「入ります!バジルール少尉、自分の任務についてなのですが。」
「あぁ、そういえば貴官の任務は現地通達だったな。では、任務を通達する。貴官の任務は、GAT-X101 アサルトのテストパイロットである。これは、極めて重要な任務であるため、気を引き締めてあたるように。いいな!」
「はっ!それでは、失礼致します!」
「おやっさーん!聞いて来ましたよ〜!」
「おう若造!どうだった?あれのパイロットも分かったのか?」
「はい!あれのパイロット、俺だそうです!」
「そうか!お前か!」
「「えぇぇええぇぇぇぇえぇぇぇぇ!?」」
「いや、なんで本人のお前さんまで叫んでんだよ!」
「聞いた時は緊張しすぎて実感湧かなかったんですって!」
「まあ、確かに気持ちは分かるけどよぉ...まあ、頑張れよ。俺たちが最高の状態まで仕上げてやらぁ!」
「はい、お願いします!」
「うるさいぞ貴様ら!」
「「すいませんでした!」」
「なんてこともあったっけな〜」
「んぉ?どうした若造?」
「いえ、ちょっと昔のことを、ね。しかし、時が経つのは早いもんですね。初めてこいつに乗ってから、あっという間だった。」
「確かにな。つい最近担当になったと思ったら、もう解体だ。」
「これでこいつともお別れですか。結構愛着はあるんだけどなぁ。」
「まあ、上からの指示なんだ。仕方ないさ。」
「確かにそうですけどね。この後、こいつの後輩たちを積み込んでから解体でしたよね?」
「おう、そうだ。こいつはもうお払い箱ってやつになっちまうわけだな。」
アサルトは本来なら存在しなかった、PS装甲の実証試験のためだけに製造された機体だった。
そのため、ここヘリオポリスでXナンバー5機をアークエンジェルに積み込んだ後、解体されることが決まっていたのだ。
「そういえば、初出撃では1つ目だからって味方のメビウスから撃たれたりもしたっけ。」
「あの後だったよな。こいつに今みたいにバイザー付けたのは。」
「あの時は大変だった...PS装甲が無かったら死んでたかもしれません。」
「どうせ改修するならって、肩を赤くしたのもあの時だよな。」
「そうですね。まさか異名が『レッドショルダー』に変わるなんて思ってませんでしたけど。」
「なんならお前さん遠距離武器すら無かったもんな。」
「ジンからマシンガン奪って現地調達とか、控えめに言って頭おかしいっす。」
アサルトの初出撃時、モノアイがゆえに友軍がザフトの新型と勘違いし、撃ってくることが多々あった。そのため、おやっさん達メカニックに頼んで頭部に改造を施してもらい、今は宇宙世紀のMS『ジム』にガンダム特有の2本の角が生えたような顔になっている。いわゆるバイザーってやつが付いた形だ。ちなみに、他のXナンバーがツインアイになったのはこの事件の教訓を生かしたとか生かしてないとか。
ついでに肩も赤くしてみた。『レッドウイング』なんてカッチョイイ異名、腐らせておくには勿体ないしね。さすがに『レッドショルダー』に変わるのは予想外だったけど、まあそれはそれで気に入ったから良しとしよう。
「そういや若造、お前さんなんであいつをアサルトじゃなくて、アサルト『ガンダム』って呼ぶんだ?」
「それはですね、起動時に画面にOSの名前出るじゃないですか?」
「確か、ジェネラル・アン....なんだっけ?」
「俺も覚えてないです。で、そいつらの頭文字を取ると、G、U、N、D、A、Mとなりまして、繋げて読むと?」
「なるほどな、それで『ガンダム』ってわけだ。」
「そういうことです。語感がかっこよくて割と気に入ってます。」
なんてたわいも無い話をしてると、轟音とともにアラートが鳴り響く
「な、なんだなんだぁ!?」
「(ついに来ちまったか、この時が...)おやっさん!アサルトを出せるようになるまで、どのくらいかかりますか!?」
「アサルトぉ?ほぼ弄ってないから、多分2,3分で出来る!」
「お願いします!必要になるかもしれません!俺1回ブリッジ行ってきます!」
「おう!気をつけろよ!」
この揺れは、恐らく第1話でザフトが攻めてきた時のものだ。この平和なコロニーは、そう遠くないうちに地獄になる。今は学生の彼らも巻き込まれてしまうだろう。だが、この世界には俺という異物がある。イレギュラー?原作からの逸脱?知ったことか。なんとでもなるはずだ。この世界には俺とガンダムがいる。いずれにせよ、賽は投げられた。なんとしても生き残る。そう強がり、決意を固め、俺はブリッジへと通路をひた走るのだった。
エタらなければ、次回、原作スタートです
感想、評価お待ちしております
ウェンディ生存ルートのスピンオフ、どうする?
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『始まりの戦士』と同時進行で投稿する
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『始まりの戦士』が完結してから投稿する