機動戦士ガンダムSEED 始まりの戦士   作:お鶴

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太字はHUDのメッセージです。ウィズの実行結果とかだと思っていただければ。


PHASE-03

「完ッッッッッ全に行き詰まった...」

 

さて、ただいま俺は食堂の隅っこにいます。アルテミスまではあと1時間位であろうか。端的に言うと、プログラムが行き詰まったのである。心機一転、食堂に移動して自分だけで組めるところは組んでみた。だが、実機で調整しながらでないと、やはり不安が残る。

 

「こっから先はおやっさん達と相談しながらかな〜。さて、ちょいと腹ごしらえと行きますかね。」

 

その時、食堂のドアが開いて見知った顔が見えた。

 

「む?タチバナか。」

 

「おっ、バジルール少尉じゃないですか。休憩ですか?」

 

「そうだ。アルテミスまで休憩の許可が出たのでな。それよりも、休憩中に階級で呼ぶのはやめろと言っているだろう。気が休まらん。」

 

「わかりましたよ、バジルール"さん"。」

 

「なぜそこまで"さん"を強調する...何のプログラムを組んでいるんだ?」

 

「これですか?アサルトに積む予定の支援AIです。『ウィズ』って言います。」

 

「支援AI?」

 

「はい。火器管制とか情報処理、あとはOSのリアルタイムでの調整とかをさせる予定ですね。」

 

「火器管制はいいとして、なぜOSの調整が含まれている?必要ないだろう。」

 

「そういえば、バジルールさんにはまだ見せてませんでしたね。こちらをどうぞ。」

 

そう言って、おやっさんと作った計画書をパソコンの画面で表示し、バジルールさんに見せる。

 

「ふむ、『DASH計画』か...」

 

「端的に言うと、アサルトの四肢を他のGのものと交換して運用する計画ですね。ストライカーパックみたいな感じで換装して、戦局への高い適応性を持たせることを目指してます。」

 

「なるほど...しかし、今のアサルトのまま戦ってもいいだろう?そこまで焦る必要は無いと思うのだが...」

 

「正直な話、今の状況だと厳しいからですね。フラガさんのゼロが修理から戻ってきても、アークエンジェルを守り切れるかどうか...敵の数によっては、DDを解禁することも考えておくべきですね。」

 

「DDだと!?あれはパイロットを殺す、悪魔のシステムなのだぞ!?」

 

「俺だって、危険性故に計画が凍結されたことも、被験者が俺以外みんな死んだことも知ってます。ですがこの艦を守り抜くためには、使わざるを得ない場面も出てくるかと。」

 

「しかし...」

 

「あくまでも最終手段ですよ。普段からバンバン使う訳じゃないんでご安心くださいな。」

 

「絶対だ。絶対に使うなよ。いいな?」

 

「使わないようにはしますよ、っと、保存完了。さて、これから軽食作りますけど、バジルールさんも食べます?」

 

「ああ。頂こう。」

 

「了解致しました〜少々お待ちくださいませ〜。」

 

というわけで作りました。おにぎりでございまーす。具はわかめを混ぜ込んでみた。米はどこから出てきたのかって?自室に備蓄してある個人用のサ○ウのごはん的なパックご飯から作りました。

 

「お待たせ致しました〜わかめおにぎりでぇす。」

 

「ありがとう。ふむ...なかなか美味いな。」

 

「お褒めに預かり光栄です。それはそうと、なんとかアルテミスでキラくん達を下ろしてあげられませんかね?」

 

「彼らも民間人だが、事情が事情だからな。恐らく無理だろう。」

 

「ですよね〜。なーんかさっきから忘れてる気がするんだよな〜。

 

「どうした?」

 

「いえ、なんか大事なことを忘れてる気がするんですよね。」

 

「そうか。まあ、いずれ思い出すだろう。」

 

「バジルール少尉、至急ブリッジへお戻りください。繰り返します。バジルール少尉、至急ブリッジへお戻りください。」

 

「バジルールさん呼ばれてますよ。」

 

「そのようだな。すまないが、片付けを任せてもいいか?」

 

「全然大丈夫ですよ。おまかせあれ。」

 

「助かる。」

 

そう言って、バジルールさんはブリッジへ向かった。俺が食器を洗って片付け終わったところで警報が鳴り響く。

 

「敵影補足、第一戦闘配備。軍籍にあるものは至急持ち場につけ!タチバナ准尉およびキラ・ヤマトは至急ブリッジへ!」

 

 

 

 

 

 

「タクミ・タチバナ、入ります!」

 

「来たわね。作戦を立てます。フラガ大尉、状況を。」

 

「敵はローラシアが1、ナスカが1だ。このままだとローラシアに追いつかれる。かといって、エンジンを使えばナスカが転進して追ってくるぞ。」

 

「なぁるほど?四面楚歌、ってやつか...」

 

うんうんと唸りながら作戦を考え、意見がまとまったところでチャンドラ伍長から声が掛かった。なんでも、「民間人が艦長と話したがっている」とのこと。

 

「今は取り込み中だ。文句は後で聞いてやるから大人しくしておけと言っておけ!」

 

「いえ、あの...ヘリオポリスから一緒だった学生たちです。」

 

「ヘリオポリスの学生?あぁ、キラくんのご学友達ですか。」

 

「そうです。彼らが、自分たちも艦の仕事を手伝いたいと...」

 

「えっ?」

 

そういやこのタイミングだったか...艦長、俺は許可すべきだと思います。人手は依然足りていませんし、今のままだとストライクとアサルト、フラガさんのゼロを同時に担当することになるオペレーターの負担が大きすぎると思います。」

 

「私もタチバナ准尉と同意見です。今は1人でも多く人手を確保した方が良いかと。」

 

「なるほど...わかりました。許可しましょう。では、今から作戦を通達します。確認次第、フラガ大尉とタチバナ准尉は自機にて待機を。作戦は...」

 

 

 

 

作戦が通達された後、ロッカールームで着替えてパイロットの待機所に向かった。そこには青いパイロットスーツを身にまとったキラくんがいた。

 

「ようやくやる気になったってことか、そのカッコは。」

 

「パイスー姿もなかなか様になってるぜ。キラくん。」

 

「大尉が言ったんでしょう。この艦を守れるのは、僕とあなた達だけだって。僕だって戦いたくないけど、この船は守りたい。みんな乗っているんですから。」

 

「俺たちだってそうさ。意味もなく戦いたいやつなんざ、そうそういない。戦わなきゃ守れないから、戦うんだ。」

 

そう言われたキラくんは覚悟を決めたようで、1つ大きな深呼吸をして、真っ直ぐに俺たちを見つめた。

 

「いい顔になったじゃあないか、キラくん。守るべきものがある、戦士の顔つきだぜ。」

 

「だな。よし、作戦を説明するぞ...」

 

 

 

 

 

 

作戦をキラくんに教え、ハンガーに向かった。

 

「とにかく、艦と自分を守ることだけを考えるんだぞ。タクミもいるから、きっと大丈夫だ。」

 

そう言って、フラガさんはゼロに搭乗した。

 

「よし、キラくん。俺達も行こうか。」

 

「はい。」

 

「ヤバくなる前に教えてくれよ。何とかするからさ。」

 

そう言って俺達もそれぞれのMSに搭乗する。

ストライクがカタパルトに運ばれている時、俺はいつも通りに武装の最終確認を行う。

 

「若造!今回はどうする?」

 

「いつも通りデュエルのライフルと、あと一応リロード式ライフルも持ってきます。W.I.Zの基本プログラムができたんで、その試運転も兼ねて色々試してみます。」

 

「わかった!ウェポンラック開けといたぞ!」

 

「ありがとうございます。」

 

リロード式ライフルを後腰部ハードポイントにセットし、予備のマガジンも懸架する。そしてシールドとデュエルのライフルを手に持ち、カタパルトに機体を固定した所で通信が入った。相手はキラくんのご学友のミリアリアさんだ。

 

「タチバナ准尉、今作戦からMAおよびMSの管制を担当するミリアリア・ハウです。よろしくお願いします。」

 

「おっ、こちらこそよろしく頼むよ。これからオペレーターもハウさんが担当かな?」

 

「残念だったなタチバナ准尉、貴官のオペレーターは引き続き私だ。」

 

「あ、オペレーターは変わらないんですね。」

 

「不満か?」

 

「いえいえ滅相もございません。安心感があるんで、むしろありがたいくらいです。」

 

「ふん、まあいい。そういう事にしといてやる。貴官はストライクの後に出撃だ。いつでも出られるようにしておけ。」

「了解。通信終了」

 

通信を一度切った俺は、小型のスマートスピーカーを取り出した。コードを取り出し、機体と接続する。

 

「さて、こっちもやることやりますかね。ウィズ、起動!」

 

音声を認識したプログラムがHUDに文字を羅列していく。

 

W.I.Z

Weapon

Interface

Zenith

 

booting...Complete

 

「起動完了、OSアジャスト開始。」

 

Scanning...Complete

MOS_Overwrite...Done

System...All grean

 

「よし、ちゃんと動いているな。」

 

俺は視線を、HUDの新しく出現したエリアへ持っていく。そこには、『L・Arm:ASSAULT(左腕:アサルト)』や『R・Weapon:DUEL(右手側武器:デュエル)』など、しっかりと認識していることを示していた。

 

「今のところは問題ないかな。いい感じ。」

 

「準備はいいか?タチバナ准尉。」

 

「大丈夫です。いつでも行けます!」

 

「よし、アサルト発進!」

 

「了解!アサルトガンダム、タクミ・タチバナ!出ます!」

 

戦場へ出ると、既に敵MS隊は出撃を完了していた。

 

「タチバナ准尉!敵部隊はジン2機とイージス、デュエル、ブリッツ!ジンのうち1機はオレンジ色だ!」

 

「了解!キラくん、把握出来たかい?」

 

「大丈夫です!」

 

「よし、フラガさんが戻るまで耐えるぞ!」

 

「はい!」

 

戦況の確認を終えると、真っ先に向かってくる機影が見えた。オレンジのジンと黒いジンだ。そのうち黒い方がかなり突出している。

 

「今日こそ貴様を...おい!先行しすぎだイザーク!」

 

「うるさい!こいつのせいで、俺はMSを奪取出来なかったんだ!その汚名を返上する!死ねぇぇぇ!」

 

「いや知らねぇし!八つ当たりじゃねぇか!」

 

黒いジンにはイザークが搭乗しているようだ。原作と同じく感情的になりやすいようで、馬鹿正直に突っ込んでくる。

 

「邪魔だ!」

 

「グォッ!?この俺を踏み台にしただと!?」

 

突き出された重斬刀を上に移動して躱し、そのままジンを飛び越えるついでに蹴り飛ばして遠くに追いやった。ライフルとグレネードを乱射してミゲル機を牽制する。

 

「ちっ!鬱陶しい!」

 

「こっちも余裕は無いんでね!」

 

ミゲル機もビーム砲で応戦するが、こちらの手数に着いてこれないでいる。

しかしその時、警告音が鳴り響いた。

 

Warning_Behind

 

「警告?後ろか!」

 

振り返ってシールドを構えると、衝撃が襲った。シールドの陰から見やれば、イザーク機がマシンガンを連射しながらこちらに向かってくる。

 

「おのれ貴様ァ!2度も俺をコケにしやがってぇ!」

 

「アークエンジェルよりアサルトへ!敵機に取り付かれた!援護を頼む!」

 

「だぁぁぁやることが多い!とりあえずお前からだ!」

 

イザーク機に向かってライフルを投げつけた。

 

「フン!そんな攻撃、脅しにもならん!」

 

イザーク機は易々と避けてみせるが、その隙に後腰部から2本目のライフルを取り出した。

 

「ウィズ!OSアジャスト、リロード式ライフルに最適化!射撃をアシストしてくれ!」

 

MOS_Overwrite...Done

Aim_Assist...Enable

 

俺の命令を受けたウィズが瞬時にOSを調整し、狙いをより正確に定めて引き金を引く。

ウィズのアシストを受けて放たれたビームは、寸分の狂いもなくライフルのグレネードランチャー部分に着弾、誘爆を引き起こした。

イザークのジンはその爆発をモロに背中で受け、大きく損傷したバックパックから煙を上げている。高機動戦は不可能だろう。念の為、慣性で流れてきた機体をミゲル機に向けて蹴り飛ばしておく。

 

「イザーク!チッ...ミゲル機よりガモフへ!イザーク機破損!1度連れて帰る!」

 

「何をするミゲル!離せ!俺はまだ戦える!」

 

「バックパックがその状態じゃ無理だ!1度戻るぞ!」

 

「ちくしょう...おのれレッドショルダー!」

 

「ひとまず第1関門は突破か。ナイスアシストだったぜ、ウィズ。アサルトよりアークエンジェルへ、これより援護に向かう!」

 

残る敵は3機、そのうちイージスはストライクと交戦中で、アークエンジェルに攻撃を加えているのはブリッツとデュエルだ。

この2機であれば、必然的に狙う敵は決まってくる。

 

「アサルトよりアークエンジェルへ、ブリッツは引き受けます!」

 

「了解した!頼んだぞ!」

 

ブリッツに向けて数発ビームを撃ち、意識をこちらに向けさせる。

 

<アサルト?まさかミゲルたちが!?>

 

1度ライフルを後腰部に戻し、サーベルに持ち替えた。迎え撃とうと身構えると、ブリッツが眼前で消えた。

 

「ミラージュコロイドか!ウィズ!センサーの感度上げてくれ!」

 

ウィズが音声を認識し、センサーをより鋭敏に稼働させた。

HUDに映る情報に細心の注意をはらい、ブリッツの姿を探す。

 

Warning_Right

Warning_Behind

Warning_Left

 

しかしそれでもなかなか捉えきれない。

ブリッツがライフルを撃つ度に警告音が鳴り響き、HUDが赤く染まる。

しかしそちらに射撃しても、ブリッツは既に移動した後だ。1発たりとも当たらない。

こちらも何とか躱してはいるものの、このままでは時間の問題だろう。

 

「ラチが開かねぇ!アサルトよりアークエンジェル!援護砲撃をお願いします!こっちに実弾ばらまいて下さい!」

 

「何!?それだとアサルトにも当たるぞ!」

 

「大丈夫です!何とかします!」

 

「わかった。スレッジハマー、イーゲルシュテルン照準、てぇっ!」

 

その号令により発射されたミサイルと機関銃の弾が雨のように降り注いだ。シールドを構えてやり過ごし、避け、避けきれない弾はPS装甲で受けて何とか凌いだ。ブリッツを見やれば、ミラージュコロイドを解除してPS装甲に切り替えたところだった。すかさずサーベルを構え、一気に肉薄して近接戦闘に持ち込む。

 

「見つけた!」

 

<自分ごと撃たせて炙り出すなんて!正気じゃない!>

 

「あいにくだが、こちとらとっくに普通の人間なんざ辞めてるんでね!」

 

切り結び、引き離されても、距離を取られても食らいつく。もう二度とステルスを使われないように、ゼロ距離での戦闘を続けた。時折アークエンジェルからの援護も受けつつ戦っていると通信が入った。耳をすませば、ハウさんの切羽詰まった声が聞こえる。

 

「アサルト!聞こえるか!?」

 

「こちらアサルト、聞こえてます!」

 

「ストライクがイージスに捕獲された!」

 

「なんですってぇ!?捕まったァ!?」

 

「至急救援に向かってくれ!艦の武装で狙おうにも、ストライクに当たる可能性がある!フラガ大尉が出払っている今、向かえるのはお前しかいない!」

 

「そんなこと言われたって!だあぁ!お前さっさと撤退してくれって!」

 

<逃がしませんよ!戦力はできるだけ削る!>

 

<ニコル!聞こえるか?>

 

<ディアッカ?どうしたんですか?>

 

<撤退だ!アスランがストライクを確保した!すぐに引き上げるぞ!>

 

<了解!すぐに向かいます!>

 

こちらはストライクの救援に行きたくて、敵は撤退したい。そのために双方戦闘を終わらせたい。なんとも好都合な状況である。とりあえずブリッツを蹴り飛ばし、その反動でアークエンジェルに向かって飛ぶ。

 

「アサルトへ!フラガ大尉から通信が入った!今送ったポイントでストライクを換装させる!それまでの間、ストライクが敵母艦に連れ去られるのを何としても防げ!」

 

「了解!おやっさん!聞こえますか!?」

 

「どうした若造!」

 

「バスターに乗り換えます!あいつの高パルス砲なら狙撃できるはずです!」

 

「わかった!ハンガーのハッチを開けておく!OSは自分で書き換えてくれ!」

 

「了解!助かります!アサルトよりアークエンジェルへ!俺はこれからバスターに乗り換えて、イージスを狙撃します!甲板の給電ケーブル使わせてください!」

 

「狙撃だと!?」

 

「今から全速力で向かっても間に合いません!だったら狙撃で牽制して、フラガ大尉の到着まで耐える方が現実的です!」

 

「了解した!外すなよ!」

 

ハンガーに飛び込み、アサルトを壁面に固定するや否やコクピットから飛び出した。その勢いでバスターのコクピットに入り、ウィズを接続、OSを書き換える。

 

「アジャスト完了、パラメータ問題なし!バスターガンダム、出ます!」

 

再出撃し、バスターを甲板から伸びる給電ケーブルに接続する。

両手に保持するガンランチャーと収束火線ライフルを合体させて超高インパルス長距離狙撃ライフルにする。

 

「メインカメラ最大望遠。ウィズ、射撃アシスト頼む!絶対に外せないぞ!」

 

Aim_Assist...Enable

 

「当たらなくていい...足が止まりさえすれば...」

 

LOCK ON

 

「行けぇぇぇ!」

 

狙撃ライフルから放たれたビームはイージスに直撃こそしなかったものの、リアアーマーのスラスターを掠め、小規模な爆発を引き起こした。

 

<狙撃だと!?一体どこから!?>

 

<あの方向...まさか足つきから!?>

 

さらにフラガさんのゼロも到着し攻撃に加わる。ガンバレルを展開、一斉掃射でイージスにダメージを与え、ついには拘束を解かせることに成功した。

ストライクは指定ポイントに向けて飛び、それをブリッツとデュエルが追いかける。

 

 

「マードック軍曹!準備は!」

 

「いつでも!しかし無茶ですぜ!途中で落とされちまったら...」

 

「無茶は承知よ!やるしかないの!バジルール少尉、タイミングは任せます!」

 

「了解!艦のコントロール、こちらへ!レーザー電磁レーダー、オンライン!ストライクとの相対速度合わせ、カタパルトの射出モーメント制御をランチャーストライカーのコンピュータに渡せ!タチバナ!」

 

「準備OKです!いつでもどうぞ!」

 

「よし!ストライクを援護してやれ!」

 

「了解!」

 

ストライクが艦の前方に回り込み、換装の最終準備に入った。しかし、デュエルが行く手を阻まんと接近してくる。ビームライフルを構え、虎視眈々と狙いを定めている。

 

<換装なんかさせないぜ!>

 

「タチバナ!」

 

「対象をロックオン、相対速度再計算、偏差を調整、角度修正...完了。よし、狙い撃つぜぇ!」

 

デュエルがロックオンを完了させる前に、狙撃ライフルを発射した。デュエルは構えを解いて、回避行動をとる。その隙にストライクはランチャー装備に換装し、PS装甲を再度展開した。アグニを構え、デュエルに狙いを定めている。放たれた一撃により、デュエルの片腕をもぎ取った。

畳み掛けるように、メビウス・ゼロもレールガンで攻撃を再開した。

俺も2人に合わせて狙撃ライフルの第2射、第3射を放つ。

敵MSは踵を返して撤退していく。

 

「敵モビルスーツ群、撤退していきます!」

 

 

 

 

 

 

戦闘終了後、俺はハンガーに戻った。機体から下りると、何やらストライクの周辺が騒がしい。

 

「おやっさん、何があったんです?」

 

「どうした?」

 

「若造とフラガ大尉。いやぁ、なかなか坊主が出てこねぇもんで...」

 

「なるほど...ハッチ開放するんでちょっと離れててください。キラくん、開けるよ。」

 

ハッチを開けると、そこには肩で荒い息をするキラくんがいた。

 

「もう終わったんだ。出てこいよ。」

 

「君もフラガさんも俺も、もちろん艦も無事だった。君は本当によく頑張ったよ、キラくん。」

 

「あぁ。上出来だったぜ。さ、下りてこいよ。」

 

フラガさんが、キラくんの手を操縦桿から優しく剥がしていく。

 

「そうそう、ひと仕事したあとで申し訳ないんだが、一つだけいいかな?」

 

「はぁ...はぁ...なんですか?」

 

「これにOSをコピーした上で、機体側のOSを初期化してロックをかけてくれ。君以外の誰も、俺やフラガさんであっても、ストライクにアクセスできないように。」

 

そう言って俺は記録メディアを手渡した。

 

「お前も同じこと考えてたみたいだな、タクミ。」

 

「ええ。アルテミスでは何をされるかわかりませんから。ちゃんと自衛しないと。」

 

「アルテミスも連合の基地じゃないんですか?」

 

「たしかに連合の基地なんだけど、なんというか、その...早い話が内ゲバみたいなもんさ。戦後の外交で優位に立てるように、モビルスーツみたいなわかりやすい手札が必要なのさ。ユーラシアはモビルスーツの技術なんてこれっぽっちもなくて、そこにモビルスーツが3機もやってきた。なんてことになったら、やっぱりデータ欲しいじゃない?だから、絶対に渡さないようにして欲しい。」

 

「なるほど、わかりました。やっておきます。」

 

「頼んだよ。俺はアサルトとバスターで作業してくる。」

 

 

 

 

 

アークエンジェルがアルテミスの傘の内部へと入っていき、ドックに誘導されていく。

船体の固定が終わるや否や、銃で武装した兵士たちがなだれ込んできた。ハンガー内部にも入ってきた兵士に銃を突きつけられ、全員が1箇所に集められた。

 

「これはどういうことですか?」

 

「保安措置です。艦のコントロールなどを封鎖させていただきます。」

 

「封鎖だぁ!?そりゃまたどうして...」

 

「どうやらこの艦には識別コードが無いようでして、友軍とは認められない。との事です。」

 

「認められないだと?俺たちは大西洋連邦の...」

 

「話は士官の方々から聞きますので。それ以外の方々は食堂に行っていただきます。おい、連れていけ。」

 

「はっ!」

 

「こいつぁ面倒なことになりそうだ...歩きますから!急かさないで下さいよ!」

 

ハンガーからはフラガさんだけが連れていかれ、残りは食堂に集められた。もちろん出入口には武装した兵士が立っている。

 

「失礼ですが、いつ頃解放して頂けるのでしょうか?我々は月本部へ向かわなければならないのですが...」

 

「皆さんにはごゆっくりと滞在していただきます。長旅の疲れを取っていってください...」

 

うろ覚えの記憶からここで起こることを思い出しながら、俺は時間つぶしのためにPCを開いてウィズの編集を再開するのだった。




ついにウィズ(プロトタイプ)が登場しました。でもって、今回名前が出たDDは次回辺りで出る予定です。
感想、質問などいつでもお待ちしておりますので、どしどし送っていただけると筆者のやる気が出ますので、よろしくお願いします。

ウェンディ生存ルートのスピンオフ、どうする?

  • 『始まりの戦士』と同時進行で投稿する
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