当SSは唐突にギャグ漫画時空に片足を突っ込む場合があります。
ご了承ください。
皆様お待たせ致しました、DASHシステムの本格解禁でございます。
そしてオリ主がぶっ壊れてハジけるお話でもあります。
「こいつ深夜テンションで書いたんやな」くらいの気持ちでご覧下さい
アークエンジェル内懲罰房にて、鉄格子を挟んで捕虜と向き合い、尋問を開始した。
「さて、ぼちぼち軽めの尋問兼健康チェックを始めますかね。まずはお名前と年齢教えてくれない?」
「...まずはそちらから名乗るのが、礼儀というものでは無いんですか?」
「おっと、これは失礼。俺はタクミ・タチバナ、24歳で階級は准尉だ。アサルト...『レッドショルダー』とか、『赤い肩の白いヤツ』とか言った方が通じたりするかな?あれのパイロットでもある。そんでこっちは...」
「キラ・ヤマト、16歳です。どうぞよろしく。」
「あぁそうそう、キラくんはコーディネーターだし、俺は俺でハーフだったりするから、コーディネーターだからといって差別とかはしないよ。そこだけは安心して欲しい。」
「...連合にコーディネーター?嘘をつくなら、もっとマシな嘘をついた方が良いですよ。」
「ご忠告どうも、まあ事実なんだけどね。話を戻そうか、そっちの情報を教えてもらっていいかい?こっちも自己紹介したわけだしさ。」
「...ニコル・アマルフィ15歳です。」
「...え?そんだけ?」
「そう簡単に、敵に情報を吐くわけが無いでしょう?」
「デスヨネー。ま、現時点ではこれくらいが関の山か。キラくん帰るよ〜。」
「もうですか?」
「まあ、これ以上は何も聞き出せそうにないし、一応話せる程度には元気なのが確認できたから良いかなーと。そうそうニコルくんや、水置いとくから、喉乾いたら飲んでね。もちろん毒は入ってないよ。」
そう言って2Lペットボトルから1口水を飲んだあと、鉄格子の内側に押し込んでから撤収した。
数日後、作業をしているとお呼びがかかったため、ブリッジへ向かった。
扉をくぐれば、既に士官全員が到着しており、程なくして作戦会議が始まった。
「さて、アルテミスは脱出できたけれど、まだまだ問題は山積みよ。ナタル、お願い。」
「了解しました。我々は元々、アルテミスにて補給を受ける予定でした。しかしアルテミス側の対応とZAFTの襲撃により補給は出来ず、依然物資は不足したままです。その中でも特に深刻なのが水不足で、このままだと数日で枯渇すると見られます。」
「なるほどな、とりあえずの第1目標は水の補給ってことか。」
「ええ。ただ、ここから1番近い友軍の基地まで行くとして、水は到底持つとは思えないわ。幸い水以外の物資にはそれなりに余裕があるから、水さえ補給出来れば、まだ望みはあるわ。というわけで、何かいい案が思いついた人から提案をお願い。」
「とは言ってもなぁ...ここらは何にもないぜ?水なんてとても...」
「いや、案外そうでも無いかもしれません。最終的に水になれば良いんですよね?」
「まあ、最終的に水として使えればなんでも良いが...まさか!」
「どういう事だタクミ?俺にも分かるように説明してくれよ。」
「もちろんですとも。トノムラ伍長、この辺りの宙域図をお願いします。」
「了解、メインモニターに出します。」
メインモニターに表示された宙域図へと歩みを進め、ポケットから取り出したレーザーポインターで一点を指し示した。
「今俺たちがいるのがここで、1番近い味方の基地はここ、月です。ここで補給を受けるとしたら、最高速度で1週間、警戒しながら進むとすれば更に時間がかかります。確実なのは、両方とも水が枯渇するってことです。ここまでが、今までに出ている情報です。でもって、俺が注目したのはここ、デブリ帯です。」
「ちょっと待て、まさかデブリ帯を突っきるつもりじゃないだろうな?そんなことしたら、こっちまでデブリの仲間入り...待てよ、そうかデブリか!」
「えぇ、デブリっては宇宙に撒き散らされたゴミの集まりです。そんで、その中には当然、戦闘で撃墜された戦艦だとか、そういったものの遺物もあるわけです。そこからいくらか必要な物資を拝借しようと。」
「やはり、お前もそこに行き着いたか。しかしMSとメビウスは良いとして、ミストラルのパイロットはどうするつもりだ?正規のクルーを全員集めても人手は足りんぞ?」
「今ブリッジを手伝ってくれているキラくんのご学友に声をかけ、志願者を募るのはどうでしょうか。もちろん、精神的に強いストレスがかかるでしょうから、作業内容は全員に告知して同意を得た上で。」
「今までの発言は意見具申とみて良いかしら?」
「はい、以上の事を具申致します。」
「不本意ではあるけど、今はそれ以外に取れる策も無さそうね...わかりました、その作戦で行きます。タチバナ准尉、キラくん達を呼んできてちょうだい。」
「了解しました。」
キラくんたちを呼びに、ブリッジを離れて食堂へ向かうと、ちょうど食事中だったようで、一つのテーブルに固まっていた。
「やあやあキラくん&ご学友たち、今ちょっといいかい?」
「何かあったんですか?」
「うん、ひとまずブリッジに集まってもらえるかな?詳しいことは艦長から説明があるからさ。」
「了解です、食べ終わり次第行きますね。」
「ねえサイ、この人は...」
「あぁ、そっちの子は初めましてだったっけ?あのストライクじゃない方のMSのパイロットやってます、タクミ・タチバナです。よろしくね。」
「フレイ・アルスターです。よろしくお願いします...」
「うん、よろしく。さて、俺は先に行ってるから、各自移動をお願いね。」
ひとまず要件は伝えたので、ブリッジへ戻ることにした。
何気にフレイと初対面だったことに驚いたりしつつもブリッジへ戻り、作戦の細かいところまで打ち合わせをしていると、キラくんたちが集まり、作戦の説明が始まった。
「...というわけで、本艦はデブリ帯へ進路を取り、そこから物資を調達します。その際、みんなにはミストラルに
乗って物資の回収を、キラくんにはその護衛をお願いしたいの。」
「もちろん、戦艦の残骸とかがゴロゴロある場所に行くわけだから、ストレスもかなりかかると思う。だから、どうしても行きたくないって場合は辞退してくれてもかまわない。その辺は自分自身で考えてほしい。」
「決行は明朝0900だ。辞退するものは今日中に申し出てくれ。」
「それでは、いったんこの場を解散とします。各自、持ち場に戻って。」
作戦会議が終わった後、俺は作業着に着替え、ハンガーに向かった。
「おう若造!作戦はどうなった?」
「明朝0900に決行です。それまでにアサルトのバージョンアップとDASHの実装を済ませましょう。」
「わかった、機体側の調整は俺らでやるから、OSはそっちで頼む。」
「了解です。さぁて、頑張るとしますか!」
気合を入れ、俺はアサルトのコクピットへ向かった。
「だぁぁぁぁぁぁぁやっと終わったぁぁぁぁぁぁぁぁ」
【お疲れ様です、タクミさん】
「うん、ありがとねウィズ。しかし、夕方に始めた作業がまさか完徹になるとは...それもこれも全てバグどものせいだ...」
個人用のPC上に作った仮想マシンでテストした時にはちゃんと動いたのだが、いざ実機で動かすと原因不明のバグがわんさか出てきたため、真っ先に機体とのリンクを確立させたW.I.Zに手伝ってもらいながらほぼ一から作り直したのである。
ちなみにおやっさんたちはアサルトの換装が終わった後に定時で上がったため、この場にはいない。
「はぁぁぁぁ...お腹すいた。今何時?」
【午前8時28分49秒です】
「...マジ?」
【マジです。およそ15分後には最終確認を兼ねた士官全員に今回の作戦に参加する作業員を交えたブリーフィング、終了次第着替えて出撃です。】
「コクピット座ってる場合じゃねぇ!」
某パンダのごとき華麗な身のこなしでコクピットから飛び出し、通路を駆け抜けて食堂へ飛び込むと、すでにほぼ全員が食事を済ませたのか、人影はほぼなかった。
ひとまずトレーを受け取り、いつもの特等席へと腰を下ろすと、向かいに座っているバジルールさんから話しかけられた。
「その様子だと、また徹夜したようだな。作業は終わったのか?」
「なんとか終わりましたよ。今回の作戦、調査時はアサルトのままですが、物資回収の際は実験も兼ね、アサルトバスターで出撃するつもりです。」
「そうか、お疲れ様。私のエビチリ風味ペーストをやろう。辛いものは好きだろう?」
「...バジルールさんが辛いの嫌いなだけですよね?」
「...まぁ、何だっていいだろう。ほら、まだまだ行くぞ。」
「おぉっとぉ?まさか全部俺に押し付けるつもりですか?」
「全部では無い、ひと口は自分で食べる。それはさておき、今回の作戦では、私のミストラルはお前の防衛範囲で作業を行うことになった。頼りにしているぞ?」
「お任せを。敵機には指一本触れさせませんとも。」
「フッ、いつも通り期待している。私は先にブリッジへ向かうが、ブリーフィングには遅刻するなよ?」
「了解です。さーて、このペーストあんま美味くねぇんだよなぁ...母さんのエビチリオムチャーハンが恋しいぜ。」
トレーに山と盛られたペーストを何とかかき込み、集合時間ギリギリにブリッジへ駆け込んだ。
「すいません!遅れました!」
「ギリギリセーフだったな、タクミ。」
「これで全員揃ったわね、それではブリーフィングを始めます。今作戦は二回に分けて行われ、最初の一回はどれくらいの物資があるか、脅威となるものはないかの調査を、二回目では物資の回収及び搬入を行います。作業員は
事前に通達した通りAからDの4つの班に分かれて作業に当たってもらいます。現場での指揮はナタル、A,B班の護衛はタチバナ准尉、C,D班の護衛はキラくんが担当よ。ここまででなにか質問はある?」
「2,3点ほどいいですか?」
「タチバナ准尉、どうしたの?」
「武器の使用について、発砲は自由なのか、それとも許可が必要なのでしょうか?それと万が一敵機を発見した際、こちらの判断で交戦して良いのでしょうか?」
「武器は全て使用可能とします。また敵機との交戦に関しても、そのままスルー出来そうなら見逃して。ただし戦闘が避けられないと判断した場合は、各自の判断で撃退ないし撃墜してちょうだい。」
「了解しました。俺からは以上です。」
「他には無さそうね、それでは各自準備を。完了次第出撃よ。」
『了解!』
各々が準備を整えてミストラルに乗り込んだ頃、俺もバージョンアップし、V2となったアサルトの最終チェックに勤しんでいた。
「あー、マイクテステス、ブリッジ聞こえますか?」
「こちらブリッジのムウ・ラ・フラガ、ばっちり聞こえてるぜタクミ。」
「よし、これよりV2アサルトの起動テストに入ります。ウィズ、頼む。」
【了解。V2アサルト、起動シーケンスを実行します。】
いつも通りの起動音を上げ、アサルトが起動した。しかしモニターはいつもとは違い、前世で遊んだ戦場の絆のような、視界を大きめに確保しつつ武装の残弾や機体各部のダメージを視認しやすいように改良されたHUDが立ち上がった。
「視界良好、異常なし。ウィズ、そっちはどうだ?」
【全パラメータ、誤差の範囲内。出撃可能です。】
「よし、問題なさそうだな。左舷カタパルト、ストライクへ。キラ君の方は大丈夫そう?」
「こちらストライク、問題ありません。」
「OK!アサルトよりブリッジへ、護衛機はストライク、アサルトの両機とも異常なし。発進許可をお願いします。」
「発進を許可する。何も起きないとは思うが、もしもの時はみんなを頼んだ!」
「了解!タクミ・タチバナ、V2アサルトガンダム!出ます!」
「キラ・ヤマト、ストライクガンダム!行きます!」
護衛の2機が先に発進して周囲に敵影がないことを確認した後、クルーを乗せたミストラルが発進した。
第一段階の目的である調査のために、いくつかの戦艦やプラントだったであろう残骸に降り立ち、内部へと侵入、各種物資があるかどうか、どれほどの量あるのかを調べた。調査自体はかなり早く、昼前には終わったのだが、ちょっとした問題が発生した。残骸の内部にゴロゴロと転がっていた遺体を見たキラくんら数名が、帰投後にブリッジで行われたミーティングにて不満を訴えたのだ。
「本当にあそこからじゃなきゃダメなんですか!?」
「んなこと言われたって、ここらで補給できそうなのはあそこしかないんだし、仕方ないだろ?」
「でも...」
「キラくん、俺たちだって、なにも手放しで喜んでるわけじゃない。本音を言えば、俺たちだってここの水は使いたくないさ。でも、俺たちは生きてるだろう?ということは、俺たちには死んでいった人たちの分まで生き残る義務があるってことなんだ。それがたとえ、あの場所の物資に頼ることになるとしても。」
多少強引ではあったが、何とかこんとか反対派を説得し、その後は軽く次の日の日程を確認してお開きとなった。
俺は昨日の夜と同じく、ハンガーでアサルトの調整に入った。
「そんじゃ、ダッシュシステムの実験に入りまーす。今回は初実験ということもありますんで、まずはアサルトにコンセプト的にも、構造的にも一番近いデュエルで行きます。おやっさんお願いします!」
「おう!換装するぞ!」
アサルトから手足が取り外され、別の機体のものへと交換されていく。
やがて換装が終わり、今までの白一色とは違い、ところどころのシルエットが変わり、青色が混じる配色に変わったアサルトがたたずんでいた。
「アサルトガンダム・ダッシュデュエル...長ったらしいので以後アサルトデュエル、換装完了!続いて起動実験に移ります。ウィズ!」
【起動シーケンス実行、現在の装備に合わせ、OSをアジャストします。】
OSが立ち上がると同時、サブモニター上のコードが目まぐるしい速度で書き換えられ、最適化されていく。
数秒とかからずに作業が完了し、メインモニターが点灯した。
「若造!どうだ?ちゃんとできたか?」
「ばっちりです!ちょっとハンガー内動いてみてもいいですか?」
「もちろん大丈夫だ!」
「ありがとうございます!よいしょっと!」
試しに軽く歩いてみると、動きが軽く、アサルトと比べて手足がかなり細かく動かせた。
「こりゃすげぇな、アサルトと違って急造品じゃないとはいえ、ここまで違いが出るとはね。」
ひとしきり動かした後、機体を壁面に固定してコクピットから出た。
「どんなもんだ?」
「予想以上にいい感じですね、機体の四肢をとっかえるだけでここまで変わるとは思いませんでした。」
「明日の出撃もダッシュデュエルでいいのか?」
「いや、ある程度中距離戦もできたほうがいいと思うんで、ダッシュバスターでお願いします。」
「わかった、用意しとくぜ。」
整備を終えてなんとなーく食堂に赴くと、学生組を初めとした数名が折り紙で花を折っていた。聞くところによると、「明日追悼のために使う」との事だった。
これにジャパンエリア出身の俺は血が騒ぎ、その日の残りは部屋に戻り、黙々と折り紙を折って過ごしたのだった。
「で、また完徹したと。」
「いやー、熱が入ってしまいましてね。ついつい頑張ってしまいました。」
「まあいい、で、何をどれだけ作ったんだ?」
「いつか来るであろう平和な世の中を願って、千羽鶴を...」
「確かジャパンエリアでは平和を願って作られるんだったな、お前にしては比較的マトモなチョイス..」
「だいたい5,6組ほど作れる分ですね。」
「お前は加減や程度という言葉は知らんのか?」
「さあ?知らない子ですね。」
「こいつ...二徹明けで脳がイカれている...」
「なんか途中から片手で鶴折れるようになったんですよね。今度一緒にやります?コツ教えますよ?」
「やらんわ!それよりも、作戦への影響は無いのか?」
「M〇NSTARうめぇ」
「これはダメそうだな。いや、むしろいつも通りか...まあこの際どっちでもいい。そんなことは置いておいて、今回の主な目標は物資の回収だ。作業がかなりの長時間に及ぶことが予想されるが、その間の警備は頼んだ。」
「Of course!泥船に乗ってパーティしてるつもりでご安心ください!」
「こいつふざけてるくせに割と仕事できるのが腹立つな。」
「俺ちゃんはいつだって真面目なんだけどな...でも口ではなんだかんだ言ってても、信頼してもらえてるのは伝わってますよ?」
「誰が信頼など!」
「おぉ怖い怖い、せっかくの美貌が台無しですよ?"般若の副長"さん。」
「美貌だと?ふざけた事を言うのも大概に...今何と言った?」
「え?せっかくの美貌が台無しと...」
「違う、その後だ。」
「あぁ、"般若の副長"の方ですか?もちろん俺が言い出しっぺでは無いです。」
「だろうな、わかっている。で、誰が発端だ?」
「カズイ・バスカーク君ですね、キラくんのご学友の。この前食堂で話しているのが聞こえちゃいましてね。」
「一応聞いておくが、そのハンニャとはどういう意味だ?どうせいい意味では無いだろうがな。」
「大当たり〜。一口に般若と言っても色々ありますが、今回のはジャパンエリア発祥でオーブにも伝わっている伝統芸能の"能"で使われるお面のことでしょうね。2本の角と大きくつり上がった目が特徴です。なんでも、嫉妬などに怒り狂う女性を模したお面だとか。バジルールさんって厳しく叱ったりすることもありますし、多分それが裏目に出ちゃったんでしょうねぇ...あ、これがそのお面です。」
取り出した端末で検索した画像を見せると、バジルールさんは大きなため息をつき、ストレスを感じた時にいつもやっているように目頭を揉み始めた。
「ハァァァァ...彼が正規の軍人だったらどれだけ楽だったことか。」
「ブチ切れですな。」
「当たり前だ。それはさておき、そろそろ作戦開始の時刻だ。遅刻するなよ?」
「俺が遅刻するような男に見えます?毎日決められた時間通りに生活してますけども。」
「どの口が言うか、就寝時刻にはいつも大遅刻している癖に。」
「ヴッ...その攻撃は俺に効く...」
「フッ、まあいい。今回も頼むぞ、期待している。」
「お任せを。」
バジルールさんは食堂を出ると、ハンガー方面へと向かって行った。
「結局信頼してくれてるんだよなぁ...俺も頑張らねぇとだな。」
俺もトレーを片付けてロッカールームで着替え、ハンガーへと向かった。
全員の準備が整うと、先に発艦して待機していた数機のミストラルがコンテナを開き、追悼と将来の平和を祈って折られた花や鶴たちが宇宙へと放たれた。
全員が黙祷して祈りを捧げ、それが終わると本格的に作業が始まった。
1度ミストラルはハンガーに戻され、物資回収用の装備へ換装された。
俺とキラくんも自機に乗り込み、機体をカタパルトへと進めた。
「若造!換装するぞ!」
「了解!アサルト異常なし、換装お願いします!」
アサルトの四肢が取り外され、今回はバスターのものへと取り替えられていった。
「よし、換装作業の終了を確認。アサルト起動、OSのアジャストを開始!」
【起動シーケンスを実行、OSをアジャストします。】
コードが書き換えられ、OSが中距離戦に最適化された。
「V2アサルトガンダム・ダッシュバスター、略してV2アサルトバスター換装完了!視界良好、異常なし。」
【全パラメータ、誤差の範囲内。出撃可能です。】
「よし、アサルトよりストライク、そっちはどうだい?」
「エールストライカー装備完了、準備OKです。」
「了解。ブリッジ、護衛機は全機準備よし、発進許可を。」
「ブリッジより護衛各機へ、発進を許可する。」
「了解。よし、それじゃ行こうか!」
カタパルトに脚部を固定し、姿勢を調整して射出体勢に入った。
「キラ・ヤマト、ストライクガンダム!行きます!」
ストライクが射出され、次はアサルトの番となった。徹夜明け特有の発作じみたハイテンションを必死に押さえつけながら深呼吸をして操縦桿を握った。しかし人間という種族は、徹夜明けのイカれたテンションにはめっぽう弱い生き物なのである。
「ビャァ我慢できねぇ!ウィズ!ボイスチェンジャー起動!プリセットは4番だ!」
【了解、プリセット名"V"を読み込みました。】
「ウッsゲフンゲフンタクミ・タチバナ、V2アサルトバスターガンダム!行きます!」
ボイスチェンジャーで自分の声をどこかで聞いたことがある、具体的に言うと宇宙世紀0153年頃にどこぞのレジスタンス組織の一員として活躍していた主人公じみた声に変換して叫び、宇宙空間へと飛び出した。
「...ナタル、彼は何を言っているの?」
「あのバカ...ただの徹夜明けの発作です、いずれ慣れます。」
「...あなたも苦労したのね。」
「まぁ言ってることもやってることもアレですが、奴は仕事はきっちりこなすタイプです。その点だけはご安心を。」
「そう...ま、まあ、それはともかく、現場の指揮は頼んだわよ。」
「了解しました。回収班出るぞ!準備が出来たものからついて来い!」
ミストラルが続々と発艦し、デブリ帯へと向かっていった。
作業開始後しばらくして、作業中のミストラル隊から少し離れた場所で、事前にPCの音楽ソフトで制作しておいた曲を流しながら、俺は哨戒任務にあたっていた。
「スタンダップ・トゥ・ザ・ビクトリ~♪」
【定時連絡の時間です、再生を停止します。】
「いくつもの~...っと、もうそんな時間か。通信をつないでくれ。」
【了解、音声通信を開始します。】
「アサルトよりアークエンジェルへ定時報告、こちらは異常なし。」
「こちらアークエンジェル、了解した。引き続き哨戒を頼む。」
「了解、通信終了。さてウィズ、次の曲を頼む。」
【了解、再生します。】
「サンキュー、暇つぶしに楽曲データ作っといてよかったぜ。よっしゃ、俺ちゃんフルパワーで歌います!スゥゥゥゥゥ...フラーインザスカーイ!」
【センサーに熱源反応、敵襲です。】
「たーかくはbどこだ?」
【三時の方向に距離500、数は1、周囲に他の敵影はありません。】
「単騎か、ちょっと遠いな...できるだけ拡大した映像をサブモニタに出してくれ。それと、アークエンジェルに通信を。」
【了解しました。】
「これは...強行偵察型か!早めに仕留めないとまずいな。アサルトよりアークエンジェルへ緊急連絡。敵影を発見、ジン強行偵察型が一機のみ。まだこちらには気づいていない模様、至急全部隊に共有を頼む。」
「アークエンジェル了解。どうする、撃墜するか?」
「一旦射程距離まで近づいた後狙撃体制へ移行、準備ができ次第速攻で撃墜します。」
「了解した、くれぐれも気をつけろよ。通信終了。」
「よし、行くか!」
何とか気づかれずに接近し、デブリの陰に潜むことに成功した。
「ひとまず射程には収めたか。敵機に動きは?」
【依然こちらには気づいていない様子、どうしますか?】
「このままどっか行ってくれれば楽なんだが、そう簡単には行かんだろうな。狙撃ライフル展開、アシストを頼む。こっちがバレる前に、遠距離から不意打ちで堕とすぞ。」
【狙撃モードに移行、アシストを開始します。】
「このまま動かないでくれよ...」
ガンランチャーと収束火線ライフルを結合し、デブリから顔と狙撃ライフルだけ出してジンに狙いを定めた。
射程ギリギリからの狙撃であるため、ロックオンにも時間がかかる。少し焦りを感じ始めたその時、ジンが唐突に振り向き、視線の先にはデブリから飛び出したミストラルがいた。
「ヤバい!ロックまだか!」
【ターゲットロック完了、射撃可能です。】
「よっしゃ当たれぇ!」
狙撃ライフルから放たれた火線は一直線にジンへ向かっていく。しかし偶然か敵パイロットの技量ゆえか、直撃することはなく右腕を破壊するに留まった。
「チッ、修正急げ!」
【誤差を計算、右0.3度、上に0.08度。再ロック完了、射撃可能です。】
「OK!」
動きの鈍ったジンは、放たれた2射目に胴体を寸分違わず撃ち抜かれて爆散した。
「あ、危ないところだった...援護に感謝します、タチバナ准尉。」
「あ、ありがとうございました!」
「どういたしまして。そうそうカズイくん、次から他人にあだ名付けるときは声のトーン落として他人に聞かれないようにした方がいいよ?バジルール副長がキレてたから。」
まぁバラしたのは俺だが。
「えぇ!?もしかして般若の件がバレて...いや、山姥の方かな?」
「君恐れ知らずだねぇ...」
「そりゃ副艦長じゃなくても、だれでも怒るだろうな。」
まぁその後は新たな敵に見つかることもなく全作業が終了し、アークエンジェルに帰投した。のだが、ストライクがまた救援ポッドを回収してきたことでひと悶着あった。
中にいたのは原作通りラクス・クラインだったし受け止めたのもキラくんだったしで全然介入できなかったんで割愛して、問題はここからである。やっと水が潤沢に手に入ったので、前々からやりたかったネタをやってみることにした。
というわけでキッチンで拝借した鍋に具材とだしパック、各種調味料(ほぼ全部自腹)をぶち込んで加熱し、綺麗な黄金色になったところでカセットコンロを乗せたカートに移し、フラガさんとおやっさんを伴って懲罰房に向かった。
「作戦は一応聞いたけどよ、とても成功するとは思えないぞ?」
「大丈夫ですって!ジャパニーズ・トラディショナル・トリシラベスタイルなら、胃袋からガッチリと掴めば何かしらの情報を吐くこと間違いなしです!これを食えばきっとあのニコルも...デュフwwドゥフフフフフwwwwww」
「おーい大丈夫かー?目がキマってるぞー?」
「あー、この状態の若造には何言っても無駄ですぜ。二徹明けで、しかも悪巧みしてる顔だ、こうなったらもう止まりません。」
「随分と手馴れてんな...」
「まあ、何ヶ月も同じ艦で仕事してましたからね、こうやってこいつの頭のネジが2,3本カッ飛ぶくらいくらいは日常茶飯事です。」
「よっしゃ到着!待ってろよニコルゥ!ヴェハハハハハ!!」
懲罰房への扉を勢いよく開け放ち、お目当ての牢屋の前まで進むと、ギョッとした顔でこちらを見るニコルと目が合った。
グツグツと煮立つ音がする鍋と俺の脇を固める屈強な男2人を見て顔を引き攣らせるニコルに、ゲッター線をガッツリ浴びたかのような悪人顔で話しかけた。
「やぁやぁニコルくん、元気だったかな?早速だが拷問の時間だァ...せいぜいいい声で鳴いてくれたまえよ?」
「ご、拷問だって!?捕虜への拷問は条約で禁止されているはずだ!」
「そんなの関係ねぇなァ...いい言葉を教えてやるよ、バレなきゃ犯罪じゃないってなァ...クヒヒヒヒヒ!」
「や、やめろ...」
「やめろと言われて辞めるバカはいねぇよ...クケケケケケ!」
「ヒイイィィィィ!」
ビビり散らかすニコルを尻目に、俺はお玉を手に持ち、鍋の蓋に手をかけ、拷問という名の茶番兼晩御飯の準備を始めるのだった。
長くなりそうだったので、一旦ここらで区切らせて頂きます。
DASHシステムの詳しい部分は設定集を近々更新しますので、そちらを見ていただけると幸いです。
ウェンディ生存ルートのスピンオフ、どうする?
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『始まりの戦士』と同時進行で投稿する
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『始まりの戦士』が完結してから投稿する