ヘヴィーな戦場はオブジェクト岳じゃ済まない。 作:caose
あの後クウェンサー達第37機動整備大隊は第52機動整備大隊と別れた後
旗艦シャルルマーニュを中心とした7~8隻の艦隊を引き連れて大西洋を北上し
最終防衛ラインである南米大陸アマゾン方面の軌道エレベーターからほど近い港
『ブラガンサ』に向けて航行していた。
そんな中でシャルルマーニュ甲板上のカタパルトでは蜂の巣を突いたかのような
騒ぎとなっていた。
ブレイクキャリアー本体はあったが問題は動力炉と主砲のサブパーツが
まだ何処かにあるという確定的ではないがもしかしたらと言う恐怖に全員が大慌てで捜索するために探索用のソードブレイカーが発進していった。
これらはオブジェクトの索敵能力を丸々コピーしておりコックピットは
ほぼ360度全てを液晶システムで見ることが出来武装には小型化したコイルガン(オブジェクト時よりは殆ど威力が低下している)を搭載しており
そのためか大型化してあるがそんな中でも初めての実戦と言う事もあってか
空軍パイロットはその大半が血気盛んに出撃していくのをフローレイティアは
艦橋から見ている中で軌道エレベーター建設場からの報告を聞いていた。
「ではオブジェクトを失ったマスドライバー財閥残党は空白地帯を北上、
国境を突破したのち現在アマゾン方面に侵入していると
言う事で良いでしょうか?」
『ああその通りだ、我々は直接的戦闘は極力行わず該当エリアの民間人及び
軌道エレベーター建設に伴い滞在している技術者と労働者と
その家族の避難のみを最優先としておりましたがそれが仇となり彼らの侵入を
許してしまい申し訳ない。』
恐らくは基地司令であろう司令官が何やら申し訳なさそうな口調をするのを
聞いてフローレイティアはこう返した。
「いえ、私も貴方と同じ立場でしたら迷うことなくそうしていますので
一概に貴方が間違っているとは言えません。」
『恐縮です。』
「それでですが確かそちらにはオブジェクトがありますが可能でしたら挟撃して叩くために共同作戦を提案したいのですが」
そう聞くと基地司令はこう返した。
『済まない、フォレストローラーは今現在定期メンテ中。他部隊は
二機あるが片方は別の作戦で中破して緊急整備、もう一機も信心組織の
オブジェクトとの交戦で本来でしたら穴埋めとしてブライトホッパーを
使うつもりでしたが知っての通りあれは大破していて操縦者も使い物にならずで』
そう言っているとフローレイティアはそうですかと言ってこう返した。
「分かりました、残党については当初の予定通りこちらで何とかします。
では。」
そう言って通信を切る・・・前に基地司令はそう言えばと言って挟み込むと
フローレイティアは通信を止める手を止めてこう聞いた。
「何か・・・あるのですか?」
そう聞くと基地司令はこう答えた。
『ええ、ちょっと前に軌道エレベーター防衛のために新型が5機ほど
送り込まれました。』
「5機・・・(オブジェクトにしては多すぎるし戦車にしては少なすぎるな)
一体それは何なんでしょうか?」
フローレイティアは内心そう思いながら聞いてみると基地司令はこう答えた。
『君も知っているだろう、わが国ではジョウガンの機体を解析して
MAIlesの量産計画が始動していることに。』
「ええ、こちらも噂程度ですが。」
フローレイティアはそう答えた、あの粛清事件の後ジョウガンをベースにした
新型機開発計画が施行されており本国でプロトモデルが製造されているという事とパイロット育成を同時進行で行っていることを。
『そのプロトモデル量産型がこちらにパイロット共々着任してな、
いるのでしたらそちらに向かうように準備させたいのだが』
「それはありがたいですが・・・誰がパイロットを?」
フローレイティアは尋ねるかのようにそう聞くが実際はパイロット次第では
拒否したいという理由があるのだ。
何せもしも自分の婚約者候補だったら早急にお帰りさせたいからだ。
(迷惑だから)
そして基地司令はこう答えた。
『〈ブラッド・ワット〉大尉、かの有名な特殊歩兵部隊
〈グリム・リッパー〉において隊長を任せられるほどの腕の人間だ。』
そして軌道エレベーター現場
そこではすでに多くの人間が避難を始めていた、荷物をまとめる者や機材などを倉庫の奥に入れて襲撃されてもまた再開できるようにしている中で軍部の基地では一人の軍人がもぐもぐとクッキーを頬張っていた。
男は褐色の肌に紅い髪、人当たりのよさそうな表情をした男が周りを見ていると肌の白い金髪短髪の男性が現れると男性に向けてこう言った。
「大尉、全員集合いたしました。いつでも出撃できるように
待機しております。」
「そうか、敵は恐らくここを攻撃するだろう。情報部の話と
第37機動整備大隊からの報告からすると連中は動力炉を使って攻撃すると思う、
そのほうが気づかれにくいがさてどこに配置するかとなると・・・
君はどう思う?」
男がそう聞くと金髪の男性はこう答えた。
「自分でしたら森の中で偽装させます、周りは木で囲まれてますし崖を使って
射角を調整すれば遠くから攻撃は出来ますが」
「そうだ、そうなると建設段階で我々が気づく。それならば偽装できる
場所ともなるとここら辺では・・・たった一つだな准尉。」
紅い髪の男性がそう言うとこう言った。
「『アマゾンシティ』、全部隊に伝えて衛星から調査するように
進言してくれ。」
男はそう言って待機所からあるものを見てこう言った。
「お前たちの初陣は近いぞ、さあ。派手に暴れようじゃないか・・・
・・・・『ブレイディハウンド』。」
そう言った瞬間に倉庫の奥で3つのセンサーアイが緑色に輝くのが見えた。
そして舞台は戻ってシャルルマーニュ。