ヘヴィーな戦場はオブジェクト岳じゃ済まない。 作:caose
その後クウェンサーはアヤミと共にオブジェクトのコックピット兼脱出口がある
本体後方上部にて作業している中でクウェンサーはアヤミに向けてこう聞いた。
「婆さん何で携帯端末使うんすか?長いケーブルで繋がらないなら
コックピットの隔壁開放する必要ってないんじゃ」
「阿呆、オブジェクトの隔壁には電波遮断効果もあるんじゃよ、
そうでもせんと戦闘中に敵軍のオブジェクトのからいらん
小細工をされるリスクが増すんじゃよ。」
そこでと言うとバチ!!と蒼白い閃光が迸るのを聞いてそう言えばと思って
アヤミ二向けてこう聞いた。
「そう云やあですけどオブジェクトの装甲って
オニオン(玉ねぎ式)装甲でしたっけ?只頑丈だってなだけじゃなくて
敵軍オブジェクトに装甲やられた時でも簡単に交換できることで
凄いですよねえ。」
「確かに簡単かもしれんが装甲一枚一枚が日本刀の様に職人が鍛え上げた
特注品じゃがね。」
「けど熱した鋼に抗耐火反応剤の粉末をミリグラム単位で混ぜながら
打っていってるけど強度を高めすぎると再利用が難しいんですよね?」
「それこそ職人芸と言う奴じゃ、下手な機械にやらせると配分間違えて
逆に脆くなっちまって割れやすくなっちまうんじゃよ。まあ儂としては、
中心部の動力から外装部レーザー砲までケーブル無しで
電力供給しとる機構の方に驚いたもんじゃがな。」
「それってプリント基板式送電装置ですよね、絶縁物質と導体物質をセットで
鋼板に焼きつけることで『装甲にケーブル用の穴作る必要なく
電力供給に成功』なんてそれも良いですよね。」
「確かにな、そのおかげで防御力下げずに済んだんじゃがお前さんは
オブジェクトの設計士になると言っていたようじゃが
ウエポンエンジニアじゃったな。」
「まあ俺みたいな平民がリッチな生活が出来るんならそっちの方が
速いもんでね。」
「それで、ナニ造るんじゃお前さんは?」
アヤミがそう聞くとクウェンサーがこう答えた。
「そうですねえ、一応ながらトータルフレームなんですけどね。」
「阿保かお前は!そこらの新人がそんな簡単にオブジェクトなんて
全部組立てれる仕事なんぞ与えれると思うか世の中甘く見とるぞ!?
そんな漠然とし過ぎた奴ならば先ずはレプリカント方面勉強して軍需産業に
売り込んで功績上げてそっからじゃ!!!」
アヤミが大声でそう言うとクウェンサーはアハハと言って・・・
視線逸らしてこう答えた。
「あれって動物とか昆虫と彼の動きを基にするんでしょ?俺蜘蛛とか
ゴキブリとかが苦手でして」
「腑抜けかって乙女かお前さんは!?基本を疎かにするでないわ馬鹿者!!」
「だからこそそう言う面倒なのをやらずに手っ取り早く基本を学ぶために
スタンダードな性能を持つお嬢様のオブジェクトの所へ
派遣留学したんじゃないですか!」
「『本国』の重鎮たちが何の為に主要都市に莫大な税金使って動物園や
昆虫博物館を立てさとると思ってるんじゃか?」
そう言っているとぐいーんと音が聞こえたので何だろうと思っていると
クウェンサーはその人間を見た。
14歳ぐらいの少女
肩にかかる程のふわっとした金髪
色白の肌
単純な青と言うよりも空色に近い水色
華奢を通り越して繊細な体型
そしてみた感じ『安全国』の学生の制服の様に見える少女こそこのオブジェクト『ベイビーマグナム』のパイロットにして『エリート』と呼ばれている少女。
『ミリンダ=ブランディーニ』と呼ばれる少女だ。
そして『ミリンダ』はH字のベルトで上半身を固定しているようで
クウェンサーに向けてこう言った。
「あ、だらあなた?」
「ああ俺は只の留学生だよ。」
「遅刻しておいて然も変なロボット持ってきおってな。」
「婆さんそれ言わないでよ!?」
クウェンサーは恥ずかしいからとそう言っていると『ミリンダ』は
ジョウガンを見てこう言った。
「あれがそうなの?」
「そうだよ、一体誰が造ったのだろうねえ?」
アヤミはそう言いながらクウェンサーに向けてこう言った。
「ほれ小僧、緊急用の脱出装置の整備でもやっとくれ。仕事じゃからと言っても誰もやりたがらないんじゃ。演技悪いと言っておってな。」
縁起が悪いからって誰もやらないのはどうかと思っているとクウェンサーは
椅子の後部へ回り込んで工具を動かしながらこう言った。
「そう言えばオブジェクトが白一色ってゲン担ぎなんですか?それとも
ストレートに雪原用の迷彩でしょうか?」
「いや違うんじゃ、天敵知らずの百獣の王が身を隠す必要などないしペンキ代の無駄じゃからと言ってな。」
「さいしょはきちんとかんきょうに合わせてたんだけどね。」
「じゃああの天井に掛かってるレイピアは?」
「あれは単なるまじないじゃな。」
「ひっしょうひっさつのね。」
それを聞きながら工具を動かしていると・・・かちっと小さな音がした途端に
少女の首ががくんと揺れると少女はこう言った。
「くるしい」
そう言うのを聞くとアヤミが驚いてこう言った。
「馬鹿もんが!ベルトの調整を勝手に弄ったな!?姫さんが
締まっておるぞ!!」
「ええまじで!!」
クウェンサーは驚いているとアヤミが作業用のエレベーターに向かいながら
こう言った。
「儂は刃物を探してくる!小僧お前は儂が戻って来る迄両手でベルトを
引っ張っておけ!!」
良いなと言って階下に行こうとすると・・・声が聞こえた。
『クウェンサー!』
「ケイ?・・・何処だケイ!!」
『私はこっちだ!携帯電話だ!‼』
そう言って携帯電話を取り出すと・・・画面にケイが写っていた。
「はあ!?何でお前がそこにいるんだ!!」
そう聞くとケイはこう言った。
『今はそれどころじゃないだろう!速く助けなきゃ!?』
そう言っているとええドウヤッテと聞くとケイはこう答えた。
『携帯電話の端末を使って回線を接続させるんだ!私がシステムに侵入して
コックピットのベルトを強制的に外すから速く!‼』
ええとそれを聞いて驚いていた、何せそれやったら俺最悪死刑物じゃねと
そう思っているが『ミリンダ』の苦しむ姿を見て・・・エエイと言って携帯電話の端末をコックピットに繋いだ。
『よしイクゾ‼』
ケイはそう言ってシステムをハッキングして暫くすると・・・
ケイがこう言った。
『オブジェクト《ベイビーマグナム》の全システムハッキング完了!
コックピットシステムを強制停止!‼』
そう言って画面に浮かんだボタンをケイが押した瞬間に・・・
『ミリンダ』の締め付けていたベルトが緩んで外れた。
「おい大丈夫か!?」
クウェンサーがそう聞くと『ミリンダ』は・・・暫くして息を整えた。
「ええと・・・だいじょうぶ・・・どうやって?」
そう聞くと携帯電話から・・・ケイが声を上げてこう言った。
『それは私が《ベイビーマグナム》のシステムをハッキングして
機能停止させたからな、外れた以上はコックピットのベルトのシステムを
再構築して直しておくぞ。』
それを聞いて『ミリンダ』はクウェンサーに向けてこれ何と言う顔を
しているのでええとと思っているとケイは『ミリンダ』に向けてこう言った。
『初めましてだな《ミリンダ》、私はケイ。ジョウガンの戦略サポートAIだ!』
そう言って『ミリンダ』は・・・眼を点にしているとクウェンサーは
どうしたものか考えていると・・・アヤミが帰って来た。
「刃物持ってきたぞって・・・もう終わっとんのかいってどうやったんじゃ
お前さん?」
アヤミがそう聞いた瞬間にクウェンサーは顔を青くすると『ミリンダ』は
携帯電話を取り上げてアヤミに見せると・・・アヤミは顔を少し苦くすると
クウェンサーに向けてこう聞いた。
「それで・・・一から十まで全部説明してもらうぞ小僧。」
「あはははははは・・・勘弁して。」
クウェンサーはそれを聞いて空笑いしながら・・・今日の自分の行動を呪った。
次回はジョウガン編。