アルフィアさんが好きなので書きました。
最初はアルフィアさん入れようかと思ったんですが、一誠君が生きれなさそうなので断念しました。
初めて書いたのでお手柔らかにお願いします。
自分の語彙力のなさに打ちひしがれています。
「ほかの生徒がいない屋上は校舎で一番静かだな。」
「当たり前でしょ。」
自分以外の声がするが、今更驚くほどのことでもない、よくある日常の一コマでしかないのだから。
「しゃべる猫がいるなんて不思議なもんだな、なあ黒歌。」
「それこそ今更気にすることじゃないにゃ。」
「なんでわざわざ学校に来るんだよ...」
呆れた俺はそうこぼす。
「彼氏を迎えに来る彼女ってとっても献身的だと思わない?」
そう言って笑う彼女の笑顔がいつにもまして輝いて見えた。
そうは言っても猫と話している変人と学校で噂になるのは避けたい。
ここは帰ってもらうべきなのだが、献身的を自称する彼女を追い返すのは酷だろう。
「ちょうどサボりたかったんだ、昼時だし飯いこうぜ。」
「話の分かる彼氏がいて幸せにゃん!」
「食いたいものあるか?」
いつも通りの会話をしながら昼間の学校を後にする。
■
「ところでなんで屋上で黄昏てたにゃん?」
昼食に入る店を探している間にそんなことを聞かれる。
「今朝に通知があった任務のせいだよ。まだ確認してないのか?」
「そういえばまだみてないわね。」
「見てみろよ。なんで落ち込んでたのかわかると思うぜ。」
「____うへー、これはめんどくさいにゃんね…。」
「だろ、五感に干渉してくるはぐれ悪魔なんて相手にしてらんないよな…」
と言うのも、今回自らが所属する組織から言い渡された任務が想像するだけでも面倒なのだ。
今回の対象は五感、特に視覚に対して影響を与える能力を持つ敵なのだ。
当然ながら視覚を封じられると戦闘に大きく影響するのは間違いないということで、わざわざ人のいない屋上で落ち込んでいたのである。
「まーでも、私がいればそこまでめんどくさい相手じゃないと思うにゃん。」
「?どうしてだよ?」
「私の仙術を使えば資格を封じられてもなんてことないにゃん!」
「まじじゃん!」
「幸い今回の敵の戦闘力はあまり高くないみたいだし、頑張ろね!」
「黒歌に頼りっぱなしになっちゃて申し訳ないな…」
「そんなの適材適所にゃん。その代わり、危なくなったら助けてね。あとお昼奢って!」
「当たり前だろ!お昼ももちろん奢るつもりだったさ。」
■
ー深夜2時ー
「ここがはぐれが潜伏している廃屋にゃんね。気配駄々洩れにゃん。」
「そうだな、報告書の通りあまり強くはなさそうだな。じゃあ、探知頼むな。」
「はいはい。任せるにゃん。……いたにゃん!一階の台所にゃん!」
「ああ、そこまで分かれば家に入る必要もないな。幸いここら辺は隣家も遠いし、被害も気にしなくていいだろう。___【福音】___」
詠唱とともに不可視の衝撃が廃屋の中を駆け巡る。
標的に直撃した確かな手応えを感じると共に、集中させていた魔力を霧散させる。
「…討伐完了ね。相変わらず凄いにゃんね、その神器。」
「まあ、使い勝手はいいな。」
⏤⏤⏤神器「静寂」⏤⏤⏤
この神器を宿した者は確認されている限り、自身を含め2人のみである。
起動式【福音】により、不可視かつ音速の衝撃が対象を襲う。
「結局葵だけで倒しちゃったにゃん。」
「でも黒歌の探知がなかったらもっと時間かかってたと思うぜ。結局敵のいそうなところ吹き飛ばしただけだし。」
「そ、そうにゃん?まあこの黒歌さんにかかればあの位余裕にゃんよ!」
「(煽てすぎたか…)」
■
なんだかんだ速く任務が終わったのでこのまま報告を終わらせようと歩を進める。
普通の人間が決してたどり着かないように道順は複雑になっており、組織に雇われ所属している人間ですら迷うこともあるような道を歩く。
「葵はすごいにゃんね、そんなすらすらと進むなんて。私一人じゃ絶対迷ってやり直しになるにゃん。」
「俺だってそんな確固たる自信がある訳じゃないさ。ただ”音”のする方へ歩いているだけで。」
俺は神器の影響か能力を自覚した日を境に聴力が人間の域を逸脱し、人外をも超越するほどとなった。
そのせいで自分以外の発する音を極端に嫌うようになり、親しい者たち以外との接触を不自然ではない程度に避けている。
しかしながらこの聴力を頼りにすることもされることもあり、そこまで嫌がっているわけではない。
「そんなこと話してたら着いたな。」
話しているとおおきな鳥居の前にたどり着く。
「そうね、これからあの女に会うとなると憂鬱にゃん。」
「そんなこと言うなって…」
何を隠そう、これから報告をする人物と黒歌はたいそう相性が悪いのだ。
それはもう犬猿の仲などという言葉では足りないほどなのである。会うたびに言い合いをして、その数だけ黒歌が言い負かされているのだ。
「俺も後のことを想像するだけで、胃が痛いよ…」
「?体調が悪いならかえるにゃん?」
「(そうじゃないんだがな…)いや、このまま行っちゃおうぜ。ここまで来て帰ったんじゃそれこそ骨折り損だしな。」
「そうにゃんね。」
やけに聞き分けがいい黒歌も分かって言っているのだろう。
その勘の良さに感心するとともに、分かっていながら言い合いを始める態度には辟易してしまう。
そんなことを言いながら大きな鳥居をくぐると、今まで見ていた景色とは全く異なる場所へとたどり着く。
その世界は日本の時をそのまま昔に戻したような風景が広がっていて、まさに荘厳というほかない雰囲気に満ちている。
「何回来ても慣れないなここは…」
「そう?いろいろあるようで何もない場所なんだから緊張するだけ無駄にゃん。」
そう簡単に割り切ることは俺にはまだ難しい。
なぜならばここは、天津神達が営みを繰り広げる高天原であるのだから。
「⏤⏤⏤⏤⏤⏤ぃ」
その雰囲気に吞まれている間にも黒歌はずんずんと進んでいく。
「⏤⏤⏤い!」
「黒歌!待ってくれよ!」
そう言って黒歌に追いつくために走り出そうとしていると。
「あの!わざと聞こえない振りしているんですか?!」
そんな声が俺の耳に届く。
「葵君は耳がいいのが自慢ですよね?!なんで聞こえないんですか!」
そんなことを言いながら近づいてくる神物こそ、これから俺たちが報告に行こうとしていた神の天照である。
「えっと…ここに来るといろいろな音が入ってきすぎて、最初は音の聞き分けがうまくいかないんですよ…」
「あー!見つかったにゃん!せっかく離れようとしていたのに!」
「え!黒歌気づいてたんなら教えてくれよ!」
「そうですよ!そしたらあんなに大きな声出す必要もなかったんですよ!」
そう言っていつもと同じように黒歌と言い合いを始める。
こうやって言い合いをしていると多くの神を率いる主神にはとても見えないと誰もが思うだろう。
だが、そうではないのだ。
「天照様、今回の任務の報告をしたいのですがお時間よろしいでしょうか?」
そう言って任務の報告をしようとすると彼女の雰囲気が一変する。
先ほどとは違った鋭い目つきに比べれば、そこらの人外など恐れるに足りないだろう。
「いいでしょう。聞かせなさい。」
「はい。今回の任務における人的被害はなし、建物の被害は対象が潜伏していた廃屋の一部が倒壊した程度です。」
「なるほど…了解しました。十分に休息をとり、次の任務に備えなさい。そして私とお茶でもしましょう!」
「そうやってすぐにサボろうとするにゃん。主神様は暇にゃんね。」
「まあ、そう言うなよ。天照様だっていつも忙しくしてるんだから。」
「こんな時間じゃカフェなんてやってる訳ないにゃ。それ言い訳にして家に来る気にゃんよ。」
「いえ、それなら次の週末にでも3人で出かけましょう。私の方もすぐに空けられるほど暇ではないので。」
そういうことなら早いこと帰って寝ようかと思い口を開く。
「では、俺たちはこの辺りで失礼します。予定が空いたら連絡してください。」
「そういうことだから帰るわね。また今度にゃ。」
そんな挨拶をして高天原を後にする。
■
⏤⏤⏤リアスサイド⏤⏤⏤
俺は駒王学園に通う高校2年生の兵頭一誠だ!
なんでこんなにテンションが高いのかって?
それは今のこの状況に興奮しない男などいないと確信できるほど恵まれた状況にいるからだ!
「イッセー、あなたの封印を一部解除するわ。」
部長が膝枕をしながら俺に言う。
ん?てか、封印ってなんだ?
「あの部長…封印って何のことだか分かんないんすけど…」
「そういえばそうね、まずあなたは悪魔の駒を兵士とはいえ8個も消費したの。それは知ってる?」
「聞いたことがあるような…ないような…」
「まあそういうことなのね、でも悪魔になったとはいえ駒8個分の力にあなたの体が耐えられない可能性があったから駒7個分の力を封印したのよ。」
「可能性があったってことは耐えられる可能性もあったんですか?」
「あるにはあったけど…耐えられなかったら最悪死んでたしね。」
「死っ、封印してくれてありがとうございます!」
「封印のお礼を言われるのは生まれて初めてだわ…」
そんなこと言ったって最悪死んでたなんて言われたら感謝以外できないだろう!
部長は文字通り命の恩人だったけど俺のことをこんなにちゃんと考えてくれてたなんて!
やっぱり部長は最高だな!太ももも柔らかいし!胸も大きいし!
「封印の解除までしたんだからしっかり活躍するのよ。イッセー、あなたは私たちの切り札なのだからね、期待しているわよ。ライザーに勝ったら、そうね、何でもしてあげるわよ。」
「な、何でもだって!それはあんなことやこんなことをしてもいいということですか?!」
「ふふ、そうね。でもそんな風に言われたら少し恥ずかしいわね。」
照れてる部長も最高にかわいいな!
「任せてくださいよ!あんな焼き鳥野郎俺の赤龍帝の篭手でぶっ飛ばしてやりますよ!」
■
「ふん、よかったのは威勢だけか。神滅具とまで言われる力を持っても宿主がこの様ではな。」
「リアスいい加減諦めろ、これ以上は赤龍帝の命の保証はできんぞ。」
「イッセー!」
部長の悲痛な声が微かに聞こえる。
そうだよな、こんなところじゃまだ負けられないよな。
「う、くっ、ぶ、部長!待っててください!こんな焼き鳥や、ぐあっ!」
「命の保証はしないと言ったはずだがな。」
「リアスどうするんだ?赤龍帝を殺したとなれば俺にも箔がつくだろうな。」
「イッセー、みんな、ごめんなさい…私の負けよ…降参します。」
そ、そんな俺はまだ戦えるのに、まだやれるのに。
薄れゆく意識の中、戦闘終了によるアナウンスが鳴り、転送が始まった。
■
がばっ!
あの戦いは結局どうなったんだ!
部長は!みんなはどこだ!
なんで俺は家のベッドに寝てるんだ!
「イ、イッセーさん。ようやく起きたんですね!」
「ずっと目を覚まさないから、私、心配で。」
「アーシア!レーティングゲームはどうなったんだ!部長は!みんなは!」
「落ち着いてください!まだ起きたばかりなんですから!」
「レーティングゲームには負けてしまいました…部長と皆さんですが…」
なんでこんなに言い渋るんだ?
「早く教えてくれ!一体どうなってるんだ!」
「そこから先はわたくしが説明しましょう。」
くっ、誰だ!
ってグレイフィアさんが一体なんで俺の家にいるんだ!
「イッセー様、お嬢様と部員の皆様ですが、現在行われているお嬢様とライザー様の結婚式に参加しております。」
「なっ!もう結婚式が始まってるんですか!?」
「はい、その通りです。イッセー様にも招待状が届いておりますのでご確認を。」
「サーゼクス様からこのような伝言を預かっております。リアスが欲しければ奪いに来なさい、と。」
「てことは…、結婚式参加させていただきます!」
そう大きな声で宣言するとともに、俺は逃れようのない不安に駆られていた。
レーティングゲームで勝てなかったのになぜ勝てる気でいるんだ、と。
そんなことを考えていると、聞いたことのない声が頭に響いた。
「相棒、聞こえているのか。聞こえているなら返事をしろ!」
「わっ!なんだ!急に知らない声が!」
「お前の左腕の篭手に宿っている龍、と言えば理解できるか?」
「ま、まさかお前赤龍帝なのか?!」
「俺こそが赤龍帝の篭手に封印されている龍、ア・ドライグ・ゴッホだ。」
まさかこのタイミングで神器との磯の疎通ができるなんて…!
「頼む!今以上に強くなれる方法を教えてくれ!」
「それは今すぐなのか?」
「ああ、そうだ!」
「なら俺に左腕を寄越せ。そうすればお前を強くしてやろう。それとも左腕が大事か?」
こいつは何を言ってるんだ!
俺の左腕と部長なら比べるまでもないに決まってるだろう!
「左腕の1本や2本いくらでもくれてやるよ!部長を左腕だけで取り戻せるなら安いもんだぜ!」
「よく言った。その覚悟に俺も応えよう。時が来ればお前は今とは比べ物にならないほどの強さを手に入れるだろう。」
「へっ!その言葉忘れんなよ!土壇場でやっぱやめた、は無しだぜ!」
そう言って転移するためにグレイフィアさんのもとへ行こうとしたとき。
「イッセーさん、やはり行ってしまうんですね…」
「アーシア…、ああ、俺は部長を助けに行く。看病してくれてありがとな!」
「ではこれを持って行ってください。必ずあなたの助けになってくれるはずです。」
「ありがとな、アーシア。必ず部長を取り戻してくる。」
「グレイフィアさん、お願いします。」
「承知いたしました。こちらに。」
そう言って俺とグレイフィアさんは転移した。
■
⏤⏤⏤会場⏤⏤⏤
「それにしてもイッセー君遅いね。」
「先輩は必ず来ます。あの人は変態だけどそういう人です。」
「うふふ、そうですわね。彼なら来てくれるはずですわ。」
そんなことを話していると入り口の方から轟音が響く。
慌てる貴族たちを警護しながら警備員たちが扉の方へ向かう。
すると扉の方からオカルト研究部では聞きなれた声が会場内に響いた。
「オカルト研究部所属!兵藤一誠です!部長の処女は俺のもんだ!」
「な、イッセーったらっ。」
「っ警備の奴らめ、何をしている!とっととその下級悪魔を捕えろ!」
そうライザーが叫ぶのを聞き警備員が一誠の方へと駆け出す。
「あらあら、皆様ここは通しませんわよ。うふふ。」
「先輩の邪魔はさせません。」
「イッセー君!君なら必ず来ると思ってたよ!」
そう言ってオカルト研究部の面々が警備員の前に立ちはだかる。
すると悪魔にとって聞き逃すことのできない声が会場内に響く。
「全員、武器を収めるんだ。」
そういって一声で騒動を収めたのは現魔王最強であり、超越者とも呼ばれる魔王。
サーゼクス・ルシファーその人である。
「悪いねライザー君。これは私が用意した余興なんだ。矛を収めてくれないかい?」
「余興というのは一体どういうことですかな?」
「なに、二天龍とまで呼ばれるドラゴンを宿した神器と、龍の鱗をも焼きつくすというフェニックスの戦いに興味があってね。どうか私にその戦いを見せてはくれないか?」
「そこまで言うのであれば、断る必要もないでしょう。」
「身を固める前の最後の炎をお見せしましょう!」
やっぱりサーゼクスさんは俺とは比べ物にならないくらいに凄い悪魔だ。
サーゼクスさんとみんなが作ってくれた最後のチャンスを逃すわけにはいかない!
「部長!待っててください!必ずその焼き鳥野郎をぶっ飛ばして、部長を返してもらいます!」
読めば読むほど違和感があります。
オリ主が原作に絡み始めるのは会談時を予定しているのでそこまでは駆け足で行きます。
時間たって気に入らなくなったら消します。