鉄華団と不死鳥の少女   作:こーくへぃ

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駄文ですが読んでいただけると幸いです


01:少女

 火星、鉄華団の本拠地がある荒野の一角にて金属がぶつかり合う鈍い轟音が鳴り響いていた。

 

「すげぇ、さすがあの2人だな。どうやったらあんな動きできるんだよ」

 

 その音源を遠巻きに見物しているのは走り込みをする新入り達である。彼らの目線の先にあるのは悪魔の名を冠した赤い機体と白い機体の2機が模擬戦という形でぶつかり合っていた。

 

 刀と剣がぶつかりギリギリという音が迸る。白い機体、バルバトスを駆る少年のコックピットに通信が入った。本来はAR(エイハブ・リアクター)のせいでMSが稼働している付近の通信は難しいのだが、MSやその武器同士が触れた際には接触回線がつながり会話ができるようになるのである。いわゆるお肌のふれあい通信というやつだ。

 

『ごめん』

 

「何が?」

 

 いつもの自信のかけらも無さそう声で唐突に謝られ三日月は困惑した。

 

『わ、私って整備もできないし……農業を手伝おうにも弱っちくてこんな事しかできないから、なんだか申し訳なくって』

 

「いいんじゃない、それがフレイヤの仕事なんだから。オレもバルバトスから降りたら腕動かないし」

 

 白い悪魔を駆る少年、三日月・オーガスの淡々とした言葉にフレイヤと呼ばれた少女はくすりと笑う。

 

『拾われたのがここでよかった』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 __2ヶ月前

 

 クーデリアからの依頼を終えて約2ヶ月、鉄華団もかなり安定し地球にて手続きのための書類に目を通したり、役所で小難しい話を聞くことを終わらせたオルガと何人かの鉄華団員たちは火星への帰路についていた

 

「ん……?なんじゃありゃ?」

 

 進行先に何やらチカチカと幾つもの光が動き回っていることにユージンが気づいた。星なんかではない、あれは……

 

「救難信号がでてるぜ!?しかもよく見たら船がモビルスーツに襲われてんじゃねーか!」

 

 光の正体は船の出す救難信号と、モビルスーツのバーニアのものであった。船はMSが2機納まるか程度で、現在3機のMS囲まれている。

 

「ミカ!」

 

「うん」

 

 自分たちの活躍から2ヶ月、皮肉にも自分たちが阿頼耶識の有効性を証明してしまったため少年兵やヒューマンデブリを使う悪党が増えてしまった。そのため宇宙を航海中は三日月が瞬時に出撃できるようにあらかじめスタンバっているのである。

 

「バルバトス、三日月・オーガス、出るよ」

 

 青い閃光をイサリビに浴びせながら爆速で前進する。目的はただ一つ、手に持ったメイスで相手を叩き潰すのみ。

 

「……見ないモビルスーツだ」

 

 船を襲っている機体は細い腰、スラスターを内蔵した大きな肩にモノアイをバイザーで覆った特徴的な頭をしており、三日月の言うようにギャラルホルンのグレイズ系統や、タービンズの機体達等と比較しても特徴がほとんど一致しないものであった。

 

「まぁ、関係ないけ……どっ!」

 

 相手のMSがこちらを捕捉した時にはもうメイスを持つ腕がスイングを始めており、一瞬で相手の命を叩き潰した。 

 

 仲間を殺され激昂したのか、別のそれが武器を構えてこちらに突っ込もうとする……が、ボディの一部カラーリングに赤が施されているもう一機がそれを制する。隊長の指示には素直に従うようでこちらへと牽制するように弾幕を張りながら宇宙の闇の中へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 襲われていた船に対し通信を試みるも応答がない。

 

「死んでるんじゃないの?」

 

「こら三日月!」

 

 アトラは不謹慎な発言をする三日月にツッコミを入れるようにペシっと叩いた。

 

「埒が開かないな……とりあえず向こうに入ってみるか」

 

 十数分後、ユージンとダンテその他数名はノーマルスーツを着用し外に出る。ロックはかかっておらず、簡単に中に入ることができた。コックピットのドアを開け中を見ると、入った瞬間に何か液体が顔に付着した。鉄の匂い、赤い水滴が宙を泳ぎまわっていて、またその水滴の出どころと思われる物体がふわふわと力なく浮いている。

 

「おい!大丈夫か!?」

 

 それは少女、ノーマルスーツも着用せず銀色の髪を靡かせていた。

 

 とりあえず救助用のカプセルポッドに少女を詰め込みイサリビへと運びこんだ。命に別状はない程度に見えるが、応急処置の為に巻いた包帯にもう血が滲んでいてなんとも痛々しい。

 

「へぇ、中々かわいいじゃいってぇ!?」

 

 こんな時に碌でもないことを言うユージンにアトラを含む全員からの蹴りが入った。

 ふと、三日月が何かに気付いた様で少女の服を引っ張り、雪の様な背中があらわになる。

 

「み、みみみみみ三日月ィ!?なにをして……えぇ!?こ、これって……!」

 

 顔を真っ赤にして止めようとするアトラは、彼女の背中に形こそ違うが、アレが付いているのを見て驚愕の声を上げる。

 

「おい、これ……多分阿頼耶識じゃねぇか、しかも3本……!」

 

 白く柔らかで丸みを帯びた美しい女体に3つの“ヒゲ”。

なんとも悍ましい、どう考えてもこの子が普通の孤児などではないのが明らかであった。海賊か、ヒューマンデブリか、それとも……。

 

「とりあえず連れて帰るぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鉄華団拠点、医務室。テイワズより派遣されている医師がベッドに寝かせられ点滴を受けている少女の診察結果をオルガ達に告げるところであった。

 

「栄養失調……とまではいかないけど、ちょっと足りてないみたいだね」

 

「昔のアトラじゃん」

 

「三日月!!!」

 

「なんだよかった……とは簡単にいかねえよ……正直いってかなりの厄介事の塊だぞこいつ」

 

「阿頼耶識をつけてる時点でなぁ」

 

 どうした物かとみんなが頭を悩ませていると、ドタドタと走る音が聞こえてきてドアが勢いよく開いた。

 

「な、なんだよシノ!騒々しいなぁ!?」

 

 シノと呼ばれた青年は息を切らし目を輝かせている。

 

「おい!!なんだあのかっちょいいモビルスーツはよ!!?」

 

「モビルスーツ?」

 

「お前らが持って帰ってきた船に積んであったもんだぜ!?中みてないのかよ!」

 

「あぁ、そういえば……阿頼耶識のことで頭いっぱいで確認してなかったな」

 

「とりあえず来いよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先程の船の中にはMSを格納できるようで、真紅と銀のMSとその為のオプションユニット?のような物や武器が納められていた。

 

「この燃えるようなスカーレット!!めちゃくちゃイカすじゃねぇか!!」

 

「おいこれ……ガンダムフレームじゃねぇか……!?

 阿頼耶識にこれ、なんなんだあの子?」

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