バトルシーンは書くのが難しいですね〜、私に画力があれば挿絵とかつけて何とかできたんでしょうけど!
「フレイヤ、落ち着いて……大丈夫だから……」
「ハァ……ハァ……大丈夫……大丈夫……」
フレイヤは震えの止まらない体をなんとか鎮めようと、抱擁してくれているアトラの胸板に顔を押し付けて自己暗示の様に大丈夫と繰り返していた。
「大丈夫、アジーさん達強いからやっつけてくれるよ」
「ありがとう……落ち着いた……」
ゆっくりと立ち上がると、フレイヤは壁に備え付けられたモニターを操作して外の様子を探る。戦っている様子が見やすいカメラを探し、次々と画面が切り替わってゆく。
「あ!」
最も見やすいカメラを見つけたので戦いを観察するが、ちょうど漏影が蹴りを入れられる所だった。左肩が帯電する様にバチバチと火花を散らしている。
「あ、あ、あ!そんな動きじゃっ!」
「ふ、フレイヤ?」
アトラはなんだか様子がおかしいフレイヤに駆け寄り、肩に手を置いた。
「あつい……?ねぇ、熱があるよ?
落ち着いて……」
Tシャツ越しに触れた肌は平常とは思えないほどに熱を持っていた。
アトラがチラリと画面を見ると、プロト獅電が飛び出しているところで、今この艦にいる人物でMSを操縦できるのはアジーとラフタ、一応のフレイヤを除いて思い当たるのはいない。それにフレイヤは真っ先に気づいた様で、悲鳴にも近い声をあげた。
「ダメッ!!ダメだよッ!!もどって!!」
「フレイヤ!落ち着いて!さっきから変だよ!?フレイヤ!!」
フレイヤはいきなりアトラの両肩をがっしりと掴んで揺さぶった。
「アトラちゃん!みんな死んじゃう!ダメなの!アレと戦ったら!」
「わ、わかんないよ!あの人たちってなんなの!?」
「……私も、わかんない」
フレイヤは頭を抱えてうずくまり、涙をボロボロと流しながら「ダメ……ダメ……」と呟いている。
「行かなきゃ」
いきなり立ち上がってドアの方へ向うフレイヤ、先ほどとまるで表情が変わっていた、本当に同一人物なのかさえ疑いたくなるほどに。
「フレイヤ、何する気なの!戻って!」
「大丈夫、パイロットスーツちゃんと着るから」
「は、はぁ!?違うよ、フレイヤ!」
フレイヤは、フェニックスの検査中に見つかったコクピット内に収められていたという赤と白のパイロットスーツを掴み、部屋から出て行った。アトラは慌てて彼女を追いかけたが、いつもののんびりした印象とは違い、無重力の艦内を泳ぐようにスムーズに進んでゆく。
「あの時と……同じ……」
服を脱ぎ散らしながら、スパッツ一丁の姿を少年たちに見られようが全く気に留めず、パイロットスーツを着用してドックに出た。器用に壁や設備を蹴って、フェニックスのコクピットへ最短ルートで乗り込む。
阿頼耶識を接続すると、画面が光り、細かい文字列が表示されて流れていく。
「Fシステムは……不安定。
でも、いける!」
フェニックスのツインアイには光が灯るが、橙と青が不規則に点滅している。フレイヤは、問題なく動作することを確認した後、ドック内のメカニックや子供たちに通信を飛ばした
『固定解除して!早く!!』
ドックの設備制御室内にいたツカサはいつもの子犬の様な少女とは思えない圧に違和感を感じつつも「はいよ〜」とニコニコしながら言われた通りにアンロックし、すぐにブリッジに内線を繋いだ。
「ユージンはん!フレイヤはんが勝手に出てはりますわ〜!」
『な!!?ちょ、まっ!!』
ユージンが静止する暇もなく艦から飛び出したフェニックスは青い炎を吹き散らしながら驀進する。
「お願い……!間に合って!!」
目標を補足するも、すでにザガンは胴体を薙ぎ払う瞬間であった。フレイヤはフルスロットルでスラスターを噴かし、その一撃を防ごうともがく。
「やめてェぇええええええ!!!
フレイヤの声は届く事なく、無惨にも機体は両断されてしまった。その瞬間、フレイヤの絶叫と同時に青と橙に点滅していたフェニックスの目が青く迸る。
「うぁああああああああ!!!」
フェニックスは足を変形させて突き出し、飛び蹴りをするような体勢でもう一機の獅電に振り下ろさんとするザガンの大剣を掴んだ。
「やっと来たのかッ!」
接触回線が繋がった事で中の男の声が聞こえる。その声は楽しそうで、戦いを楽しんでるようにも感じた。
「ずいぶん楽しそうにして!」
『悪いかよ!こいつらはお前が逃げ出さなければ死ななかったんだぜ!!ケセド!!』
ホドは大剣を引き込み、それを掴んでいるフェニックスを蹴り上げようとする。しかし、フレイヤは瞬時に足を離して体勢を変え、その際に発生した慣性に体を乗せて鉈を振るう。
「ハッ、記憶は無かろうと動きに癖が残ってるぜ!」
ホドは大剣を斬撃に対して斜めに構える事で、鉈を滑らせて攻撃をいなした。そして戦いにくいと判断し、大剣を攻撃を受けた際の衝撃にのせてそのまま放棄し瞬時に腰の剣を抜く。
「読まれているの!?」
「あのユニットもつけてないフェニックスなんてのはァ!恐るるに足らんぜッ!
そもそもお前に!負けた事なんて!一度もないッ!」
「くぅっ……!鬱陶しい……!」
金属のぶつかり合う嫌な音がコックピット内にまで響く。敵の強さを理解したフレイヤは少し距離をとって腰部左右に備わっているレールガンで牽制した。
「相変わらずいい射撃だ!近づきにくいが……!
いいもんを見つけたッ!」
ホドは偏差を読まれないようにジグザグと移動する。どこに行くかは最初から決めていた。
先ほど自分が叩き斬ったその片割れに身を隠し、射撃を防ぎながらこちらへと直進する
「なんて……!」
自分の攻撃によってボロボロと崩れていくそれを見てフレイヤの目からコクピット内に光が散らばった。
「怯えたなーーッ!」
爆進しながら盾をこちらへと蹴り飛ばしてきた。フレイヤはそれを薙ぎ払うわけでもなく、躱すわけでもなく、鉈でとはいえ咄嗟に受け止めてしまった。それによって生まれた死角からザガンか顔を出す。いつでも剣を振り下ろせる体勢のそれは勝利を確信していた。
「うぉお!?」
振り下ろす寸前、獅電の上半身がこちらに飛んできたので、それを弾くために動きが止まる。
「お前……!」
フェニックスをみると足を上げている体勢で静止していた。
「蹴れたのかよッッッ!!!」
「あなたはぁぁあああああ!!」
そう叫ぶと同時にお互い切り掛かかり、また鈍い音が2度3度と響く。
「こいつ!?鋭くなっている!?」
先ほどよりフェニックスの動きのキレが増し、うまく追えない。
「くそ、これは知らないぞッ!?
お前、本当にケセドなのかよ!?」
フレイヤはホドの一瞬の焦りから生じた隙を突き、武器を弾き飛ばした。
「しまった!!」
別の武器を取り出す暇はない。腕でガードしようにもこの状況では数秒間死ぬのが遅れるだけで意味を成さないだろう。
「これで貴方は!!」
トドメを刺そうとした瞬間、突然コクピット内にけたたましい警告音が鳴り響く。
「なんなの!?」
“上”
画面表示と阿頼耶識から流れ込む情報を元にそちらを見るも遅すぎたようで、“それ”はもう高速接近から連続で武器を振り下ろしていた。
「うぐぅうッッ!!」
鉈でその攻撃を受け止め、吹き飛ばされないようにスラスターを全開にして何とか持ち堪える。攻撃してきたそれの正体は銀をベースに紫の混じるガンダムフレームであった。
『やぁ、ケセド。久しぶりじゃないか』
金属が擦れる音に混じり、パイロットと思わしき声が回線を通して聞こえてくる。まるで人を見下すような口調なのが癪に障る。
「だ、誰ですか!?あなたの事なんて知らない!そのさっきから聞くケセ……ってのも!」
『あぁ、そう言えば記憶を無くしてたんだったなぁ……?自分がケセドと呼ばれてた事すら覚えてないのか』
そこへホドが通信に割り込んでくる。
『イェソド、加勢に来てくれたのか!』
『黙れ、お前は失敗したんだ。周りを見ろ』
言われた通りにホドが周りを見渡すと、3機いたクピッドがすべて破壊されており、ラフタやアジー、ライドがこちらへと向かってきているところであった。
『全く、怪我させずに捕らえたいなんて我儘を通そうとするからだよ。ケセドとは言え、俺たちと同種なんだ』
「貴方は誰なんですか!」
『お前もうるさいなぁ、記憶がないんだから話したって意味はないじゃないか。どうせジジイ共に可愛がられてた事だって覚えてないだろう』
『おい、そんな言い方は……!』
『とりあえずここは撤退するぞ。
それじゃあケセド、また会うことになるさ』
そういうとホドとイェソド呼ばれた声の持ち主はスラスターから青い炎を散らしながら宇宙の闇の中へと消えていった。
『あいつら!逃げる気かっ!』
そう言ってライドはあの2人を追おうとしたが、フレイヤが前に出て制止した。
「ダメ、死んじゃうよ」
『ふ、フレイヤ……』
『そうだよ、さっき死にかけてたじゃん!』
『お前は先に説教だ。みっちりとな』
4人はモッブの乗っていた獅電を回収し、戦艦への帰路へとついた。
喋ってるのがオリキャラばかりで鉄血成分不足なので次回かその次くらいにはガッツリ色んなキャラと絡ませたいですねぇ