今回は短めとなってます(-。-;
(食べてくれるかなぁ……)
フレイヤはアトラに習って作ったおにぎりを持ってモビルスーツ格納庫に訪れていた。結局昨日の誤解は解けず、アトラにはとんでもない勘違いをされたままなので教えてもらってる時も時も微妙な雰囲気(というよりアトラは気にしてないが、アトラの“3人でもいいよ”というスタイルに少しフレイヤが引いてる)が流れていた。
「あ、三日月クン……って……あ、危ないなぁアレ……」
阿頼耶識を接続したまま三日月はバルバトスのオプチカルシーカーにぶら下がり、懸垂をしていた。
(そういえば阿頼耶識がつながってないと右腕が動かないんだっけ)
フレイヤは設備を操作して懸垂をしている三日月の元へと向かい、声をかける。
「み、三日月くん!」
「ん……フレイヤ。どうしたの」
「お、おにぎり作ったんだけど……どう?」
少し頬を染め、おにぎりの入ったランチボックスを差し出しすフレイヤ。三日月はそれを数秒見つめたあと少し微笑んだ。
「ちょうど腹減ってたし、貰っていいか?」
「う、うん!たくさんあるよ!あ、アトラちゃんに手伝ってもらってさ!梅もあるし、塩握りもあるし、唐揚げもあるし、これも、これだって……」
「こんなに持てないよ……」
少し困った様な顔をしつつも、渡されたおにぎりを一旦ボックスに戻し、座っておにぎりを頬張る三日月。
「うん、うまい」
「ほんと!?」
その頃、格納庫入口を覗く2つの影があった。
(ぐぎぎぎ……三日月の野郎ォ……!!フレイヤちゃんのおにぎりをォ……!!)
(ぐぎぎぎ……ちゃいますやろぉ……!フレイヤはんはウチが……!!!)
キラキラと目を輝かせて、嬉しそうにするフレイヤをユージンとツカサが愛憎混じる物凄い表情で見つめていたのであった。
暗闇を漂う星々の中、独特なデザインを誇る1隻の宇宙艦が存在した。その艦のブリッジには、まるで神話的な美しさを持つ少女が座っていた。
「ティファレト様」
少女の隣に立つ男が話しかけると、ティファレトと呼ばれた少女はやや不機嫌そうな態度で青い目を向ける。
「なに?この椅子に鏡をつけた事には取り合わないわよ?」
「いえ、その事ではないですが。
前方にギャラルホルンの艦らしき物があり、停止命令を受けています」
「無視よ無視、ちょうどいいじゃない。
邪魔をするなら準備運動も兼ねて私が出るわ」
「……戦闘を?」
「当たり前じゃない、全て壊せばいいのよ。跡形もなくね」
「ダメです。停船命令、警告共に全て無視されてます」
「仕方がない、各員戦闘配置につけ!」
ギャラルホルンは、ティファレトが乗る艦に何度も警告を発していたが、無視されたために実力行使に出ることになった。数分後にはグレイズ4体が出撃し、船に向かって爆進した。
ティファレトの艦から1機のモビルスーツが飛び出してくる。全体的に曲線が美しい、まるで美術品のような純白を基調とした金の混じる機体だ。
『敵艦よりモビルスーツ1機の出撃を確認!ガンダムフレームの様です!キャノン砲らしき物を背負った形状を見るに後方支援タイプと推定!』
『フォーメーションテトラで行くぞ!』
『『『了解!』』』
グレイズが接近してきたため近接戦闘には不利だと判断したのか、ガンダムは肩に背負ったキャノン砲らしき武装をパージし、背中から引き抜いたロングソードを両手で構えた。
「思い切りはいいが!1機ではこの連携は崩せんよ!」
4機のグレイズは正四面体の様な位置どりでガンダムを取り囲む。確かにこの1機ではこれを突破するのはかなり難しいだろう。
ピピーーー!
「なんだ!?」
突如嫌な電子音が鳴り響く。何事かと画面を確認すると“LOST”の文字。味方のグレイズが1機撃墜された事を意味していた。しかし目の前の敵は動く素振りを見せていない。
すると自分の機体が激しく揺れると共に鈍い金属音がコクピットに響く。
「ぐああああ!?な、なんだぁああ!?」
画面には自分の乗るグレイズの武器を持つ手が腕ごと弾き飛ばされた事が表示されている。
「増援か!?しかし、そんな反応は……!」
ガンダムより少し距離をとって周囲を見渡すと、先ほどパージされたキャノン砲がこちらを向いている。
「ま、まさか……!」
“LOST”
「はっ!?」
気を取られているうちに、味方の搭乗員がガンダムフレームのコックピットに貫かれてしまった。もう一機の仲間は唖然としながら、続けざまにガンダムフレームを攻撃したが、それには振り向かず、認識範囲外から飛来した鉄杭が数本通り抜けると、グレイズは圧倒的な破壊を受け、残骸が散らばった。
「なんだよ……!?遠隔兵装だなんて、リアクターがあるんだぞ!!??ふざけ」
理不尽に対する怒りや悔しさを最後まで吐き切る事なく、ガンダムによる一撃でただの鉄塊へと変わった。
ガンダムフレームのコクピットでは、ティファレトが腹を抱えて大笑いしていた。
「アハハハハハ!!!いつみても最高ねぇ!私のヴァラクに蹂躙される者の焦燥と何が起きたかも理解できずに死んでいく様は!
さぁて、あとは艦を沈めるだけねぇ……あら?降伏サイン……?」
おそらく、先ほどの4機が搭載する全てのモビルスーツだったのだろう。ギャラルホルンの艦はこちらへと降伏を申し出てきた。しかし、ティファレトはそれを受け入れる気は全くと言っていいほどにないようであった。
「ばぁーーーっか!!!騎士なら騎士らしく最後まで抗う事ねぇ!!
手向けにドラコカプトの残弾全てを使ってあげるわぁ!」
“蹂躙”
ただその一言に尽きた。彼女は執念深く攻撃を繰り返す。鉄杭をあらゆる角度から撃ち込み、時には自身のロングソードで叩きつぶす。その執拗な攻撃には、ドロドロとした悪意が漲っていた。ティファレトの旗艦の乗組員たちでさえ戦慄し、手を止め、ただただ画面に映し出される彼女の暴虐を見つめていた。
ティファレトちゃんはブロンド碧眼です!良い性格をしてます!
三日月を喋らせるのってめちゃくちゃ難しい……^^;