鉄華団と不死鳥の少女   作:こーくへぃ

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遅くなりました!!!
実験的に挿絵も入れてみましたが、ちょっと閲覧注意となっております!!あと、リアルがそこそこ忙しくて最初できなかったのでラフ絵になってます。後々清書しようと思ってます!


15:クリュセにて

「フレイヤはん、フレイヤはん」

 

 日曜日の朝、起きて朝食を取ったばかりの暇な時間。鉄華団は交代勤務なのでほぼいつもと変わらないのだが、フレイヤとツカサは休日をもらっていた。

 

「なーに、ツカサちゃん」

 

「ウチ、クリュセ行きたいんです」

 

「うん」

 

「連れてってくれまへんか?」

 

「うーん、連れてってって言われても……私、ここについての知識はツカサちゃんと同じくらいだよ?」

 

「……そう言えばそうでしたわぁ」

 

「アトラちゃんもさそ……」

 

「いや、アトラはんはお仕事とか忙しそうですし、邪魔したらあきまへんわ!あと、ウチはフレイヤはんとでぇとしたいんですわ!」

 

 フレイヤは言葉を遮られ、両手を握られながら熱弁をうける。「そこまで行きたいのなら」という事で2人はクリュセに向かう事になった。

 

 

 

 

 

「おーい、三日月ー!」

 

 雪之丞に名前を呼ばれた三日月は、日課の筋トレ中断し降りてきた。

 

「なに?おやっさん」

 

「フェニックスの事なんだが、ちょっと検査したくてな。乗ってくれねぇか?」

 

「勝手に乗っていいの?」

 

「フレイヤには許可はとってあるからよ」

 

「そっか、わかった」

 

 早速フェニックスに乗り込んでシートに腰を下ろす。鉄華団の所有するモビルスーツのコクピットとは違って全体的に流線的なデザインとなっていて、シートも座り心地が良く、高級スポーツカーの様な雰囲気があった。

 

「変な形の操縦桿だ」

 

『確かに珍しいタイプだな、コントロールシリンダーって名前らしい』

 

「へぇ、慣れれば使いやすそうだね」

 

 三日月が起動せずにカチカチとシリンダーをいじりって手に馴染ませていると、雪之丞が準備完了したと合図が送られてきた。

 

「了解。三日月・オーガス、フェニックス起動するよ」

 

 フェニックスのツインアイに橙の光が灯る。

 

「ぐっ……!!」

 

 阿頼耶識を通じて強い負荷が三日月の体に流れ込んだ。鼻血が顎から滴り、三日月は肩で息をしている。

 

『大丈夫か?』

 

「うん、多分普通に動かせる……けど」

 

 簡単にフェニックスの腕や足を動かしているのを見ると、言っている通り動作自体は申し分ないようである。

 

「何だかこいつ……俺のこと嫌ってるみたいだ」

 

 

 

 

 

「ほぉー、歳星ほどじゃないにしてもそれなりに都会やなぁ」

 

「ほんとだねぇ。そういえば何しにきたの?」

 

「んー……まぁ、オシゴトですわぁ。ほらここ」

 

「……配送会社?バイトでもするの?」

 

「んもぉ〜!ちゃいますってぇ!姐さんに送るものがあるんですわ!」

 

「なぁんだ」

 

「ほな、ウチは色々手続きとかありますからその間好きにしといてくださいな!」

 

 そういうとツカサは中に入っていき、フレイヤは1人残されてしまった。好きにしとこうにも自分もほとんど来たことがないので、土地勘なんてないのである。

とりあえず周りのお店を見て回ることにした。

 

 飲食店を筆頭に色々な店が建ち並び、楽しい雰囲気が街中に立ち込めている。ぼんやりとただ歩いていると、ショーウィンドウに目が留まった。

 

「わぁ……」

 

 煌びやかな照明に照らされるドレス。クーデリアモデルと書かれているそれはフレイヤの心を射止めた。

 

「うわ、すごい高い……あ、この人がクーデリアって人かな?」

 

 写真に映る金髪の美少女につい見とれてしまう。どこかのお姫様なのか?と考えてしまうほどに気品溢れる凛々しい顔だった。

 

「ケセド様♪」

 

 ここで聞くはずのない言葉が耳に入り、即座に音源の方を振り返る。そこには可愛らしいショートの女の子が立っていた。

 

(誰……?)

 

 ニコニコと笑う少女は踵を返し小走りで裏路地へ入っていく。

 

「待っ……!」

 

 フレイヤは慌てて後を追って同じように裏路地へと入ると、横道に曲がる瞬間だけの姿が見えた。さらにそこを追うとまた曲がる瞬間、それが2、3度続いて横道に入ると、行き止まりにその少女がこちらに背を向けて立っていた。

 

「ハァ……ハァ……あ、あの……もしかして、私のこと知ってたりとか……」

 

 フレイヤがそう話しかけると、少女はくるりとこちらを振り向く。

 

「はい!お慕いしております!ケセド様!」

 

 その瞬間、背後から硬いものが猛然と襲いかかり、フレイヤはうつ伏せに崩れ落ちた。視界が揺れ動き、やがて意識が暗闇に包まれた

 

 

 

 

 

 

「んん……はっ!?」

 

 フレイヤは意識を取り戻してすぐに辺りを見わたした。どこかの倉庫にいるらしいが、広々とした空間には何もなく、寂しい静寂が漂っていた。起き上がろうとしたが、後ろ手に縛られた両手が邪魔をする。

 暫くもがいていると、ガチャリと扉が開き、先ほどの少女と男が入ってきた。

 

「あ、ケセド様!起きられたのですね!」

 

 少女はとても親しそうに近づいてきて、フレイヤの胸に顔を埋めて頬擦りした。

 

「あの……あなたは?」

 

「あぁ、そういえば記憶がないのでしたね。ワタクシ、イシュリアと申します!」

 

「は、はぁ……」

 

「うふ、ティファレト様の命で会いにきたんです!では早速、お願いします!」

 

 少女は男にニコリと笑って何かを指示した。その瞬間、フレイヤの腹部に鈍い痛みが走り、一瞬呼吸が止まった。男の全力の拳がフレイヤの鳩尾にめり込んでいて体内の空気が吐き出された。

 

「カ……ハッ……!?」

 

 少女は少し悲しそうな顔をしてフレイヤの頬を優しくさする。

 

「ごめんなさいね。ワタクシ、ケセド様のこと大好きなんですけど、ティファレト様のがもっと大好きなんです。ティファレト様に言われてるからしょうがないのです………」

 

「な……何を……言って……グブッ!」

 

 鳩尾の次は顔面に拳がめり込む。鼻から生暖かい液体が滴る感触があり、口にまで鉄臭さが流れ込む。そして次々に鳩尾、顔面と的確にダメージが入る部位を男は容赦なく痛めつけてくる。

 

「しかし流石セフィラの1人ですね。大の男にここまで痛めつけられてその傷で済むなんて」

 

※閲覧注意

【挿絵表示】

 

 

 イシュリアはフレイヤの頬に頬ずりをした後、お互いの吐息がかかる位置に顔を持ってくる。

 

「ケセド様、キスしても良いですか?」

 

「うぅ……ひゃだ……もうひゃめて……」

 

「あら、それは残念です……せめてファーストキスくらいは貰いたかったのですが……では次お願いします」

 

 男はフレイヤの上に覆い被さった。首筋に強く吸い付き、両手で胸や他の場所を弄っている。

 

「これもティファレト様の命令なのです。申し訳ございませんね」

 

 

 突如、銃声が鳴り響いた。そしてその直後、男の体がずるりと横に崩れ落ちる。男は脇腹を抑えていて、その指の隙間からは服を液体が赤く染めていくのがわかった。

 

 イシュリアは呆気にとられ、数秒間動けずにいたがようやく状況の把握を試みた。どこから撃たれたのかを探すが、誰も入ってきてはいないし、狙撃される様な場所でもない。

 ふと、気づく。可能性をゼロだと断定していたため最初は気づいてはいなかったが、凶弾の発生源と思われる物、おそらくの腰に刺していた物を盗んだのだろうそれはフレイヤの手に握られていた。




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