鉄華団と不死鳥の少女   作:こーくへぃ

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6月からペース上げます(大嘘)

ごめんなさいっ!( ; ; )
出力する能力が低すぎて遅くなっちゃいました!!


26:笑顔

「……説明って、何をですか?」

 

 肩に手を置かれたまま、振り返らずにフレイヤは聞き返す。

 

「この男が何なのかと、今のお前がどうなってるかだ。いつも通りですってのは流石に遠らねぇだろ?」

 

「……ツカサちゃんが攫われたんですよ?」

 

「だから情報を整理しないと救出作戦を建てようにも」

 

「一刻も早く助けるのが先じゃないですか!?」

 

「フレイヤ!!」

 

 フレイヤはオルガの手を肩に感じながら、しっかりと握り返す。オルガは抜こうとするが、その手は動かない。自分よりもずっと背の低い少女がどこからそんな力を湧き出させているのか、まったく理解できない。

 

「私のせいで攫われたんです!!私が助けに行かっ……!ぐぅっ……!!三日月……くん……!」

 

 興奮するフレイヤを三日月が後ろから絞め上げる。いわゆる裸絞めと呼ばれる状態で、動かない腕を首にかけて左手で思いきり絞めこんでいる。

 

「団長はオルガなんだ。フレイヤも鉄華団の団員なら、オルガの命令を聞くべきだ」

 

 ギリギリと締め付けられ、解こうとするも呼吸が遮断されうまく息ができない。

 

“そこまでにしておくんだ、キミは感情的になりすぎる”

 

(ぅ……く……あな……は……………)

 

 

 

 

 

 

 三日月がフレイヤを絞め落としてから20分ほどが経った。オルガは団員たちに指示を出してツカサ救出のための準備をしている間、フレイヤの目覚めを待っていた。椅子に座らせ、両手親指を結束バンドで縛ると言う簡易的で負担の少ない形で拘束している。

 

「……こいつから話を聞かん限りにはな」

 

 オルガは改めてこいつは変なやつだと思った。今までのフレイヤを見ていまだにうまく芯が掴めない。今考えればフレイヤとしっかり絡んだことなんてほとんどないのだ。強いて言えばこの間の川での事くらいである。

 

「いや、あれは……」

 

 こんな事を考えている場合ではないのはわかっているものの、誰にと言うわけでもないが、誤魔化すように頬を人差し指で頬をかいた。、

 

「団長さん」

 

 不意打ちの呼びかけについビクリと体が跳ねる。フレイヤの方を見るとコチラを見つめていた。何とも不気味な目、まるでこちらを全て見通しわかっているかのように据わっているのだ。

 

「…………お前」

 

「やぁ、ご機嫌よう。……この拘束は解いてくれないかい?意外と辛いんだよこれが」

 

 

 

「ふぅ、ありがとう。女の子を拘束するなんて奇特な趣味をお持ちだね、団長さん」

 

 オルガはフレイヤの軽口を無視して観察する。子供らしい時、女の子らしい時、やけに目が鋭い時とはまた違う雰囲気を醸し出している。

 

「ははは、そんなに警戒しなくても良いよ。この化け物、とって食ったりはしないさ」

 

「単刀直入聞くが……お前は、その……」

 

「多重人格かい?」

 

「……あぁ」

 

「そう思うのも無理はないかな。まぁ、厳密には違うけどね」

 

 フレイヤは足を組んで髪をいじりながらこちらを薄い笑顔を浮かべて見上げてくる。

 

 

「……よくわかんねぇけど、記憶はあんのか?

 自分自身の事も、フェニックスの事なんてのも」

 

「もちろん知っているよ」

 

「……だったら話してくれないか?」

 

「んー……」

 

 フレイヤは唇に人差し指を当て少し考えるような仕草をする。

 

「嫌だね、断る」

 

「なっ!?」

 

 オルガの反応を見てフレイヤは楽しそうにくつくつと笑った。そして膝に肘をついてニヤついた表情のままオルガを見つめる。

 

「甘っちょろいね、君は。もし本気ならボクの拘束を解かず、答えないと答えたボクを暴力で屈服させ、ひん剥いて答えるまで嬲るのが正解だよ。

 まぁ、ボクはそんな事されても答えるような事はないんだけどね」

 

 フレイヤはゆっくりと立ち上がり、オルガに近づいて後ろ手に組んでさらにニヤついた表情を浮かべた。身長差があるため、背伸びして顔を近づけている

 

「その甘さは仲間を殺すよ。ただ進むだけでは命は守れない」

 

「…………」

 

「まぁ、意地悪しようってわけじゃないんだ。

 時が来たら話すさ、いまはその時ではない。今はフレイヤの望むべき事、あのツカサという娘を助ける事を優先すべきであって、余計な邪念は君の甘さにさらなるノイズをもたらすよ」

 

「……?

 お前はフレイヤじゃないのか?」

 

「ボクもフレイヤだよ?」

 

「……これが終わったら話してくれるのか?」

 

「期待してもいいよ」

 

「……嫌なやつだなこのフレイヤは」

 

 

 

 

 

 

「やぁやぁ、みんなごきげんよう」

 

 フレイヤは作業中の団員たちに気さくに話しかけたが、彼らは不思議そうな表情で彼女を見つめる。

 

「くっくっくっ、みんなキョトンとしていて可愛らしいじゃないか」

 

「……ツカサを助けるためにみんな急いで準備してくれているんだ。茶化すような真似はやめろ。

 大体、お前はツカサはどうでもいいのか?」

 

「全くもってどうでもいいね」

 

「…………」

 

「けど、色々と不都合なのさ。ボクたちは簡単な存在じゃないからね。さて、ボクはフェニックスで待機しているよ」

 

 

 

 フレイヤがモビルスーツを積んでいるトレーラーの方へむかうと、三日月やアジー達、そしてそれらパイロット達に軽食をわたしているアトラがいた。

 

「やぁ、パイロットの皆さんご機嫌よう。ある程度の事は団長さんから聞いてるだろう?」

 

「…………」

 

 パイロットたちは半ば警戒する様な目でフレイヤを見つめ、その視線を受けたフレイヤは薄い笑顔を浮かべたまま腕を組んでいる。ほんの少しピリついた空気を和らげようとアトラがフレイヤに近づいた。

 

「あの、これ……お、おにぎり……」

 

「おや、ありがとうアトラ」

 

 ニコリ微笑みかけるフレイヤにアトラは少しだけ怯んだ。顔は同じなのにこちらを見透かす様な目や低い声色のせいで不気味さを感じるのだ。

 

「……ん?」

 

 フレイヤはふと横を見るとラフタが目の前に立っていることに気づいた。少し高い身長からこちらを見下ろしてくる。そして次の瞬間、プレイヤの髪をわしゃわしゃと揉み、匂いを嗅ぐために顔を埋め始めた。

 

「うん、ちゃんとフレイヤ!この髪質と匂いは間違いなくね!」

 

「はは……変な確認方法をとらないでくれないかい。ほら、もう出発みたいだよ。みんな準備しよう」

 

 フレイヤに促されるようにそれぞれ自分の機体に乗り込む。

パネルやスイッチをすこし弄ったフレイヤは軽くため息をついた。

 

「ボクではこいつの力を十全には発揮できないか。まぁ、これで十分だろう」

 

 薄く笑う少女を乗せたトラクターが動き出した。




次回はバトルですかねぇ。小説で戦わせるって難しい…
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