鉄華団と不死鳥の少女   作:こーくへぃ

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遅くなりました!

新しいガンダムフレームがどんなのかという妄想は楽しいですねぇ!笑

終盤はちょっと閲覧注意です


06:歳星

 フレイヤの目が覚めてから十数時間後、長い道のりの果てにやっと歳星に到着した。許可が降りたので事前に名瀬に指定されていたポイントからら宇宙港へと入港すると、すでにタービンズの戦艦“ハンマーヘッド”は入港していた。

 

 オルガやユージン達の鉄華団幹部達は名瀬への挨拶の為にハンマーヘッドへと向かう。その間、それ以外の団員は待機との通達がなされた。

 

「オレ歳星久しぶりなんだよな〜!」

 

「歳星ズィヅニーランド行きたいなぁ」

 

 年少組の子供達はどこに行こうか、何を食べようかと楽しそうにしている。いつも出かけるクリュセは主要都市とはいえ、甘い汁を散々しゃぶり尽くされた火星の都市でしかなく、歳星やドルトとは比べるのもはばかられるほどのものでしかない。

 

 どうやらアトラも浮かれている様で、ファッションカタログのお気に入り欄のページを巡ってニコニコしている。

 

「遊びに来たわけじゃないんだけど……どのお洋服買おうかなぁ〜」

 

「ひ、人がいっぱい……いそう……」

 

「クリュセとは比べものにならないくらいいるよ!」

 

「そ、そうなんだ……私……船にいよう……かな」

 

「ええー、もったいないよ!」

 

 歳星への航宙期間中、アトラはフレイヤにずっと一緒にいていくつか感じたことがあった。

 まず微妙にお上品な事。とは言ってもあくまで微妙にというわけで、テーブルマナーが完璧だとかのレベルではなく、笑う際に口元を隠すなどの根本的な立ち振る舞いの事だ。なんとなくだが、その姿はクーデリアと重なる。これは何か彼女のことを知るための材料になるかもしれない。

 次に彼女が見た目よりも幼いような印象を受けることだ。見た目で言えばフレイヤは15〜17歳ほどの様に思えるが、やけに1人で居るのを嫌がったり、寝る時も身を寄せてくるなどしてあえて砕けた言い方をするなら「甘えん坊」と言った感じなのだ。

 そんなことを考えていると、フレイヤはこちらの視線に気づいた様ではにかみながらもにこりと笑った。

 

(妹とかいたらこんな感じなのかなぁ)

 

 ピピッ

 

 フレイヤのことを考えていると、機械音と共に突然ドアが開き数人の少女が部屋に入ってきた。

 

「お、アトラ〜!ひっさしぶり〜!」

 

「ラフタさん!アジーさん!久しぶりですっ!」

 

「いやぁ、ガンダム見に来たついでに会いに来たよ〜!映像でしか見てないんだけどすごい動きしてたね〜!そのパイロットもここにいるって聞いたんだけど……」

 

 ラフタが辺りをキョロキョロと見回すが、該当しそうな人物は見当たらない。ふと何やら年少組達が不自然に横に並んでいて壁になっていることに気づいた。じっとそれを見つめると子供達は冷や汗をかき後ろを気にする様に目線を泳がせる。

 

「…………」

 

 ラフタはツカツカとその壁に向かって歩いて行き、その後ろを覗き込むと、そこには白い髪の女の子が年少組をの服を掴みうずくまってプルプルしていた。その子を羽交締めにして、まるで獲物を獲ったと言わんばかりに掲げあげる。

 

「みっけた〜〜!」

 

「ひぃぃぃぃいいい!!!」

 

 フレイヤはぱたぱたと手足を動かして拘束から逃れようと抵抗するも効果はない様だ。ラフタは満足した様でフレイヤを床に下ろし、そしてマジマジと観察する。

 

「へぇ〜、三日月も名瀬みたいに女の子囲ってるんだぁ、しかも美少女」

 

「なななななななな、何言ってるんですかラフタさん!!!みみみ三日月はそんなことし、しないですよ!!!」

 

 ラフタはの一言にアトラは顔を真っ赤にし、背中をポコポコと叩いて抗議する。

 

「あはは、冗談だって〜

 で、この子はなに?炊事係?」

 

 女の子座りで座り込んでいるフレイヤの癖っ毛だらけの柔らかい髪の感触を楽しむ様に撫でまわし、フレイヤは抵抗は無駄だと判断したのか虚な目で壁を見つめている。

 

「この子があの赤いののパイロットなんですよ」

こいつではない、私だ

「えぇっ?こんな子犬みたいな子が?」

 

 しゃがみ込んでお互いの顔が10センチの距離まで近づける。ほっぺを摘んだりムニムニと揉む。フレイヤは相変わらず無抵抗で虚な目をしている。

 

「しんっじらんないわね……でもこの子……超可愛いじゃない!」

 

 ラフタはそういうと両手でわしゃわしゃとペットを可愛がる様に撫でた。

 

「てゆーかいつまでここにいるの?時間あるし色々いこうよ!」

 

「私たちは待機って言われてて……」

 

「大丈夫だって〜!私たちのせいにしていいからさ!ほらほら〜」

 

 

 

 

 

 

 

 ハンマーヘッドのブリッジにてオルガを含めた鉄華団幹部と名瀬達はモニターに映し出された映像を眺めていた。

 

「こいつが本家を襲った奴らだ。最近の調査で半年前にも取引相手の麟燕会って組織を襲ってたのがわかったんだが……ウチに卸す予定だった機体を奪われて親父も少々腹を立てててなぁ。

 まぁ、どう見てもお前らが拾った奴とは違うな」

 

「一応、これがフェニックスのデータです」

 

「リアクターの固有周波数も違うな。よし、これを親父に提出すっから今日はOKだ。遅くても明後日には呼び出されると思うから、歳星で遊ぶなりしてな」

 

「ウス、ありがとうございます兄貴」

 

 

 

 

 「み、みんなぁ……ど、どこ……ですかぁ……!」

 

 ブティックなどを回っていたのだが、ショーウィンドウの服に見惚れていたせいで女子組達からフレイヤは1人はぐれていた。大人しく待つなりする方が良かったのだが、周りに知らない人だらけの中、焦りで自分から探して動き回りついに元いた場所さえもわからなくなっていた。

 現在は夜らしく、歳星のメイン照明は落とされ、街灯がポツポツと灯り夜を演出していた。

 

「知らない街……知らない人たち……そもそも自分のことさえ知らないのに……」

お前には何もない

 フレイヤは深いため息を漏らす

 

「そうやっていつもひどいことを……」

 

 しばらくトボトボと当てもなく歩いていると、身長が高く痩せている男と、中背ながらも良い体格の男の2人が歩いてくる。服装からしてあまり品性があるようには思えない。

 

「チッ!商売女共が!貞淑ぶりやがってよ!」

 

「しょうがないっスよぉ、博打であんだけ負けちゃあ……」

 

「はぁ〜、日照りだぜこりゃぁ……渇いちまうぜぇ……ん?おい、見ろよアレ」

 

 背が低い方はフレイヤに気づいたようで、下品で下卑た笑みを浮かべた。

 

「へぇ、なかなかの上物じゃないですか?」

 

「この通りはすぐ裏路地だらけだぜ」

 

 汚い笑みを浮かべながら男達はフレイヤと近づいてくるが、ボーッと歩いていたフレイヤはそれに気づかなかった。

 

「オイ、お嬢ちゃん」

 

「……え、は、はい……わ、わわ私……ですか?」

 

「そうそう!

 なぁ……俺たち暇なんだけどよぉ……少しばかり付き合ってくんねぇか?」

 

「え……えっと……わ、私……予定が……」

 

「いやぁ、ダメだね。リスケリスケ!ほら、こっちおいで」

 

「え、ちょ……や……は、離して……くだむぐっ!」

 

 背の高い男に口を塞がれ細い通路へと引き込まれる。フレイヤの腕力では抵抗しても全く効果をなしていないようで鼻歌混じりに抱えられている。そのまま2-3分たつと薄暗く、じめっとした路地裏にまで連れてこられた。他に人の気配はせず、おそらく自分を含めた3人しかいないのだろう。

 

「い、いや……!」

 

 記憶こそないものの、知識はあるフレイヤは今から自分がどうなるか理解した。

 

 4つのごつごつとした骨ばった手がフレイヤの頬、首、胸、腹、太ももを荒々しく弄っていく。

こちらに一切気を使わない、自分が満足することが目的の手つきは、少しずつフレイヤの心を絶望で蝕んでゆく。

荒い息、獣による防ぎ用のない力が細く、白い体を貪らんとしていた。獣に食いつかれた哀れな子羊はこんな気持ちになるのだろうか。

フレイヤの目から涙が勝手に溢れ、歯はカチカチと音を鳴らし、声にならない悲鳴が喉の奥でこだまする。

 

「いや……!やだ……!やめてください……!ゆる……許してください……!いや!いやぁぁあ!」

 

数回、渇いた大きな音が響いて少女のか細い声は止まる。両頬が赤く少し腫れ、その上をさらに液体が垂れてより赤く染めていた。

 

「うるせぇなぁ……死ぬよりマシだろうが。

 その綺麗な顔がブサイクになっちまう前に黙っといた方がいいぜ?」

 

 もう悲鳴などあげられない、ただ嗚咽が混じった消えそうな声で同じ拒絶の言葉を繰り返すのが残された最後の抵抗であった。

 

「何してはりますの?」

 

 花が散る寸前、可憐な女の声に男2人は驚いて振り向いた。遅れてゆっくりとフレイヤもそちらを見る。涙で霞んでよく見えないが、そこには経済圏の一つ、オセアニア連邦でよく見られる衣装と狐耳に錯覚するような髪飾りをつけ、目を細めて薄い笑みを浮かべている女が1人立っていた。

 

「なんだぁ?姉ちゃんよぉ、下手な正義感で自分も同じ目に遭うことはなかったのになぁ?」

 

「ふふ、自分らえずくらしいことしてはりますなぁ?さぶいぼたちますわ。

いい体しといて、それをぶっける相手がこんなかいらしい少女なんて、しかも自分らおこもはんちゃいますやろ?」

 

「な、何言ってるのかわかんねーよ……!」

 

「あんさん方、テイワズの……たしか孫請けくらいの「デミトルズ」でっしゃろ?」

 

「なっ……!なぜそれを!?」

 

「あ、兄貴!こ、この女!」

 

 何かを思い出したかのように弟分らしき男が焦り始め、コソコソと耳打ちする。

 

「な、なんだと!?」

 

「あら、ウチの事知ってはりますのん?

 ならウチがマクマードはんとどんくらい仲良くやらせてもろとるかも知ってはるってことでよろしい?」

 

「チッ!ずらかるぞ!」

 

 そういうと、2人の男は先ほどの威勢はどこへいったのやら、一目散に走って路地の闇へと消えていった。

 女はフレイヤに近づきしゃがみ込み、服の乱れを正して上半身だけ抱え上げた。

 

「自分、ずいぶんひどい目にあってもうたねぇ」

 

 フレイヤはその優しい微笑みにまた涙が止まらなくなり、その胸に顔を埋め声の限り泣いた。

 

「よしよし、もう大丈夫や安心しぃ」




京都弁って難しいですね……一語一語調べてやったのですが、あまりにも手間がかかるのでもしかしたら次回以降明らかな似非京都弁になるかもしれません……

押さえつけられる描写とかは書いてて楽しかったです笑

デミトルズって名前は友達に「めっちゃしょぼい組織名は?」と聞いた時に出てきた名前です!
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