ドラゴンボール転生伝説   作:テムテムLvMAX

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原作開始


第三話

「兄ちゃん! オラ腹減ったぞ! 早く飯にしよー!」

 

「あーはいはい、待ってなさい、待て! 待てと言っている! あー困ります! 腹が減ったからと材料食うな! 料理させろぉぉぉ!?」

 

 

 おっす! オラ孫悟空の兄貴! 孫太鳳! たいほうって読むんだぞ。

 

 バーダックさんと別れてから地球に不時着し孫悟飯に拾われた、ある晩の満月に悟空が大猿になってしまい孫悟飯は潰されてしまった! なんて事件が起きないように予め俺とカカロットの尻尾は抜いた。

 

 それから数年間は三人仲良く暮らしていたし選択肢も邪魔をしてこなかった、本当に平和な生活を送っていたのだ。

 

 結果としては寿命で孫悟飯は死んだが安らかな死に顔であった、まぁ会おうと思えば会いに行けるし良いでしょう。

 

 今は俺と悟空で二人暮らし、まぁ悟空がよく食べるので美味しく食べられるようにやってこなかった料理と言うものにチャレンジしている。今は素焼きより美味しい程度だがもっと上を目指したい。

 

 

「ひゃー腹いっぱいだぁ! 兄ちゃんの飯めちゃくちゃうめーもんなぁ」

 

「よせやい照れるぜ、まだあるぞ?」

 

「やーりぃ!」

 

 

 あれだけ食わせたのにまだ食うのか、流石サイヤ人と褒めてやりたい所だぁ……いやなんか俺はそこまで腹が減らない、サイヤ人の中でも低燃費戦士なので。人並みのご飯で十分です。

 

 

「飯食ったし兄ちゃん組手しよー組手!」

 

「良いぞ、今日は負けてやろうかな?」

 

「やだよ~本気でやってくれよー」

 

「ウソウソ、本気で来い!」

 

 

 飯を食ったら組手! これが我が家のルールとなっている。

 孫悟飯は武天老師こと亀仙人に劣らない武術の達人であった、その達人に数年ではあるが武術の何たるかを仕込まれた俺たちは、元々好戦的な種族であることも相まってメキメキと技と体を鍛え上げた。孫悟飯は心の方は心配していない様子だった、まぁ悟空は純粋だし俺は善良なパンピーよ? 当たり前だよなぁ

 

 

「ほっよっはあっ!」

 

「あっだりゃ! せあっ!」

 

「「だぁっ!」」

 

 

 拳をぶつけ合い後退する、駆け引きも大事な要素だ、これも孫悟飯の教えの賜物だな。

 上手くなったな悟空、俺が孫悟飯から一足先に教わった技術があってもそれをセンスで乗り越えてくる、同じように打ち合っても昨日と今日では足運びや体のキレが少し違う。

 

 かぁーこれが主人公の貫禄ばい! 

 

 

「そこだあっ!」

 

「しま、うごはっ!」

 

「いよっしゃー! 勝った勝った! ついに兄ちゃんに勝ったぞー!」

 

「くうぅー今のは早かったなぁ、おめでとう悟空」

 

「へへへ兄ちゃんありがと」

 

 

 かわいい奴め〜! 

 今夜はいつにもましてうまい飯を作ってやらねぇとなぁ! 百二十人前は作るとしてメニューはどうするかな、焼きに煮物に蒸し、あとはデザートも欲しいな。

 

 

「あのーもしも~し? すいませーん?」

 

 

 うん? 声だ、それも女の子の声、ここに来る人間に心当たりあります? 俺は忘れた。確かブ、ブロ、いやブラ何とかブナ何とかって言ったかな、そんな名前いたか? 

 

 

 

「なんだオメェは!」

 

「何だとはなによ!」

 

「妖怪か!?」

 

「妖怪ですって!?」

 

 

 

 〘君いい体してるね? 鍛えてるの? 〙

 〘君いい体してるね? 触ってもいい? 〙

 

 

 

 あー悟空、その人妖怪でも何でもないよ、そういうより早く選択肢のご登場だ。久しぶりだなぁ、十何年は見てなかったもんなぁ、このノリはやっぱり選択肢さんだよ、コレコレこの調子なんだよ~! 

 

 控えめに言ってクソ、二度と現れるな、自害せよ選択肢、取り敢えず上。

 

 

 

「君いい体してるね? 鍛えてるの?」

 

「あ? 何よいきなり! 変態!」

 

 

 

 そりゃそうでしょうよ! 俺が悪いんじゃない、全ては選択肢が悪い。めっちゃ凄まれた、美人が凄むとおっそしいぃぃぃ……

 

 

 

「そもそもこんな山の中に何用ですか? 暇なんですか貴女」

 

「うわっ腹立つ」

 

 

 すんませんまだ選択肢が制御権返してくれないんです、あっ戻りました。

 

 ここであーだこーだ言ってても仕方ないので孫悟飯から相続した山の中の一軒屋にご案内、ついでに植物を煮出したお茶のような何かをお出しした。茶請けはない。

 

 で、少女から事情を聞いたらなんとドラゴンボールを探しているとか……あっこの子ブルマだ、転生してから十数年、原作知識はどこかへ去った。こうして思い出せるだけ結構結構。

 ブルマが言うにはドラゴンボールを7つ集めて呪文を唱えると神龍が出現し何でも願いを一つだけ叶えてくれるらしい、そして孫悟飯の遺品の中にドラゴンボールが一つ紛れていた。

 

 スーシンチュウ? 四星球? まぁ四つ星の玉がありました。

 

 

「ねね、それ私に譲ってくれない?」

 

「ダメだ! オラのじっちゃんの形見だ!」

 

 

 形見なんて言葉どこで覚えたの? お兄ちゃんそこが不思議。

 と、上記のように悟空は拒否、俺はどっちでもいーんじゃねーの? と思う。どうせあとから酷使するんだから(嘲笑)

 

 

「さてさてお二人さん、ここは話し合いで解決したいよね」

 

「え? オラやだぞ」

 

「もーそこのお兄さんからもお願いしてよー」

 

 

「じゃあこうしようね、あ」

 

 

 

 

 〘ありのままの姿でがっぷりよつ! 相撲で勝負じゃい! 〙

 〘憐れもない姿でどちらが長く耐えられるか勝負じゃい! 〙

 

 

 

 

「ありのままの姿でがっぷりよつ、相撲で勝負じゃい!」

 

「「えっ?」」

 

「ありのままの姿でがっぷりよつ相撲で勝負じゃい!」

 

「え? え?」

 

「に、兄ちゃん?」

 

「ありのままの姿でがっぷりよつ相撲で勝負じゃい!!! やれ!!! やるんだよ!!!」

 

「はいぃぃぃ!」

 

「わ、分かったぞオラやるぞ!?!?」

 

 

 

 ……よし、あとは二人に任せよう。どう解釈したかは二人次第だ。俺は知らん、なにも知らん、今の記憶はない。

 

 俺が何気無しに提案しようとしたらすかさず選択肢が邪魔をしてくる、マジクソ、俺でなかったら精神崩壊してるから、これホント。お兄ちゃん嘘つかない。

 

 何とかブルマちゃんは説得出来たらしく悟空が一緒に他のドラゴンボールを探す事で決着ついたらしい、これなら四星球も戦力も二つ手に入ってお得ですね。やっぱ進めば二つなんだよ。

 

 

 

「でさ、悟空くんのお兄さんはどうするの?」

 

「俺? 俺は」

 

 

 

 

 〘ブルマちゃんに一生着いて行きたいな(ニチャァ〙

 〘私の生涯を貴女の為に使いたい、貴女こそ我が主なのだから(キリッ〙

 

 

 

 あ ほ く さ 。

 

 俺の人生を安売りするな! 俺は俺のために生きるんだ選択肢ごときに負けるものか! このまま根比べだ俺が先に音を上げるかテメェが先に時間を動かすか勝負しようぜ! よーいどん! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブルマ様、貴女こそ我が生涯の主であります」

 

「ふえっ?!」

 

「貴女に忠誠を、宜しければ一生お側に置いてください」

 

「え? えぇっ!?」

 

「駄目ですか?」

 

「あのそのだ「駄目ですか」だから「駄目なんですか?」いやそ「駄目?」良いです! 良いですからそんな真っ直ぐ見つめないで!」

 

 

 我が信念岩をも通す、覚えておけ。しかし選択肢には通じないのだ、駄目じゃねーか俺。

 

 はい、ドラゴンボールの物語が今から始まるよー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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