「わしが亀仙人じゃ!」
そう名乗る老人はウミガメに乗っていた、乗られているウミガメも人間一人では何の重みも感じていない様子だった。
「おっす! オラ孫悟空!」
「ブルマでーす!」
「……」
「おや? そちらの兄ちゃんは名乗らんのか?」
改めましてこんにちは、皆のヒーロー孫太鳳です。悟空がブルマと共に旅することになって色々大変、主に常識を教えてこなかったせいで悟空は問題を起こしまくるし解決しまくる。なんやかんや亀仙人に会うことになったが悟空が居なかったらそんな話出なかっただろう。
「俺は孫太鳳、孫悟飯の義理息子だ、そこの孫悟空も同じだ」
「ほほう孫悟飯の……通りで、中々やりそうな子供じゃと思ったわい」
〘そしてブルマの一生のパートナーだ〙
〘ブルマとは一生を誓い合った仲だ〙
何だお前もしかしてブルマ好きなんか? 素直に好きって言えよ誰にも言わないからさ? な? 素直になっちゃえよ! ほーら、ほら!
「ブルマとは一生を誓い合った仲だ」
「ひよっ!?」
「こら太鳳! あんまり言いふらすんじゃないの!」
選択肢ってドラゴンボールで消えねぇかな、純粋な疑問として。出来れば消す、当たり前だろ?
すぅ
「さて、何で亀仙人はここに?」
「今のその空気は無かったことにするのかの……?」
「何か?」
「彼、そういう人なんです」
「時々兄ちゃんが分からなくなるや」
ごめんね。もうしないと言えない俺のマイSEOULイッツBROKENだっぜ、しばらく放っておいてくれ、話はそちらで勧めておくれ。
はい、なんやかんやあって亀仙人から筋斗雲ゲット、心が純粋で美しい人間には乗れる金色の雲。ブルマは乗れず、エロ仙人、いや亀仙人は言わずもがな、俺は俺で片足だけ乗れた、悟空はらくらくリクライニングシートが付くほど乗りこなしていた。
これが人間が成長するってことなんだ、大人になれば汚れていく、汚れないで大人になるのはすごく難しい。ただ将来的に無職で戦闘狂は心が綺麗で純粋なのかは疑問が残るがその辺どうなんですか?
「それで──」
「じゃから──」
「オラワクワクすっぞ!」
ただ一人会話の輪からはずれ思考にふける、我が心無念無想の極地也。何もしないというのは気が引けるが俺が積極的に関わらなくても進んでいた物語だ、放っておけば自然にその流れに乗ることができる。
だから、だからな
〘亀仙人の頭を磨いてみる〙
〘亀仙人の頭を研磨してみる〙
その選択肢は何なのだ? 磨くってなんだよハンカチでひたすら亀仙人の頭皮を擦り続けるのか? いくら武術の神様といえど頭皮まで鍛えてないだろ、なくなるぞ頭皮。
んで下の選択肢、それ人間に対して使う単語じゃねぇからな? お前はハゲを水晶か何かと勘違いしてると思うよ? お兄さん怒らないから今からでも違う選択肢出して。
やっぱこいつダメだわ。
「失礼」
──キュッキュッキュッキュッ
「のおっ?! のぉぉっ!? な、何をするんじゃ!?」
──キュッキュッキュッキュッ
「やめ、やめんか! ちよっ、ちょっと話聞いておるのか! 離せっっ力強ぉっ!?」
「きゃはあひゃひゃひゃ! 何やってんだ兄ちゃんあーっはっはっ!」
「こらー笑っとらんと止めんかー!」
すまん、選択肢は絶対なんだ、ぷぷ、ちょっと面白いので継続だ。ツールツルのピッカピカにしておくので許してほしい、何ならドラゴンボールでふさふさツヤツヤの髪を生やしてもらうよう頼むから。
唐突に亀仙人の頭を磨き上げ太陽拳に匹敵する輝きを与えたところで亀仙人は帰っていった、俺がちゃちゃ入れたタイミングではもう話が終わっていたようだ。
あとから聞いたけどブルマさん、やっちゃったね。いや、名誉に関わるから詳しく話せないけど普通は見せちゃいけない所を見せちゃったらしいから、察してあげて。
所でその写真いくらで買えますか? 亀仙人が持ってる秘蔵のコレクションと交換しようと思って……ダメ? そうですか。
「このあとどうするの?」
「俺はノータッチ、何もしない」
「えーっ」
「これはブルマと悟空の話だろ? 俺は着いてきただけだ」
「私に忠誠を誓ったならついてきて助けてよ! あれウソだったの?」
「ウソじゃないさ、でもこれは悟空の為のしかたないことなんだよ、なぁ悟空、兄ちゃんがついて行って全部解決したら面白いか?」
「ぜーんぜん! やっぱオラはオラの力で旅してみてぇぞ!」
「あーもうそういうことなのね、分かったわよ、ついて来いとは言わないわ」
〘物分りのいい女は好きだぜ(チュッ)〙
〘しばしの別れです、ですが心は常にお側におります(チュッ)〙
ゾワッとした、この勘違い野郎みたいな選択肢なに?
ナルシスト天元突破グレートマキシマムカイザーキングの称号がふさわしいな! 俺は嫌だ! いやいやいやいやいやいや! 上は絶対いやー! でも下も恐ろしく見える!
くっどうすればよいのだ、どうすれば……この選択肢が後々どうアクションするのか考えろ……下を選べば今まで通りだろう、上を選べば少なくとも好感度は落ちる、普通なら下だ。
でもチュッ! が! チュッ! が邪魔をするんだよぉぉぉぉぉ! なんだよそれはよぉぉぉぉぉ明らかに口付け、キッス、チュー、つまり唇を奪うってことだろーがよぉぉぉ! 突然そんな選択肢与えてくるなよぉ! おい! 聞いてんのか返事しろクソが!
嫌だ! まだ捕まりたくない! ましてやブルマさん乙女なんだどー! そんなことして心が傷付かないと思わないのか選択肢ぃ! 性犯罪! 性犯罪ですよ! わいせつ行為によるタイーホは俺が一番したくないパターンなんだぞオラァン!
でも、でも、それでもっ! 選べというのなら、僕は……私は……俺は……っ!!
「物分りのいい女は好きだぜ」
「あっ、んっ……」
──ズキュゥゥゥン!
やっ、やった! 俺に出来ないことを平然とやってのける! そこに痺れる反吐が出る! この選択肢早く滅ばねぇかな、選択肢は一族郎党皆殺しだぞ。
「今は額だったが、いずれは唇を頂こう」
「ふぇ……あ……うわぁぁぁぁっ!」
「あ、ブルマどこ行くんだよぉ! 兄ちゃんオラ追いかけてくる!」
あ、危なかった、俺はどうやら最低野郎で済んだようだ。キザったらしく額に口付けとかどこまでカッコつけてるんですかね、その後のセリフもどこの乙女ゲーだ貴様。
顔を紅くしてブルマは何処かへ走っていってしまったが……なんだろうな、走って追い掛けても掛ける言葉が見つからないよ、あんだけブチ切れられたら俺だって流石に申し訳ない、選択肢も反省しろよ。というか俺の体の制御権をはよ返せ。
「ほほう、やるのぉ若いのぉ」
ゲッ! 亀仙人!? てっきり帰ったのかと思ったがまだ近くに居たのかよ! いやー恥ずかしぃぃぃぃ! 純粋無垢な悟空ならまだしも変態仙人は絶対俺をイジってくるぅぅぅ!
あれまだ制御権戻らないの? このあとまだ何かしでかすの? おいおいおい勘弁してくれぇぇぇぇ! 動け! 俺の体! 言うことを聞け! なぜだ!? なぜ動かん!?
「時に武天老師様」
「ほう、なんじゃ? 私を武天老師と呼ぶからには大事な話じゃろうな?」
「そこまで大した話ではないのですがね」
あ、待て何を話すのか俺わかったぞ、やめろやめろ今その話ししたら俺が悪い人みたいになる! やめろぉぉぉそんな意味深な言葉を残すんじゃねぇぇぇ!
「『ピッコロ大魔王』復活しますよ、近いうちに。それでは失礼」
「ま、待て!」
俺はそのまま亀仙人を振り切って空を飛んで逃げた、俺って舞空術使え……じゃなくてなんでこのタイミングでピッコロ大魔王の復活伝えたんだよ! 選択肢の野郎何考えてやがる! ははーん何も考えてないな貴様行き当たりばったり伏線ばら撒いて適当に回収しようとしてるなこのダメ人間!
俺このあとどうしよう、取り敢えずパオズ山帰ろうかな、そうしよう