ぼっち・ざ・あぎと!   作:とある漫画好き

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プロローグ

私の名前は後藤ひとり。

今日も押し入れの中でギターを弾いております。

 

「~♩」

 

「ひとりちゃん!」

 

「うわぁっ!」

 

今、押し入れの戸を開け私の心臓を破裂させかけたこの人の名前は津上翔一さん。

私の家の居候です。

記憶喪失で入院していたところ、なんやかんやあって私のお父さんが翔一さんを引き取りました。

 

「ごはん、出来たよ!」

 

「わ、わかりました」

 

私は正直この人がちょっと苦手です……

なぜなら、この人は私と違って…

 

 

陽キャだからです……

 

記憶喪失だと言うのに明るいし……

商店街の人と仲良いし……

運動も出来るし……(この前フライパンでテニスしてました)

顔もかっこいいし……

コミュ力、運動神経、イケてるルックス

どう考えても陽キャです、本当ありがとうございました。

この人の笑顔は眩しすぎて陰キャの私には刺激が強いです…

 

「べ、別に気にしてないんですけどノックぐらいして欲しいと言うか……なんというか……」

 

「いやぁ、ドアも押し入れの戸もノックしたんだけど返事がなくてさ!勝手に開けちゃった!」

 

「そ、それは失礼しました……」

 

「また、ギター弾いてたんだ」

 

翔一さんは私のギターを指さしニコッと微笑みました。

 

「はい……すいません私ごときがギターなんて弾いてしまって……」

 

「ハハハ!ひとりちゃんはネガティブだなぁ~それよりさ!ご飯冷めちゃうからみんなで食べよ!」

 

私はギターなどを片付け翔一さんと共に食卓へ向かいます。

 

「今日はサバの味噌煮です!ささぁ、()()っと食べちゃってください!」

 

シーンっと静まり返る食卓。

おそらく、サバとササッとををかけたのでしょう。

誰も笑ってはいません。

お父さんだけは少し笑いを堪えてる気がします。

 

「うーん、微妙かなー」

 

翔一さんが微妙なダジャレを言って妹が評論する。

これはもう定番の流れになっています。

 

「そうかな~?」

 

翔一さんはそんなことないだろと言いたげに首を傾げます。

 

「あ、美味しい」

 

***********

 

前に一度、翔一さんに記憶喪失は辛くないのかと聞いたことがあります。

翔一さんの答えはなんと毎日記憶喪失になりたいぐらい毎日が新鮮で楽しいらしいです。

 

私も記憶喪失になれば翔一さんのような陽キャになれるんでしょうか…

翔一さんは記憶を失う前は陰キャだったのかも……

いや、そんなことない!

翔一さんはナチュラルボーン陽キャです……

ナチュラルボーン陽キャでなければ記憶を失ったのにここまで明るいわけがありません。

ナチュラルボーン陰キャの私が記憶を失ったりなんかしたら……

うぅ…恐ろしい…

 

「うぅ、微かにでも同類である可能性を考えてしまってすいません!」

 

私は虚空に向かって謝った。

たとえ私が記憶を失ったとしてもクラスメイトは気づいてくれるのだろうが……

もしかしたら気づかれないまま言い出せないまま卒業するのでは無いのだろうか……

そう考えると翔一さんへのリスペクトが湧いてきます…

 

翔一さんを見習って明日からは変わろう!

明日から私は陽キャになるんだ!

 

すると、部屋の向こうのテレビの音が聞こえてきました。

 

『高校生に人気の部活ランキング1位 軽音部!』

『やっぱり軽音部に入ってる人はあこがれるよねぇ~』

 

な、なるほど!

 

よし!明日はギターをもっていこう!

絶対誰か話しかけてくれるはず……!

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