部室でカートン剥き始めるバカのお話(仮題) 作:LR44(ゆっくり)
「……コレは、まさか……」
「どうしたの、そう君?」
「叫ばないのは、ちょっと珍しいパターンだね」
日に日に暖かくなって行き、そろそろ衣替えかという時期に差し掛かったある日。
ホロライブ学園
部室でポ●モンカードをいじっていた白上フブキ、石を眺めていた大神ミオはそれに対して疑問を投げかける。
「いや、ちょっと……見て貰うのが早いか」
「え~っと……2種類のデッキ、だよね」
「片方は見覚えがあるね。確か、そう君が気に入ってた【波契約】ってデッキだよね」
雄山君が広げている二つのデッキ。片方は紫、片方は青のカードをメインに構築されているようだった。
片方はフブキが“見覚えがある”と言ったように、雄山君が最近気に入っているデッキだったが、もう片方には二人とも見覚えが無いものであった。
「じゃあ、ちょっと詳しく説明してみるか」
◇
「【波契約】はデッキ破棄をメインにしたデッキ。
その中でも、現在環境上位の【造契約】みたいに『デッキとライフを両方狙う』タイプじゃ無くて、『メタを踏み越えてデッキを削り切る』タイプのデッキだな」
「デッキ破棄と言うと、【キャスゴ】さんの使ってた【キャスゴ】なんかが印象的だね。
他のカードゲームじゃ一気に15枚も破棄するとか考えられないよ」
「一応ポケカにも【ナマズンLO】*1って12枚一気にデッキを破棄するデッキがあるけどな
とは言え、デッキ上限が違うから、60枚上限のポケカの12枚は……バトスピだと8枚か」
一人回ししていたデッキを纏め。見やすいようにカードを並べ替え。そんなことをした後で、先ずは最近気に入ってる方のデッキを説明する。
環境で見る【造契約】はデッキとライフを両方狙うタイプ――超煌臨のレーヴ・ダイダロスの特性上どっちかと言うとライフ重視ではあるが――のデッキ。
対して、俺の気に入ってる【波契約】は、デッキ破棄に全てを捧げたデッキに仕上がっている。
「【波契約】の契約カードは『プチシャック』。アタック時相手デッキを1枚+自身のコスト4に付き1枚
それと、契約のカウント増加効果が“相手デッキを破棄・除外する事”が条件な代わりに“
「除外って事は、“デッキ破棄”を対象にしたメタが効かないんだね。シンボルを0に固定するからライフは減らせないし、完全にデッキ破棄特化、って感じの印象だね」
「手札交換効果も付いてるし、結構戦えるんじゃ?」
『プチシャック』。正直波契約一番の問題児と呼んで差し支えない存在、である。
効果自体は弱い事は書いてないし、コスト自体も1コスト青1軽減と初ターンに契約+αの展開が出来る優秀なものになっている。
カタログスペック自体はそう悪くない……そう。悪くは無いのだ。だが……
「ぶっちゃけ、契約単体で殴れる最初のターンにカウント2点貯めれないのがキツイ。
優先的に上に載せたい『シャック&アビサルアンカー』の煌臨条件が“カウント2以上”なせいで、契約+煌臨先を初動として見れないのが本当にキツイ」
「そんなに? アビサルアンカー以外の煌臨採用したり、動き出しを遅らせたりで解決できそうだけど?」
「実際に回してみると分かるが、想像以上に窮屈だな。シャック&アンカーが『アタック時1枚除外+トラッシュからのネクサス配置』『
特に、コレが無いと手札が増えないのが本当にキツイ。ただでさえ持久戦寄りの流れになるから手札を多めに確保しときたいのに。
まあ、これは一応新規カードである程度改善したけどな」
プチシャック単体でのアタックでは、カウントが1点しか伸びないのが本当にキツイ。
他のデッキで出来る『契約アタック→初動煌臨』の流れが出来ないせいで、ただでさえ環境的に厳しいコントロール寄りのデッキなのに、動き出しがワンターン遅れるだなんて……致命的にも程がある。
「で、これがその新カード『海蛇眼の大太刀』。『手札が少ない間、プチシャック効果での手札破棄枚数-1』と『相手アタック時デッキ1枚破棄、アタックしてるカードよりコストが高ければライフは減らない』って効果だな。
手札枚数を維持するのに一役買ってくれるし、二つ目の効果もデッキ破棄の補助と序盤のライフ保護に付けるいい効果だな」
「成程。ところで、エースは?」
「先ず
続いて『
でもってその出すカード『
「おぉ……って、その3枚だけ? 新弾でXレアは貰えなかったの?」
「いや、とんでもなく革命的なのが貰えたぞ」
従来の【波契約】の問題点。基本的にコアが足りない。
ミラージュで【粉砕】持ちがアタックする度にコアブできるのがいるが、ミラージュ枠には『オーバースター』を採用したい上、そもそものデッキ枠も足りない以上コアブ枠としての採用はかなり厳しい。召喚時のドロー効果もあるが……【粉砕】持ちでも無いカードに5コスト3軽減も払うのはこれまた厳しい。
そんな問題点を解決してくれる画期的なカード。それが
「その名も『
それでもって効果は『「蒼波」持ちを最高レベルとして扱う』という、【波契約】のコア不足を一気に解決してくれるもの。
正直コレがあるのとないのとじゃあ、実現可能な出力が断然変わってくるな」
「ふむ、成程。それじゃあ、こっちは?」
ハイド・クラブ。こいつがいるだけで【波契約】の問題を一気に解決してくれる、夢のようなカード。
回しやすさも出力も、何もかも丸っきり変わってくるんだよな。本当に使いやすい。
不満点としては、超煌臨が無いのと『ヴィルカイックビーチ』の制限でエルグランデが使いづらい所くらいだな。
と、そこまで話した所でフブキが紫の方のデッキを指さしたので、そちらの説明をすることにした。
「こっちは現在の環境トップ【ハデス】ってデッキだな。ぶっ壊れすぎて運営が発売直前に規制をかけたレベルだな。
トラッシュからカードを使えるおかげでトラッシュが実質手札とかいうイカレたデッキだ。
おかげで『手札を捨ててドローする』系のカードが軒並みただの超効率ドロソになってる」
「うわぁ。それは確かにとんでもないね」
「その上、キーカードも普通に壊れてる。手札全部捨てて4ドローしつつ、捨てた分だけコアシュートとか。
ただまぁ、個人的にはこれが流行ってくれるのは嬉しいんだよな」
「え? それってどういう?」
【ハデス】。バトスピがクソゲー化するループが開発され、急遽運営が発売前規制をかけるに至った現環境トップデッキ。
大量のドローカードを抱える安定性。エースであるダークケリュメノスの火力。速攻でゲームエンドに持ち込める素早さ。どれを取っても強力なデッキだが……一応、俺みたいなファンデッカーでも何とかなる手段が無くはない。
「【ハデス】はトラッシュにカードをため込む都合上、自分のデッキをゴリゴリ削るんだよ。だから、デッキ破棄が良く刺さる。
【キャスゴ】やら【
レーヴのエースが『デッキ破棄しなければライフ2点』っていう効果だから、最近はデッキ破棄メタを積む人が減少傾向なのも追い風だな
残念ながら【滅龍】は速度も防御力も全然足りないから、“滅龍”の契約
「じゃあ、【波契約】は結構やれそうな感じ?」
「いや……ハデス対面ですら、ハデスが先に走ると厳しいのに、その他のデッキが全体的に対面不利気味なの考えると、厳しいのには変わりないな。
一時期のキャスゴみたいに、大抵の環境デッキに微有利取ってる上位デッキとは行かないな」
あくまで“厳しい事には変わりないが、その中でもやれる方のデッキ”というだけ。
『【造契約】意識でデッキ破棄メタが少ない』『キャスゴと違って“除外”メインなのでメビリン1枚で止まらない』といった強みがあるものの、それら2デッキに比べると全体的に足りない物が多すぎる。
入賞数の円グラフの『その他』枠の中ではそこそこやれる方、というだけ。環境トップには一歩も二歩も及ばないパワーしか無いしな。
「まあ、調整を重ねれば
常連の【キャスゴ】さんのせいで皆メビリン積んでるから、
「おー、じゃあ応援しに行くよ。ねぇ、ミオ」
「そうだよ。予定空けとくから大会の日程教えてよ」
<今回のネタ解説>
・【波契約】
最近の筆者のお気に入りデッキ。連続デッキ破棄が気持ちいい。
・波契約の厳しさ
実際に回した感想。正直初動で『タイダルハープーン』持ってないと満足に動けない。
・ハデスとデッキ破棄
ハデスを実際に回した所、ゴリゴリデッキが削れて行くことに気付いたため思いついた話。
多少はやれそうだが、その他のデッキがキツイので結局使うことはお勧めしない。