治安が終わってる世界に転生した話。   作:はない人

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第十話 何でも発明して差し上げます

扉を開ける

 

黒い液体で床を濡らしながら、機械仕掛けのトカゲがサビだらけの牙で俺を食い殺さんと猛烈な速度で近づいてきた。

口の中に刃を差し込み体内を掻き回す。トカゲは本当に生きているかのように叫んで血の代わりに黒い液体を撒き散らしながら崩れ落ちた。

 

 

扉を開ける

 

奥に工場のようなものが見える空間でカラフルに改造された4mくらいの人間がこちらを見下ろす。

『お前燃やされたい?こんがり?』と強化人間が言い終わると同時、腕に装着されていた火炎放射器からどう考えてもこんがりで済むとは思えないレベルの火を放った。炎が近くのドラム缶などに引火し爆発を引き起こす。破片が飛び散り辺り一帯を傷つける。

被害がこれ以上広がる前急いでに強化人間の両腕を切り落す。腕の断面からは筋肉繊維のようなものがだらんと垂れ、血が吹き出した。

間髪入れず刀をハンマーに変形させて顔と胸にそれぞれ一発ずつ叩き込んで潰した…がすぐに奥から無傷の強化人間が出てきた。

強化人間と戦いながら工場を調べてみると強化人間が作られていると思われる機械があったので叩き壊した。

 

扉に逃げ込むのがあと数秒遅れていたら爆発に巻き込まれていた。髪の毛の一部が焼けたようで焦げ臭い匂いがする。

電源を切ろうとしたがレバーが錆びてて全く動かなかったからかなり無茶をする羽目になった。

 

 

扉を開ける

 

そこは今までのような殺風景だったり神秘的ではないピンクと水色の可愛らしい空間だった。空間の中心には様々なぬいぐるみに囲まれながらチワワ型のロボットが人間の死体をむしゃむしゃと食べていた。

愛くるしい、撫でたい、触れたいという声が頭の中に語りかけてくる。まーた精神汚染系だ。

つぶらな瞳でこちらを見つめるチワワロボットにハンマーを振り下ろす。こういうタイプは汚染が酷くなる前にさっさと潰すに限る。

ハンマーが当たる直前、ポンッという気の抜ける音とともにチワワロボットは2mほどのイカツイ姿に変形した。前足を振り上げ俺を叩き潰さんとする。真正面からそれを受け止め、そのまま投げ飛ばす。魅了がメインで本体は弱いようだ。起き上がられる前にハンマーを刀に戻して、首を切り落とした。

 

扉を開ける

ロボットと戦う

 

扉を開ける

木棺を開ける

 

扉を開ける

熊の釘を抜く

 

扉を開ける

ロボットと戦う

 

扉を開ける

ロボットと戦う

 

扉を開ける

人形の゙札を剥がす

 

扉を開け、その中の存在に対して何かしらの行動を起こす、そうすれば新たな扉が出現する。いつ終わるのかもわからないそれをひたすら繰り返す。

 

「……これで何回目だ?ツバキ」

 

ロボットの残骸を砕きながらツバキに聞く。ロボットたちは弱いしすべての空間で戦うわけではないので疲れてはいないが精神的に辛い。終わりがわからないというのは思っているメンタルに来る。

 

『21回目ですね。えーっと……出口かはわかりませんけど次の空間はこれまでと少し違いますね』

 

「違い?そりゃどういう…ん?」

 

ホコリ臭い学校の廊下のような空間、その端に出現した扉を見てみる。ツバキが言う通りその扉は他のものとは違った。妙な雰囲気がし、肌がピリピリして刺されたような痛みがする。

俺はこの感覚を以前にも経験している。この感覚がするときは決まって奇妙、もしくは強大な能力を持ったねじれを相手にしているときだ。

 

「ねじれか…行きたくないけどこのままじゃ帰れないし…くっそ、行くぞ!」

 

一気にドアを開けて銀色の空間に飛び込む。銀の空間で走っていると空間が光りだした。

光が収まり、周りを見てみると俺は大量のロボットに包囲されていた。

 

「出待ちは狡くねぇか!?」

 

包囲されているのを認識したと同時、足に力を入れて跳躍した。先程いた場所には針やナイフなどが刺さっている。

 

『グッ!?』

 

近くにいた大きめのロボットを足場にして刀を鞘に収め、構えをとる。

 

「喰らえっ!」

 

刀を抜いた勢いで一気移動し、通り様にロボットたちを切り捨てる。直後、爆発音が響き空気が震えた。

シ協会の゙フィクサー達が使うものを真似したなんちゃって居合い切りだ。

 

「まだまだ多いな…五体くらいまとめて切ったんだが」

『二十数体はいますね…ってまた増えました!』

「さっきの強化人間と同じタイプか?」

 

襲いかかってくるロボットたちを相手にしながら辺りを見回す。

 

「…あれは?」

 

さっきはロボットたちが壁になってよく見えなかったが奥に白いアイアンメイデンのようなものが不自然に置かれており、近くには他とは一回りほど大きいロボットたちがそれを守るかのように立っている。

 

アイアンメイデンもどきは突然煙を放出し、ピコピコと鳴ったあと開いた。中からは小さい車などが現れ、こちらに向かってきた。

 

「なるほどな!なら簡単だ」

 

あれがロボットたちを生み出すならやることは唯一つ、速やかに潰す!

前に立ちふさがってくるロボットたちを薙ぎ払いながらアイアンメイデンもどきに接近する。ロボット共は何故かわからないが攻撃すればするほど血を流して脆くなっていくので倒すのが楽だ。

 

アイアンメイデンもどきに接近し、刀を振り下ろす。しかし…

「壊れろッ!……クッ!?」

 

アイアンメイデンもどきの近くにいた強化人間に殴り飛ばされる。早い、先程より強化されている。

 

「まぁ素直に通さしてはくれねぇよな…」

 

『燃やす時間だ!』

 

気の抜けるような声でそう言いながら、強化人間が炎を放つ。凄まじい火力だ、当たれば一瞬で炭になる。

 

「ツバキ、槍だ」

『はい!』

 

槍を支えにして強化人間の頭上を飛び越える。全てを殺す必要はないしそんなことすれば逆に増えていく。どうしても邪魔になる、というやつだけ相手にすれば良い。

 

『処分シマス』

 

強化人間の次はドローンが集まってくる。すばしっこい上に銃が取り付けられていて面倒くさい。

 

「そーら!」

 

正面にいた数体を貫く。その隙に左右から他のドローンが銃を撃ってくる。左からくる弾は弾き右からくるものは落ちたドローンを盾に防ぐ。

盾にしていたドローンを投げ捨ててまた走る。数発掠ったがまだ動きに支障が出るレベルじゃない、この程度の攻撃しかしてこないやつは無視だ。

 

「次は…」

 

この空間の中で最もデカい個体に突撃し、足の関節部分を切断する。これで上手く行けば…

 

「…っし!狙い通り!」

 

足の関節を切られたロボットはバランスを崩した。そこにドロップキックを決めるとロボットは後ろにいた奴らを巻き込んで倒れる。見た目通りの重さのようで下にいたロボット達はメキメキと音を立てて潰れている。

潰されたロボットからは火花が出ている。ポーチからスティグマ工房製のナイフを取り出してそこへ投げつけた。急いで近くのロボットの後ろに回り込む。

 

直後、大爆発が起こり盾にしていたロボットごと吹き飛ばされる。爆発した場所を見てみるとかなりの数のロボット達が巻き込まれていた。これでだいぶ減らせた。

 

『あと6体、それと解析完了です』

「ナイスタイミングだ」

 

すかさずボタンを押し刃を青く光らせる。だがそれだけでは終わらない。

 

「これでぶち抜いてやる」

 

槍が弓に変形し、光が刃から離れて固まり、矢の形へと定まっていく。

 

これがツバキが更に武器を改良させ発現させた新しい力だ。光そのものを武器として使用できるようになる。更に矢として使えば自動で魂を追尾してくれる。

以前よりかなり使いやすくなったがメリットばかりではない。

 

「うッ…キッツイなこれ…」

『すいません…どうしても光に実体を持たせるには使用者の体力を削る必要があって…」

 

光を武器に纏わせて使用するのならば24時間に一回の感覚なら特に何も無いが、固める分のエネルギーはツバキの言う通り俺から消費される。

 

「大丈夫、落ち着いた。さっさと決めよう」

 

弓を構え、アイアンメイデンもどきに向ける。この技はあの人を真似てこう名付けよう。

 

「蒼い点」

 

矢を放つ。矢は防ごうと前に出てきたロボットをすり抜けアイアンメイデンもどきに当たった。

奴は最後に何かを吐き出したあと消し飛んだ。

 

「あとは爆発に巻き込まれてなかった奴と、あれか」

 

周囲を見渡し、残りを確認する。

最後に出された白い膜に包まれた何か。そいつは膜を突き破り中から出てきた。

それは体の半分が人間とそっくりの姿をしていた。

 

「ッッッッッ!!あのクソッタレ機械なんてもんを!」

 

やばいやばいやばい頭が来るまずいやばい外郭に飛ばされるか?いやいや流石にそんなことはしないだろいやでも口封じに殺されるかもしれない本当にまz……

 

ズバァ!

 

パニックになっていると突然黄金に輝く円柱が現れ、そいつを潰した。

 

「こ、これは円の特異点? てことは…」

 

それは絶対的な武力だった。この都市を支配している、頭そのもの。歯向かうものを逃さない数十の円盤がそのロボットだったものを切り刻む。

 

「……嗚呼矢張りこう成るのだな。少しは期待していたのだが不純物から生まれたものは不純物だったか」

 

黒と金で作られた服を纏った黒髪の女がそう言いながら時空の割れ目から現れた。こいつが調律者か……

戦うまでもなくわかる。特色と同じ、レベルが違う。俺が何百、いや何千いたとしてもこいつにはきっと触れることすらできず皆殺しにされる。

 

「都市にこれ以上染み付く前に調律が必要だ。……失せろ」

 

ロボット達は一斉に調律者に襲い掛かり、その全てが円盤に切り裂かれた。

 

すげぇ、あんな高価な特異点を通常攻撃感覚で使ってる…

あまりに衝撃的なことが起こったせいで逆に冷静になった頭でそう考えていると調理者が此方を向いた。

 

「私は此れから此処を殲滅する。お前は此れを通って帰れ。此の事を忘れ決して口外せぬように。僅かでも口にすれば事務所と工房が2つ都市から消えることに成るだろう」

 

「は……はい、わかりました」

 

言われるがままに調律者が開けた時空を通る。少しチビッた。

 

『あの…さっき事務所と[工房]って言いましたよね?』

 

「…………言ったな」

 

『ちょっと録画データ消してきます…オエッ』

 

ツバキの声がこれ以上ないくらい震えている。後でしっかり休ませてあげよう。

 

これはあとに知ったがあの工場は俺が去ってから数分後跡形もなく消滅したらしい。もうヤダ同じ人間かよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ師匠、なんであんな翼と頭を敵に回しかねないようなことしたんだ?別の時空に逃げれるとはいえそれでも危険すぎるぞ。あん? 馬鹿弟子の友達に協力してもらうため?馬鹿弟子って…あのキチガイか。はぁ、あんたがしようとしてること本当にわかんねえよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




何でも発明して差し上げます:近くに材料さえあれば何でも作ってしまう幻想体。他の幻想体も本体に劣るとはいえ再現してしまうやべーやつ

工場:L社支部の幻想体が作り上げた鏡ダンジョンに似た何か


???:工場を作り上げた幻想体。分身や鏡から鏡へのワープなど厄介な能力を持っていたが発動する前に調律者に秒殺された。南無

銀の弾丸の外伝とか見たい?

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