「いやぁ使えるやつが入ってきて仕事が楽になってきたんですよ。」
「は…はぁ」
グイグイ来るなこの人。
[不変工房製造部部長 アデン]そう書かれた名刺を見る。
不変工房製のものはとにかく硬いことで有名だ。そんな工房のお偉いさんがしがない5級フィクサーに何の用があってきたんだ?
「あのーそれで依頼は…」
「ああ、そうでしたそうでした。ここ最近鋼の血って奴らが工房の近くで暴れてましてね、お客さんも減る一方で退治してほしいんです。」
鋼の血、この11区で2年ほど前から活動している組織だ。人数は多いが一人一人はあまり強くない。前に一回戦ったことがあるが特に苦戦もしなかった。
「わかりました、では…」
「それと、戦うときはうちの工房の武器を使ってほしいんです。」
あーそういう依頼か。
工房は日々新しい武器を開発している。
より高性能な、より多機能なものを作れば客も増える。
特色に使ってもらえればもう金に困ることも無くなるだろう。
テストをすることも大事だ。この世界は信頼が命、絶対に問題などあってはならない。
ではどうやってテストをするのか、そう、今みたいにフィクサーに依頼すればいい。
フィクサーに武器を貸して適当な組織と戦ってもらえば簡単にデータを集められる。
「何を使えばよろしいでしょうか?」
「これを、あとこれをつけて戦ってください。」
次元鞄から斧とカメラを取り出した。
斧か、まあ使ったことあるし大丈夫だろう。
「わかりました、では依頼料の話に移りましょう。」
依頼人が帰った。
調べた結果鋼の血が活動するのは明後日、それまでに武器に慣れておく必要がある。
不変工房の近くに来た。今日はここで鋼の血が来るまでずっと待つ。
二時間後ようやく現れた。
「くそっ西の奴らがまたやられたぞ。」
「剣の試し切りだとかふざけやがって!」
……ちょっと申し訳ない気持ちになったな。
まぁいい、それは今関係ない。
気づかれないように近づき、一人を切り裂いた。
「誰だおm」
言い切る前にもう一人の首を切り落とす。
「なんだ、今のなんの音だ?」
「おいこっち来い!」
「フィクサーか!」
死体が倒れた音につられ次々とやってくる。
17人、これくらいなら全然余裕だ。
足に力を入れ一気に飛び出し斧を振るう。
鋼の血の下っ端たちは血を吹き出し倒れた。
残り3人
目の前にいた一人が剣を抜こうとするがその前に斧で切りつける
残り2人
後ろから剣を振り下ろされる、それを避けそのまま腹を裂く
残り1人
相手が盾を展開する、それごと断ち切る
これで終わりだ、もう誰も立っていない。
一旦事務所に帰り着替えようと動く。
「随分派手にやってくれたね?」
後ろから声がかかる。振り向くとメイスを持った女がいた。
服装は下っ端と同じだがバッチが肩についている、幹部だ。
これはかなりやばい。
鋼の血は弱い、弱いのだが幹部だけは別だ。幹部に返り討ちにあい潰された事務所を見たことがある。
幹部のいるグループが来ていたなんて、クソっ。
「とりあえず…死にな。」
そう言われた瞬間体が動かなくなる。
「じゃ、サヨナラ」
腹にメイスを叩き込まれ建物の壁に叩きつけられる。
纏っていた外骨格が砕け衝撃が内蔵にまで届く。外骨格のお陰で無事だったがもう一度くらえば確実に死ぬだろう。
「ん~?生きてんのか?まったく、一度使ったらしばらく使えないんだぞこれ。」
女の顔を見ると右目が紫色に輝いている。
「ゲホッ、それはメドゥーサの義眼か、随分金をつぎ込んだみたいだな。」
「その通り、3つの事務所を潰したんだけどそれでようやく買えたのさ。」
そう言い終わると同時にメイスが振り下ろされる。とっさに斧で防いだ。火花が散り重い音が響く。
「硬いねぇそれ。」
そうつぶやき後ろへ下がる。
右から銀色の閃光が迸る。ギリギリで避け足に斧を振るう。それがわかっていたかのように最小限の動きで回避される。振られるメイスをガードし鳩尾を殴る。少し顔をしかめたが女は倒れない。お返しとばかりに横腹を蹴られる。
「結構やるね。」
そう言うとまた速度を上げた。メイスがかするたびに血が飛び散る。まだ浅いがこのままだとこっちが先に限界がくるだろう。
ポーチからナイフを出そうとするがそれよりも早くメイスが振るわれる。
「させると思う?」
「チッ!」
頭に斧を振るうが弾かれる。その衝撃に少し体勢を崩してしまう。
「これで終わりだ。」
女が大きく振りかぶる。次の瞬間爆音が鳴った。
なんとかガードは間に合ったが足の骨にヒビが入った。そのまま横に倒れる。痛みと衝撃によるしびれで足がうまく動かなかった。
「ようやくだな。」
うまく動けないとわかったのかメイスをおろしゆっくりと近づいてくる。
ギリギリまで近づいてきたところで斧を振るう。
「しつこいぞ、なに!?」
メイスが折れた。不変工房の武器と打ち合ったのだ耐えきれなかったのだろう。
「くらえ!」
もう一度斧を振り、体を貫く。顔を殴られるが斧を押し込むと口から血を吐き、今度こそ動かなくなった。
「足がいてぇ、全身血まみれだし。不変工房の武器じゃなかったら死んでたな。」
足を引きずりながら近くのホテルへ向かった。
「カメラと斧、返します。」
「はいどうも。これ依頼料です。」
カメラと斧を受け取ると依頼人はすぐに帰った。
(そろそろ変えようかなー、これ7級の頃から使ってるしなぁ。)
剣を見ながらそう思った。
第三話 鋼の血終わり。
銀の弾丸の外伝とか見たい?
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見たい
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見たくない
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見たいけど本編優先
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