こちら退魔課です。どうされましたか?   作:蓮太郎

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悠久の時を生きる者999様からのご相談、ありがとうございます。


相談CASE2

 

―――はい、こちら退魔課です。どうされましたか?

 

「すいません、なんかクラスメイトが異種族っぽい姿になって襲ってきたんですけど。どうしたら落ち着かせられますか?」

 

―――今すぐ対処に向かうので住所を教えてください。というか現在進行形で襲われているんですよね?

 

「あ、はい。なんかお札を叩きつけたら結界みたいなのが張れて押さえ込めたんです」

 

―――わかりました。とりあえず住所を。

 

「『個人情報なので非公開』です」

 

―――ありがとうございます。まだ余裕はありそうですか?

 

「まだ抑え込めそうです。なんか滅茶苦茶暴れていますけど」

 

―――相手の特徴を教えてもらっても大丈夫ですか?

 

「えーと、狐耳が生えています」

 

―――尻尾の数は何本ありますか?

 

「えーっと、いち、に、さん…………動くなよ!分かんないだろ!」

 

―――やけに冷静ですね。

 

「なんか、お札の効果で安全って分かったら落ち着いて。あと向こうの方が狂乱しているから余計に」

 

―――狂乱?それは不味い…………もう落ち着くとかレベルでは無いです。とにかく尻尾は4本以上、妖狐の類で間違いないと。

 

「はい、そうですね」

 

―――年は同年代ですか?

 

「そうです…………あれ、さっきより大人っぽくね?」

 

―――年齢詐称の可能性があると。

 

「かも、しれませんね」

 

―――厄介な。もうすぐ機動隊が到着します。できるだけ相手を刺激しない様にしてください。

 

「分かりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~数十秒後の風景~

 

 

「おいこら年増ぁ!なに若い子に手を出そうとしてるんじゃい!」

 

「年齢詐称!詐欺!そして強姦未遂で確保ーーー!」

 

「うわっぷ!尻尾九本もあるじゃねえか!」

 

「わ゛り゛ゃ゛あ゛!なにしとんじゃ!」

 

「嫌じゃ嫌じゃ!無理矢理正体明かすなんてそりゃあもう結婚することに同意じゃろうて!?」

 

「そんな常識があったら今頃純粋な人間は絶滅してハーフ以下しか存在しとらん!」

 

「神妙にお縄につけ!」

 

「うわぁぁん!もっと堪能したいんじゃあああ!」

 

「ええい騒ぐな!すごいな安倍晴明の護符。これ無かったら十秒も持たずに誘拐されていたぞ…………」

 

「あなたが相談者?ちょっと事情を聞かせてくれるかな?」

 

「君!撮影は控えて!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~その後、少年へのインタビュー~

 

 

―――退魔課の人たちに助けられたというお話を伺ってもいいですか?

 

「はい、っていってもアレは助けられたのか分からないんですよね」

 

―――と、いうと?

 

「いや、とても乱暴だったというか。たまたまコレクションしていたお札が効いたから安全だったからと叱られましたけど」

 

―――当時の状況をお聞きしても?

 

「なんというか、ヤクザとマル暴の戦いって感じでしたね。僕が貼ったお札をはがした瞬間にさすまたとか警棒とか、一人に対して大人数でタコ殴りでした」

 

―――随分と暴力的だったんですね。

 

「向こうも暴れていたから余計に、だったと思います」

 

―――ところで、襲われた理由は何だったんですか?

 

「これは、僕の趣味でいろいろなご利益があるお札をコレクションしていたんですよ。その一環でたまたま古本屋のおまけ狙いで本を買ったら、その本に術返しのおまじないがあったんです。それをクラスメイトで試してみたら、まさか異種族が学校にいるなんて思いもしませんでした」

 

―――それで、正体がばれたから襲い掛かられたと。

 

「多分、生かしておけなかったんでしょうね。ああいうのってプライドが高いんでしょ?高貴な人っぽかったし、それを易々と暴いたって言われたら…………」

 

―――でも、その高貴な人らしき異種族を滅多打ちにしたんですよね?

 

「はい、退魔課の人たちからは君も注意しないと危ないと言われましたけど、ここまでする必要があるのかなって」

 

―――確かにそうですよね。

 

「退魔課って噂通り異種族には厳しいみたいですね。半面、人間には優しいというか」

 

―――それは差別していると?

 

「そう見えちゃうんです。全体的に暴力的というか、僕らに対する優しさを分けてあげたらいいというか」

 

―――確かに、世間的にも異種族は受け入れられています。結論として、今回では貴方は友人を一人失う羽目になったと。

 

「そう、ですね。僕が安易に術返しをしたのが悪かったです」

 

―――なるほど。インタビューはここで終わります。ありがとうございました。

 

「ありがとうございました」

 

―――ところで、お礼なんですがもう少しお時間をいただけないでしょうか?

 

 

 





~もっと警戒しろ人間~


『少年』
警戒心が薄く、どこか他人事に感じることが多いよくある若者。お札集めが趣味という変わった学生さん。それが功を奏して今回は相談が間に合った。
でもかつてのクラスメイトをフルボッコにした退魔課を目撃しているせいか自分が悪いと責任を感じている。
この後のことについて、ご想像にお任せします。


『妖狐』
年齢詐称して学校に入学していた。この度、少年に術返しを決められ正体が露見した。
安倍晴明の札を使われたことで少年がその子孫と勘違い、伴侶になってほしいというプロポーズされたと勘違いして襲い掛かる。
退魔課の人たちにボコボコにされて空しく確保された。


『インタビュアー』
退魔課の存在をよく思っていない人間(?)の一派。
暴力的で何としてでも異種族を排するその姿勢は嫌いではないが、もっと別のところに使ってほしい。
この後に何があったかはご想像にお任せします。


『退魔課』
人間の中で異種族に警戒心を持つ一派。対話出来たら暴力なんて使わない。
いい加減に警戒心を持て馬鹿!!!!!!!!!!!
次間に合わなくても知らんぞ!!!!!!!!!!!
本当に大人しくしとけ異種族!!!!!!!!!!!

 あなたの異種族に関するご相談(ネタ提供)があれば、いつでも私の活動報告にどうぞお待ちしています。
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