ブルーアーカイブ ~先生は「ブラックライダー」~ 作:クラウディ
ちょっと期間が開きましたが何とか投稿できました。
ブルアカの情報履修しまくったりしてるけど、やっぱ自身のプレイ状況が追いつかないねんな……。
今回も「ししゃも」さんから感想をもらっています。
評価に関しても、「されりおん」さんから☆9評価、「水晶水」さんから☆10評価、「まにまに先生」さんから☆9評価をもらっています。
皆様の応援のおかげでこの作品を続けられていますので、皆様のお越しをお待ちしております。
あ、それとUA10000突破と、お気に入り登録100人突破ありがとうございます。
それでは本編どうぞ。
「ふみゅ~……うへへぇ……お魚がいっぱいだ~……」
「おーいここは水族館じゃないぞ~っと、やっぱ軽いなホシノちゃん」
あの後、周囲を巡回し終わった俺達は学校へと帰っていた。
俺は割と徹夜にも慣れているし、改造人間の特性から眠気はある程度抑えられているが、ホシノちゃんの方はそうはいかず、返っている途中から俺の背中に抱き着いたまま眠っていた。
彼女の顔は安心しているのか緩んでおり、年相応の少女の姿がうかがえる。
そんな彼女を背負って校舎の中を音を立てずに移動する俺は、背中にあるホシノちゃんの重みを感じつつ、やるせない気持ちを込めて呟いた。
「……こんな体で、皆のために頑張ってるのか……」
――ホシノちゃんは強い子だ。
それは身体的な面ではなく精神的な面でのことを意味する。
体はお世辞にも強靭というわけではなく、体格も小柄。
そんなハンデを負いながらも、戦場では誰よりも前に立ち、皆へかかる負担を自分一人で背負い込んでいた。
それを成立されているのは、彼女の凄まじいまでに研がれた"心"だ。
日中は襲撃に備え、夜間は人知れず警戒をする。
これを続けるだけでも相当な負荷だろうに……彼女は誰にも覚らせなかった。
彼女の過去に何があったかは俺には分からない。
辛うじてブラックが知っていそうだが……彼女の雰囲気からして辛いであろう過去を掘り返すのは俺の気持ち的にもやりたくなかった。
だが……
「いずれは教えてもらわねぇとな……」
そう心に決めたのである。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
なんとか皆を起こさずにホシノちゃんを寝室へ寝かせた俺も、周囲の警戒をブラックに継続してもらいながら眠りについた。
そして翌日。
皆より少し遅れて起きてしまった俺は、皆に挨拶をしながら学校の外へと出て、昨日の夜にやっていた巡回を引き続き行う。
相変わらず砂まみれで人気のない街だが、ところどころに移動式の露店やまだ機能している店舗なんかも見かけられた。
以前に行ったことのあるミレニアムやトリニティの自治区と比べるといささか活気はないが、それでもまだこの街は生きていたのである。
そんなところの間を縫うようにして移動していた際、とある人影を見かけたのであった。
「ん? セリカちゃん?」
「うっ……な、何よ……」
その人影はセリカちゃんであった。
護身用の銃とバッグを肩から掛け、学校とは違う方向へ行こうとしている。
まぁ、とりあえずは気さくな挨拶をしようか。
「よっ、おはようさん」
「な、何が「おはよう」よ! なれなれしくしないでくれる!? 私、まだ先生のこと認めてないから!」
「お、おおう……そんなに拒絶されると心に来るなぁ……」
「ふんっ! それで、こんな朝っぱらからツーリング? いい御身分だこと」
挨拶をした俺に対し、強い口調でこちらへの警戒心をむき出しにするセリカちゃん。
やっぱり、自分たちを陥れた元凶が"大人"という存在だから仕方ないと思うが……ここまで警戒心むき出しにするかね?
……いやまぁ、シロコちゃん達みたいに見知らぬ俺を快く受け入れてくれた子や、ホシノちゃんレベルでこちらに覚らせないのが珍しいだけであって、これが普通だよなうんうん。俺の感覚がバグってるだけ。
むしろ、過去に戦った"あの野郎"に比べれば警戒心を持ってくれるだけいいな。
……俺の"ファン"を自称するあの変態外道が論外なだけだったわ。やっぱ感覚バグってるよ俺……。
思い出したくないことを思い出して内心自滅しているのを覚らせずに、俺はセリカちゃんへと向き直った。
「んで、セリカちゃんはこんな時間に何しに行ってるんだ?」
「わ、私が何をしようと、別に先生は関係ないでしょ!? それより、こんなところをうろちょろしてるなんて、危機意識が足りないんじゃないの?」
「んー、まぁ、危機意識に関してはちょっと気が抜けてるかもしれないね。……前と比べて、少しだけ気が楽だから……かな?」
「なんでそこで疑問形になるのよ……話はこれでいい? 私は忙しいの」
そう言って足早に立ち去ろうとしているセリカちゃん。
まぁ、見知らぬ人は警戒するし関わりたくないってのが普通だし、これも仕方ないのかなぁ……とは思いつつも、つい昨日にアビドス高等学校の顧問になると決めた手前、何かあったら遅いので宥めることにしたのだ。
「まぁまぁ、ちょっとは落ち着いた方が良いって。あんまり急ぎすぎてると、大事なものも取り逃すし、無くしちゃうんだよ? "急いては事を仕損じる"ってね」
「ふん! いっちょ前に大人ぶって何様のつもりなの?」
「俺が何様かって? ふふっ、俺は君達の先生であり、バイト戦士としての先達様だ! これでも一定の職に就かず、ずっとバイト戦士として戦い続けてきた過去があるんだぞ! はーっはっはっはっは!」
――ヒュオオオオオオオ……
「…………」
「あ、あの……無言はつらいです……せめて笑ってください……」
「苦労しているのね……」
「憐れむのもやめてくれぇ! 俺がみじめになるぅ!!」
俺達の間に風が流れ、セリカちゃんの目がかわいそうなものを見る目に変わる。
あまりの居たたまれなさに目から汗が流れてしまった。
ブラックの方に至っては、『アホだこいつ……自分の生徒の前で号泣してやがる……』という意図を乗せた低いエンジン音を鳴らしている。こんにゃろ1週間はメンテしてやらねぇぞ!
「……それじゃ、私は先に行くわね。バイバイ」
「え、ちょ、待ってぇ! せめて行く場所を……行っちゃった……」
そんな俺を置いて砂埃を上げるほど素早く去っていったセリカちゃん。
俺の伸ばした手は空を切った。残されたのは俺とブラックだけである。
「……はぁー……どうしたら打ち解けられるんかねぇ……バイトの後輩と打ち解ける時とはわけが違うぞこれ……ってか、セリカちゃんどこに行ったのか……」
『…………』
「『お前ならこの程度できるだろ』って? んー、そもそも彼女の敵意も同然な警戒心をどうにかしなきゃな~とは思ってるけど、そこら辺は"アイツ"のプリンを間違って食っちまったあの時みたいな誠実な態度で……」
『…………』
「『それのどこが誠実だ。それを真面目にやろうとするのはただのアホだろうが』……って、またアホって言ったな! 法廷で会おう!」
こうして軽いふざけ合いをする俺達であったが、セリカちゃんとの関係を改善することも考えていた。
ホシノちゃんはブラックが割と奥の手みたいなのを使ったみたいで何とかなったが、セリカちゃんはそもそもそんな裏技が必要なほどこじれているわけじゃなさそうだ。
だから、解決手段は正面からの対話に限られる。
だから少しでも話をしてみたかったんだが、結果はさっきの通りだ。
せめて、彼女と少しでも長く接して警戒心が緩まるのを待つしかなさそうだが……。
『…………』
「ん? 『そんなお前に耳よりの情報だ』? どゆこと?」
『…………』
「『あの小娘の服に発信機を付けた』? ……ファッ!? おま、なにやってんの!? それ犯罪じゃ……!?」
『…………』
「『ここで犯罪だのなんだのの区別があるか?』……って、そういやそうだったわ。ここコンビニで飴玉レベルの値段で弾丸が売られているところだったわ……」
そういやそうだったよ……ここ戦車すら違法に取引されてそこらのチンピラが乗り回す場所だったなそういや……。
「ヨシ! 早速尾行して行き先について調べて……」
『…………』
「『発信機の向かう先と、あの小娘が持っていた情報端末をハッキングして大体の場所は分かった』! さっすが相棒! んで、それはどこなんだ?」
『…………』
相変わらず優秀なブラックがセリカちゃんの行き先について調べてくれた。
そして、ブラックに搭載されたモニター(いつもならメーターとかが表示される)に、その場所の情報を写してくれる。
その場所とは……
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「いらっしゃいませ! 柴関ラーメンです!」
ところ変わってセリカは、向かった先である『柴関ラーメン』にてアルバイトをしていた。
柴関ラーメンはこの廃れたアビドスであってもそれなりの客が通い、その対応にセリカは追われている。
そんなセリカは溌剌とした声と絶えない笑顔で、ここ最近の紫関ラーメンの看板娘として人気を集めていた。
「何名様ですか? 空いてる席にご案内しますね!」
「すみませーん。三番のテーブルに替え玉くださーい」
「少々お待ちください! 大将! 三番テーブル、替え玉追加です!」
「任せなー!」
店員は少ないものの、その味は確かなのか店内はにぎわっている。
今も入店する客や替え玉を注文する客がいるほどだ。
そんな紫関ラーメンに新たな客が入ってくる。
疲れを見せないようにまた笑顔で入店した客を案内しようとした……ところで、セリカは固まった。
「いらっしゃいませ! 柴関ラーメンで……え?」
「あの~☆ 5人なんですけど~!」
入ってきたのは見知った顔。
セリカが通うアビドス高等学校の先輩"ノノミ"であった。
そんな彼女はいつもと変わらずゆるふわとした口調で入店し、入店した人数を告げる。
――"5人"。彼女も入れて5人ということだ。
その証拠に、ノノミの後ろから続々と店内へと入ってくる4人の人影。
「あ、あはは……セリカちゃん、お疲れ……」
「ん、お疲れ」
「み、皆……どうしてここを……!?」
ノノミの後に入ってきた"アヤネ"と"シロコ"に困惑するセリカ。
彼女の中では「このバイト先のことは教えていなかったはずなのに!?」ということが渦巻いていた。
そんな彼女の疑問に答えを出したのは、最後に入ってきた二人だった。
「うへ~やっぱここだと思った」
「よっすセリカちゃん。飯食いに来たぜ」
「ホシノ先輩!? せ、先生まで!? どうしてここが……!?」
「後輩であるセリカちゃんのことはお見通しでした~」
「ブラックのハイパーセンサーのおかげでお見通しでした」
ドヤァ……という擬音が聞こえてきそうなほどのキメ顔で"ホシノ"と"カケル"は答えを告げる。
そんな姿に正気に戻ったセリカは顔を真っ赤にしながら周りの迷惑にならないレベルの声で問い詰める。
「先生はともかく、ホシノ先輩!? 裏切ったんですか!?」
「ふふふ~、後輩が頑張ってる姿を間近で見たくてね~。皆に教えちゃったんだ~」
「俺は一応顧問だからね。何か危ないことに巻き込まれないようについてきただけだ! 後ろめたいことも別にないので正面から堂々と入ってきただけである!」
「こ、この愉快犯どもめぇ……!」
思わずこの野次馬2人に拳骨を落としてやりたくなったセリカだが、業務中なのでぐっとこらえる。
彼らも悪意を以てここに来たわけではないと感じたからだ。
そんな時に厨房から店主である"柴大将"が現れた。
「おっと、アビドスの生徒さん、それと最近来たって話題の先生さんか?」
「あ、よろしくお願いします大将。一応アビドスの顧問になった連邦捜査部"シャーレ"の遠山カケルです。セリカちゃんがお世話になっています」
そう言って、カケルは大将へと頭を下げる。
一応、セリカの所属するアビドス……その顧問であるため、挨拶をしておこうと思ったからだ。
そんなカケルの姿を見た対象は感心したように言った。
「若いのによくやるねカケルさんよ。ほらセリカちゃん、おしゃべりはそれくらいにして、注文受けてくれな」
「あ、うう……はい、大将。それでは、広い席にご案内します……こちらへどうぞ……」
明らかに溌剌さがなくなったセリカの態度に、店内の客がどうしたんだと覗いてくる状況に耐えながら、セリカはカケル達を案内したのであった。
Tip!
今回も特にないぞ!
うぅ……アビドス編のネタは出てこないのにエデン条約編のネタは滅茶苦茶出てくるよぉ……。
早くアビドス編書きあげなきゃ(使命感)
また次回も頑張っていきますので、皆様の応援お待ちしております。
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それでは皆様また次回~