ブルーアーカイブ ~先生は「ブラックライダー」~   作:クラウディ

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久しぶりの更新過ぎて話の内容忘れかけてた今日この頃。
書きたい内容が思い浮かんだのでそこまで書きたいです。

今回は「ポリモッチーニ」さんから感想と☆8評価を、「kichiv」さんから☆9評価、「絹旗」さんから☆5評価をもらってます。
かなりの期間が空いてしまいましたが、皆様の応援もあり戻ってこられました。

これからも頑張っていきますので、皆様の応援お待ちしています。

それでは本編どうぞ。



最終編もう終わったってマ?





追撃戦を終えて……

「よっすセリカちゃん。もう動いて大丈夫かい?」

「あ、先生……お、お疲れさま……」

 

追撃戦も終わり、ようやく一息が付けそうだと思っていた俺は、少しセリカちゃんのことが気になって彼女の部屋を訪ねていた。

セリカちゃんは、俺が来ることはある程度予想していたのか、以前までのような嫌悪感をにじませてくるようなリアクションは無く、少しだけ気まずそうに視線を忙しなく移動させるだけでこちらの行動を待ってくれている。

今までの対応とかについて気にしてるんだろう。

まぁ、今日来たのはそんなことじゃないけどな。

 

「とりあえず、お帰りセリカちゃん。ほんっとに無事でよかったよ」

「……え、それだけ……?」

「ん? まぁ、流石にこれだけじゃないけど、特に重要そうな話はしないよ? ま、明日にはアヤネちゃんの解析も済むだろうからそれはその時に。俺が今日ここに来たのは……世間話をしに来たって感じかな」

「世間話……?」

「そ、世間話。好きなものとか、互いのこととかさ。ここに来てまだ短いとはいえ、セリカちゃんとまともな会話したことがないと思ったのよ」

 

そう、今までセリカちゃんとまともな会話をしたことがないと気づいた俺は、アビドスのメンバーとしてこれからも協力していくのに、世間話の一つもしてない状態で協力するなんてあり得ないと思ったのである。

事務的に対応して成功させるなんてのは頭の良いやつがやること。

俺はバカだからこういったことで互いを知っていかないといけないと思ったからだ。

持ってきてたパイプ椅子を置いて、それに深く腰掛ける。

 

「え、えっと、確かにそれはそうだけど……そんな話すこともないような……」

「なに言ってるのさ。俺とセリカちゃんではバイトしてるって共通の話題があるでしょ? 俺の方は話したいことたくさんあるんだよ。と、いうわけで、今からだらりとした雑談をしようかなって」

「……それくらいならいいけど……」

 

渋々といった様子のセリカちゃんだったが、まんざらでもないようで話を聞いてくれる。ここら辺も真面目な彼女のいいところかな。

 

「んじゃ、まずは俺からだね。名前は遠山カケル。シャーレ所属で一応先生やってるけど、書類仕事は壊滅的で何のために呼ばれたのか分かんないくらいの元バイト戦士。趣味はツーリングと楽しいことってのになるかな。んじゃ次はセリカちゃん」

「えっと、私は黒見セリカ。アビドス高等学校の一年生で、対策委員会所属。趣味は……アルバイトになると思う……かな」

 

まず最初のやり取りとしては無難に自身の名前と所属、趣味に関して話し合う。

これに関してはさして特筆すべき点はないが、少し気になる所があった。

 

「趣味がバイトか……それって趣味って言えるのか……? セリカちゃんくらいの年齢だし、もうちょいなんかあると……」

「……ここに来てからはずっと借金と向き合ってた。趣味は探す余裕がなかったのよ……」

「…………ごめん」

「ううん。謝らなくていいの。気を利かせてくれたのは分かるから」

 

おっと……どうやら触れてはいけないところに触れてしまったようだ。

それにしても、ほんと世知辛いなここ……。"外"よりも科学技術は発展してるし、いろいろと便利なのかと思ってたけどな……。

改めて彼女達をこんな状況に追いやった存在をぶっ飛ばさなきゃいけないと決意するのであった。

 

「そ、それじゃあ先生、私の方からも質問していい?」

「ん? あぁ、いいよ」

「先生って、どうして"ブラックライダー"になったの?」

「どうして、ね……」

 

俺が"ブラックライダー"になった理由、か……。

 

「んー、俺の語彙力で全部説明しきれるか分からねぇけど、それでもいい?」

「うん、大丈夫」

「そんじゃ、キヴォトスの"外"で起きた、正義のヒーロー……"ブラックライダー"の誕生秘話から話始めようか」

 

そう言って俺は話し始める。

全ての始まりを……。

 

――『オギャア! オギャア!』

――『おめでとうございます! 元気な男の子ですよ!』

 

「キヴォトスの"外"にある某県某市、某所の産婦人科にて俺こと遠山カケルは、体重約4300gの超健康優良児として生まれ――」

「なんで人生の始まりから話し始めるの!? 流石に長いわよ!」

「いや、ブラックライダーの誕生秘話だから俺が生まれたときのころから話そうかなって……」

「いやいやいや! 本題に入るのにどれだけかかると思ってるの!? "ブラックライダー"になった時から話し始めて!」

「しょうがないなぁ~セリカちゃんは~」

 

意気揚々と話し始めようとしたら盛大にツッコミを入れられ、話が中断されてしまう。

いや、ブラックライダーはイコールで俺だから俺の誕生秘話から話そうと思ってたのに……。

ま、気を取り直してセリカちゃんに言われた通り、俺はブラックライダーになった時の話をする。

 

――『変身して!』

――『っ……! 分かった!』

 

「こうして俺はブラックライダーに――」

「飛びすぎ飛びすぎ!? え!? 先生は1か100しか考えられないの!?」

「何言ってるんだセリカちゃん。男は1か0だけ知ってればいいってどっかの人が言ってたぞ!」

「知らないわよそんな人! もうちょっと前日くらいから!」

「解せぬ……」

 

セリカちゃんの言うとおりにブラックライダーになった時の話をし始めようとしたらまた止められてしまう。

まぁ、流石にふざけるのはここらへんにして普通に話し始めよう。

 

「ある晴れた夏の日。俺こと遠山カケルはいつものようにバイト生活に明け暮れていた」

「おぉ、やっとそれっぽい入り方に」

「流石にふざけ倒すのも良いけど話し進まないからさ。んじゃ、戻すよ」

 

テンプレ的な言葉を織り交ぜつつ、俺はそう言ってようやく話し始めるのであった。

 

「その日だっていつもと変わりないって感じで、普通に暮らしている人達は平穏な日々を送っていたんだ。でも、そんな日々を脅かす存在が突然、表で生活している人を襲い始めたんだよ。それが――」

 

 

 

「――"ヘブン・オブ・ザ・エデン"」

 

 

 

「"ヘブン・オブ・ザ・エデン"……?」

「そう、ヘブンとあるように「天国」……いわば"あの世"こそが人類の楽園ということを妄信し、地球上の全人類巻き込んで心中しようぜ、ってことを理想とするイカレた組織だよ」

「なっ、なにそれ!? 馬鹿なんじゃないの!?」

「そんな馬鹿なことをやろうとしていたのがそいつらだよ」

 

俺の端的に語った過去の敵対組織――"ヘブン・オブ・ザ・エデン"のやろうとしていたことに困惑の声を上げるセリカちゃん。

実際、こんなことを聞かされた時の反応はそれくらいが普通だろう。

何が「あの世(天国)でこそ、人は幸せになれる」だ。人間、生きててなんぼだろ。

 

「……まぁ、そんな組織のやつらが人知れず活動をし始め、ある時、大規模なテロを起こした。それが"ゼロデイ"。全ての始まりであり、俺の運命の分岐点だ」

「……信じられない。そんな御伽噺みたいなことが起きただなんて……新しい特撮シリーズだって言われた方が信じられるわよ」

「ま、そういうもんだって思っててくれ。そっちの方が理解もしやすいだろうし」

 

"ヘブン・オブ・ザ・エデン"……"ゼロデイ"……いろいろと情報を出したせいなのか、頭を抱えて何とか理解しようとしているセリカちゃん。

そんな彼女の様子を見ながら、一呼吸おいて続きを話す。

 

「その時の襲撃に関してはそんなに詳しくは覚えてない。近距離で相手の設置した爆弾に巻き込まれたからしばらく気絶しちゃってね。ま、生きてたからいいか」

「だ、大丈夫なのそれ……」

「俺ってそれなりに肉体の耐久力高いからさ。爆弾の爆風くらいじゃ怪我しないのよ。あと、相手が生け捕りのために、殺傷性というよりかは動きを止めるために作られてたみたいだからかな」

「そ、それならいいのだけれど……」

 

何だか釈然としない表情のセリカちゃん。

確かに、「怪我がなかった」(イコール)「無事」というわけではないし。

 

「ま、気絶した状態から意識を取り戻した俺は周りで人々を襲っている組織の構成員を見て、無謀にも突撃。何人かは倒せたけど流石に数の暴力には負けて意識を失ったわけなのよ。そして目が覚めたときには知らない部屋……隠さず言うなら牢屋に閉じ込められてたんだ。もうそれだけで察したよ。それが……」

「相手の基地ってわけね」

「そう。そこでは俺と同じように捕らえられた人がいて、動けないように拘束されていた。構成員は銃を持っていて、俺達は牢屋の中。抵抗なんてできるわけがなかった」

 

捕まえられた人達の中には成人男性以外にも、非力な女性や、泣き出す子供もいた。

そして相手は明らかな武装をしており、抵抗しようものなら殺される。

 

「そんな時間がどれだけ過ぎたのか……一日はおそらく経過してないはず。そんな時に牢屋の前にある男が現れたんだ。だけどそいつはヒーローなんかじゃない」

 

――さぁ! 人類の進化へと挑みましょうか!

 

「一目見て分かったよ。『"コイツ"はこの世にいちゃいけない存在』だって」

「そ、その人は……?」

「……"ヘブン・オブ・ザ・エデン"の長官――"ドクター"って呼ばれてたよ」

 

奴の顔を思い返しただけでも吐き気がする。

人類の進化を望んでいながら、人を人とも思わない所業の数々。

奴と気が合うやつなんて絶対に現れないだろうと思えたほどだ。

 

「ソイツのやったことはいたって単純。生け捕りにした人達を構成員に変えること。しかも脳を弄って洗脳なんてちゃちなもんじゃない。肉体を改造し、人の面影なんてない怪人――"モンスター"へと変えることだったんだ。そして……それは俺にも施術された」

「!!??」

 

俺の話を聞いたセリカちゃんが息を飲んだ。

「人が化け物になる」――あまりにも現実味がないにも関わらず、その事を話す俺の目が真剣であるから事実だと受け入れたのだろう。

だが、話はここで終わりではない。

 

「まず先に施術をされた人は、即効性のある薬剤でも打たれたのか、すぐさま目の前で無惨な姿に変わっていったよ。背中から蟹みたいな足が突きだし、顔は骨がひしゃげるような音を響かせながら蜘蛛のような牙と複眼になり、脱皮をするように全身の皮が剥がれ落ち、まさしく"化け物"としか言いようがない姿に……大丈夫か?」

「う、ううん……ちょっと休憩を……」

「了解。流石にショックが強すぎたか……ごめんな、あの時のことは忘れちゃいけないと思ってたから、思ってたより口が動いちゃったよ」

 

あの時の俺は無力だった。

今でこそブラックの力もあり、並みいる敵を薙ぎ倒せるようにはなった。

でも、その時の俺はただ見ているしかできなかったんだ。

その時の自分と今セリカちゃんにこんな話をしてしまっている不甲斐ない自分に腹が立ってくる。

もうこの話はやめてしまおうかと思った時に、セリカちゃんが口を開いた。

 

「待って先生……この話は私から聞きたくて聞いたの。勝手にやめないで」

「……ごめんな」

「あと、謝るのもやめて。先生には迷惑をかけたから、謝ってほしくないの」

「……分かった」

 

……そうだよ、セリカちゃんは強い子だ。彼女の強さを勝手に決めるな俺。

"アイツ"にも言われたろ?

 

――私がそんなに弱いと思わないで、先生。私は守られるだけの"子供"じゃない。

 

……あぁ、お前の言う通りだったな。

俺たちはなんでも抱え込んでやる大人じゃない。

責任はとっても、なにもできない訳じゃないんだから。

 

 

"アイツ"の言葉を思いだし、俺はセリカちゃんへと向き直った。

 

「そんじゃ、続きからだな。流石に事細かく話すと長いからちょっと飛ばす。まぁ、改造手術が終わって大体半日くらいの時、牢屋に放り込まれていた時に変化が起こったんだ」

 

その時の事は今でも覚えてる。

最初に改造手術をされた人のように即効性はなかったが、全身が変化の影響でじわじわと痛みが増していた頃、牢屋の外がにわかに騒がしくなっていった。

 

「朦朧とした頭でも分かるくらいにはうるさい警報に、牢屋の外を大勢の構成員が走っていく足音。そして、()()()()()()()()()()()が」

「! それって!」

「そう、今の俺の相棒である"()()()()"が来たんだ。それと、ブラックに跨がる腐れ縁の"アイツ"もな」

 

――そこの人! 捕まって!

――あ、あんたは……?

――いいから! 逃げるよ!

 

改造されてもう終わったと思う心と諦めたくないという心で抗っていた時に、急に現れた存在に混乱しながらも俺はその手を取ったんだ。

 

「逃げてる時に"ブラック"が打ってくれた薬のお陰で俺は怪人にならなくて済んだ。けど、だからと言って命が助かったわけではない。すぐ追っ手が来て俺達に攻撃を行い、ブラックが衝撃で転倒して、俺達はその場に投げ出されたんだ」

 

攻撃によって燃え盛る施設の中で、怪人と相対する俺。

正直、今すぐにでも逃げ出したかったけど、すぐそばには"相棒"がいた。

だから、俺は怪人の前に立ちはだかったんだ。

 

「まぁ、完全に進化した怪人と、半端に進化していた俺では力に差があり、時間稼ぎ程度にはなったけどそれでも勝てる気は1ミリもしない。"ブラック"も"アイツ"も戦ってくれたけど、勝ち目はない」

 

「このままだと殺される……そう思っていたときに、 "アイツ"が言ったんだ」

 

――このままじゃ相手に勝つことも逃げることもできない! でも、一握りのチャンスはある!

――チャンスはあるって、どうしろってんだよ!?

――もし、あなたに誰かを守りたいという覚悟があるなら――!

 

――変身して!

 

「その言葉に、俺はすぐさま応えた。『分かった』って」

「それで先生は……」

「そう。正義のヒーロー――"ブラックライダー"になったんだ」

 

――っ! 変身っ!

――BLACK RIDER!!

 

そう、"アイツ"と出会ったからこそ、俺はブラックライダーになったんだ。

もし、"アイツ"と出会ってなかったら、どうなってたんだろうな……。

 

「ま、そのあとはヘッタクソな戦い方でなんとかその場を切り抜け、相手の基地をぶっ壊し、なんとか二人で脱出したって訳だ」

「……残された人達は……」

「……あぁ、助けられなかった……」

「……色々と言いたいことはあるけど、一先ずは話してくれてありがとう。そして、お疲れ様」

「……ありがとう」

 

互いに言葉を交わしてみるものの、流石にこんな話は重すぎたかと今更になって後悔する。

 

「…………」

「…………」

 

少し重くなってしまった空気を払拭しようと咳払いをして話を変えてみようとした。

 

「あー、とりあえずクリスマスにシャケが流行ったことでも話そうかな?」

「ク、クリスマスにシャケ……? クリスマスとシャケにどんな繋がりがあるのよ……」

「俺に聞かれても……ま、とりあえず重っ苦しい話はここら辺にして気楽な話題でもしようか!」

 

こうして、セリカちゃんとの雑談はそれなりに長く続くのであった。







Tip!
今回も特にないぞ!



とある方の最終編4章ライブ配信をみてきたところめちゃくちゃボロ泣きしてました。
まさか最終編があんな感じになるとはなぁ……だけど、まだまだ続くとの事なので続きをスタンバイだ!(某総統閣下並感)
エデン条約編早く書きたいです(本音)

また次回も頑張っていきますので、皆様の応援お待ちしております。
応援に関しては、「お気に入り登録する」「作品への高評価」「感想を書く」「ここ好きたくさん押してみる」「作者に直接メッセージを送ってみる」などがありますので、皆様の好きな方法で応援してください。

それでは皆様また次回~


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