ブルーアーカイブ ~先生は「ブラックライダー」~   作:クラウディ

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やった! この音! (1年前に)いつも聞く(聞いてた)波紋(最新話)の流れる音(通知音)だッ!

というわけで二日連続更新です。
やっと全盛期の調子が戻ってきたなと思いました……(戻るのが遅すぎるんだよ)。
そんなこんなで最新話と行きたいところなんですが、今回も感想及び評価をもらっています!
「勘次郎」さん、「伝説の超三毛猫」さん、いつもながら感想ありがとうございます!
「六科」さんからは☆9評価を、「にゃてぃ」さんからも☆9評価をもらっています!

マジでありがたいです!
皆様の応援と共にこの作品は続いていきますので、これからも皆様の応援お待ちしております!

それでは本編GO!





協力!昨日の敵は今日から友達!

「いや~ごめんね~いきなり押しかけちゃって~。あ、これお土産だけどいる?」

「え、えぇ……ご厚意に感謝するわ……」

 

 ここは昼下がりの便利屋68の事務所。

 その応接室にある机を挟むように置かれている二つのソファーに、一人の青年と一人の少女が座っていた。

 

 一人はこの便利屋68の社長である「陸八魔アル」。

 そんな彼女だが、表面上は冷静に振る舞っているように見えるが、内心ではまるで台風が来たかのように荒ぶっている。

 普段から時折抜けているところをさらす彼女だが、今日ほど肝が縮み上がる日は来たことがないと断言できる。

 

 それもそのはず、何故なら彼女と向かい合っている相手が……

 

「んー! んまい! やっぱトリニティまで走って買いに行った甲斐があるな~、このケーキ本当にうまい! おろん? アルちゃんは食べないの?」

(な、ななななななんでシャーレの先生がここにいるのよー!?)

 

 かの有名なシャーレの先生であり、先日、仕事として向かった先で彼女が敵対したばかりの人物――

 

「ほらほら! 遠慮しなくて良いから! お金取ろうってわけじゃないし!」

(あば、あばばばばばばばばばば……!?)

 

――「遠山カケル」であったからだ。

 

 こうなった経緯は数分前に遡る。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「ぐぬぬぬっ……まさかシャーレの先生があちら側についてるなんてぇ……! そ、それに、まさかあんなに良い人達がターゲットだったなんてぇ……! ど、どうすればいいのよぉ……!」

 

 アビドスを便利屋の面々が襲撃した日から数日後、事務所にて頭を抱えていたアルはこれからについて考えていた。

 ……考えていたというよりかは、頭を悩ませていたの方が正しいか。

 自分達では敵いそうもない強敵であるシャーレの先生、アウトローの道を行く自分達を親切にしてくれた人達がまさかのターゲットだった、という運命の悪戯とでも言うべき状況に、根は真面目なアルは思考の渦から抜け出せないでいた。

 

「流石にあの人がいると私達でもきついんじゃないかな~? それこそゲヘナの"風紀委員長"ですら圧倒されそうだったし~?」

「分が悪いどころの話じゃないね。はぁ……やっぱりこうなるか……」

「アル様! 今すぐご命令ください! 私が今すぐあいつを消しに行きますから!」

「………………(ほ、本当にどうすればいいの―!? 一度引き受けた手前、「やっぱりやめます」なんてことは言えないし、依頼主も怖そうな人達だったし、ど、どうすれば……!?)」

 

 常識人枠のムツキとカヨコが今回の依頼に対して乗り気ではない発言をし、ハルカは殺気立って今すぐにでも突撃をしようとしていた。

 

――ピンポーン♪

 

「!? え!? こんな時に誰!?」

 

 それすら頭に入ってない様子のアルだったが、事務所のインターホンが鳴ったことで思考を切り替える。

 閑古鳥が鳴くほどの経営状況のこの事務所に客が来るなんて珍しいどころの話ではない。

 

 それこそ――

 

『すみませーん! 便利屋68の事務所はここでしょうかー?』

「い、いいい今すぐ出ます! はい、こちら便利屋68で間違いあり、ま……」

 

「お、合ってたか。久しぶり、ってほどでもないか。やっ、アルちゃん」

 

――彼女のことを重要な存在と認知し、そして現在地を調べ上げられるような者でもない限り……。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 こうして冒頭の状況まで戻る。

 

「いや~、最近バイト増やせたおかげで貯金が溜まったんだよ! それで色々とできるようになってさ~、ちょっと贅沢してトリニティの銘菓? だか何だかよく分からないけどすっごい美味い店で買ってこれたんだ~」

「そ、それはよかったわね……(落ちっ、落ち着っ、落ち着きなさい陸八魔アル! こんなことで驚いてたらアウトローの名が廃れるわ! い、いや、で、でもぉ……)」

 

 嬉々としてここ最近の近況を話すカケルとは対照的に、内心では動揺しまくっているアル。

 「まさか前回の報復では……!?」といった考えもよぎるアルだが、そんなことを考えさせないカケルの姿に混乱が加速する。

 

 そんな彼女達が談笑(?)している部屋の外では……

 

「くふふっ♪ 面白くなってきたね~♪」

「本当に何しに来たのあの人……それと、ハルカはまだ抑えて」

「っ! っ! っ!」

 

 アルの仲間であるムツキ、カヨコ、ハルカが野次馬に徹していた。

 

 しばらくの間、カケルが世間話をし、それに対して何とか返事をするアルという構図が続いたが、カケルがついに本題を切り出す。

 

「それじゃ、本題に入ろうか。先日のアビドスを襲撃したこととかなんだけど……」

「っ………………!」

「まっ、特に何もすることないからまた別のことを話すよ」

「……ん?」

「実は今アビドスの財政状況が――」

「え、ちょ、ちょっと待って! どういうことなの!?」

 

 あっけらかんと言い放つカケルの態度に、またも動揺するアル。

 そんなアルの様子に、首を傾げながらもカケルは聞き返した。

 

「どういうことなの? って、そういうことだけど……?」

「!? わ、私達は恩を仇で返したのよ!? 報復されても文句はないことをしたのよ!?」

「皆あれくらいなら気にしてないけど……」

「私が気にするのよ!」

 

 怒られる立場だったはずのアルが逆に説教する立場になる。

 なんでこうなっているのかはアルにも分からなかった。

 

 しかしそれも関係無いと続きを話していくカケル。

 

「まぁまぁ、そのことに関しては皆と話したんだよ。『アルちゃん達をどうするのか?』って。その結果、『どうもしない』『できるなら協力関係を結びたい』って話になったからアルちゃんの事務所に来たわけなんだよ」

「え、えぇええええええええええええええええええええええ!!??」

 

 あれだけのことをしてしまったというのになんでか許されてしまったことで、アルは白目をむいて絶叫する。

 しかも、許されただけことでなく、なにやら気になる言葉もあったようで……

 

「って、協力関係を結びたいってどういうことなの!?」

「そうそれ。今回来たのはそれを話しに来たんだよ。アルちゃん達を雇って俺達に仕向けた連中――仮に『黒幕』って言うことにしておくと、こいつらがいっ…………じょ~うにきな臭くて、このままアルちゃん達を仕向けられたりするくらいなら、こっちの方にスカウトすればいいんじゃないかって思ったんだよ」

「き、きな臭い?」

 

 強調された言葉を思わず聞き返したアルに、カケルはある根拠を話しだす。

 

「まず『ホシノちゃん達、アビドスのメンバーがなぜ狙われているのか』。これに関してはまだわかってないから飛ばす……けど、言っちゃあれなんだけどね、あそこを狙う価値はほとんどないと思う。権限も資源もほとんどないからのっとったところで何ができるのか……これでまず1アウトってのは分かるよね?」

「え、えぇそうね……確かにおかしい……」

「そうそう。んで、次の根拠は『黒幕が提供する物資が明らかに怪しい』ってこと。アヤネちゃん……メガネの子ね? あの子に調べてもらったのよ。そしたら今は取引されてない違法な物が多いってことが分かったわけ。『キヴォトスではどんなものでも武装しているのが普通じゃないの?』って聞いてみたけどそれでも合法違法の違いはあるらしいから、これで2アウト」

「な、なるほど……」

「そして3つ目の根拠。……めっちゃ失礼なこと言うけど、アルちゃん達みたいに『まだ無名でそこまで裏を探られそうにない人物に依頼を繰り返している』ってこと。アルちゃん達はまだ経営状況も良くないし、『大金さえちらつかせれば受けるだろう』って黒幕のやつらは思ってるんじゃないかな? だから、下手に関わっていると"トカゲの尻尾切り"よろしく、真っ先に切り捨てられるかもしれない……これで3アウトチェンジ。だから今回はこうして話しに来たってわけ」

「うぐっ……! ひ、否定できない……! そ、それに、言われてみれば筋も通ってるわね……」

 

 3つの根拠を基に、『黒幕』と繋がっていることで起きるであろう可能性を聞いたアルは考え出す。

 

(先生の言う通り、今回の依頼はかなり怪しい。このまま依頼主と繋がっていてもおそらくは用済みとして消される……あれほどの大金を積める人物ならそれこそ裏社会の大物でもない限り不可能……まずいわね……まさかあの依頼にこんな裏があったなんて……)

 

 ちなみに、割と早い段階でカヨコとムツキはきな臭さは感じていた模様である。

 ある程度考えを巡らせたアルは、アルなりの問いかけを返す。

 

「……えぇ、このまま黒幕と繋がっていても私達に益は無いかもしれないわね。でも、先生は彼等よりも私達の"得"となるようなものは用意できるかしら?」

 

 『あくまで私達は便利屋。仕事を受けている手前、利益が無ければ動かない』という意思を込めた言葉をカケルに投げかけた。

 確かにアルの言うことも尤もだ。

 たとえ彼女達が善悪の判断ができる少女であっても、『奴らは悪人だから手を切った方が良い』と言われたところで『じゃあ、彼らと手を切った後の自分達は無一文で過ごせばいいの?』というようなことと同じだろう。

 

 だが、カケルはその言葉にこう答えた。

 

「んー、あんま信用無いかもしれないけど、"()"が君達の『活動を支援する』って言ったらどうする?」

 

――『活動の支援』

 

 アル達の便利屋としての活動を支援するというのだ。

 それも、今話題の連邦捜査部シャーレの先生が、だ。

 アルもこれには思わず笑みを浮かべる。

 

「ふふっ、良いわねそれ。具体的にはどれだけ支援してくれるのかしら?」

「んー、ちょっと待って、ブラックに聞いてみる……ほうほう……ファッ!? ひ、一人あたり、つ、月500万!? 場合によっては特別手当もあり!?!?」

「ぶふっ!?!?」

 

 凄まじいまでの好待遇に驚愕するカケルと、想定した以上の金額に思わず含んでいたお茶を吹き出すアル。

 先程までのシリアス然とした空気感は吹き飛んでしまった。

 

「ゲホッ! ゲホッ! そ、そんなにもらっちゃっていいの!?」

「な、なんかいいらしい、よ……? あ、で、でも、これもらうにはシャーレ所属になってもらうことになるが、ってブラックが……あ、『快い返事を期待している』だって……」

「…………………………や、やってやるわよ!! 先生! 契約書類は持ってるかしら!?」

「お、おう! ブラックに渡されたやつがムツキちゃん達の分も含めて全部ある!」

「ムツキ! カヨコ! ハルカ! 今すぐこっちに来て書きなさい!」

「くふふっ♪ やっぱり、お兄さんといると面白いことになるね~♪」

「はぁ……まぁ、あいつらとは早々に手を切れたからいいか……」

「え? あ、わ、分かりましたアル様!」

 

 こうして、アル達『便利屋68』はシャーレとの契約を結んだのであった。







Tip!
ちなみにこの後、アルちゃん達はブラックを相手に面接をしたぞ!
若干、アルちゃんが涙目だったのは内緒だ!



やっぱり好きに書けるって楽しい!
これからも頑張っていきますよ~!

また次回も頑張っていきますので、皆様の応援お待ちしております。
応援に関しては、「お気に入り登録する」「作品への高評価」「感想を書く」「ここ好きたくさん押してみる」「作者に直接メッセージを送ってみる」などがありますので、皆様の好きな方法で応援してください。

それでは皆様また次回~


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