ブルーアーカイブ ~先生は「ブラックライダー」~   作:クラウディ

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毎日投稿3連打ァ!!!

というわけでめっちゃ調子が戻ってきた今回のお話ではオリキャラが登場します!
いやね、ふと思いついちゃったので出したいな~と思って今回の話に盛り込んじゃいました!

そんなこんなで今回も「勘次郎」さんから感想を、「タキオンかわいいよタキオン」さんからは☆9評価をもらっています!

いつもいつもありがとうございます!

それでは本編どうぞ!





英雄よ!恵まれぬ者達に救いの手を!

「いや~、良い感じに話がまとまってよかった~」

『お前と気が合うような娘だったな。主に"残念な"という面でな』

「いちいち一言余計なんだよブラック!」

 

 便利屋との契約から数十分後、アル達との面接を終えたカケルとブラックは帰路についていた。

 

 今回彼らが赴いた結果として、彼女達との契約はスムーズに進んだ。

 しかしアル達は、以前までの契約主――『黒幕』との契約を切ったことで刺客を差し向けられるだろうと警戒していた。

 それに関しても、カケルの仲間――"スペース"が便利屋周辺の調査をしているため、おそらく対応できるだろうと考えている。

 それに……

 

「ま、アルちゃん達なら大丈夫だろ! あの子達強いし!」

『あぁそうだな。特に、鬼方カヨコは頭脳面でかなり優秀だ。あの中では最も状況をよく見れていた。次点で浅黄ムツキ。人をからかうのが好きなようだが相当な切れ者だ。おちゃらけているように見えて、実際は状況的に余裕があるからこその行動だろう。戦法も爆発物を絡めたトリッキーさがある。どちらも敵にすると面倒だったからな。陸八魔アルと伊草ハルカに関しては頭脳面の期待はないが、土壇場での爆発力はある。『優秀』と判断してもいいだろう』

「お前がそう言うなんてやっぱすげぇなアルちゃん達!」

『お前が腑抜けているともいえるだろう?』

「馬鹿にすんなよブラック! これでも最近はユウカちゃんからの宿題を終わらせられるんだぞ!」

『ハァ……』

 

 歴戦のカケルとブラックが太鼓判を押すほどだ。

 『きっと大丈夫だろう』二人はそう考えた。

 

――ピリリリ! ピリリリ!

「おろ? 電話だ。誰ですか、っと」

 

 そんな会話をしながら寝泊まりさせてもらっているアビドス校舎へと帰っている際、懐のスマホから着信音が鳴り響く。

 誰からの電話だろうと思い、懐からスマホを取り出したカケルは、画面に映る連絡してきた相手の名前を見て笑みを浮かべた。

 

『もしもし、聞こえるか先生?』

「問題なし! ばっちり聞こえてるよ――」

 

 

「――『()()()』ちゃん!」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「お、来たか先生」

「ごめん遅れた!」

「遅れた、って、予定時間からずれてないのに? 相変わらずアンタは変だな先生。問題ないよ。こっちも一段落したばかりだ」

 

 連絡を受けたカケルは、ブラックを走らせてある場所へとたどり着く。

 そこは工事現場のようになっていて、様々な建物が建設途中のようだった。

 

 その建設現場から少し離れた場所に、一人の少女が立っていた。

 身長はアビドスに来る前に会っていた生徒の中でもひときわ身長の高いハスミと同等の高さを持っているが、気品すら感じさせられる佇まいのハスミと比べると、不良寄りの粗雑な雰囲気が感じられる彼女。

 工事現場の親方のように黒のタンクトップを纏っているが、胸部装甲が非常に大きいため泥に濡れていても魅力的だ。

 そして、本来なら着こんでいるはずの橙色の作業服を脱いで袖を腰に巻き付けることで作業に戻りやすくしている。

 上記の衣装にオレンジのゴーグルをかけ、黒いブーツを履いている姿はまさしく現場の親方。

 

「流石ナノカちゃん! 仕事が早いね!」

「あっはははっ! アンタレベルには速くないよ先生! ちょっとだけコツを知ってるだけさ」

 

 快活な笑みを浮かべる黒髪のポニーテールの彼女は、「建木(たつき)ナノカ」という。

 そんな彼女はどこの学園にも属さない、言うなれば"はぐれ者"。

 アビドスの生徒ではない彼女は何者で、今は何をしているのか……これに関しては数日前に遡る。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

『そこまで驚く必要があるのか?』

「驚きますよ!? なんで今までそうしてこなかったんですか!?」

『言われなかったからに決まっているだろう。文句を言うならそこの阿呆に言え。今の今まで忘れていたみたいだからな』

「うぐっ……忘れてたのは否定できねぇ……」

 

 対策委員会の部室にて、ブラックがアヤネのタブレットを用いての会話をし始めた時のことだ。

 長い付き合いなのもあってこのような機能を知っていたカケルはさして驚かなかったものの、そんなことなど知らなかったアヤネたちは驚愕してしまった。

 

 だが、そんなことなど気にするだけ無駄だとブラックは話を切り出していく。

 

『まず、お前達がこの苦しい状況に陥っているのは土地の砂漠化と膨大な借金が影響している。土地の状況が悪化すればそれを立て直すために資金を投じなければならなかった……これに関しては以前、貴様が言っていたことだ奥空アヤネ』

「……はい、そうですね……」

『素直なのは良いことだ。それにより、借金を抱え込んだ以前のアビドスの生徒はここを離れ、残された少数の生徒が終わらない借金返済に必死になって挑んでいる。無謀なことこの上ないというのにな……』

「ちょっと! 無謀って何よブラックさん!」

『事実であることには変わりないだろう? 最後まで聞け黒見セリカ。今から話すのは今の俺達なりの解決方法があるからだ』

「解決方法、ですか?」

 

 坦々と事実を告げていく合理的な意見のブラック。

 そんな彼が考える解決法とは……この場にいる全員の注目が集まる。

 

『以前、貴様らはこの問題に対しての解決方法を考えていた。だがこれもほぼ実現できない、もしくはすることが難しいものが多かったな。やれマルチ商法に引っかかるだの、やれ他の学園から生徒を誘拐するだの、やれ銀行を襲うだの、やれスクールアイドルをするだの……ハッキリ言って貴様らは芸人でもやっているのかと思ったがな』

「ん、流石に心外……」

『貴様が最も論外なことを言っているんだぞ砂狼シロコ。話を戻す。今の状況では何をやろうにも人手が足りないがゆえに、借金返済との鼬ごっこが起きている。これを自身等の力"だけ"で解決しようとしていたのが少し前の貴様らだ』

 

『だが、この場にはそこの阿呆と俺がいる』

「! 確かにそうですね! 今は先生とブラックさんがいます!」

『そうだ。シャーレの権力を総動員すれば、人手を増やすことなど容易い。しかし、あくまで俺達では人手を別の学園から"貸りる"ことまでしかできない。その方向性では、今度は別の学園に借金を背負うことになる。これでは本末転倒だ。だが、このアビドスには満足に暮らせない不良が多く存在している。そいつらを雇って『黒幕』どもは俺達に仕向けてくるだろう。これを2つとも解決するためにはどうすればいいのか分かるか?』

「…………! へぇ……おじさんの考えが当たってたらだけど、まさかブラックさんは……」

『そのまさかだ』

 

 そして、ブラックは結論を言った。

 

 

 

『"このアビドスにたむろしている不良達をアビドスの生徒として入学させる"』

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 こういった経緯を経て今に至るわけだ。

 しかし、ブラックが考えた計画を実行するため早速行動に移したカケルだったが、最初の内は断られてばかりだった。

 

『私らを保護する? アンタが? 本当にできるのか?』

『けっ! 冷やかしなら帰ってくれよ。私達はそんな話に付き合う余裕もないんだ』

『すまないね……流石に信用ができないんだよ……』

 

 彼女らの主張は様々だったが、一貫して「信用できない」といった言葉が含められていた。

 確かに、実行に移したカケルは連邦生徒会長お抱えの組織「シャーレ」の"先生"ではあるものの、「だからあんたは何ができるんだ?」と言われてしまえばカケル側は何も言えない。

 だが、それでもと声をかけ続けてきたカケルが出会ったのが、「建木ナノカ」である。

 

『……分かった。アンタの要件を受けるよ』

『! し、信じてくれるのか……?』

『まぁ、ね。これでもこの子達の『(かしら)』をやってきたんだ。人の考えは大体読める。……ま、アンタみたいに真っ直ぐな善意をぶつけてくる奴は今まで見たことはないけどな?』

『っ! ありがとう!』

『礼なんていいさ。むしろこっちの方が言いたいくらいだよ。そんじゃ、全員荷物を纏めな!』

『『『『『了解です姉御!!!』』』』』

 

 そうして、なんとか計画はスタートしたのであった。

 

「まさか、アタシらがこうしてまた真っ当な仕事ができるようになるなんてな。先生には感謝してもしきれないねぇ……」

「そこはブラックに言ってくれよ。計画を立てたのはほとんどブラックなんだから。もしかしたら意外と喜んでくれるかもしれないぜ?」

「あっはははっ! 違いない!」

 

 そう言って笑うナノカは、もともとはアビドスの土地に住み着いていた一部の不良達のリーダーだったのである。

 それも、このアビドスに流れ着いてきた様々な学校からの流れ者を広く受け入れるグループとして名の通っていた人物……それが彼女であった。

 そんな彼女は建設現場の外れにある急ごしらえのテントにて、これから建設していく建物の図面を引いていた。

 カケルとの雑談をしながらも、ナノカの手は流れるように進んでいく。

 まるでもともとはこれが本職だとでも言うかのように……。

 

 そんな時、ふと、ナノカはカケルにある話をしだす。

 

「アタシはさ、元々は"トリニティ"っていう良いところのお嬢様学校に通ってたんだよ」

「!? ま、まじで!? ナノカちゃんがトリニティ!?」

「ふふっ、そんなに驚かなくてもいいだろう? ま、あたしだって似合わないと思っているさ、あんなところ」

「? トリニティってやっぱりなにかあるのか?」

「……そうさね。ゲヘナとかと比べるとトリニティは裏が黒い、そう言った方が良いね。陰湿ないじめはもちろん、日々権力争いなんかが繰り広げられているんだよ。今から二年前の『私』は、そんなところなんて知らなかったけどね。だから、『アタシ』はあそこから逃げたんだ」

「…………」

 

 実感のこもった言葉に、カケルはナノカの経験してきたことを察した。

 そして、それを親身に受け止めてくれているカケルの姿を見て、ナノカは話を続けていく。

 

「次に行ったところは"ゲヘナ"だったよ。あそこもトリニティみたいな陰湿さはないが、日々争いが絶えなかった。幾分かは過ごしやすかったがね……そしてまた逃げだして……ここに流れ着いたってわけさ」

「…………辛くなかったか?」

「……辛くないって言えば嘘になるね……でも、今のアタシはここに来れてよかったと思ってるんだ。トリニティにいた時に比べれば腹が減る。ゲヘナにいた時に比べれば自由にできることは少ない。でも、()()()()んだよ先生。アンタが手を差し伸べてくれた、ここが……」

「……俺も力になれてたら良いなぁ……」

「十分なってくれてるよ。もっと自信を持っていいさ。さてと、アタシは現場に戻る。アンタは新入りやそのほかの子の教育を頼むよ?」

「……任された! 頑張ろうな! ナノカちゃん!」

「ふふっ、ああ!」

 

 新たな仲間を迎え入れつつ、カケル達は日夜奮闘していくのであった。







Tip!
今回登場した「建木ナノカ」ちゃんはこれからも登場する予定だぞ!



また次回も頑張っていきますので、皆様の応援お待ちしております。
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それでは皆様また次回~!


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