ブルーアーカイブ ~先生は「ブラックライダー」~   作:クラウディ

36 / 57



不定期更新すぎて流石にやばいと思い今回更新しました。
マジですみません!!!!!!

流石にブルアカらいぶ控えてるのに3か月更新してないのはまずいということで筆を執っています。
世間ではアビドス3章がクライマックスに近づいているというのに、いまだに拙作は1章すら離脱できていない状況です(これはひどい)

なんとか勘を取り戻したい……!

今回も「伝説の超三毛猫」さんから感想を、「探究の大図書館第9柱」さんからは感想と☆9評価を、「あそみな」さんからは星8評価をもらっています!

応援してくださってありがとうございます!

そんなこんなで本編どうぞ!





追跡!マーケットガード!

「――なんだかんだ意気込んで探し回ってみたものの……」

「収穫、ありませんでしたねぇ……」

 

 ここはブラックマーケット内にある鯛焼き屋。

 そんな屋台のすぐそばで、設置されているテーブルと椅子に座り込みながらカケル達はため息をついていた。

 

 数時間前にヒフミを(半ば強制的に)仲間に引き入れ、ブラックマーケット内にあるはずの違法車両について探し始めたカケル達だったが、結果は空振りに終わってしまう。

 しかし、ある種の"違和感"を見つけることには成功した。

 

「ですが、ここまで探しても見つからないなんて……もしかすると、何者かが意図的に隠しているような、そんな気がします。でも……」

「いくらなんでも徹底的に()()()()()()()、って感じがするな……」

 

 そう、取引されたという『痕跡』は徹底的に無くなっているが、その分、不自然なほどに情報が欠落している部分がある。

 痕跡を「足跡」に例えて言うなら、「確かに足跡は無くなっている。だが、その足跡を消すために何らかの細工をしたのが丸わかり」ということだ。

 

 だが、取引をされたということが分かっても、それが誰によるものなのかが分からない……今はそんな状況である。

 

「うーん……ねぇブラックさん、ここ一帯で取引された車両データの解析ってどうなってるの?」

『……駄目だな。末端ならまだしも、情報が重要になるにつれファイアウォールが厳重になる。セキュリティも多い……下手に入ると核心にたどり着く前に勘づかれてしまうな……』

「うへぇ、ブラックさんでもお手上げか」

 

 ホシノの問いかけに答えたブラックの言う通り、街道に設置されている監視カメラや、ブラックマーケットの中でもまだそこまで重要ではない人物の所有する電子機器にハッキングをして探っては見たものの、あまり有益な情報は得られなかったようだ。

 やろうと思えば、このブラックマーケットを牛耳っている企業のデータベースにも侵入はできるのだそうだが、ファイアウオールやセキュリティの関係上、気づかれることなく情報を抜き取るのは難しいようである。

 

 しかし長年の経験からか、ブラックの思考回路には一つの『疑問』が思い浮かんだ。

 

『だが……ここまで秘密裏に動かれると余計に疑問が湧く。それは阿慈谷ヒフミ、貴様も感じているだろう?』

「はい……そもそも、ここに集まってる企業は、ある意味開き直って悪さをしていますから、逆に変に隠したりしないんです」

 

 そう言ってブラックに問いを振られたヒフミは、少し遠くに見える立派な建物を指さした。

 

「例えばなんですが、あそこのビル。あれがブラックマーケットに名を馳せる闇銀行です」

「闇銀行?」

「はい、ブラックマーケットで最も大きな銀行の一つです。聞いた話だと、キヴォトスで行われている犯罪の15%の盗品があそこに流されているそうです……」

「キヴォトスのじゅ、15%も!?」

「ええ。横領、強盗、誘拐などなど、様々な犯罪によって獲得した財貨が、違法な武器や兵器に変えられてまたほかの犯罪に使われる……そんな悪循環が続いているんです」

「マジかよ……」

 

 ヒフミの言葉を聞いたセリカとカケルが顔を驚愕に染めているが、キヴォトスの犯罪の15%はシャレにならないものだ。

 なにせ、毎日毎日いたるところで銃撃戦が起こり、特に治安の悪いとされているゲヘナなんかでは、目覚ましのアラーム代わりに爆発音が鳴るほど。

 

 そんなどこぞの世紀末救世主が活躍する世界レベルの治安をしているキヴォトス基準で15%だ、そもそもの桁が違うのだろう。

 

「……そんなの、銀行が犯罪を煽っているようなものじゃないですか」

「その通りです。まさに銀行も犯罪組織なのです……」

「…………」

「ひどい! 連邦生徒会は一体何やってんの!?」

「理由はいろいろあるんだろうけどねー、どこもそれなりの事情があるだろうからさ」

 

 悲しげに目を伏せるノノミに、無言で事実を受け留めるシロコ。

 そして、巨大な悪意に憤りを覚えるセリカや、どこか達観したように言うホシノ。

 

 そして、一応連邦生徒会の管轄であるカケルはというと……。

 

「どうするブラック? これアサルト呼ぶべきか?」

『早まるな阿呆。アイツを呼んでしまったら、ここら一帯が数年は草一つ生えない不毛の地になるぞ』

 

 ……何やら物騒なことを言っていたので話を逸らすことにする。

 

 そんな中、無言で様子をうかがっていたシロコが口を開く。

 

「……現実は、思った以上に汚れているんだね。私達はアビドスばかりに気を取られすぎて、外のことをあまりにも知らな過ぎたかも……」

「シロコちゃん……」

 

 確かにそうだ。

 彼女達はまだ『少女』であるということを抜きにしても、『世界』のことをあまり知らない。

 もっと彼女達は自由に世界を知っていてもいいというのに……そう思うと、カケルの手には無意識に力が入る。

 

――「彼女達を苦しめている現実は、絶対に変えてやらなければ」と。

 

 そう決意を新たに行動を再開しようとしたカケルだったが……周囲を警戒していたアヤネからの通信が入る。

 

『お取込み中失礼します! そちらに武装した集団が接近中!』

「!! 敵は何人?」

『まだ気づかれた様子はありませんが……まずは身を潜めた方が良いかと思います……』

「だな。とりあえずそこの植木の陰に隠れよう」

 

 アヤネの通信に即座に反応したカケル達は見つからないように植木の陰へと隠れ、向こう側を通過しているであろう武装集団を観察し始める。

 

 そして通過していく武装集団は……このブラックマーケットで見てきたどの集団よりも明らかに迫力が違っていた。

 

「あれは……M1919機関銃……!?」

「ん、他にもあるね。乗ってる奴が持ってるのは、L85AR、MP5、スコーピオン……他にもいろいろ」

「車両もゴツイな……ジープに戦車に……ざっと10台あるか?」

「うへぇ……あれを正面から相手するのは骨が折れそうだねぇ……」

「いくら何でも武装し過ぎじゃない……! 何を運んでるっていうのよ……!」

 

 武装の量、および質が明らかに今まで相手していたチンピラの比ではない。

 真正面からかち合っていればただじゃすまなかっただろう、隠れたのは適切だったようだ。

 

 カケル達が武装集団を観察している横で、ヒフミはあることに気づく。

 

「明らかに過剰気味な武装……あ、あれは『マーケットガード』です!」

「マーケットガード、ですか?」

「先ほどお話しした、ここの治安機関でも最上位の組織です! 急ぎましょう!」

「おう!」

 

 そうして、カケル達はヒフミの先導の下、武装集団――『マーケットガード』を追跡し始めるのであった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 マーケットガードを追跡し始めてから数分が経とうとしていた頃、その間にもカケル達は情報を集めていた。

 

「……パトロール? 護衛中のようですが……」

「トラックを護送してる……現金輸送車だね」

「サンキューシロコちゃん。それにしては過剰戦力すぎねぇか……?」

 

 そして分かったのは、目の前のマーケットガードがトラック――『現金輸送車』を護衛していることだ。

 マーケットガードほどの戦力が護衛するほどの代物……それは一体何なのか……。

 

 

「あれ……あっちは……

 

 

 

――闇銀行に入りましたね?」

 

 

 その答えはあっさり出てくるのであった。

 

 到着したのは、先程ヒフミが話題に上げていたブラックマーケットに名を馳せるという最も大きな『闇銀行』。

 そこの警備は厳重で、周りを監視している警備員の数も多い。

 正面玄関だけでも10人以上はいるその銀行に、堂々と現金輸送車は入っていった。

 

 やがて、現金輸送車が搬入口の前で止まると、運転席から一人の人物が降りてきたのである。

 

「今月の集金です」

「ご苦労様、早かったな。では、こちらの集金確認書類にサインを」

 

 しかも、その姿にカケル達は見覚えがあり……

 

「見てください……あの人……」

「あいつは……毎月内に来て利息を受け取っているあの銀行員……!?」

「なるほどな……やっぱりあのツラの下は真っ黒だったか」

「えっ!? ええっ……!?」

 

――そう、降りてきたのはあのカイザーローンの銀行員だった。

 

 しかも今回が初めてじゃないのか、慣れたように差し出された書類にサインを書いては、輸送車を移動させていく。

 その様子を建物の陰から見ているカケル達。

 

「……どういうこと?」

『ほ、本当ですね! 車もカイザーローンのものです! 今日の午前中に、利息を支払った時のあの車と同じようですが……なぜそれがブラックマーケットに……!?』

「か、カイザーローンですか!?」

「ヒフミちゃん、知ってるの?」

 

 皆が確信はしているがその経緯が納得できず疑問符を浮かべる中、ドローンを用いて解析した車両情報から、結論が間違っていないことに気づいたアヤネ。

 そんなアヤネの言葉の中に気になる単語があったのか、驚いたような声を上げるヒフミ。

 

 全員からの注目を受ける中、ヒフミは銀行側の人間に気づかれないように小さい声で語りだした。

 

「カイザーローンと言えば……かの有名なカイザーコーポレーションが運営する高金利金融業者です……」

「有名な……? マズいところなの?」

「あ、いえ……カイザーグループ自体は犯罪を起こしてはいません……しかし、合法と違法の間のグレーゾーンで上手く振舞っている多角化企業で……」

 

 

「――カイザーは私達トリニティの区域にもかなり進出しているのですが、生徒達への悪影響を考慮し、『ティーパーティー』でも目を光らせています」

 

 

「『ティーパーティー』……」

「へぇ……あのトリニティの生徒会が、ね」

『なるほどな。まるっきり"奴ら"と同類か』

 

 ヒフミの言葉に、年長組のカケル、ホシノ、ブラックの気配が少しだけピリつく。

 その空気からある答えに行きついたヒフミは声をかけた。

 

「あ、あの……皆さんの借金とはもしかして……アビドスはカイザーローンから融資を……?」

「借りたのは私達じゃないんですけどね……」

「話すと長くなるんだよねー。アヤネちゃん、さっき入ってった現金輸送車の走行ルート、調べられる?」

『少々お待ちください……』

 

 ホシノの指示に、すぐさま動いたアヤネが高速でタイピングをして調べてみるのだが……

 

『……ダメですね。全てのデータをオフラインで管理しているようです。全然ヒットしません……』

『だろうな。俺の方でもやったが抜け穴の一つすらない。これだからアナログは嫌いなんだ』

「やっぱりかー」

 

 ブラックの補足もあることでデータを抜き取るのは不可能なことが分かってしまう。

 

「そういえば、いつも返済は現金だけでしたよね。それはつまり……」

「私達が支払った現金が、ブラックマーケットの闇銀行に流れていた……?」

「じゃあ何!? 私達はブラックマーケットに、犯罪資金を提供してたってこと!?」

 

 セリカの怒りも尤もだ。

 自分達が汗水たらして稼いだお金が悪事に使われていただなんて……怒りを覚えるのが反応として普通だろう。

 

「…………」

『ま、まだそうハッキリとは……証拠も足りませんし。あの輸送車の動線を把握するまでは……』

「……あ! さっきサインしてた集金確認の書類……それを見れば証拠になりませんか?」

「! 確かに! ナイスだヒフミちゃん!」

 

 だが、希望は少しでも残されているようだ。

 自身達の資金が闇銀行を通し、悪意を以って利用されている……それを証明するの先程カイザーローンの銀行員がサインしていた書類だ。

 それさえ手に入れられれば……と思ったが、

 

「あはは……でも考えてみたら、書類はもう銀行の中ですし……無理ですね……」

「うーん、それなんだよねぇ……」

 

 そう、件の書類はもう厳重な警備の銀行の中へと運ばれてしまった。

 これを奪取するとなると……現実的な話ではない。

 

『俺とそこの阿呆が突撃するのも無理だと言っておく。『ブラックライダー』の姿はどこぞのマスコミによってキヴォトス中に知られているからな。やろうものなら首席行政官に何を言われるか分からないのでな』

「ですよね……」

 

 現状で一番手っ取り早い且つ、確実性のある「カケルとブラックが突撃して書類を奪う」という作戦もあくまで表向きは"白"であるカイザーの管轄に、連邦生徒会所属の人間が襲撃を行ったとなれば大事だ。

 ならばどうしたものか……

 

 ……そう考えていた時だった。

 

 

「ん、こうなったら最終手段を使うしかない」

 

 

 沈黙を保っていたシロコが口を開いた。

 

「えっ? ほ、方法があるんですかシロコさん?」

「んっ! とびっきりの作戦がある。ホシノ先輩は分かってるよね?」

「……あ、あー、なるほど、あれかー。あれなのかあー」

「……ええっ?」

 

「あ……!! そうですね、あの方法なら!」

「何? どういうこと? まさか、あれ? まさか、私が思ってる『あの方法』じゃないよね!?」

「……!」

「う、嘘ッ!? 本気で!?」

 

「……ブラック、俺、女子高生の行動力舐めてたよ」

『言うな相棒……奴が特殊すぎるだけだ……』

 

「……あ、あのう……全然話が見えないんですけど……『あの方法』って何ですか?」

 

 自分だけが置いていかれている状況に疎外感を覚えたヒフミが、思わず尋ね返してしまう「あの方法」。

 

 

 

――後に、この一件を乗り越えたヒフミはこう語った。

 

 

 

「残された方法はたった一つ――」

 

 

 

 

 

 

「――銀行を襲う」

 

 

 

 

 

 

「……は、はいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!???」

 

 

 

 

 

 

――「すごいですよね……アビドスの皆さんの行動力……」と……。







Tip!
(例のBGMが流れ出す)



やっとこれを言わせられたー!!!(シリーズ開始から約1年半経過)
というわけで次回、銀行強盗編です!
テンション上がったので次回は早めに投稿できるかもしれません!

また次回も頑張っていきますので、皆様の応援お待ちしております。
応援に関しては、「お気に入り登録する」「作品への高評価」「感想を書く」「ここ好きたくさん押してみる」「作者に直接メッセージを送ってみる」などがありますので、皆様の好きな方法で応援してください。

それでは皆様また次回~!


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。