ブルーアーカイブ ~先生は「ブラックライダー」~   作:クラウディ

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……よかった……アビドス3章良かった……。

というわけでモチベ上がったので書き上げました!
ストーリーも何もかもマジでよかった!!!!
ありがとうブルーアーカイブ!!!
ありがとうヨー○ター!!!!

今回も「カンジロウ」さんと「伝説の超三毛猫」さんから感想を、「八ッ葉」さんからは☆9評価をもらっています!

応援してくださってありがとうございます!

そんなこんなで本編どうぞ!





想起!ヒーローの姿!

「――であるからして、借金返済の目途が立っておりませんので……」

「――34番でお待ちの○○様、2番窓口へ」

「――本日お預かりになります金額はこちらで……」

 

 ここはブラックマーケットの一角に存在する巨大な闇銀行。

 表立って活動できない者達がこぞって利用するこの場所では、あの連邦生徒会ですら把握しきれていないほどの資金が集まっていた。

 

 そんな闇銀行では、今日も変わらず違法な手段によって得た資金など、「表には出せないような金」の取引が行われている。

 

――しかし今日は、いつもと少し違っていた。

 

「はー……順番待つだけで半日かかるとか、よっぽど忙しいんだねここって」

「レッド、口に出して言わないでよ。田舎者って思われるじゃん」

「ふーん……クーちゃん、今日はここを襲うの? 終わったらお寿司食べられる?」

「ローちゃん、もうちょっと声を小さくしないと……」

「グリ子、私達注目されてるね。なんでだろ?」

 

 ここを利用するのは主にブラックマーケットに属する企業の者達だけなのだが……そんなことは知らないと言わんばかりに、ロビーのソファーでゆったりとくつろいでいる5()()()()()たちの姿があったのだ。

 彼女達はこの場に似合わないほど軽い調子で雑談を続けており、周りの者達の目からは奇異に映るようだった。

 

 それもそのはず、彼女達は裏社会の住人……見方を変えればそうかもしれないが、裏の世界の住人ではない。

 

 彼女達が何者か……知らぬのならば教えよう!

 構成されてるメンバーはたったの「5人」でありながら、その脅威度は連邦生徒会から直々に指名手配されているほど!

 寿司をこよなく愛す者達が集まれば、立ちはだかる障害などなんのその!

 

――そう! 彼女達こそが『無限回転寿司戦隊・カイテンジャー』である!!

 

 ちなみに、メンバーの名前は上から順に、快活な「レッド」、クールな「ブラック」、食いしん坊な「イエロー」、お淑やかな「グリーン」、つかみどころのない「ピンク」だ。

 

 そんな悪名高い彼女達だが、この銀行を利用しに来た…………というわけではない。

 

 むしろこの銀行を()()()()に来ているといってもいい。

 それは何故なのか……答えは彼女達が呟いた。

 

「資金不足を解決するのに加えて、悪の温床であるこの闇銀行を襲撃する……我ながらいい考え……!」

「うーん、レッちゃんが『私は正義の心に目覚めたー!』って言い始めた時はまた変なものでも食べた? と思ったけど……」

「まぁ、その気持ちは分かるわよグリ子……でも、レッドの気持ちも分かるわ……」

「それは私も分かるよブラック。"アレ"を見せられたら誰だって思う」

「"アレ"? ……あー、あの人か~」

 

 

 

 

 

「「「「「ブラックライダー……! やっぱりヒーローはカッコいい……!」」」」」

 

 

 

 

 

――そう、彼女達は今現在、キヴォトスで話題のヒーロー――『ブラックライダー』の大ファンなのである。

 

 事の始まりは数週間前に遡る。

 

 

 

 

 

~~~

~~~~

~~~

 

 

 

 

 

『はーっはっはっはっは!! この大量の資金は我々が使わせてもらう!!』

『ぐぅっ……! カイテンジャー、め……!』

 

 その当時、ただのテロリストであった彼女達は自分達の名を知らしめるため、いつもと変わらず様々な施設を襲撃して資金を奪い、その度に成功を収めていた。

 

 突然だが、キヴォトスに住む人々にとっては『銃火器を携帯していることが常識』と言われるほど"外"の世界と倫理観が大きく違うのは皆も知っているだろう。

 そのためか、彼女達の行っていたこともキヴォトス基準で見れば「世間を騒がせている厄介者」程度でしかなかった。

 

 それにより、彼女達の破壊行為はエスカレート。

 いつしか、彼女達が掲げていた『()』も色褪せていったのである。

 

 だがしかし、彼女達を止める存在がついに現れたのだ。

 

『変身!』

『BLACK RIDER!!』

 

――『ブラックライダー』である。

 

 その男は、色んな意味で彼女達に衝撃を残していった。

 自身達の完璧な連携を濡れた障子紙を破るかのような容易さで打ち砕き、最終手段として呼び出した合体ロボ――『KAITEN FX MK.0』は彼の必殺技により、一撃で粉砕されてしまう。

 

 それは彼女達にとって初めての経験だった。

 ゲヘナの風紀委員や、トリニティの正義実現委員であろうと自分達を倒すことは難しいと思っていた『自信』であり『慢心』であった"それ"を木端微塵に壊されるのは。

 

 故に考えたのである。

 あの絶対的な力――『ブラックライダー』を超えるための方法を。

 

 ある時は、データを集めるために騒ぎを起こして再度『ブラックライダー』に挑戦したり。

 またある時は、物陰から『ブラックライダー』を観察して攻略法を探したり。

 またまたある時は……

 

『私、レツって言います! 先程は助けてくださってありがとうございますカケルさん!!』

『いやいや、こっちも助かったよレツちゃん。あれだけうまいこと戦えるなんてさ』

 

 ……襲われているところを助けられた普通の生徒として接触したり。

 そんな裏があるとはつゆ知らずに、目の前の少女――カイテンレッドこと「天音(あまね) レツ」と話しているのは『ブラックライダー』こと「遠山カケル」だ。

 

 レツ自身が『敵を知るにはその奥深くまで知らなければならない!』と言い出したことで始まった『一般人接触作戦』、その第1段階は見てもらった通り簡単に成功。

 この作戦を遂行できれば、『打倒!ブラックライダー!』への一歩になるだろうと考え、発案者の彼女が直々にカケルへと接触したのである。

 

『あれだけの強さ……どんな風に鍛えてるんですか!? 他にもあれだけ動けるなんてどんなことを意識してますか!?』

『お、おぉう……圧がすごぉい……』

 

 半ば強引だが、「ヒーローに憧れる少女」としてふるまい「このままブラックライダーの情報を得て、次回の戦いに……!」と、仲間たちの前では考えていたレツ。

 

 

――しかし、実際に会ってみて分かったのだ。

 

 

『え…………死…………え…………』

『そ、やらないと死んでた。手を伸ばさないと誰かが殺される。足を動かさないと何もできない。だから、俺は頑張ってただけだよ……なぁブラック、これ言ってよかったのか? お前が言っても良いって言ったから話したけどさ……』

 

 

――彼が…………『ブラックライダー』が背負っている"もの"は、自身達が知るには重すぎるものだったと。

 

 

 初めて知った命の"重み"。

 動かし続けるたびに重くなる"歩み"。

 それでもと動き続けなければ何もかも手をすり抜けていく"恐怖"。

 

 

『もしさ、レツちゃんが俺みたいなヒーローになりたいんだとしたらさ、俺は応援するよ。それでもし、道を踏み外しそうになった時は俺が引っ張り上げる。もし道を逸れそうになったら教えてあげたい。それが、『ヒーロー』としての『俺の願い』、かな?』

『……あ、ありがとう、ございます……』

 

 

 そして、誰かに託される"願い"の重さを、自分達は何も知らなかった。

 

 

 カケルと別れ、仲間たちの元へと戻ったレツは、一人自室にこもった。

 そして、レツは考えたのである。

 自分達の目標――『願い』はなんなのだ、と。

 

――だからこそ思い出せたのである。

 

 

『あ……そうだ……私、皆の笑顔を守るヒーローになりたかったんだ……』

 

 

――それは純粋無垢な願いだった。

 

 子供の頃に夢見ては、大人になるにつれ風化していく『誰かのための願い』だ。

 なぜ忘れてたんだ、なぜ今になって思い出せたんだ、なぜ、なぜ、なぜ……

 

『なんで……私……』

 

 うずくまって考え、泣きながら思い出を振り返り、理想だった"もの"と現実との差に絶望しかけた。

 だがそこで止まらなかったのは彼女のヒーローとしての心が動いたからなのか、レツは縋るような思いで電話を掛ける。

 

『もしもし? どうしたのレツちゃん?』

『あ、あはは……こんな夜中にごめんなさい先生……ちょっと聞きたいことがあって……』

『……辛いことでもあったか? 話なら聞いてやれるけど……』

『話を聞いてくれるだけでもありがたいです……実は――』

 

 電話から聞こえたのはカケルの声だった。

 自分が求めるヒーローなら、悪人である自分を裁いてくれるのではないか……そんな思いを抱えながら彼女は話し始める。

 

 だが、自身の口から出る言葉はどうあがいても真実ではなかった。

 「例えば」「もし」……自分が悪人(カイテンジャー)だとバレたくなくて、そんな言葉がずっとついて回った自身の話を、黙って受け留めてくれたカケルは、数秒の沈黙をおいて口を開く。

 

『……確かに、道を間違った人は罰を受けるべきだと、俺は思うよ』

『……っ! で、ですよね……あははは……』

『……でもさ、もしそのことに気づいて、反省して、やり直しがしたいって思ってるんだったら、俺はその人が間違えないように先導するよ』

『…………え?』

 

 

『それが俺の――『先生(ヒーロー)』としての『やりたいこと』だから』

『あ――』

 

 

――その言葉に、レツは救われたのだ。

 

 

 だからこそ、彼女はまた動き出せたのである。

 今度は「ただの『悪人(カイテンジャー)』」ではなく、夢見た姿――『ヒーロー(カイテンジャー)』として。

 

 

 

 

 

~~~

~~~~

~~~

 

 

 

 

 

「――だから、人々を苦しめてる悪は討ち倒さなければ……!」

「……本当に変わりましたね、レッド。……変わったと言えば私達もですけど」

「同感、ヒーローってやっぱりすごいんだねって」

「うん、また興味深いものができた」

「お腹すいたー。レッド~、先生のところに行ってお寿司もらってきてよ~」

 

 そんなこんなで闇銀行の末路が、刻一刻と迫ってきている――

 

 

 

 

 

――その時だった。

 

 

 

 

 

「全員その場に伏せなさい! 持っている武器は捨てて!」

 

「言うこと聞かないと、痛い目にあいますよ☆」

 

「あ、あはは……みなさん、怪我しちゃいけないので……伏せてくださいね……」

 

 

 

「私の名は『マスクドコマンダー』!! この銀行は我々覆面水着団が襲撃させてもらった!!」

 

 

 

「「「「「な、なにこれー!!??」」」」」

 

 

 

 意外ッ!! それは同業者!!







Tip!
カイテンジャーのメンバーはこれからも本編に絡むかもしれないぞ!


また次回も頑張っていきますので、皆様の応援お待ちしております。
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それでは皆様また次回~!


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