ブルーアーカイブ ~先生は「ブラックライダー」~   作:クラウディ

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筆が乗ったぜベイベー!
なんかテンションが高いし時間も取れてるからそのまま物語が描けるの楽しぃいいいいい!!

はいというわけで割と早めの更新です!
今回はブラックマーケット編完結ということで頑張りました!

今回も「カンジロウ」さんと「伝説の超三毛猫」さんから感想を、「FEVERTAKAYU」さんから☆8評価、「探究の大図書館第9柱」さんから☆9評価をもらっています!

皆様の応援のおかげで今日も頑張れてます!
ホントにありがとうございます!

それでは本編どうぞ!





撤退戦!闇銀行からおさらば!

「アヤ、マスクドゼロ!! ランデブーポイントまでは!」

『はい、そのまま300メートル直進した後にブロックCへ行ってください!!』

「ん、了解」

 

 闇銀行にて悪名高きカイテンジャーが暴れている一方、カケル達「覆面水着団」は裏路地を全力で疾走していた。

 アヤネ……「マスクドゼロ」のナビゲートが適切なこともあり、彼らはこの広いブラックマーケットであっても特に迷うことなく進んでいく。

 

 しかし、それは元からここで生活を送っている相手側も同じようで……

 

「待ちやがれぇえええええええ!!!!」

「逃がすな! 追えー!」

 

 怒りのままに銃を乱射しながら追いかけてきていた。

 自分達の縄張りである闇銀行にふざけた格好で襲撃をかけてきた、どこの馬の骨とも知れぬ輩に金を奪われたというのだから彼らの怒りも尤もであろう。

 

 さらに言えば総力を注ぎ込んで追いかけているというのに、彼らの足は微塵も止まる気配がしない。

 

「うわわわわっ!? うひゃぁっ!? た、助けてください~!!」

「うへ~、順調順調~。これはファウストさんのおかげだね~」

「何言ってんのホシ、1号!! ファウストの援護に行って!」

「うへ、後輩の頼みとあっては仕方ないな~」

 

 しかも、軽口交じりにこちらの追跡を引き離していくのだ。

 プライドの高いであろうマーケットガードの面子が丸つぶれである。

 

「近づかないでください~!」

「ぐあっ!!??」

「クッソ……! あのミニガン女を止めろ! 弾幕を張られちゃ近づけねぇ!」

「くらえ! ゴミ箱の蓋フリスビー!」

「ヘブラッ!?」

 

 装備も潤沢、数もこちらの方が上。

 なのに追いつけない、奴らは止まらない。

 車両すらも使おうとしたのに、それらはなぜか動かなかった。

 

『――周囲一帯のやつらが所有する車両全ての機能をロックした。壊さない限りは扉すら開きやしない。まぁ、開いたところで動かないままだがな』

「ん、流石ブラックさん」

 

――何故なら、機械関連はブラックの手ですべて潰されてしまっているからだ。

 

 しかもブラックが施したロックは、なんとかハッキングして解除するか、ブラックが再度接続して動かそうと思わない限りは扉すら開かない凶悪なもの。

 ブラックマーケット側からしてみれば泣きっ面に蜂である。

 

 しかし、そんなマーケットガード側にもチャンスが訪れた。

 

『ゴゴゴゴゴ……』

「うおっとっと、新手か!」

『「ゴリアテ」!? そんなものまでブラックマーケットにあるんですか!?』

「気を付けてください! 警備用オートマタの大型モデルです!」

『ッチ! 気を付けろ、奴の回線はオフラインだ。俺からは手を出せん』

 

「やっちまえゴリアテ! そんな奴ら潰しちまえ!!」

『ゴゴゴゴゴ……!』

 

 切り札として用意していた大型のオートマタ――『ゴリアテ』が、覆面水着団の前に立ちはだかったのである。

 おそらく先回りしていたであろうマーケットガードが動かしているのだろう、後方から追いかけてきているマーケットガードが勝利を確信して叫んだ。

 

「ノノミ先輩! そっちは!?」

「う~! 無理そうです~!」

「ホシノ先輩!」

「わわわっ、こっちも無理~」

「どうすんのよコマンダー! あれマズいでしょ!? ねぇコマ、ンダー……?」

 

 この中で一番火力の出るノノミは追っ手を牽制するのに精一杯で、機動力のあるホシノもゴリアテの両腕から放たれる弾丸で足止めを食らってしまっていた。

 そんなホシノ達を消し飛ばさんと、ゴリアテの砲塔にエネルギーがチャージされていく。

 

 数秒後に訪れる結末に、先程からなにもせず動かないカケルを呼んだセリカであったが……

 

「やっぱ持ってきてよかった『右腕』。変身できないってのは厳しいなぁ!!」

『エネルギー充填100%!! 行けます先生!!』

 

 

――ヘルメットを被ったままのカケルが、力を溜めるように腰だめに拳を構えていたのである。

 

 

――その拳に黒鉄の装甲を纏って。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

――『ブラックアームガード』

 

 本来なら全身纏って戦うはずの"ブラック"、その腕部装甲にあたる『ブラックアームガード.スピード(S)』だけを装備しているのが今のカケルだ。

 そもそも"ブラックライダー"は変身する際、パーツごとに分裂して変身者にまとわりついて変身を完了させる。

 しかし、全身纏えないと戦えないというわけではもちろんなく、今回のように腕部装甲だけ持ってくるなんてことも可能なのだ。

 

 通常時なら並の弾丸は簡単に受けきってしまう"ブラック"の装甲。

 しかし、全力で運用するにはやはり「変身」することがが必要になってしまう。

 

 それもそのはず、頑丈である分それ相応に重いのがブラックの装甲だ。

 そんな装甲は、カケルとブラックの仲間である"アイツ"が所有する謎技術によって作り出され、架空の金属から名前を取った物質――『アダマンタイト』、や『ミスリル』、『ヒヒイロカネ』などなど、現代技術を鼻で笑うような超物質によって構成されている。

 

――そのためなのかは知らないが、普通の鋼鉄で"ブラック"の装甲を作った場合と比べると、その重量はおよそにして鋼鉄の2分の1という凄まじい軽量化に成功した。それでも人が纏うには重すぎるが……

 

 しかし、本来なら重くないといけないバイクをそんな材料で作ってしまえば、車体が浮いてしまって路面に噛み合わず、加速できないという意見も分かる。

 

 

――そこは「"アイツ"が創り出したものだから」ということで納得してもらおう。深く気にしてはいけない。

 

 

 それはそれとして、そんな金属で作られた"ブラック"なのだから様々な能力があるのも今まで説明してきたとおりだ。

 超加速、エネルギー放出、エネルギーシールド……様々な能力があるのだが、基本的にそれらは「変身」していないと使用ができない。

 理由として、変身した際に"ブラックライダー"の背部に接続されるリアホイール――『ホイールブースター』から供給されるエネルギー――『エナジーフォトン』が必要不可欠だからだ。

 

 並の物質以上のエネルギーを放出する『エナジーフォトン』で運用すること前提の機構であるため、まず再現しようとすると膨大な時間と資金が吹っ飛ぶだろう。

 ミレニアムサイエンススクールの「とある部活」であっても再現は難しそうだ。

 

 

――しかし、ただ単純に強力な一撃を放つことだけならば、外部からの電力供給しだいでは可能となる。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「――擬似・スピィイイイイドブレイカァアアアアアアアアア!!!!」

『!!??』

 

 こっそり持ってきていた「シッテムの箱」によるバックアップで、『スピードブレイカー』の発動準備は完了。

 

 超人じみた速度で懐へ潜りこんだカケルがくり出す強力なアッパーカットは、ゴリアテの巨大な体を十数メートルも吹き飛ばす。

 

 その威力によって地面を滑り続けていたゴリアテは、重要な回路をやられてしまったのか動きを止めた。

 

「なっ……!?」

「嘘、だろ……!? ゴリアテが、一撃で……!?」

 

 最終手段であったゴリアテが一撃で伸されてしまったことで、追っ手達の間で動揺が広がっていく。

 それはホシノ達も少しは思ったようで……

 

「うへぇ……ちょっとやり過ぎじゃない先生?」

「え!? あ、やっべ、ノリでやりすぎちまった!?」

「ん……流石にやりすぎかも……」

「と、とにかく! 追手が止まってる隙に逃げるわよ!」

「ですね! 皆さんこっちですよ~!」

「あ、あははは……あれだけ大きいロボットが一撃……」

 

 それぞれが慌てながらもその場から逃げ出したのである。

 

 こうして、覆面水着団による闇銀行襲撃、および撤退戦はひとまず終わりを告げたのであった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「ふぅ……何とか撒けたかな?」

『……周辺にマーケットガードの反応はありません。作戦完了です』

「っ~! あーっはっはっは! ざまぁ見なさい悪徳金融!」

「う、うぅっ……ほ、本当にやってしまいましたぁ……」

 

 闇銀行から数キロは離れた場所にて、「覆面水着団」であったカケル達は肩を降ろす。

 まさかまさかのぶっつけ本番の作戦であったが、大きな損害を負うことなく作戦は無事完了したことにそれぞれが大きく息を吐いて安堵していた。

 ヒフミに関してはやらかしたことの大きさに震えているが……まぁそれはどうでもいいことだろう。

 

 マーケットガードの練度は確かに高かった。

 突然の事態であっても即座に対応し、多少の粗っぽさは有りながらもカケル達を追跡し続ける。

 数的有利があったとはいえ、精鋭であるアビドスのメンバーの猛攻を受けながらも、少しずつ距離を詰めてきたのは流石の一言であった。

 

 そのための「速戦即決」である。

 相手に情報を与える前に素早くことを成して撤退する……お手本のような作戦であった。

 

 しかし、セリカはそれ以外に()()()()に不満があるようで……

 

「って、それよりも「覆面水着団」って名前どうにかなんなかったの先生!?」

「あー、いや、その、ほら! 名前の発案者はノノミちゃんであって俺じゃないし……」

「えぇっ!? どういうことなのノノミ先輩!? あれで大丈夫なの!?」

「大丈夫ですよセリカちゃん! 可愛らしい覆面に合うのは可愛らしい水着ですから~♪」

「合ってないですよ!? しかも先生は覆面が足りなかったからヘルメットになったとはいえ、指揮官役がヘルメットなのは、水着どころか覆面ですらないですよ!?」

 

 確かに、あれだけのことをしておいて「覆面水着団」とは何とも変な名前である。

 そんな風に和気あいあいと会話を続けるノノミたちの姿を見ながら、ブラックとホシノは休息をとっていた。

 

『犯罪グループにしてはずいぶんと間抜けな名前だな……』

「いいんじゃない? 青春って感じがして~。あ、それと気になることがあるんだけどブラックさ~ん?」

『なんだ? お前から質問が来るとは珍しいな小鳥遊ホシノ』

「うへ~、おじさんだって色々と気になることはあるんだよ~。それでね~……」

 

 そう言って、なにやら周りに聞かれないような声量で話し始めたホシノとブラック。

 あまりにもブラックマーケットには似合わない空気が漂っていた。

 

 そんな時、何やら気まずそうなシロコが口を開いたのである。

 

「……ん、先生。ちょっと話したいことが……」

「おろ? どったのシロコちゃん?」

「……その、これ……」

「? 書類を運ぶために使ったバッグですよね? これがどうしたんですか?」

「……ん……」

 

 そう言っておずおずとバッグを開けていくシロコ。

 ジーッという音と共に中から出てきたのは……

 

「……え? ええええっ!? さ、札束!?」

「うええええええっ!? シ、シロコ先輩、現金盗んじゃったの!?」

「う、うん……例の書類も、ちゃんとあるけど……」

 

 目を見張るような量の札束であった。

 その札束の山に、思わず驚愕するカケル達。

 本当なら例の書類だけを回収する予定だったのだが……突然の状況にパニックになった銀行員が間違えて詰めてしまったようである。

 

 目の前に鎮座する大金に、凡人なら欲に目がくらんでしまいそうだが……

 

「こ、これはどうしましょう……?」

「……ん、私も想定外……今回は書類だけ取り戻せればよかったから、これはちょっと……」

「使う……のは駄目よね、流石に……」

『はい……倫理的にもアウトですからね……』

『それは銀行を襲撃したお前たちが言うのか……?』

「うへぇ、耳が痛いねぇ……」

「ぬ、盗んだお金を使うよりも銀行襲撃の方が軽いって……世界は広いですね……」

 

 しばらく頭を捻って考えるカケル達。

 時間にして数分程度経った頃、結論が出たようである。

 

「……お、置いていこうか!」

『そうですね! 『流石に』ですもんね!』

「ん、賛成」

「で、ですね~♠」

「異議なぁし!」

「おじさんも~」

 

『…………』

「あ、あはは……と、とにかく何事もなくてよかったです……」

 

 流石に理性が「アウト」の判定を出したようだ。

 お金を盗むより銀行襲撃の方が軽い……やはり彼女達もまたキヴォトスの生徒であるようだ。

 

「それじゃそろそろ……」

「ま、待ってくれ!」

「!!」

 

 やれるだけのことはやったので早速帰ろうとした矢先に、カケル達を引き留める声が聞こえる。

 「まさか追っ手か!?」と即座に覆面やヘルメットを被る「警戒モード」へと変わったカケル達は、その声の主を見る。

 

 そこにいたのは……全身スーツ姿の頭に寿司ネタを乗せた5人組――『カイテンジャー』、そのうちの一人――『カイテンレッド』であった。

 彼女達の悪名を知っているアビドスのメンバー達、全員が一斉に警戒する。

 

「!? カ、カイテンジャー!? 指名手配犯がどうしてここへ!?」

「……何しに来たのカイテンジャー? もし戦うのなら……」

「ちょ、喧嘩売らないでよシロ、ブルー!?」

「……ノノミちゃん、先生、戦える?」

「残弾が僅かです……少しマズいかもしれません……」

『支援も届けられそうにないです……先生、どうすれば……先生?』

 

 撤退戦でほぼ使い切った状態のアビドスメンバーが、万全なカイテンジャーと戦ったところで勝つのは厳しいだろう。

 そのため、アヤネはカケルに指示を受けようとしたのだが……カケルは思いもよらぬ行動を起こした。

 

「えっ、その声……レッドちゃん?」

「!! ど、同志に声をかけてもらえた……!? う、嬉しい……!!」

「いやいや俺だ、って、そういやヘルメット被ったまんまか……よっと」

「ちょっと先生!? 顔バレたらマズ――」

「え、カケル、先生……?」

「――って知り合いかい!」

 

 セリカのツッコミにアビドスメンバーとヒフミの考えてることが一致する。

 なんでこの男はこうも予想外なことばかりしかしないのだ……そんなことを思っている間にも話は進んでいく。

 

「あー、久しぶりレッド……いやレツちゃん」

「せ、先生! わたしっ、私っ! あれからいろいろと考えてみましたっ! 私がやりたいこと、やりたかったこと、全部考えました!」

「そっか……なら君は答えを見つけられた?」

「……! はい!! 私は、困ってる人を助けられるカイテンジャーに!! 伸ばされた手を掴み取れる『ヒーロー』になりたいです!! 皆と一緒に!!」

「……よし! その心意気だ! 困ったことがあったら俺に言ってくれ! 超特急で駆けつけるからさ!」

「はい!!!」

 

「はぁ……一時はどうなるかと……」

「でも、終わり良ければそれで良しですよクーちゃん?」

「お腹すいたー! 先生ー! ご飯食べに行こうよー!」

「あ、流れ星」

 

「……なんか、良い感じに終わりそうですね?」

「……ん」

「な、なんか拍子抜けするわね……まぁ、その方がいいけど……」

「う、うへぇ……あれがヒーローモード全開の先生かぁ……」

『あ、あはは……なんというか、同じ気質みたいですね……』

『『袖振り合うも他生の縁』、人との出会いは一人でも多い方がいい。多すぎる気もするがな……』

 

 熱血バカな2人のやり取りに一気に空気が弛緩する。

 しかし時間は待ってくれないようで……。

 

『!! 追手が索敵範囲内に入りました! そろそろ移動しないと……!』

「あ、そうだった。俺ら逃げてる途中だったんだ」

『阿呆、とっとと逃げるぞ』

「皆もね~、そろそろ行くよ~」

 

 アヤネの報告の通り、追っ手が走らせているであろう装甲車のけたたましい駆動音が聞こえてきた。

 ならばさっさと逃げるに限ると、カケル達が急いで準備にかかる。

 

 その姿を見て、カケルとの会話で感動のあまり涙ぐんでいたレッドが口を開いた。

 

「……先生! 奴らは先生たちを追ってきているんだな?」

「あぁ……任せてもいいか?」

「当然!!! 同志を助けるのはヒーローとして当然だ!!!」

 

 

 

「ここは私達に任せて先に行け!!!!!」

 

 

 

「……分かった! また会おう!」

「先生!? それ死亡フラグって言わない!?」

「ん、完璧すぎて不安になるレベル」

「カイテンジャーのみなさ~ん! また会いましょ~!」

『あ、あはは……なんだか締まらないですね……』

「うへへへ、このくらいがちょうど良いんじゃないの~」

『ハァ…………』

 

 同志(?)の助けも借りて、カケル達はブラックマーケットを後にする。

 

 

 

 はるか後方で、5色のヒーローが力強くサムズアップしているのを感じながら……

 

 

 

 

 


 

 

 

「……なんか、もう、すごいですね……」

 

 

 

 頑張れヒフミ! 負けるなヒフミ!

 

 多分君もいずれはあちら側だ!







Tip!
ブラックの材質は作中の通り、大量のオーパーツで構成されているぞ!


また次回も頑張っていきますので、皆様の応援お待ちしております!
応援に関しては、「お気に入り登録する」「作品への高評価」「感想を書く」「ここ好きたくさん押してみる」「作者に直接メッセージを送ってみる」などがありますので、皆様の好きな方法で応援してください!

それでは皆様また次回~!


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