ブルーアーカイブ ~先生は「ブラックライダー」~   作:クラウディ

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やっぱり、オリジナル要素があると伸びにくい……。

だけどこっちは好きで書いてるから楽しい。

そんな感じである。

あ、「グレイテスト・シーザーサラダ」さん、☆8評価ありがとうございます
これからもこの作品をよろしくお願いします(深々ァ)





作戦開始!

「ヒャッハー! 奴らビビッて出てこないみたいだぜぇ!」

「撃ち続けろー! 弾切れがなんぼのもんじゃー!」

「くたばれ連邦生徒会ー!」

 

 普通に過ごしているのなら箱舟(キヴォトス)の外では早々聞くことはないであろう罵詈雑言を叫びながら鉛弾をばら撒く不良達。

 放たれた弾丸は四方八方へと飛び、そこら中を穴だらけにしていた。

 乗り捨てられた車はエンジン部分を撃ちぬかれ炎上し、街道沿いの店舗はガラスが粉々になっている。

 そんな戦場真っただ中で、大勢の不良生徒達は暴れていたのであった。

 

「ハッハー! 連邦生徒会長がいない今! アタイらを止めるやつは誰もいない!」

「そこに隠れてるお前らも黙って投降しろ―! そんな人数で勝てると思ってるのか―!?」

「こっちは30人以上! そっちは5人しかいない! うち一人はただの足手まとい!勝てるわけねぇんだよー!」

 

 そんな彼女らは、先ほどまで応戦していた数人の生徒と1人の大人が隠れているであろう場所に向けて叫んでいる。

 隠れているのはもちろん、連邦生徒会から派遣されたカケル達だ。

 不良達からしてみれば、たった数人でなおかつ、頭上に浮かぶ円環――"ヘイロー"を持たないカケルという足手まといを連れている彼女達の姿は、自分達よりも圧倒的に劣る"弱者"に見えたのだろう。

 

「ヒャッハー! 穴だらけになっちまえ! 間抜けども――」

 

 それが完全な見当違いだと知らずに……。

 

――ゴシャァッ!!

 

「ちょいとごめんよ!」

「ぐはぁっ!?」

 

 調子に乗っていた不良の顔面に、高速で何かがめり込んだ。

 思わず不良の半数の目がその場に集まった。

 

 不良の顔にめり込んだ"それ"を投げたのは、彼らが足手まといだと決めつけていたカケルである。

 彼はいつの間にか建物の陰から出ていて、何かを投げつけたような体勢となっていた。

 

「てめ――!?」

 

 そんなカケルに怒声を上げようとしたが、瞬間、その場を閃光が埋め尽くしたのである。

 

「ぐあっ!? な、何も見えねぇ!?」

「目がぁ、目がぁ……!」

 

 目を潰すほどの閃光を発したのは、先程カケルが投げた物体――"スタングレネード"。

建物の陰から大胆に体を出して、大きく振りかぶって全力で投げたものだ。

 その影響で不良の半数が目を抑えて動けなくなり、その隙にカケルは駆けだした。

 

「クソッ、このやろ――!?」

「手を出させるわけないでしょ!」

 

 そんなカケルに向かって銃の引き金を引こうとした不良が、カケルが飛び出した建物の陰から身を乗り出した少女――"ユウカ"の愛銃――"ロジック&リーズン"によって撃ち出された弾丸で額を撃ちぬかれ気絶する。

 出会って半日も経ってないとは思えない見事な連携だ。

 いきなりの反撃に、先程まで勢いづいていた不良達の間に動揺が広がっていく。

 

「なんだこいつ!? 銃持ってないのに突っ込んできやがった!?」

「構わねぇ! どうせ丸腰なんだ! 一発でも当たればお陀仏なんだよ!」

 

 動揺する不良を一喝する、おそらくリーダー格であろう不良。

 おそらくこういった状況への耐性は出来ているのであろう。

 彼女は愛銃を構えて前進してくるカケルに向かってワンマガジンにある弾丸すべてをばら撒いていく。

 

 しかし、

 

「甘ぇ!」

「な!? よけやがったぞこいつ!?」

 

 寸でのところで左右に揺れ動き、時には跳躍し、空中で身をひるがえして弾丸を回避するという、人外じみた動きを見せるカケルによって回避されてしまった。

 流石のリーダー格であってもここまでの動きは予想外であったようだ。

 

 そんな彼女らを置き去りに、戦況は大きく動いていく。

 

「ユウカちゃん! 動けないやつらを頼む!」

「分かりました先生!」

「ハスミちゃん! 今俺を撃ってきたやつらがリーダー格だ!」

「了解しました」

「スズミちゃん! もう1個閃光弾をくれ!」

「はい!」

「チナツちゃんはまだ待機! おそらくこれだけじゃないはずだ!」

「了解です。先生」

 

 弾丸の雨の中を全く恐れず前進しながら、カケルは後方の生徒たちに指示を出していく。

 ユウカは自身が保有する電磁シールドを盾に、いまだ視力の回復ができていない生徒の無力化に向かい、ハスミは狙撃手として後方からリーダー格を無力化していく。

 スズミは携帯していた閃光弾――"スタングレネード"をカケルへと投げ渡し、このメンバーの中で唯一の回復役であるチナツは指示に従い待機していた。

 

 これが結成して間もないチームだとは誰も思うまい。

 

 キヴォトスにいる生徒達ならまだしも、そこに外から来たカケルを入れての作戦など、失敗すると思うのが大半だ。

 だが、この計画の主軸であるのは、一番キヴォトス(ここ)のことを知らないカケルであった。

 

 話は2分程度前にさかのぼる。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「とりあえず、まずは俺が突っ込む。んで、その次ユウカちゃん。ハスミちゃんがその後ろで、スズミちゃんとチナツちゃんは最後方で援助を頼む」

「ちょ! 流石に危ないですよ先生! いくらブラックさんがいるとはいえ、流れ弾が当たったりしたら……!」

「ダイジョブダイジョブ。これでも崖から落ちた時だってピンピンしてたからさ」

「それとこれとは話が違います!」

 

 作戦立案をカケルに任せたユウカ達であったが、早速ぶっ飛んだ作戦を聞かされて抗議が上がる。

 

 当たり前だ。キヴォトスの外の人間がここにいるということは、防弾チョッキなどというものを全く装備せずに戦場で散歩しているようなものなのだ。誰だって止めるだろう。

 そんなユウカに仕方がないとカケルは理由について話し始めた。

 

「とりあえず、俺が理由を話すよ。互いのことを知ってないとチームワークなんて作れたもんじゃないからね」

「理由って、そこまで自信満々に言える理由があるんですか……?」

「あるよ。んー、簡単に言ってしまえば、俺は特撮によくある"改造人間"なんだ」

「「「「…………」」」」

「あ、信じてないな皆。いやぁ、信じろと言われて信じれるような情報じゃないのは分かるけどさぁ……」

 

 ユウカ達の変人を見るような目にカケルは苦笑いを返す。

 実際、出会って数時間で「自分は改造人間だ!」と言われても信じることはできないだろう。

 

「まぁ、とりあえずそういうことを信用してもらうために、ここに一本の鉄の棒があります。これを曲げて見せましょう」

「あの、先生。それどこから取ってきたんですか?」

「そこらの車からもぎ取ってきた」

「えぇ……」

 

 サラッと人外じみた発言をしてくるカケルに困惑するスズミ。

 いくらここが相当治安の悪いキヴォトスと言えども、そこら辺で拾ってきたという感じに車から鉄棒をもぎ取らないだろう。

 ちなみに、これは後々にカケルの宴会芸となるのは別の話である。

 哀れ、これから先もぎ取られる車……。

 

「これを、ホイっと」

 

――ギギギギギギギッ!

 

「ほ、本当に曲がった……」

「信じがたいですね……ここ出身ではないのに腕力でフレームが曲げられるとは……」

「ま、意識して出さなきゃここまで力が出ないようにはしてるよ。昔は蛇口とかドアノブとか握りつぶしてたからなぁ……大家さんに怒られてたよ……改造人間も楽じゃないよってね……」

「……苦労なさったんですね先生……」

 

 悲壮感を漂わせながら過去の思い出を掘り返すカケル。

 それを見て憐みの目を向けるハスミ達。

 そんな状況を吹き飛ばすBGM代わりの弾丸の雨。

 場はカオスであった。

 

「ま、これで信用はしてもらえたかな?」

「……危険であるのには変わりません。でも、それでも行くんですね?」

「おう。それが俺のやり方で"生き方"だからね」

「……はぁ、分かりました。私は先生が戦線へと出るのに賛成します。皆さんはどうですか?」

「わ、私も賛成させてもらうわ! この人は放っておいたら怪我しそうですし!」

「私も賛成します。守るべき対象を戦線に出してしまうのはいけませんが、力のある"仲間"を押し込めておくのは愚策ですから」

「私も同意します。後方支援は任せてください」

「ありがとう皆!」

 

 全員から戦線へ出ることの許可をもらったカケルは笑みを返す。

 しかし、すぐさま気を引き締めて作戦を立て始めた。

 

「まず皆の出来ることを聞いていこうと思う。まずユウカちゃん」

「はい! 私はミレニアムサイエンススクール、セミナー……生徒会所属の会計担当です!」

「ふむふむ……これが終わったら調べておくよ。所持武装は?」

「現在所持している武装は銃を除けば電磁シールドしかありませんが……」

「なるほど電磁シールド……なぁユウカちゃん。最前線に立つ覚悟はあるかい?」

「はい!」

「オッケー。なら俺と一緒に先陣突っ切ろう。次ハスミちゃん」

「はい。私はトリニティ総合学園、正義実現委員会所属、副委員長です」

「なるほど副委員長。正義実現委員会って?」

「正義実現委員会は、主に学園内の校則違反を取り締まることを活動内容としています。これでもそれなりの場数は踏んでいます」

「なるほどね。持っている武器とさっきまでの対応からバトルポジションは狙撃手(スナイパー)だと思ってるけど?」

「はい。腕は信じてもらって構いません」

「分かった。リーダー格をあぶりだすからそいつの無力化を頼むよ。次チナツちゃん」

「はい。私はゲヘナ学園の風紀委員会所属です。学園ではそれなりの地位についています」

「機会があったら行ってみるよ。武装は?」

「……銃を除けばほぼ丸腰です。強いて言うなら即効性の治療薬しか……」

「いや、問題ないよ。俺とユウカちゃんとかが怪我したときに支援してくれたらありがたいよ。今は回復役がいるのは相当ありがたい。次、スズミちゃん」

「はい。ハスミさんと同じくトリニティ総合学園、所属は……一応トリニティ自警団です」

「一応の部分には触れないようにしておくよ。武装は?」

「MCXと閃光弾……スタングレネードがあります」

「お、スタングレネードは何個ある?」

「4つほど」

「それなら1個渡してくれ。初っ端に俺がこれを投げるから、その後に皆はさっき指示したとおりに頼む。追加の指示はその時に」

「「「「了解!」」」」

「そんじゃ、行くぞ!」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「うわぁ!? こいつらとつぜ――がふっ!」

「畜生! 畜生! ちくしょ――げほっ!」

 

 そうして即興で構築された作戦によって、不良達の布陣は瓦解し始めたのである。

 

「先生っ! ちょっと先行し過ぎです!」

「おっと! すまんねユウカちゃん!」

 

 掛け合いをしつつ、互いの役割を全うするカケルとユウカ。

 

「ひ、ひいぃ! に、逃げ――あがっ!」

「逃がしません」

「おとなしくしてください!」

 

 リーダー格が倒れたことで士気を失い、逃げ出した不良を的確に撃ちぬき無力化するハスミとスズミ。

 

「ユウカさんの被弾が多い……今ですね」

 

 場が開けたことで状況を読みやすくなったチナツは前線の二人に支援をする。

 人数は少なくとも早々には崩れない布陣が完成したのであった。







Tip!
改造人間なのは割と前の話でぼそっと語られたぞ!



※後書き※
こんな作品にも評価が付くことにややびっくりしつつ、なんだかんだ需要はあるんだと気力がわきました。
感想くれくれマシーンと言われるのは嫌ですが、多分、ほとんどの作者が感想をもらえることがうれしいはずです。
と、いうわけで、皆様の感想をお待ちしています(深々ァ)

それでは皆様、また次回~


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