ブルーアーカイブ ~先生は「ブラックライダー」~   作:クラウディ

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本日2度目の更新~。

好きなの書くって楽しいですね。

あ、「伝説の超三毛猫」さん、☆8評価ありがとうございます。
これからも頑張っていきますので、何卒応援よろしくお願いします(深々ァ)

そんな感じで本編どうぞ。





変身! ブラックライダー!

「なんだか、いつもより戦闘がやりやすかった気がします……」

「……やっぱり、そうよね?」

「先生の指揮のおかげで、普段よりずっと戦いやすかったです」

 

 巧みな連携によってここまでほぼ被害はゼロで抑えられたカケル達。

 スズミ達の惜しみない称賛に少し照れたようにしながらも、カケルはすぐさま意識を切り替えた。

 

「お褒めの言葉ありがとう。だけど今は急ぐことが優先だ」

「そうですね先生。ここまでで被害は格段に少なく、こちらの損失は最小限に抑えられましたが……」

 

 そこまで言って、続きを言いよどむチナツ。

 その理由は……。

 

『…………』

「なになに……『今戦った相手はおそらく陽動。本隊は別に存在してるはずだ』って? いやまぁ、あんだけあっさり終わったらそうなってるよなぁ……」

 

 そう、さっきまでの戦闘がかなりあっさりと終わったことだ。

 いくらこちらが精鋭中の精鋭と言ってもここまで被害がないのは逆に珍しい。

 だからこそ、ブラックに頼んで探査範囲を広げてもらったところ、シャーレ付近にさらに大勢の不良達がいるのが判明したのだ。

 

「なら猶更早く行きましょう。相手がシャーレを壊す前に」

「オッケーだチナツちゃん。みんなも疲れはないよな?」

「は、はい! 私は大丈夫で……!」

「おっとっと……大丈夫かユウカちゃん?」

「あ、は、はいっ! ちょっとふらっとしただけで……」

 

 そこまでユウカが言いかけてフラッと体から力が抜ける。

 すぐさまカケルが抱き留めるが、ユウカの様子からして相当な疲労があるのだろう。

それも仕方ない。そもそも彼女はデスクワーク専門。そして後方支援に徹していたハスミやスズミ、チナツと違って相手の捕縛のために大きく動いていた。疲れていても仕方がないだろう。

 しかし、カケルに抱き止められたユウカの顔はまんざらでもないようだ。

 

「うーん……ここに置いていくことはできないから……ユウカちゃんがよければブラックに乗るかい? 流石にブラックに乗ってない俺は機動力がほぼ無いから相乗りって形になるけど……」

「え!? い、いいんですか!?」

「お、おう。さっきはブラックから提案されてたから、ユウカちゃんがよければだけど……」

「よ、よろしくお願いします!」

「えぇ……」

 

 カケルの「相乗りするのか?」という提案にユウカは食い気味に答えた。

 そんな態度に若干引き気味のチナツ達の姿があるのは言うまでもない。

 

「そんじゃブラック、二人乗りさせてもらうぞ~」

「よ、よろしくお願いします。ブラックさん……」

『…………』

 

 そうして二人は断りを入れてブラックにまたがった。

 そんなブラックは、ユウカのある意味ではあからさまな態度に気づかない主人に対し、呆れたかのように低く長いエンジン音を出したのである。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

『今、この騒ぎを起こした生徒の正体が判明しました』

「続けて、リンちゃん」

 

 シャーレへと進むカケル達の下へ、別行動をしているリンから連絡が届く。

 その内容は、今回彼らがここまで苦労している原因となる主犯格が判明した、ということだ。

 ハンドルが車体に埋め込まれているという特徴的なブラックのハンドルを握りながら、カケルはその言葉に耳を傾ける。

 

『ワカモ。百鬼夜行連合学院で停学になった後、矯正局を脱獄した生徒です。似たような前科がいくつもある危険な人物なので、気を付けてください』

「百鬼夜行学院……また新しい単語だ。あとで調べないと……おっと、お客さんみたいだ。皆! 準備はいいか!」

「「「「はい!」」」」

 

 リンの話を聞きながら敵へと接近しているのを確認したカケルの号令を合図に、全員が自身のポジションへと移動する。

 

「なっ!? あいつらどうやって来やがった!?」

「生憎、道中のやつらは伸させてもらった! 押し通らせてもらう!」

「撃て撃て! 近づけさせるな!」

 

 ブラックにまたがりながら高速で近づいてくるカケルを視認した不良達は焦りながら銃を乱射する。

 しかし……

 

「ブラック! フロントシールド展開!」

『OK! Front shield on!』

「え!? そういう時はしゃべるんですか!?」

「これに関しては気にしないでくれ!」

「すごい気になるんですけど!?」

 

 カケルの指示によってブラックが車体の前面にある装甲を展開することで弾丸を防いだ。

 なんでかそういう時に限って喋ったブラックにユウカのツッコミが飛んだのだが、それに関しては気にするなとカケルが言った。

 

「な、なんだあのバイク!?」

「こっちに突っ込んでくるぞ!?」

「すまんね君達ぃ! ライダァアアアアアアアブレェエエエエエエエエク!!」

「「「ぎゃああああああああああああああああああ!!??」」」

 

 そのままスピードを落とさず不良達の群れにライダー○レイクした(突っ込んだ)ブラックとカケル。

 先程までの戦いで相手がこの程度では死なないのが分かったとはいえ、ひき逃げを意図してやるあたり、やはり彼らもこの短い時間で染まってきたのだろう。

 悲しきかな。先生になることを嫌がってた彼はもういなくなったのだ……。

 

「勝手に突っ込まないでください先生!」

「朱に交われば赤くなるとは言いますが……」

「……ゲヘナでも十分にやって行けそうですね」

「ハァ……後でお説教をしなければ……」

「なっ、てめぇら――がっ!?」

 

 そんな姿を唖然として見つめる不良達だったが、背後から響いた声でハッとする。

 しかし、それより先に動いていたユウカ達によって鎮圧されてしまった。

 

「く、くっそぉ……! こんな奴らにぃ……!」

「脇見注意だぞ!」

「なっ――ぐはっ!」

「あ、姉貴! てめぇ!よくも――ぐほっ!」

『…………!』

 

 そんなユウカ達に銃口を向けようとした不良もいたが、土煙から飛び出したカケルによって殴り倒され、それに気づいた者もこれまた土煙から飛び出したブラックに跳ね飛ばされる。

 カケルが思いついた、自分で考えて自分で動けるブラックとの連携だ。ユウカ達よりも長い付き合いの二人だからこそできる阿吽の呼吸である。

 

 そうして段々と不良が鎮圧されていくが……ある存在の登場で場の雰囲気が一気に変わったのである。

 

「あらあら。連邦生徒会の子犬が現れましたか。お可愛らしいこと」

「あ、姉御! 助けてください! あいつらが……!」

「そう大きな声で騒がなくても聞こえますよ」

 

 狐の耳と面に、和服のような黒い制服を纏う少女。そして不良達が姉御と慕う者。

 ここでカケルは確信した。彼女が"ワカモ"だと。

 

「総員警戒! 主犯格が現れたぞ!」

「あら? あらあらあら? ここの者ではないものが一人……それも大人ですか……。でも、警戒に越したことはないようですね。総員、構え」

 

 互いに脅威は知っている。なら、後はどっちが勝つかだ。

 そんな2人の言葉を合図に今まで圧倒的に押していた状況が変わり始める。

 

「うわっ! 危ないじゃない!」

「っ! 流石に数的不利はありますか……!」

「先生! スタングレネードと弾薬が尽きかけてます!」

「治療薬もあとわずかです……!」

 

 先程までの前哨部隊と違い、こちらは正真正銘の本隊だ。

 ユウカ達から不利な報告が相次ぐ。このままでは全滅してしまうだろう。

 だが……

 

「おらぁああああああああああ!!」

「ぐあぁああああああああああああああああああ!!??」

「お前ら落ち着け! こんな丸腰のやつ一人くらい私達にとっちゃ――がはぁっ!」

『…………!』

 

 誰よりも最前線に出て、不良達相手に大立ち回りを演じているカケルとブラックがいなければの話だ。

 

「ユウカちゃん! 電磁シールドのバッテリーはブラックに作らせた! それを使ってくれ!」

「は、はい!」

「ハスミちゃん! 敵の注意は俺とブラックで引きつける! 君は安心して相手を潰してくれ!」

「! はい!」

「スズミちゃんとチナツちゃん! 君達の支援感謝する! ブラックの中に即席で作った支援物資がある! それでしばらくは持たせてくれ!」

「「はい!」」

 

 カケルが不良全員の注意をひきつけている間に、一気に後方へと下がったブラックが装甲をずらして内部にあった物資を全員に渡す。

 それにより戦線に復帰したユウカとハスミが敵を仕留めていき、スズミとチナツが支援をする。

 寄せ集めの不良達と比べて、結束力の高い彼らに戦況の軍配は上がった。

 

 そんな戦場を見たワカモは思考し、答えを出した。

 

「ふむ……やはりこの程度じゃこうなりますか。それではここはあなた達に任せましたよ」

「えっ!? どこ行くんですか姉御!?」

 

 この場を不良に任せ、ワカモはどこかへと走り去っていく。

 そのことに不良達の間で動揺が広がり、統制が乱れていった。

 それを見ていたユウカは、敵の大将が逃げようとしたことに怒りをあらわにする。

 

「ちょ、逃げるんじゃないわよ!」

「落ち着けユウカちゃん! 確かに敵を仕留めるのは仕事の内だが、俺達はあくまでシャーレに行くことが目的だ! 今は抑えてくれ!」

「くっ、分かりました……」

 

 感情のままに追いかけようとしたユウカを、同じく最前線にいたカケルが抑える。

 確かに、相手の司令塔を逃すのは大きな痛手だ。

 しかし、カケル達の目的はあくまでシャーレに到着し、奪還すること。

 ゆえに、ユウカは怒りを抑えて不良達の鎮圧にかかった。

 

 このままあとは消化試合に入る……と言ったところで、またしても状況が変わった。

 

――キュラキュラキュラキュラ!

 

「この音……まさか……!?」

「やっぱ来るよな……! 秘密兵器……!」

 

 建物の陰から現れたのは、カーキ色の装甲をした"戦車"である。

 

「クルセイダー1型……! 私の学園の制式戦車と同じ型です!」

「戦車が制式とかツッコミどころあるけど、とりあえずは皆下がれ! ユウカちゃんは電磁シールドを……!」

「無理です先生! 流石に私が持ってる電磁シールドでは戦車の砲弾を防げません!」

「だよなぁ! ってやっべ――!」

 

 そんな会話をしている間にも、戦車の砲塔はカケル達の方へと向き、次の瞬間には砲弾が発射されてもおかしくない状況だった。

 

「皆、逃げ――」

 

 咄嗟にユウカを突き飛ばして避難させたカケルの警告が飛ぶ前に、砲塔から砲弾が吐き出される――!

 

 

 

 

 

――前に、先程まで沈黙を保っていた存在が動き出した。

 

ドルルンッ! ドルルンッ!

『OK! Axel booster!』

 

 ブラックの車体に入るラインが赤く染まり、次の瞬間、ブラックが高速で動き出した。

 周りの動きが鈍い……それどころか全体にスローモーションがかかったような世界で、たった一台が加速する。

 そのままカケルと砲弾の間に割り込んだブラックは赤いラインを消して、加速するのを止めた。

 

 途端に動き始める世界。

 

「――ろぉ!?」

 

 砲弾に直撃したことで吹き飛ばされたブラックもろともカケルが吹き飛び空中でキリモミする。

 十数メートル先まで吹き飛ばされて勢いが止まった。

 

「いっつつ……やるならやるって言ってくれよブラック!」

『…………』

「言ってたら間に合わなかったって? そりゃそうだけどさぁ……って、言ってる暇なかったな!」

「先生! 回避してください!」

 

 なんとか助かったユウカの声が飛んだが、それよりも先に戦車が動き始める。

 今度こそカケルを仕留めるつもりだ。

 しかし、今度のカケルに焦りはなかった。

 

「相手が秘密兵器を切ったなら、こっちも秘密兵器を切るぞブラック!!」

『OK! Revolution TIME!』

 

 ブラックから発せられる機械音と共にブラックがウィリーし、車体が真っ二つに割れて変形した。

 

「え!?」

「まさかとは思いましたが!」

「本当に"変身"するんですか!?」

「これは、さすがの私も……!」

 

 その場にいる全員の驚愕を受けながら、カケルとブラックは"変身"していく。

 サスペンション部分の装甲が腕に覆い被さり、フロントホイールが左腕の甲にスライドする。

 タンクやシートを内包する車体は胴体部を覆い、後輪のサスペンションは脚部を覆って、リアホイールは背中へと移動した。

 そして、ヘッドはカケルの顔と重なり、ヘッドライトは全てを見通す"目"となった。

 

 そして現れたのは盾を持つ黒い装甲の戦士。

 

 その名は――!

 

『BLACK RIDER!!』

「俺の名はカケル!!またの名を――

 

 

 

 

 

ブラックライダー!!!」

 

 

 

 それはまさしく、方舟に英雄が現れた瞬間であった







Tip!
遠山カケルは改造人間である。
ブラックはそんな改造人間であるカケルのために作られた可変式自己進化兵器「…………」である。


今回も読了していただき、ありがとうございます。
今回ついに、感想をいただくことができました。
本当にありがとうございます(深々ァ)

また明日も頑張っていきますので、皆様の応援お待ちしております。
応援に関しては、「お気に入り登録する」「作品への高評価」「感想を書く」「ここ好きたくさん押してみる」「作者に直接メッセージを送ってみる」などがありますので、皆様の好きな方法で応援してください。

それでは皆様また次回~


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