ブルーアーカイブ ~先生は「ブラックライダー」~ 作:クラウディ
皆さんどうもクラウディです!
今回はようやく! 前から言っていた『彼』の登場回です!!
頑張った……! 頑張ったぞー……!
これで本当に本当のアビドス最終決戦が始まります!!
今回も「伝説の超三毛猫」さん、「カンジロウ」さんから感想をもらっています!
本当にいつもありがとうございます!!
それでは本編どうぞ!!
……アビドス郊外の砂漠、夜明け前。
『――――――――!!』
「クッソ、連戦かよ!! のわぁッ!!??」
『ドクター』との戦闘を終わらせ、あとは帰るだけとなったタイミングで大地を割って出現した、クジラとヘビを足して2で割ったような巨大な機械が放つ、極大のビームを紙一重で回避するカケル。
いくら混乱していたとしても、その持ち前の勘は鈍っていないようで、即座に回避行動にとれた。
そのおかげか、ビームが通り過ぎた大地は焼けただれており、まともに食らえば軽傷では済まないことを物語っている。
「いきなりどうしてこんな奴が!?」そう思っても仕方ない状況の中、目の前の巨大な存在とは別の方向から声が聞こえてきた。
「ゲホッゲホッ!! そ、その機械構造体の名は『ビナー』……このキヴォトスに眠っているとされる10体の『預言者』……その1体であり、いまだ謎多き存在です……今のあなた達にとっては強敵以外の何物でもないでしょう……」
「喋らない方が良いですよ『ドクター』。あなたの傷は想像以上に深いのですから」
「ッ!! 『黒服』ッ!!! やっぱりお前だったか!!!」
声が聞こえた方向に目を向けてみれば、『ドクター』が黒ずくめの人物――『黒服』に担がれていた。
『ドクター』は全身を縛られていたため、仕方なく米俵のように担がれている彼の姿は些か抜けているように見える。
「私達もここにいては巻き込まれてしまいます。遠山カケル先生、それでは――」
「あぁ……拘束は解いてくれないのですね……」
「待ちやがれ……!!」
簀巻きにされた『ドクター』を担いでその場を去っていく『黒服』は、突如現れた霧によって姿を消す。
身動きの取れない状態のまま運ばれていく間抜けな『ドクター』の姿とは裏腹に、カケル達は追い詰められていた。
「っ、くっそ……! 体が……!」
『これ以上は無茶だ! お前の体が持たん!』
「うっ……なんでこのタイミングで……!」
「もう、物資も底を尽きかけています……!」
「大ピンチ……!」
「ですね……!」
「これは……ちょっとまずいかもね……!」
ただでさえ、『ドクター』と真正面から殴り合ったことでダメージを負っているカケルは言わずもがな、ホシノ達も疲労がピークに達している。
「詰み」……そんな言葉が脳裏によぎってしまった。
だが、そう思ってしまうほどに状況は最悪である。
『――――――――』
「こんなところで……止まれるかよ……!!」
今もカケル達に狙いを定めて、凄まじい熱量の光線を放とうとしている機械構造体――『ビナー』。
それに向かって最後まで抵抗の光を瞳に宿したまま、カケル達は光に飲まれて行く――
『アッサールト!!』
――その前に光を遮るようにして、『巨大な影』がカケル達を覆ったのである。
……ビナー出現地点から数キロメートル先にて。
「がふっ……ッ……! はぁ……助かりましたよ、『黒服』……あなたが回収してくれなければどうなっていたことか……」
「……予定を大きく外れた行動はしすぎないように、と言いましたが?」
「あははっ、これは手厳しい」
突如現れた霧から姿を現したのは『ドクター』と『黒服』であった。
あの場から回収してくれたことに感謝を告げる『ドクター』だったが、『黒服』はその雰囲気を明らかに怒っているかのようなものに変え、『ドクター』に冷たいまなざしのようなものを向ける。
実際、今回の行動はほぼ『ドクター』が
カケル達の前に出てきたこともそうだが、その他にも様々な場面で『ドクター』が「アドリブ」を
本来であれば『黒服』の立てたスマートな計画の通りに行くはずだったのに……そう言ったこともあって、今の『黒服』は少しばかり冷たいのである。
そんな『黒服』だが、先程まで自分達がいた地点……カケル達がいる場所の方向を見つめながら、ドクターへと問いかけた。
「……『ドクター』……彼らは『預言者』に勝てますかね?」
「いきなりですね『黒服』。もちろん勝てますよ。なにせ彼は『
「……あなたの『英雄崇拝』は何度も聞かされましたので結構です。私は合理的な話を聞いているんですよ」
「あぁ……そういう……まぁ、たとえ万全の状態でも『ブラックライダー』のままなら難しいでしょう。『
「……意外ですね、あなたのことですから『彼』は絶対に負けることはないとでも言いそうでしたが……」
『黒服』の質問に、自身を縛っていた拘束具を解きながら、『ドクター』は軽い調子で答える。
『英雄崇拝』……俗に言うなら『ヒーローオタク』である『ドクター』が難しいというほどなのだ。
キヴォトスに眠る10体の機械構造体――『預言者』。
それらを構成する技術は失われてもう何年と経ったのかすら定かではない『
そんな規格外の存在である『ビナー』を、満身創痍な自身の『推し』にぶつけているというのに、この男はあっけらかんと答えた。
「……あなたの計画では、彼が生き残らなければならないのでは?」
「えぇそうですとも。様々な苦難を乗り越えた先で、彼がもたらす結末を見たい……というのが私の『計画』。まぁ、彼がこんなところで終わるとは思っていませんし、なにより――」
――その時、光が空を穿った。
光が放たれた場所は、カケル達がいた場所からだ。
その光は絶望を叩きつけるかのように強力な力を秘めているのが遠目からでも分かる。
だが、少し違和感があった。
なぜ、
「あれが『ビナー』の「光」……ですが――」
「えぇそうです。本来なら
「……! まさか……!」
「時に『黒服』――」
「――あなたは巨大人型ロボットについてどう思いますか?」
その瞬間、遠くで巨人が立ち上がる音がした。
「…………あれ? なんとも、ない……?」
そう真っ先に呟いたのはセリカであった。
目も開けていられなくなるほどの光線が視界全てを覆いつくし、一巻の終わりかと思っていたセリカであったが、何ともないことを自覚すると思わず呟いたのである。
「み、皆さんは大丈夫ですか……?」
「ア、アヤネちゃん! そっちの方は大丈夫?」
「はい、特に怪我もありませんが……ホシノ先輩達は大丈夫でしょうか?」
「うへぇ……なんとかねぇ……」
「ん、一応無事みたい」
「私もですよ~」
すぐそばでは光を直視しないように腕で目を隠していたアヤネがおり、シロコやノノミ、ホシノ達も無事なことが確認できた。
「よかった……あ、先生! 先生は大丈夫で……す、か……?」
「こ、こっちも大丈夫だ……って、どうしたんだアヤネちゃん……? そんな陸に打ち上げられた魚みたいな顔して……」
「いや、えっと、その……」
そして、一番ダメージの酷かったカケルへと駆け寄ったアヤネであったが、この時にあることに気づいてしまう。
「自分達が立っていたところはこんなに暗かったのか?」、「今は夜明け前とはいえそれなりの明かるさがあったはず……」そんな疑問と共に空を見上げて……アヤネは絶句した。
「え、アヤネちゃん、どうした……の……?」
「ん? …………!?」
「な、なんですかこれ……?」
「お、おっきぃ……」
絶句したアヤネの様子に釣られて空を見上げたホシノ達も、続けて絶句する。
そこには絶望を振りまいていた『ビナー』……ではなく――
『オォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ……』
見上げるほどに高い、凄まじく巨大な――
『アサルト!! 現場ニ到着シタ!!!』
――ロボットが立っていたのである。
「「え、え、えぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!???」」
『ウワッ!! イキナリ大キナ声ヲ出サナイデ!!! ビックリスル!!!』
「「ご、ごめんなさい……」」
いきなりの巨大な存在に絶叫するセリカとアヤネの声に、妙に人間味のある対応をする巨人。
「いや、声が大きいのはあなたです」と言いたかったが実際叫んでしまったのはこっちが悪いので、もう頭がどうにかなりそうだった。
「いや、でも、その、え、えぇ!!??」
「ブラックマーケットで見た建物の何倍も大きい……!?」
「す、推定60メートル……いやそれ以上は絶対にあります!! な、何なんですかこれ!?」
『ム!!! "コレ"ッテ言ワナイデ!!! アサルトニハ『アサルト』ッテ名前ガアル!!!!』
「あ、す、すみません……」
そう言って自慢げに名乗りを上げる巨大なロボット――『アサルト』の姿にただでさえ状況の急変についていけない脳がショート寸前になる。
そんな中でもマイペースなノノミは『アサルト』へと声をかけた。
「わぁ……とっても大きいんですね!! 初めまして『アサルト』さん!! 私、十六夜ノノミって言います!!」
『ノノミ!! マスターカラ聞イテル!!! 可愛クテ強イ子ダッテ!!!!』
「うへぇ、もしかしてあなたがブラックさんの言ってた秘密兵器ってこと?」
『ウン!!! アナタノコトモ知ッテルヨ、ホシノ!!! アサルト、『マスター』ト『ブラック兄チャン』カラ「助ケテ!!」ッテ言ワレタカラ走ッテキタンダ!!!』
「走ってきたんだ……シャーレから……うへぇ……」
そこまで聞いて、ホシノは遠い目をする。
この純粋そうなロボットが走ってきた……言葉通りに受け取るなら、このゴリアテなんかの比ではない巨大さを誇るロボットが走ってきたというのだ。
きっと、何百個という家具が壊れたことだろう……憐れ、被害にあった方々。
実際、『出現!! 正体不明の巨大ロボット!?』という見出しで翌日の週刊誌の紙面を飾るのだが……今は知らなくてもいいことである。
「ったく、遅いぞ『アサルト』! いててて……」
『想定外のことは何度もあったが、まぁ計画通りではあるな』
全身に走る痛みをこらえながらも、カケルは嬉しそうに『アサルト』へ声をかけ、『ブラック』も先程の焦りは無くなっていた。
そう、この巨大ロボットこそが、カケル達の仲間の一人であり、今回の『ビナー』のような巨大な敵に対抗するための秘密兵器――
『アサルト、久シブリノ出番ダカラ「全力」デガンバルゾー!!!!!!』
――巨大人型決戦兵器『"アサルト"』である。
『――――――――!!』
『ム!! モウ起キ上ガッタノカ!!』
「え、ちょっと『アサルト』さん!?」
『大丈夫!! アサルト、チョットヤソットジャ――!!!』
「アサルトさーん!!??」
『アサルト』の気合を入れた掛け声と共に、殴り飛ばされていたビナーが体勢を戻し、再度光線を放つ構えを取る。
今度の狙いは、新しい脅威である『アサルト』へ向けられていた。
それに対し、『アサルト』は堂々と「仁王立ち」をして光線が放たれるのを待つ。
地面を容易く焼けただれさせるような光線を前にして、無謀すぎる行動をとった『アサルト』に、アヤネは思わず叫んでしまった。
だがしかし、そんな彼女を安心させようと『アサルト』はサムズアップをしようとするが、その途中で光線を放たれてしまう。
光線をもろにくらってしまった『アサルト』の姿に悲鳴を上げるアヤネだったが、光線が収まっていくとともにすさまじいものを目にした。
「……い、今のを食らって無傷なんですか……!?」
『――アサルト、コノ程度ノ攻撃ジャ、ビクトモシナイ!!!』
『――――――――!!??』
――『ビナー』の光線を真正面から受けたというのに、傷一つ付いていない『アサルト』の姿である。
『今度ハ、コッチノ番ダ!!!!』
『――――――――!!??』
『ビナー』ですら思わず驚いている間に、その場から一歩で踏み切った『アサルト』は、ビナーですら見上げるほどに大きく飛び上がり、その剛腕を叩きつける。
巨大な質量がブースターで推進力を得つつ、重力に引かれるのも相まってその一撃は大地を揺らす。
『ビナー』の装甲が大きくひしゃげ、地面にめり込んだ。
『ドウダ!!! 蛇ナノカ鯨ナノカ、ヨクワカラナイ奴メ!!! 『蒲焼キ』ニシテ、アイテッ!!??』
『――――!!』
『ヌゥ……!! 怒ッタミタイダナ……!!!』
しかし、『ビナー』とてやられっぱなしは性に合わない。
大きく尾を振り回し、『アサルト』を大きく後退させる。
ダメージはないようだが、距離を取られてしまった。
『――――!!』
『グォッ!!?? 飛ビ道具ハ卑怯ダゾ!!!!』
それを確認した『ビナー』は、背中にある発射口からミサイルを連続で放ち、『アサルト』を近づけさせないようにする。
それに対し、『アサルト』は自信を守るように腕を前にもってきて防御の構えを取るしかできない。
動く要塞のようながっしりとした見た目の『アサルト』だが、実は遠距離攻撃手段をほとんど持っていないという欠点がある。
その巨大な体を動かすエネルギーを飛ばす、「エネルギー砲」なども使えると言えば使えるのだが、それは『
意気揚々と加勢には来たが、遠距離攻撃の手段がないことを悟られてしまった『アサルト』は、強力な遠距離攻撃を多数持っている『ビナー』との相性がすこぶる悪いことが判明してしまった。
『――――!!』
「!! 『ビナー』、エネルギーチャージの段階に入りました!! あと1分もしないうちに発射されてしまいます!!」
そしてミサイルを乱れ撃ちながらも、『ビナー』は口にエネルギーを溜め、先程の光線をカケル達に向かって放とうとする。
アサルトが壁になってくれれば凌ぐことはできるだろうが、今はミサイルで釘づけにされ庇うことができない。
このままでは……そう思っていた時である。
「皆! 俺のところに集まってくれ!!」
「え、わ、分かりました!」
「よし! 全員集まったな!! それじゃ……!」
「……な、なんで全員担がれてんのぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!??」
突然、集合の合図をかけたのである。
ホシノ達が集まったことを確認したカケルは、腕を大きく広げ、全員を纏めて持ち上げる。
そのことにセリカが目を白黒させている間に跳び上がったカケルは、ミサイルを耐えているアサルトの首元に降り立つ。
「――今から『アサルト』に乗り込むぞ!!」
「「え、えぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!???」」
「わぁ! 私達、スーパーロボットに乗り込めるんですね☆」
「ん、こんな状況だけどワクワクする」
「うへぇ……おじさん今どきのロボットはよくわからないよぉ……」
そして、降り立った場所の足元に取り付けられていた「ハッチ」を開けて中に乗り込んだのだ。
ハッチを開けた先にあったのは、広い制御室のようなところだった。
周りには様々なモニターが設置されており、一見すれば戦艦の指令室のようにも感じられる。
しかし、その制御室の真ん中には様々なアームが伸びた台座が設置されており、部屋に入ったカケルはすぐさまそこに立った。
「こ、ここは……?」
『俺の弟――『アサルト』の内部に存在する指令室だ。コイツはもともと人々を運ぶ「城」のような役割を持っているやつでな。それを改造してこのような形にした』
「お、弟さんでしたか……」
部屋の中央の台座から伸びるアームを体に取り付けているカケルの代わりに、アヤネの疑問に答えたのはブラックだ。
『アサルト』のことを弟と呼ぶブラックに、本日何度目か分からない驚愕に疲れたような表情を見せるセリカ。
実際、『ブラック』と『アサルト』ではサイズ感がだいぶ違う。
片やスポーツバイク、片や見上げるほどに巨大なロボット……そもそも兄弟と思うことすら難しいだろう。
「それで先生、それ……多分操縦席だよね? そこに乗ってどうするの? あれだけの弾幕、乗り越えるのは結構厳しい」
「まぁ、普通なら操縦したところでってなるよな……ま、俺らがやってるのは『ちょっと違う』って訳よ。よし! コネクター装着完了!!」
『ウォッ!!? 急ニ動カナイデ、マスター!!!』
「すまんすまん!!」
シロコの疑問に「まぁ見てろ」とでも言いたげな余裕たっぷりの表情で答えたカケルは、ファイティングポーズをとる。
そのまま左に流れるように走り出すと、『アサルト』もそれに連動して動き出す。
突然動かされたことに『アサルト』が抗議の声をあげるが、軽い調子で返すカケル。
――そして、ミサイルを回避しきった後、カケルとブラックは叫ぶのであった。
「そんじゃ『ブラック』!!!」
『気をしっかり持てよ!! 接続開始!!!』
『Connects ON!!!!!!!!!!!!!!』
――瞬間、その場が光に包まれた。
Tip!
次回の脳内BGMは『ギガントブラギオー』のテーマソングがオススメだぞ!!!
また次回も頑張っていきますので、皆様の応援お待ちしております!
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