ブルーアーカイブ ~先生は「ブラックライダー」~   作:クラウディ

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やっと、アビドス編最終回!
ここまでたどり着くのに長い時間がかかりました……!

今回も「カンジロウ」さんから感想をもらっています!
いつもありがとうございます!!

それでは本編どうぞ!





降臨、『アサルトギガントフォーム』!!

『Connects ON!!!!!!!!!!!!!!』

『――――――――!!??』

 

 辺りに響き渡る勇ましい掛け声と共に、『アサルト』の鋼鉄の体が光に包まれ、神々しいエネルギーが迸る。

 そのあまりに非常識な光景に、『ビナー』ですら後退ってしまうほど。

 

『BIG BANG!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! TRANSFORMATION!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

 そんな『ビナー』へと見せつけるように「変形」していく『アサルト』の体。

 

 まず変化があったのは背中からだった。

 『アサルト』が背負うようにして装着されていた大量の装甲が腕を覆い、まるでグローブを着けたかのような形状へと変化。

 脚部も腕と同様に鎧を纏ったかのように更に太くなり、まるで動く城が人型になったかのようだった『アサルト』が、立ち塞がる敵を打ち砕く「戦士」へと変わっていくのが分かった。

 

『I am the castle that protects my people, and I will destroy all obstacles that stand in my way!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

 余分な装甲がなくなったことで、背部に搭載されていたブースターが露出する。

 そして現れた全体的なシルエットは、光に包まれる前より筋肉が隆起するかのごとく太くなり、頭部の装甲は王者の被る冠のように変化して――

 

 

――今ここに、『英雄』は立ち上がった。

 

 

『オォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』

『行くぞ『アサルト』!!!!』

「予言者だがなんだか知らねぇが!! 俺達は全力でお前をぶっ倒す!!!!」

 

 

 『アサルト』、『ブラック』、そして『カケル』の3人が一体となって完成する形態……それこそが――!!

 

 

『Assault Gigant!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

 

――『ブラックライダー・アサルトキガントフォーム』である!!!

 

 

 


 

 

 

「「……な、な、な、なにこれぇええええええええええええ!!!???」」

「わぁ……!! すごい、すごいです先生!! ブラックさんにアサルトさんも!!」

「これなら、銀行を何個も……」

「シロコちゃーん? それはアウトだよー? いや、でもそう思うのも仕方ないかなぁ……」

 

 一方、その変化する様子を見せつけられていたホシノ達は、各々が別の反応を見せていた。

 セリカとアヤネは驚愕のあまり今日一番の叫び声を出し、ノノミは純粋にアサルト達を褒め、シロコは良からぬことを考え、そんなシロコをホシノは止めている。

 だが、そう思ってしまうのも仕方ないのだ。

 それほどまでに、このアサルトが見せた「変形」というのは、文字通り「インパクト」が大きかったのである。

 

 見上げるほどの巨人がすさまじい衝撃波と共に、その足で大地に立つ。

 その衝撃は大地を揺らし、砂塵を巻き上げるアサルトの力強さを物語っていた。

 

 彼こそが、カケル達がキヴォトスの"外"にて共に戦った戦士の一人である『アサルト』なのである。

 

「さぁて、反撃開始と行こうか!!」

『Turbocharger ON!!!!!!!!!!』

『―――――――!!??』

 

 ビナーが怯んでいる隙に戦闘態勢を整えたカケル達は、先手必勝と言わんばかりにその大きさからは想像もできない機敏さで、ビナーとの距離を詰めた。

 その速度が乗ったままタックルを食らわせたアサルトは、流れるように全身の駆動機構――『A(アサルト)G(ギガント):ターボチャージャー』を一時的にフル回転させ、アッパーカットを放つ。

 

 数千トンはあるアサルトの衝突により、金属がぶつかり合う轟音が鳴り響く。

 その一撃はカケルとブラックが必殺技として使う『スピードブレイカー』以上の威力を秘めており、もろに受けてしまったビナーの体は大きくのけ反った。

 

『―――――!!』

「なんのっ!!」

 

 しかし、ビナーも負けじと砲口から光線を放ちつつ、ミサイルを連続発射してアサルトを迎撃しようとする。

 その数は並大抵の軍勢や兵器であろうと瞬く間に一掃できるほどであり、それらすべてが目の前に立ちはだかる『アサルト』に向けられていた。

 

『Charge!!!!!!』

「よっ! ほっ! オラァッ!」

『――――!!??』

 

 だが、その猛攻すらも巨体に見合わぬ俊敏さでアサルトは回避していき、ブースターで推進された巨体をまたしても叩きつけていく。

 アサルトの拳を受けて宙を舞う最中、アサルトがなにやら「チャージ」という宣言をした瞬間に彼の体が大きく加速するのをビナーは聞いた。

 

『Charge!!!!!!』

「ぜりゃぁッ!!!」

『――――!!??』

 

 何らかの動作の合図だと理解するビナーだったが、その思考すらさせないと言わんばかりに拳が叩きつけられる。

 ビナーはその攻撃を受けながら、明らかに「チャージ」という音声が聞こえた瞬間、アサルトの動きが早くなっていたのを認識する。

 

――『ブラックライダー・アサルトギガントフォーム』の特殊能力の一つ、『ブーストチャージ』。

 

 カケルとブラックが変身する『ブラックライダー・スピードフォーム』、その派生フォームであるこの姿(というか形態)は、超加速能力である『アクセルブースター』を使用できなくなる代わりに、『ブーストチャージ』という能力を使用できるようになる。

 

 基本の『スピードフォーム』では加速性を重視した軽量且つ柔軟なエネルギーである『エナジーフォトン』を、『アサルトギガントフォーム』になった際はアサルト内部の炉心――『アトラースリアクター』で再度別のエネルギー――『タイターンエナジー』へと変換して使用することになるのだ。

 そんな『タイターンエナジー』は、ただでさえ巨体なアサルトの動作を補助する『A・G:ターボチャージャー』を稼働させるのに使うのだが、それによって発生する出力は膨大であるため、常時起動し続けると周囲一帯にどんな影響を及ぼすか分からない代物。

 そのため普段はリミッターをかけて使っているのだが、なんらかの行動を起こす際、一時的に「チャージ」することでその際の動作を加速させたり、破壊力を増大させることもできる。

 

 なので、うまく使いこなせればリミッターの切り替えを織り交ぜて、緩急自在な攻撃が可能になるのだ。

 

 だがそれを理解できたところで、圧倒的な戦闘能力の差を覆す手段を知る由もないビナーは、困惑して次の手を打つことができない。

 ビナー自身も機敏な方ではあるのだが、それ以上に接近戦では『アサルト』に分がありすぎた。

 

 そして、慌てているのはビナーだけではなく……

 

「うわわわっ!? ゆ、揺れてる揺れてるぅううううううううううううう!!??」

「せ、先生ぃいいいいいいいい!! 揺れを防止する機能とかないんですかぁああああああああああ!!??」

「わぁ! 遊園地のアトラクションみたいです~!」

「ん! 凄く楽しい!」

「うへぇ……滅茶苦茶だぁ……」

 

 機敏に動くアサルトの内部にいたセリカ達は、さながら絶叫マシンに放り込まれた者達のようなリアクションをしている。

 セリカとアヤネは内部にあった柵にしがみつき、片腕で柵を掴みながらカケル達を応援するノノミとそんな彼女に抱えられているシロコ。

 ホシノは持ち前の平衡感覚で倒れないようにしながら、状況を見守っていた。

 

 しかし、アヤネの言うことも尤もだろう。

 なぜここまで動くのに揺れを防止する機能を搭載しなかったのか。

 

「基本これに乗る人、俺くらいしかいないから付けるの忘れてた!!!」

『何人カハ分カラナイケド、皆ガ無事ナラ安全確認、ヨシ!! ッテヤツダヨ!!!』

「「ちょっとぉおおおおおおおおおおおおおおお!!??」」

 

 結局のところはカケルの確認不足である。

 やはりこの男、色んな所が抜けているようだ。

 

 そしてアサルトも抜けている。

 悲しいかな、アサルトは末っ子気質ゆえにマスターの言うことはよく聞いてしまったようだ。

 

『――――……!』

 

 そんな茶番をしている間にも、ボロボロになっていたビナーが最後の一撃を放とうとする。

 先程の密度以上のミサイルを全弾乱れ撃つことで、なりふり構わずアサルトの動きを止めようとしているのだろう。

 そして動きを止めたが最後、最大出力の光線が砲口から発射されるはずだ。

 

 

 

――だが、それで歩みを止めるほどこの男達は柔ではない。

 

 

 

「行くぞアサルト!! 最・大・出・力!!!」

『Turbocharger FULL CHARGE!!!!!!!!!!!!!』

 

 

 

 勇ましい雄叫びと共に全身の『A・G:ターボチャージャー』をフル回転。

 一切恐れることなく、迫りくるミサイルの雨を真正面から受けながら、ビナーとの距離を瞬く間に詰めていく。

 その姿はまさしく「動く要塞」、あらゆる障害を打ち砕く「守護神」ともいえるだろう。

 

 ビナーは恐怖した。

 

 何故だ、なぜこれほどの存在が我々の知らぬところで誕生していたのか。

 何故だ、なぜそんな存在があのような矮小な存在に付き従っているのか。

 

 何故だ、我々は神性を証明するべく――

 

 

 

『GIGANTIC BUSTER!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

 

 

 そして、一体の預言者が粉砕されるのであった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

『――と、いうのが事の顛末だ』

「……なんというか、先生らしいですね……」

 

 電話の向こう側からそう淡々と告げるブラックの報告を聞きつつ、首席行政官の「七神リン」は頭を抱えながらそう呟いた。

 

 ホシノ救出作戦及び、『"ドクター"』との戦闘。

 そして、彼が呼び寄せたと思われる未確認機械構造体――『預言者ビナー』との連戦から数日後、彼らは束の間の平穏を取り戻していた。

 

 カケルが赴いたことでアビドスで起こった様々な騒動、それによって発覚した『カイザーコーポレーション』の不正な取引。

 他の学校に馴染めなかった多くの不良生徒を受け入れるという懐の深さを見せたことで、財政回復の兆しが見えて来たアビドス自治区についてや、このキヴォトスで暗躍していると思われる『ゲマトリア』という組織……その他、多くの情報を一度に報告されたのだ。

 いくらキヴォトス広しといえど、ここまでの情報の暴力はそうそうないだろう。

 

 しかも、それら全てに関わったのが連邦生徒会直属の組織――『連邦捜査部シャーレ』の担当である「遠山カケル」だというのだから、リンのように頭を抱えるのも仕方ないはずだ。

 

「……それで、先生の様子はいかがでしょうか……?」

『損傷は少なかったが、肉体的、精神的な疲労が大きかったな。アサルトとの接続を解除した後、倒れるように丸1日寝込んでいたからな』

「今はどのような様子ですか……?」

『今日も元気に外回りだ。今もアビドス高等学校にいる』

 

 そう言われてリンが耳を澄ましてみれば、確かにカケル達と先日出会ったアビドスの面々の声が聞こえてくる。

 

『先生~、今日もお疲れ様です~。これ、追加ですよ~』

『う、うぼぁ……か、書いても書いても紙が残ってるぅ……』

『え、えーっと、セリカちゃんにアヤネちゃん? どうしておじさんは簀巻きにされてソファーの上で横にされてるの?』

『先生とブラックさんのおかげで無事で済んだけど、ホシノ先輩が一番危なかったんだからね!?』

『なのでこれはお仕置きです! でもこのまま放っておくのも寂しいので……』

『ん、ケーキを買って来た。これをホシノ先輩の目の前で食べて行く』

『!? お、おじさんの分は~!?』

『ん、反省するまであげないことになってる』

 

『やかましいものだ。だが、このくらいが丁度いいのだろう』

「…………賑やかなようですね。よかったです」

 

 つい数日前に激戦を乗り越えた者達とは思えないほどの賑やかな空気に、リンは思わず肩の力が抜けた。

 そうだ、本来はこのくらい平和であるのが一番いいのだ、そうリンは思いながら窓の外に視線を向ける。

 

 この広大なキヴォトスで、一つの大きな変化があった。

 これにより、そのきっかけとなったシャーレはさらに注目されることだろう。

 

 それが好意的なもの以外も含めて、大きな波紋となることを予想しながらリンはブラックに告げた。

 

「気を付けてくださいね、シャーレはこれからも多くの事件に遭遇するかもしれません」

『分かっている。それを解決するのが俺達だ。ではな、そろそろカケルがエナジードリンクの飲み過ぎでおかしくなり始める頃合いだからな』

 

 そう言って、ブラックはリンとの通話を切る。

 ツー……ツー……と鳴るスマホを懐にしまったリンは、ふと棚に飾っていたある人物と共に撮った1枚の写真に目を向けた。

 

 

「連邦生徒会長……あなたは今、どこにいるのですか……」

 

 

 その呟きに答えるものは、この場にはいなかった。

 

 

 

「先生しっかりして!」

「オレハサイキョウダー!! オレノキングフォームヲミロー!!」

「ん、流石にそれ以上はまずい」

「ノノミ先輩! そっち側押さえてください!!」

「分かりました~☆ せーんせい♪ ほーらこっちですよ~♡」

「うへ~! 助けてブラックさーん!」

『ったく、だから飲みすぎるなと言っただろうに……』

 

 

 

 天気は雲一つない快晴。

 しかし裏に蔓延る黒い悪意はまだ残されている。

 

 これからも、カケル達には様々な困難が訪れるだろう。

 

 それでも、今この瞬間……

 

 

――この『青春の物語』は素晴らしい一歩を踏み出したのだ。







Tip!
次回からは『時計仕掛けの花のパヴァーヌ』編!


次回予告!

「私達はゲーム開発部なんだけど、実は……」
「廃部寸前!?」

アビドスの一件を終わらせたカケル達の元に舞い込んだのは、ミレニアムサイエンススクールにある、廃部寸前の部活を救ってほしいという依頼!?

「困惑、説明をお願いします」
『同意、本機も説明を求めます』
「え!? もう一人、別の声がこの子から聞こえる!?」
『……何者だ貴様ら』

廃部を回避するためには最高のゲームを作って実績を残さなければいけないらしく、その手掛かりを求めて向かった先では正体不明の女の子(+α)!?

「アリス! 先生みたいな勇者になりたいです!」
『王女……流石にこの男のようにはならない方が……』
「"()()"! そんなこと言ったらだめですよ! テストでアリスに負けても先生はカッコいい勇者なんです!」
「……ブラック、俺、年下の女の子に負けちゃったよ……」

新たな仲間――「アリス」と「ケイ」を仲間にして、ゲーム開発部は『最高のゲーム』を作り始める!

「へぇ……あんたが噂の……」

「先生、分かってちょうだい。これがキヴォトスを守るためなの」

しかし新たな強敵も現れて、ゲーム作りはミレニアムを巻き込む大事件に!?

「先生、アリスは……」
「先生……私は本当にこのままでいいのでしょうか……?」

アリスとケイの隠された秘密も……!?

戦えブラックライダー!!

「行くぞ『スペース』!」
『SPACE FORM!!』

『時計仕掛けの花のパヴァーヌ』編、放送予定!!

超特急で待っててくれよな!!



 また次回も頑張っていきますので、皆様の応援お待ちしております!
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 それでは皆様また次回~!


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