前回の後書きに貼ったえっちな話が間に挟まりますが読まなくても話は通じるようにしてあります。多分。
朝、私は体に気だるさを感じながら目を覚ました。
少し頭が痛い。それ以上に、全身に気だるさを感じる。
何かに抱きついて寝ているらしい。
一体何に抱きついて……。
「んひゅっ……」
あ。
そうか。
昨日、私は、ルインと……。
お互い二人で全裸で布団にくるまって寝ていたらしい。
私はルインの腕にしがみついて寝ていたようだ。
とりあえず、まだ眠りこけているルインの腕をこっそり離し、ベッドから出る。
酒の勢いとはいえ、ルインとやることはしっかりやってしまったわけで。
「……嫌じゃ、なかったな」
ルインにキスされたり、その、色々されたりしても、拒否する気にはならなかった。
むしろ、どちらかというと喜んでいた。
自分のことを男だと思って一線置いていたつもりになっていたが、それももう限界かもしれない。
唇に手を触れる。
昨日何度もしたけど、酒が入ってたし。
今したら、また少し違うのかな。
もし、このキスが、嫌じゃなかったら……。
その時は、ルインのことが、その、好きだと認めよう。
寝ているルインに顔を寄せて……。
「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」
何をやってるんだ私は!
顔を押さえてうずくまる。
酒が入ってないからか、とんでもなく恥ずかしい。
恥ずかしい、けど。
「……やっぱり、嫌じゃない、な」
「あの、エナさん?」
「うぉおぉっ!?」
後ろから聞こえた声に驚くと、ルインが体を起こしていた。
「い、いつから起きて……」
「そ、その、エナが僕に、キスするちょっと前……」
「ぁ、ぅ、違うんだこれは、その」
あたふたと言い訳を考える。
「……やっぱり昨日、僕たちしちゃったんだよね?」
「……お、おう」
「本当にごめん!手を出すつもりなんてなかったのに、結局お酒の勢いで……」
なんでルインが謝るんだ?むしろ誘ったのは、その、酔っ払った私の方だった気がするのだが。
……でも、この状況は好都合かもしれない。
ルインから告白させてしまえば、私がこいつに自分の気持ちを伝えることはない。
なんかやっぱり恥ずかしいし。このまま乗っかってしまえ!
「……あーあー、せっかくの初めてだったのに、ルインに奪われちゃったなー」
「……ごめんなさい」
「あんなにいっぱい中に出されちゃったら、できちゃうかもなー」
「……うぅ」
「責任、取ってもらわないとな」
「ぼ、僕にできることなら、なんでも」
「なんちゃって、別に怒ってないよ」
「え?でもできちゃうって」
「そんなの魔法でどうとでもできるの!避妊魔法って言って女子は学校で習うんだよ」
「そ、そうなんだ……」
「でも、なんでもするって言ったし、責任は取ってもらうからな」
「う、ぐ、一体なんでしょう」
「私のこと、どう思ってるかちゃんと言葉で言って欲しいな〜」
どうだ!これならお前は私に告白するしかあるまい!
……いや、これも十分恥ずかしいな。ノリノリでやってみたはいいものの顔が少しずつ赤くなってる気がする。
「それは、その……」
「うんうん」
「ずっと僕と一緒にいてくれて、僕を引っ張ってくれて、何やっても笑って見過ごしてくれたり、ダメなところはちゃんと叱ってくれたり、口が悪いように見えて実は優しかったり、その、可愛かったり、して……」
「お、おう」
どうしよう、やれと言った矢先止められないがこれめっちゃ恥ずかしいぞ!?
「そ、そのっ、エナのことが僕は好きです!」
「っ!」
まあわかってたさ。これをお前から引き出したかったんだ。
だからこれはわかってた結果であって。だから全然嬉しくなんか。
嬉しく、なんか……。
やべ、口角が上がったまんま戻ってこない!
「え、エナは、僕のことどう思ってるの?」
「え」
「その、一応告白したわけだし、返事が欲しいなって……」
「あ、う、その……」
しまった、自分で自分の首を絞めてしまった。
……。
これは、腹を括るしかない、か。
「その、私もルインのことが……」
王都のとある宿屋。
少しお高めの中央街にあるその宿屋で、二人の男女が会話していた。
「ねぇ、やっぱり2部屋取らない?値段的にはちょっと高くなるけど、今の僕たちはお金の心配はそんなにしなくていいしさ」
「なんでだよ、どうせどっちかの部屋で一緒に寝ることになるんだからいいだろ?」
「そ、そうなんだけどさ……毎晩だと流石にきついっていうか」
気弱そうな少年と、男勝りな口調な少女の二人は、最近各地で名を馳せている冒険者だった。
「いいじゃんこのダブルベッドの部屋で、こっちの方が多少安いぞ」
「多少じゃん!大して変わらないよ!」
「お金持ったからってすぐ贅沢に走るのはよくないぞ」
少女と少年は、幼馴染同士であった。
そして、様々な困難を共に乗り越えた、恋人同士である。
「うおおすっげ、ベッドふかふかだぜ、ルイン!」
「うん、やっぱりすごいね王都は、いろんなものが最高級だよ」
あの日から3年。私とルインは若いながらも実力を持つ冒険者として名をはせ、様々なところを飛び回って依頼を受けるようになった。
昔とは私もルインも訳が違う。
今ならオークごときいくらでも倒せるし、なんならドラゴンだって二人で頑張れば倒せる。
そして、何よりあの頃と変わったことは……。
ベッドを捲り上げてルインを誘う。
「明日は早いから寝るんだろ?さっさと入れよ」
「早いから寝るんだよ?エッチなことはしないからね!」
「わかってるって、いいから早くこいよ」
ルインがベッドに入ってくる。
あの頃よりもベッドは大きくなって、距離は離れたように見えるけど、今はルインと向き合って横になっている。
「なぁ、やっぱこのベッドで一回だけしない?」
「ダメだって!この前それで寝坊したじゃないか!」
「ちぇーっ」
やっぱりダメか。
今日のところは大人しく寝ておこう。
一緒に寝ているだけで、心が満たされる感覚がある。
これが、好きな人と一緒にいると幸せだっていうことなのだろう。
「ねぇ、ルイン」
「何?エナ」
「私今、幸せだよ」
「……僕も」
「ふへへ」
ルインと同じ布団の中で、私は目を閉じた。
おやすみなさい、ルイン。
ということでとりあえず完結しました!(多分書きたい話ができたら知らないうちに更新されてるかも)
初めての小説で至らないところも多々あったと思いますが、思ったより色んな人にみてもらえて嬉しいです!
これからもなんか色々書きたいと思うのでまた会ったらよろしくお願いします!