プログレッシブのノリで攻略するアインクラッド第十層 (旧題:2023-01 アインクラッド第十層にて)   作:ki-sou777

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第三話

 次の日の朝、朝日に照らされて目が覚めたのは朝の七時過ぎだった。昨日宿に着いたのが夜九時、そのまま部屋に着くなり割と早めに寝て、夜中の四時頃に一度起きて風呂に入り、五時過ぎにはアスナ共々二度寝態勢に入ったので、なんだかんだ八、九時間くらいは寝てしまったようだ。いや、昨日までの睡眠状況を考えると、これでもまだトントンにはならないかもしれない。などと、眠たい頭を働かせるために、ぼんやり計算をする。だが、布団から出る気にはならなかった。いつも以上にぬくぬくとした温かさに囚われてしまった俺の体は、この場から動くことを拒否していた。いたのだが。

(いつも以上に・・・?)

 いや、思い出せ。俺はこの温かさを知っている。だが、もし本当にそうだとしたら、まずい。確実にマズい。確認したくない。だが、確認しなければ社会的な死を与えられる可能性がある。そして確認しても社会的な死を回避できないかもしれない。断頭台に立つような気持ちで、俺はどうにか重い瞼を開けた。すると。

「んうー」

 パートナーであるアスナ嬢の頭が、以前と同じように俺の右腕の上に乗っていた。

 「オレ知ってる!この後アスナにボコボコにされて今日の飯代全部奢らされるんだ!!」と、頭の中のジョー氏が余計な口を挟んでくるので、脳内ソニックリープでどうにか黙らせるが、生憎と今回ばかりはジョーの言うことが正しい。眼球だけを動かして、布団や枕の位置を把握するが、やはり俺の方からアスナの布団にかけて領土侵犯をしているらしく、情状酌量の余地すら与えられないことは明白だった。

 自らの寝相の悪さを恨む前に、まだ奇跡を起こす余地がないかと脱出を試みるも、右手を少し動かすだけで、「・・・うぅー」という反応がある。あ、このパターンダメなやつ。と、頭の中の冷静な部分が結論づけると同時に、ヘイゼルの瞳が、ゆっくりと開いた。

ーーー終わった。

 

「・・・おはよ、キリトくん」

 

 しかし、死刑執行を待っていた俺に下された裁定は、ただの挨拶だった。目をぱちくりさせる姿が何とも可愛らしい。

「お、おはよぅ・・・?」

 困惑まじりに挨拶を返した結果、なぜか俺の方が寝起きの声みたく語尾が弱い。ついでに疑問系だ。だが、アスナはあっさりと布団から抜け出すと、

「まずは朝ごはんね!」

 と、元気いっぱいに笑顔を振りまいてくるのだった。

 

 

 

 

 

 

 旅館『馬酔木旅籠』の朝食は、広間で提供される形式だった。夕食は各部屋で提供されるらしいので、もし今夜ここに帰ってくることがあれば今度は部屋でアスナと飯を食うぞと意気込んでおく。とはいえ、それはそれとして朝食も楽しみで、特にこうした旅館の朝食と言うと、和食なのではないかという期待感が高まる。一層からここまで、日本料理が出てきたことは一度もないため、そろそろ白飯と味噌汁を食べたいと昨日から思っていたのだ。そう思いつつ隣を見ると、ルームウェアである浴衣を着たアスナも、ちょっと口角が上がっている。昨日や一昨日のことを考えると、よくこんなにも早く立ち直りができたなと感心するが、あくまで一時的だったり、見せかけだったりする可能性も全く捨てきれないので、引き続き彼女のメンタル的なところは注視しておこうと決意を固めていると、どうやら広間に着いたようだ。

 広間と言っても、ホテルのように広いわけではなく、あくまでやや大きめの畳の部屋だった。そもそも、この旅館の大きさを考えても、客室はせいぜい4-5部屋程度なはずなので、妥当な大きさと言える。そう思って広間に入ると、すでに先客がいたのが見えた。コミュ障な俺としては、全く関係のない赤の他人とこうした場で同席するのは少し気まずいんだよな、とやや微妙そうな顔をする。だが、よく見ると、そのおかっぱ頭と陸上部員っぽい姿には見覚えがあって・・・。

 

「あれっ、アスナさんとキリトさん?」

 声をかけてきたのは、ALSのフルプレ娘ことリーテンだった。ということは、一緒にいる男性も自然と予想できる。

「なんだ、あんたらもここに泊まってたのか」

 ぶっきら棒に答えたのは、DKB幹部の直剣使い、シヴァタだった。いやまあ、シヴァタ以外だったら色々と大惨事だったわけだが。

「や、やあ、おはよう」

 やや気まずそうに答える俺と。

「リーちゃん!シヴァタさん!」

 平時以上のテンションで挨拶するアスナ。というか「リーちゃん」とはなんだろうか。この二人、いつそんな仲良くなったのだろうか。見れば、隣にいるシヴァタも少しばかり驚いてるかのように眉を顰めてるし。

ーーー君たち、いつの間にそんな仲に?

 という、俺の声に出してない疑問を敏感に察知した女性陣は、口を揃えて言い出した。

「だって今攻略集団にいる女性陣って私たち二人だけなんですよ!」

「アルゴさん入れてもたった三人だし」

「早くもっと増えないかっていつも言ってるんです!」

「「ねー!」」

 なんだかあんまり聞いたことのないトーンで二人が話している。女子の会話ってすげーなと戦慄していると、流れるようにアスナがリーテンと向かい合うように座ったので、俺もそれに合わせてシヴァタの目の前に腰を降ろした。

 

 隣で姦しく話している女性陣を他所に、俺とシヴァタは目を合わせる。というか。こいつら昨日ここに泊まったのか。男女二人で。付き合ってる二人でこんなところ泊まるとはお熱いですなとからかいたくなったが、よく考えてみると客観的な状況は俺たちも全く同じである。変にいじると自分達まで大火傷しそうなので、単に情報交換でもしようかと俺が口を切り出す前に、シヴァタがやや小声で話しかけてきた。

「キリト、そっちは大丈夫か?」

 そのシヴァタの言葉に、思わず眉を顰める。俺は質問の意味を図りかねた。それは攻略の話なのだろうか、それとも・・・。

「あ、いや、リッちゃんからアスナさんの様子をちょっと聞いててな」

「あ、ああ、そういうことか」

 どうやら、ここ三日狂ったように狩りを続けていたアスナを心配してくれていたらしい。流石、人徳があるなアスナ、という素直な尊敬の気持ちを持ちつつ、なんて答えようか俺の中で逡巡していると、脳内で昨日の風呂での一幕が再生された。風呂、月光、憂いに満ちた表情のアスナ。身を寄せ合う俺たちーーー

「い、いや、多分、大丈夫、だと、思うぞ?」

 強引に脳内の停止ボタンを押して答えた。これ以上再生されると俺の方がおかしくなりそうだ。しどろもどろなのも顔が赤くなってるのも気のせいだと思いたかったが、そんな様子を見たシヴァタが、若干驚いたように一言。

「お前、意外とやることやってるんだな」

 ーーーやることってなんだよ!!

 などと大声で叫ぶわけにもいかず。

 何か盛大に勘違いされてる気がするが、残念なことに俺は訂正をする術を持たなかった。

 

 そんな喜劇を繰り広げているうちに、朝ご飯が運ばれてきた。

「「おおおおおぉぉぉ」」

 と、重なった声は俺とシヴァタのものだ。それも無理はない。何故なら、お盆の上に乗っていたのは、まごう事なき白米と味噌汁だったからだ。日本男児たるもの白米と味噌汁がなければ戦えぬ、という訳ではないが、久しく食べていなかった日本食によだれが止まらないのも事実。その他、だし巻き卵、漬物、魚の焼き物、と、一汁三菜全てが揃っているだけで、120点をあげたい気分である。

「「「「いただきます」」」」

 四人、声を揃えて食卓についた。日本食だと特にこの言葉がありがたく感じるのは気のせいではないだろう。朝食の中身があまりに定番だったためか、意図せず現実世界での家族の朝食を思い出してしまう。だが、それはどうやら皆一緒だったようで、そのまま暫く会話無く、ただひたすらご飯をかきこんでいた俺たちだった。

 

 結局、俺やシヴァタなんかは、三杯も飯をおかわりしてしまった。暫くぶりの和食をきっちり堪能したのだが、一点だけ、どうにも気になる点があった。

「・・・醤油って、ないのかしらね」

「だよなぁ」

 と、アスナに同意する。いやもう、めちゃくちゃ美味かったのだが、焼き魚に塩がかかってても、醤油が無いのが気になったのだ。

「味の再現が難しいのか?」

 と訝しんでると、口を開いたのはシヴァタだった。

「工程の問題かもな。醤油は、蒸した大豆や炒った小麦に麹菌を繁殖させて酵素を作るんだけど、この時の温度調整がスッゲェ大変だし、その後一、二年は熟成させないといけないからな」

 と、見た目にそぐわない予想外な知識を披露した陸上部員に少しばかり驚く。まあ、現実の工程がこのSAOに関係するかどうかはちょっとばかり分からないが、醤油の味というものは一朝一夕でできるようなものではない、ということだろう。

「へえ、詳しいんだな」

「あー、うちの爺ちゃんの方の家がそんな感じのことやってたから、小さい頃は好きでよく見てたんだ」

 なるほどそれで、と思うと同時に、俺は別の意味で少し驚いた。何故なら、あまりにも自然に現実世界の話を出してきたからだ。

「シヴァって結構おじいちゃん子だよね」

 などと、リーテンも補足している。どうやらその辺は彼女もある程度知ってるらしい。そこで、俺の中で少しばかり名前の付け難い感情が湧き上がってくることに気づいた。一体今の話のどこに反応したのか、俺自身もわからない。特にネガティブなものではないもののはずだが・・・。と、自分の内に沸いた感情に困惑していると、

「あ、いや、すまん。マナー違反だったよな」

 シヴァタがこちらの様子を伺いながら伏し目がちに言った。

「ああ、いや、いいんだ。そういう話も、この世界で生き残る力になるからな」

 俺もそう返す。これは本心だ。SAOがデスゲームになってしまった以上、モチベーションを上げる術があるなら何だって利用した方がいい。とはいえ、妙な態度になってしまった俺を見かねたのか、リーテンが話題を変えてくれた。

「にしても、この宿素敵ですよね。お庭にある紫陽花とか馬酔木とか。風情があって。」

 食後の緑茶を飲んでいたアスナも、庭に視線を移して同意する。

「そうなのよ。色々見てたんだけど、私も馬酔木の花を見てここにしよって思って」

「私たちの方は、小路に入ったら道に迷っちゃって、色々うろうろしてたら偶然ここ見つけたんですよね。ちょっと隠れ家っぽくていいなーって思って。アスナさん流石のセンスですね」

「まあ、この人が連れてきてくれたんだけどね」

 そんなことを言いながら、アスナが俺の方をチラッと横目で見た。珍しく俺を上げてくれるじゃないっすかアスナさん、と思っていると。

「あっ、そうなんだ。うーん。やっぱり流石キリトさんですね」

 そんなことを言いながら、リーテンが少しばかりキラキラした瞳で俺に視線を移した。が、同時に、目の前からも強力な視線が突き刺さったのを感じ取った。おいシヴァタ。何故こっちを睨む。むっとするな。身の置き所に困るだろうが。

「い、いや、それが通用するのも十層までだよ。この層を突破したら、俺もいよいよただの一プレイヤーだ。」

 なので、あえてちょっと自虐的に答えてしまった。そんなやりとりを見て隣でアスナがくすくすと笑っている。ちくしょうやられた。どうにも少しばかり悔しかったので、俺は何故かシヴァタたちに向けて反撃を試みた。

「でもお忍びとはいえ、二人でこんな所にいたら噂でも立つんじゃないか?」

 と言うと。

「今日は休暇ですから、ある程度は誤魔化しが効きますし、お二人がいますしね?」

「うん?俺ら?」

 何故か俺たちに水を向けられた形になった。隣でシヴァタも微妙な顔して頷いている。どういうことかと聞いてみると。

「だって、フロントランナー最強のコンビが男女カップルなんで、付き合ったとしても結構プラスに働くというか、周りの目もあんまりこっちに向かないというか」

「・・・俺たち、別に付き合ってないんだけど」

 既に反撃失敗の香りがしているが、そんな中で最後の抵抗を試みてみる。だが。

「DKBでそう思ってる奴は一人もいないけどな」

「マジかよ・・・」

 シヴァタから一撃。

「あははは、ALSもですね」

「おいおい」

 リーテンからも一撃。ノックダウン寸前だ。反撃は無惨に失敗に終わってしまったようだ。というか、今そんな噂が立っているのか。まずい、これはアスナから最後の一撃をもらって死ぬ・・・と思って身構えていたのだが、俺の隣からいつもの怒声が聞こえてこない。奇妙に思って隣を見てみると、当のアスナは別になんでもないという表情で言った。

「別に、好きに思わせてたらいいんじゃない?」

 相変わらずオットコマエやなーと思いながらも、自分でコントロールできない問題だしな、と俺も思い直した。冷やかされるのは勘弁してほしいが、目の前の二人に関しては割と似たような立場なので、そのような心配はあんまり心配はなかったりする。それに、五層で交流があったとはいえ、リーテンやシヴァタといった、二大ギルドの中核メンバーとこんなに穏やかな話をしたことは今まで一度もなかったはずなので、少しばかり新鮮な気持ちが俺の中に残っていた。

 

「そういえば、二人とも、ギルドの方はどうなの?」

 と、今度はアスナが問うた。そうそう、最初は情報交換をしようとしたんだったか、と思い出す。

「ALSの方は、せっかく十層に上がったこともあって、丸一日は休憩として観光に使おう、となったので・・・」

 とリーテン。それに合わせるようにシヴァタの方も答えた。

「DKBもほぼ同じだ。攻略再会は今日の午後からだから、それまでは自由時間になってな」

「そうだったのね。一層クリア後からここまで相当ハイペースで来てたから、偶にはそういうのもいいと思うわ」

 とアスナが答える。一番休むべきはアスナなのでは?と思わなくもなかったが、今言う話ではない。それとは別に、俺の方でも一番聞きたかった話題を繰り出した。

 

「ちなみに二人とも、『あれ』、うまく使えているか?」

 

 そう、この二人は、現在の攻略集団の中でもかなりユニークな役割を持っている。何故なら、リーテンは五層フロアボスドロップ品である《フラッグ・オブ・ヴァラー》の、シヴァタは七層カジノ一等賞景品である《ソード・オブ・ウォルプータ》の、今の使い手だからだ。詳細は省くが、八層で色々あって、二大ギルドに譲渡されることになった。

 両ギルドの最適な使用者として、偶然この二人が選ばれたのは、まあ、こちらとしては微笑ましいの一言である。それぞれの武器の特性からも、全体均一化を考えるALSにバフをかけるギルドフラッグが、個別集約を考えるDKBの方にウォルプータの方が渡ったのは、ギルド哲学的にも合っていたのではないだろうか。

 などと思っていると、リーテンが俺の疑問に対して答えてくれた。

「私の方は問題なく。結局オコさんが言ってた通り、私がベアラーになっちゃいましたから」

「そうか。タンクやりながら旗をずっと突き立てるの、大変じゃないか?」

「やっぱり前に出れない瞬間があるのが、たまに性に合わないなぁと思う時もありますね。でも

、旗を突き立てながら走るの、大分慣れてきましたよ。ちょっとコツが必要ですけど」

 話を聞くに、ALS側では存分に有効活用してくれているようで、それは純粋に良かったと思う。

「キバさん的にもギルドフラッグの方が欲しかったみたいですし」

「キバオウさん、できる限り属人化をなくしたい人だものね」

 と、アスナも突っ込む。正直なところ、ALS側についてはあんまり心配していない。その効果の有用性も、使い方の分かりやすさも、とてもシンプルで、誰にでも使えるものだからだ。一方、問題なのは・・・。

 

「はぁ・・・」

もう見るからに大変です、と言う顔をシヴァタはしていた。《ソード・オブ・ウォルプータ》、正式名称《ドールフル・ノクターン》。その剣は、現状の攻略集団の中で最もピーキーな武器と言える。スペックは十層でも間違いなく最上位クラスだが、使用者が《夜の民》状態でなければ持続的に経験値が吸われていくという、恐ろしいデメリットがついている。色々あって、一時的に《夜の民》化する《夜王の血》というアイテムが見つかったのだが、数が限られる上、補充するにはかなり面倒臭いクエストをニルーニルのところに受けに行く必要があり、最近のシヴァタはニル様の下僕になった、という噂も聞くくらいだ。詳細は省くが、ニルーニルがシヴァタの血を吸っているわけではないことは、彼女の名誉として書き記しておこう。

「まぁ、使うの大変だよな」

「まあな。フィールドボス戦以上じゃなきゃ使う機会がないから、いつもってわけじゃないが」

「《夜の民》化もあるしな」

「治すために毎回ハフの腕噛まないといけないのだけちょっとなぁ」

 ハフと言ったのは、DKB幹部のサッカー部員ハフナーのことだろう。陸上部員がサッカー部員の腕に歯を突き立てているという、ちょっと、いや大分アレな光景を想像してふひゅっという変な笑いが出てしまった。《夜の民》状態になると、超人的な筋力、敏捷値を持つが、ポーションや回復結晶の類が使えなくなるというデメリットが付いて回る。HPを回復させるためには、人間の血を吸う必要があり、俺もその節はアスナさんに多大なるご迷惑をかけたことを心の内に謝罪しておく。

「そ、それはご愁傷様だな」

 と言うと、シヴァタは羨ましそうに俺とアスナを見ながら言った。

「いいよなお前は。毎回アスがっ・・・」

 おい今何を言おうとしたんだシヴァタ、と疑問に思う前に、横から飛んできた肘鉄をモロにくらってシヴァタにノックバックが発生した。

「コラ!無神経なこと言わないの!」

 とリーテンが一喝している。あれ、なんかどこかで見たことある光景だなぁと思いながらアスナの方を見てみると、微笑みながらも無言で腕まくりしていたので、俺は全力で首を横に振っておいた。

 

 そんなわけで、その後二人と現状の攻略組の進行状況や、クエストについての情報交換を行なった。どうやら、情報の少ないこの十層には二大ギルトも大分手を焼いているらしく、やはり進みが少しばかり遅い。特に、この層の刀ソードスキルには苦労しているらしく、フィールドボスの繰り出すソードスキルの見極めが難しく手詰まりになったため、一度休息をとって出直そう、となっているとのことだ。また、クエストの情報が少ないので、一般プレイヤーからもクエストの情報を募集するようになった、と。どうにも最後の部分が引っかかったが、「多分この城下町の掲示板にも内容が貼られているんで、よかったら見てみてください」とシヴァタとリーテンが少し言いにくそうに伝えてくれた。

 

 その後、広間を出て二人と別れる直前に、リーテンから有難いアドバイスを一つ頂いた。

「そういえば主街区すぐ横にある《白蛇大社》、行きました?」

「いや、俺たちしばらく《夜藤の河原》でひたすら狩ってたから、実は主街区の方は全然回ってないんだ」

「中々のデートスポットでしたよ。よかったら行ってみてください」

 と、リーテンが可愛らしいウインク付きでアドバイスしてくれた。普通に観光スポットと言ってくれ、と思わなくもなかったが、アスナもナチュラルに頷いていたので、暫定パートナーと共にそこに馳せ参じてみようと思う。

 

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