東方Project  ―人生楽じゃなし―   作:ほりぃー

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14話 B

 飲食店には「賄い」という文化がある。それは店ごとに違う形式をとっているが、大体目的は一緒である。従業員の食事を雇用主である店が保障するものだった。無料で提供するところもあるし、また「格安」で提供するところもある

 河童の海の家もそれくらいは行った。元々借金の方に連れてきた者たちと聖 白蓮が依頼して修行のような形で連れてきた者たちではあったが、河童にもその程度の温情はあるのだ。あとで材料費を請求すればいい。

 

 

 すでに店に客の姿はない。波の音が浜辺から響いてくる。

 日付の変わった深夜であるから、それだけこの海の家の「夜」は長かったのだろう。それだけでそこの従業員達の空腹と疲労も推し量る事が出来る。青髪の少女と毘沙門天は常時水着だったので精神的にも疲れていた。

 

 そんな疲れた体でテーブル席に座った雲居 一輪は他の者たちと同じく「うみんちゅ」のテーシャツを着ている。流石に仕事が終わってから水着を着ている意味はない。正確にいえば中に着ているので、まだ脱いでいるわけでもない。下にはハーフパンツを履いていた。

 ただ、妙に丈が短い。立ち上がるとお腹が見えてしまう程度の長さなのは単にサイズがなかったのだろう。元々からしてこの海の家で働いているのは妖怪の中でも小柄な河童達であったから仕方なかった。大きなサイズのシャツには限りがあるのだ。

 

 

 その一輪はごくりと息をのみ、緊張した面持ちで座っている。いや、横には水蜜や寅丸も表情を強張らせている。彼女達の視線は一点に集まっていた。後ろの方ではわれ関せずとばかりにナズーリンがテレビを見ている。彼女は「子供がお使いをする番組」をぼけえと視聴しているのだ。

 

 命蓮寺の面々が緊張するのには無理はないだろう。なぜなら彼女達が見ているのはその「長」である聖人、聖白蓮なのだ。彼女は一輪達の座っているテーブルとは別の場所に座っている。

 緩やかなウェーブのかかった髪にぱっちりとした目。そして長い、睫毛。それでいて穏やかな微笑を浮かべているような柔らかな表情。そして「うみんちゅ」のシャツ。まさに聖人と呼ぶにふさわしい。

 

 そんな白蓮の前に湯気を纏った「料理」が置かれていた。説明する間でもなく「賄い」であるのだが、それだけで他の少女達が緊張するわけがない。問題はその料理だった。皿の上に野菜と一緒に置かれた丸い料理、皿の両側にはナイフとフォークが置かれている。

 

 ――ハンバーグ。程よく「焦げ」のついた丸いそれが、白蓮の前に置かれている。そして白蓮はその前で両手を合わせて「いただきます」と言う。手を合わせただけで絵になりそうな仕草は彼女の魅力だろう。だが、それも問題ではない。

 肉を食べるというのは仏教における禁忌である。正確にいうと殺生を含むような物を食べることが禁忌なのだが、その中でもハンバーグなどという物は許されるものではない。しかし、彼女は食べようというのだ。

 

 白蓮はナイフとフォークを持って、ハンバーグを切り分ける。意外に手慣れた手つきをしているのは練習したのかもしれない。いつもは箸である。細かく切り分けで、その一かけらにフォークを刺す。それから口に持っていく。

 

 白蓮は食べた。口に入れてからナイフを置き、手で口元を隠しながら咀嚼する。寅丸などは口を小さく開けて驚愕の表情をしている。仏門の中では見ることができない、いや本来であれば見てはいけないものなのだ。

 

 ――近藤、あうとー。

 

 誰も一言もしゃべらない静寂の中、テレビからなんか聞こえてくる。ナズーリンはニコリともせずに音量をリモコンで下げる。誰もそちらを見ないが、ネズミも場の空気を壊さないようにという程度は考えているらしい。

 

 当の白蓮は目線をテレビに向けながらゆっくりと咀嚼する。よく噛んでゆっくり食べるのは癖というよりは作法なのだろう。彼女はごくりと口の中の物を飲み込んで、くるりと振り向いた。

 

 そこに立っていたのはハンバーグを作った者。古明地 さとりだった。皆と変わらずにシャツを着ているが頭にはタオルを巻いている。後ろでは同じ恰好の河童達が腕組をしている。

 

「さとりさん……これは本当に大豆で作ったのですか?」

「ええ、一切肉類などは使っていないわ……」

「……すごい」

 

 白蓮は感心したようにうんうんと頷く。そう今食べたのはある意味で現代の料理技術の結晶たる「大豆ハンバーグ」であった。これにはさとりが言ったように全く肉類を使っていない。それどころか仏門で禁忌とされる材料も使っていないのだ。

 白蓮はそれを気にいったのか感心しきりでさとりに聞く。

 

「これには……しゃきしゃきとした食感があったのですが、これは?」

「レンコンよ……入れるとチルノが喜ぶから入れているの」

「なるほど」

 

 さとりとしてもおいしそうに食べてくれるには悪い気はしない。正直言えばあまりものと近くのコンビニで適当に買ってきたもので作ったのだが、それでも喜んでくれるのはとても嬉しい。本当は肉を買うお金がないから習得した技術だとしても。

 

 ――さ、さとり! こ、これめっちゃ美味しいっ!!

 

 さとりの脳裏に浮かぶのは青い髪の少女。正直言えば何を食べても喜ぶのだが、いつも真っ直ぐに生きている妖精としての彼女を、さとりはとても好ましく思っている。ただ霊夢などは仏頂面で食べた後にしれっとしながらも「もっとない?」と眼で問うてくるのも面白くはある。

 

「さとりさん?」

 

 さとりはその声にハッとする。白蓮が不思議そうな顔でこちらを見ている。いきなり黙った彼女をいぶかったのだろう。さとりはコホンと咳払いした。

 

「そ、それでは皆さんの分も持ってくるわ……。慧音と天子もそのうち戻ってくるでしょうし」

 

 その言葉に白蓮は眼をぱちくりさせた後にニコッと笑った。笑うと少女のようなあどけなさがあるのは、なぜだろう。

 

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 潮風に髪をなびかせながら天子は歩いていた。ノースリーブのフリルブラウスを着て、胸元に赤いリボンを付けている。彼女は丘の上にあるホテルで風呂に入った後、坂道をゆったりと歩いた。別にホテルに宿泊する気はない、風呂だけは別料金で入れたのだ。

 夜の海が見渡せる坂。潮風が心地よい、街灯はないが月明かりがある。しっとりと濡れた青い髪を片手で抑える。彼女はふと、立ちどまって遠くを見ると海の一点が明るい。船が数隻浮かんでいて照明を煌々とさせている。イカ釣り漁船の群れだろう。

 

「あんなものも……天界にはないわ」

 

 天子は思う。「イカ釣り漁船」など取るに足らない物だろう。だが、彼女は立ち止まって眺める。坂から見下ろすと湾曲した浜辺とその周りに茂る林も見えた。浜辺の一点にはまだ光があるのは河童の店だろう。

 

 天子は眼を閉じる。そうすると潮のにおいがする。彼女は大きく伸びをした。月光に彼女の影が伸びて、コンクリートの上にくっきりと表れる。それを天子が見る事は無い、自分の影など見ることはできない。

 

「あっ居たな」

「?」

 

 天子は声のした方に目をやる。坂の下には慧音が手を振っている。自分を探しに来たのだろうかと天子は思ったが、それより先に慧音が走ってきた。彼女はあの店のシャツを着ている。珍妙な文字と天子は思った。

 慧音は天子に近づいてから言う。

 

「全くどこに行っていたんだ? やっと食事になったから探しに来たんだ」

「そ。ありがとう」

 

 少々そっけなく天子は返す。彼女は慧音とはそこまで親しくはない。だからちょっとだけ態度が固くなってしまった。以前は幻想郷の者たちに「忠言」などという似合わないことを言って回ったこともあるから、その時も固い態度を取っていた。

 

 ――ぐぎゅるる

 

 だが、お腹は正直だった。突如として鳴った「お腹」を天子は抑えて、罰の悪そうな顔をする。僅かに頬が紅くなる。慧音もくすりとしたが、それには触れず言う。

 

「さあ、行こう。ご飯はみんなで食べた方が美味しい」

「…………」

 

 慧音は手を差し伸べる。それに天子は考えるような、窺うような眼で彼女を見る。慧音は柔らかく笑みを浮かべている。それは自然で、見ていると安らぐような、安心させてくれるような顔だった。天子は口を開く。

 

「そうね。そう、みんなで食べた方が美味しいわ。だからみんなで来たのよ。私も最初はそこまで考えていなかったけれど、それでも退屈するよりは良かったから、だから……ここに来たの」

 

 あまり考えずに来たと聞いて慧音は苦笑する。確かに海に来るときは彼女もあまり「考えていない」ように見えた。だが少し興味もある。天子は坂の上の何かを見てきたのだろう。歴史的建造物かもしれないし、何かお土産屋さんでもあったのかもしれない。だから聞く。

 

「この坂の上で何をしていたんだ? なにか面白いものでもあるの?」

「……あるわ。見るだけで楽しいものが、たくさんね」

「へえ、じゃあ、私も朝になったら……あ、いや仕事があるか……」

 

 慧音は「仕事があるか」と言って少し嬉しそうにする。仕事があることがそれだけで嬉しいのだ。天子は何故慧音が嬉しそうにしているのかわからないが、くすっと笑顔をつくる。それにつられて慧音も笑う。笑顔が笑顔を呼んでくれる。

 

「それで? ごはんって何かしら?」

「あ! そうそれだが、チルノが大好きなハンバーグで……あ、だ、大丈夫。肉は入っていないから安心してくれ」

「ハンバーグ? なのに肉が入っていない……あっ、ササミハンバーグね!」

「…………」

 

 慧音は苦笑いする。

 

  ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 寅丸は感激していた。少なくとも数百年以上にわたって肉など食べていないのだ。正確にいえば肉ではないが、その食感、味ともに最高だった。

 寅丸は笑顔で頬を動かしている。口には大豆ハンバーグが入っており、それを味わっているのだ。元々「虎」だったのだからそれも仕方ないだろう。すでに子供を叱った時の威厳は消え失せ、むしろ子供の様に食べている。

 それをナズーリンは冷ややかに見つつ、フォークにぶっ刺したハンバーグをちびちびと食べている。作法もなにもあった物ではないが、彼女はとある疑問を持って「ご主人様」をみていた。だからその眼は少しだけ鋭い。だが、まだ何も言わない。

 

「ナズーリン。もう少しお行儀をよくして食べなさい」

「……」

 

 そんなネズミを見咎めた寅丸が注意する。ナズーリンは不承不承姿勢を正しくして、一口にハンバーグを食べる。それで食事は終わりとばかりに、周りを見る。

 

 

 奥の座敷では一輪と水蜜が座っている。

 座敷は畳が敷いてあり、昼にはにとりと白蓮が使っていた場所である。そこにだらしなく座った水蜜は自分のシャツの肩のあたりを引いた。小麦色に肌に白い線がついている。やはり焼けているらしい。

 水蜜はパーカーを着ていたので腕も白い。前は開けていたがワンピース型のぴっちりした水着を着ていたのでその部分は日焼けしていない。彼女はむしろ日焼けした方がいいのかな、と少し思いつつ目の前でおいしそうにハンバーグを食べている一輪を見た。

 幻想郷の者から見れば一日中破廉恥な格好をしていた彼女は、ナイフとフォークをぎこちなく使かっている。しかし水蜜は疑問に思った。

 

 妙に肌が白い。一日中肌を見せていたとは思えない。少しは焼けている気はするが、あまり普段と変わらない。

 

「ねえ、一輪?」

「なにかしら?」

「なんだか、日焼けしていないような気がするのですが……なぜですか?」

 

 一輪はフォークの先を口に咥えたまま、固まる。無言でそのつぶらな瞳をくりっと動かして水蜜を見る。何もしゃべらないのは何か考えているからだろう。日焼けしていないのは単に「日焼け止め」を念入りに塗っただけなのだが、よくよく考えたら何もそんな対策をすることがそういうことを気にしているようで、少し恥ずかしくなる。だから喋らない。

 

「一輪?」

「……修行の成果?」

「!?」

 

 水蜜は驚愕した。仏教の修行にそんな効能があるとは思わなかった。と少し思ってから「そんなわけない」と考え直した。どうせ日焼け止めを塗ったのだろうと彼女は考える。だがそこで気が付いた。はっと後ろを向く。

 

「ナズーリンっ! 食器を片付けますよ!」

 

 そこには毘沙門天の化身である寅丸がいた。あまり日焼けしていない。水蜜はふと、考えない方がいいことに気が付いて考えることをやめた。まだ日焼けしいない者はいる。

 

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 お空とお燐は走り回っていた。突如としていなくなったこいしを探しているのだ。

 このままではさとりに怒られると思えば、彼女達も必死である。それでも二人は浜辺中を探し回って、見つからなかった為に一度海の家に戻ることにした。こいしがいなくなるのは正直に言えば日常茶飯事なのだが、今回はさとりに任されたので報告せざるを得ない。

 

 お燐は自分の三つ編みを手でつまんで言い訳を考えつつ、海の家ののれんをくぐる。中では寺の者たちが食事をしている。一輪と水蜜が奥にいて。白蓮がこいしとタブレッドで遊び、寅丸とナズーリンがラムネを飲んでいる。

 

 探しているのは彼女達ではない。お燐はさとりを探した。厨房の方に足を向けて、覗きこむとそこには桃色の髪をした少女が何も食べるわけでもなく座っている。何かを待っているのだろう。

 お燐はおそるおそるその少女に声を掛けた。

 

「さ、さとりさま。よ、よろしいですか?」

「……お燐。お帰りなさい。お空は?」

「えっ。あっ」

 

 見るとお空がいない。逃げている。核の力を失ってから妙に自信を喪失した彼女は極端に打たれ弱くなっていた。一度手に入れた巨大な力を失った喪失感はすさまじかったらしく、一時期とても落ち込んでいた。今でも突如として「発作」が起こる。

 

「いつの間に、おくぅう!」

「ど、どうしたの? お燐」

「な、なんでもないです。そ、それよりもさとりさま。ごめんなさいっ! こいしさまがどこかに行ってしまいました」

「こいしなら……あそこにいるけど……」

「えっ?」

 

 さとりは指さす。その先に客席で白蓮と遊ぶ少女がいた。手に持っているのは「枝豆」の袋にどこからか持ってきたタブレッド端末。それを見ながら何か楽しそうに白蓮と話し込んでいる。無論こいしである。

 

「……あんなところに」

 

 お燐はがくんと膝をついた。探し回って疲れたこともあるが、ほっとしたこともある。ただこれからお空も探さないといけないので、それは気が重い。そろそろ自信を取り戻してもらわないといけないだろう。

 そう考えるお燐をさとりは不思議そうに見つめる。何を考えているのかは「わからない」がさとりは膝をついたお燐の顎がいい位置にあることに気が付いた。だからさとりも座ったままそこに手をのばして、撫でる。

 

「あ」

 

 ごろごろごろ。本能的に目をつむってお燐は気持ちよさげにする。さとりは手馴れているのかくすぐる様に撫でる。お燐はそれで気分がよくなってしまう。猫の本能には敵わないらしい。

 さとりは撫でながら言う。

 

「今日はご苦労様……ご飯を作っているからお空も来たら食べなさい。それにもう遅いから、早く寝ないとね……」

「ふぁ、ふぁい」

 

 とろけた顔で返事するお燐。しかし、彼女の返事に満足してしまったさとりは撫でるのをやめた。それでお燐は残念そうな顔をしたが、これ以上ねだるわけにもいかない。

 それにさとりが撫でるのをやめたのには理由がある。入り口から三人が入ってきたのだ。一人は慧音、そして天子とお空。何故かお空だけはゆっくりと入ってくる。彼女は周りを警戒しながら入ってきたからすぐにこいしに気が付いた。

 

「こ、こいしさまっ!」

 

 呼ばれたこいしは枝豆を食べながら「オッス」とあいさつする。それでお空もお燐同様に膝をついた。気が抜けたのであろう。

 そこにこいしが近づいてくる。彼女は枝豆を一つ手に乗せて、お空に差し出す。

 

「元気になるよっ!」

 

 と枝豆をお空にたべさせた。こいしはにっこりと笑って、お空を抱きしめてから撫でた。姉妹は行動も似ているのかもしれない。

 

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 天子と慧音も戻り、お燐お空も帰ってきた海の家からは明るい声が聞こえてくる。

 誰が笑っているのかは知らないが、ナズーリンは冷ややかに浜辺からそちらを見る。彼女は外に出てきたのだ。別に馴れ合う気はない。

 少し離れているだけで海の家の中は見える。こいしがお空に肩車されて笑いあっている。なぜそうなったのかはナズーリンにはどうでもいい。ただ、海の家から誰も出てこないことを確認したのだ。

 

 ナズーリンは一人ではない。彼女の前には短い金髪を月に輝かせる「ご主人様」がいる。彼女を呼んだのはナズーリンだった。どうしても今日の内に聞いておきたいことがあったからだ。

 

 

 ナズーリンは思う。

 最初からというよりは、今日の夜から思っていたことだ。

 それはご主人こと寅丸のことについてだった。彼女は何か違和感があるのだ。それも朝や昼にはなかった違和感である。今の寅丸は何か足りない。

 

 くすんだ銀髪のネズミはそれが何なのか見当がついている。だが、それを全員の前で言う気はない。以前は宝塔だったが、まさかこんなことがおこるとは「実は思って」いた。しかしタイミングが悪い。海に来る前にそうしてくれればいいのにと感じる。以前は星蓮船が動いている時にそれをした、そのせいでぼったくられたこともある。

 

「ご主人様」

 

 先に書いた通り、ナズーリンは寅丸を海の家から出て浜辺に連れてきたのは他の者の眼を憚ったからだ。寅丸もなぜそこに来たのかわかったらしく何も言わない。だからナズーリンが続けた。

 

「タブレッドは、どこにおいたんですか?」

「…………なくしました」

 

 ナズーリンはこめかみに手をやった。どこに落してきたのであろう。もはや寅丸の落し物癖を責めようとは思わない。しょぼくれているのを見るのも好きではない。やれやれとネズミは首を振って責めるでもなく文句を言うでもなく、探そうと思う。

 

 しかし、どこに落してきたのであろうともナズーリンは思った。それが壮絶な戦いの幕開けとは気が付かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ブログ   花果子念報(本日二回目)

昨今の政治情勢を鑑みるに実に嘆かわしいことと言わざるを得ない。
そもそも民主主義とは一人一人の有権者が責任と義務を自覚し、発展しなければならないのだ。然るに現代ではそれがなされているだろうか。
小生が考えるにそれはなされていないのではないのかとりあえず選挙に行くべきである。



コメント欄

Aya ;なぜ急に真面目になっているのでしょう……。いったい何が原因で……
Momi:無理をするな。後、前の奴。多分お前が原因だ。
Mico;私も管理人と同意見です。現代の問題点を突かれている点は評価できます。
ただ、最後の方は難しい言葉を使っているようで投げやりになっている のはいただけない。

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