東方Project  ―人生楽じゃなし―   作:ほりぃー

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遅くなりました。申し訳ありません


21話A 

 フランドールは退屈していた。今で両足を投げ出して、呆然と天井を見ている。周りには誰もいない。それは別の部屋に行っているからだった。

 手には電源の切れた4DS。充電用のケーブルをしっかりと持ってこなかったことが仇になった。最近のゲームは充電時間がかなり長くなっているとはいっても、そもそも子供のゲームする時間も長くなっている。

 

「おそいわ」

 

 呟くフラン。浴衣で寝転がっていたからだろう、藍色の着物は胸元が緩くなっている。彼女は襟を引っ張って整えた。部屋の扇風機が彼女の髪を揺らしている。一人がここまで暇だとはあまり思わなかった。

 幻想郷では考えたことはあまりない。フランはテーブルに置いてあったコップを手にとる。透明な麦茶と溶けかけた氷。それをフランは飲む。がりがりと氷を牙でかみ砕く。冷たくて美味しかった。

 彼女の紅い瞳が動く。その先にあるのは閉じられた障子。部屋の入口。誰か戻ってこないか今か今かと待っている。障子には誰が開けたのか小さな穴がある。フランはそれは特に気にせず、誰かが帰ってきて来るのを待っている。

 

 足音が聞こえる。フランはちょっと目を見開いて、少しだけ微笑む。自分では気が付いていない。

 障子に大きな影。シルエットからそれは秦 こころとわかる。どうやら一人らしい。髪が長ければ彼女しかいない。

 

 障子が僅かに開く。そこから覗き込む桃色の瞳。顔を半分だけ見せた無表情な彼女。フランは指をさしながら言う。

 

「こころ! おそ」

 

 「い」と言う前に、すっと障子がしまる。閉めたのはこころしかいないだろう。自分で開けて自分で閉めたのだ。

 

「ちょ、ちょっと。なんで閉めるのよ!」

 

 フランが立ち上がって抗議する。それは笑いながら。要するにツッコミである。一人ではできないことだった。それに反応してこころが声を出す。もちろん障子の向こうからだった。

 

「ふっふふ。覚悟はいいかしら」

「もう、早く! これ破るわよ!」

「それはこまる」

 

 基本的に紙でできた入り口をフランは破壊宣言。そのあたりの根本は変わっていない。もし破られたらこころが弁償することになりかねない。「こまる」とはなんの衒いもない言葉だった。ちょっとだけこころの声が焦っている。

 

 ぱーんと障子が開く。勢いよく開けられたその先に、両手を広げたこころがいた。

 桃色の髪が揺れている。無表情は変わらないが、ふふーんと鼻をならす。彼女はさっきまでの少女とは明らかに違っていた。

 

 白い生地に桜が咲いている。こころの体を包んでいるのはそんな浴衣だった。

 彼女の体にぴったりあったサイズ。白い下地に淡い桃色のラインが入り、胸元や袖に描かれた愛らしい桜の花。赤い腰ひもはちょっとだけの自己主張だろう。彼女はその場でくるりとまわり、フランに聞く。

 

「わたしきれい?」

 

 この前心霊番組で見た言葉。使いどころが完全に間違っているのだが、間違っていない奇妙な状況。余談だが彼女は未来にこの言葉は幻想郷のあちこちで口走ることになる。しかし、それは未来の話。

 今、目の前にいるのは金髪の少女だけ。フランは「おおー」とぱちぱちと手を鳴らす。こころはそれを片手で制す。どことなく誇らしげである。フランの反応に満足したのであろう。

 

 そう、この場にいない少女達は芳香に連れられて別の部屋にいる。目的はただ一つ。浴衣のレンタルであった。そしてまず帰ってきたのがこころだった。彼女は今に入ると、ちょっとあたりに鏡がないか探す。そのあたりは女の子であった。

 そんなこころが歩くと、ぽとりと小さな袋のような物が落ちた。こころは気が付いていないがフランが拾い上げてみる。手のひらに乗る程度の本当に小さな白い袋である。表面には「タンスにドンドン」と書いてあるが、フランは首をかしげてゴミ箱に捨てた。

 

「その程度で驚いているようなら、まだまだね」

 

 声がする、フランは振り向く。誰かなど確認するまでもない、彼女にこんな口を利くのは一人しかいないのだ。チルノであろう。

 壁に背を預けて、両手を組んだ青い髪の少女がいた。何故かわからないが勝ち誇っている表情。本当に理由などないのだろう。彼女はいつもなんとなく楽しいのである。

 その頭にはリボンが無い。透き通るような蒼の髪が、肩までかかっている。リボンの代わりに花飾りのついたカチューシャをはめていた。少しだけ眼をひらくと、睫毛長い。こうしてみると知的な姿でもある。

 

 チルノが着ているのは深い青の浴衣。ただその「柄」は彼女らしいものだった。

 浴衣にきらめく花火の絵。青、赤、白で描かれたにぎやかな絵柄。どこでも明るくなれそうなそれが、彼女には似合っている。

 

「あたいの勝ちね」

 

 チルノは勝利した。何にかは彼女にもわからない。見た目が知的だからといっても、本当はどうなのかなど関係ない。しかし、フランは言った。

 

「私は知っているわ。こういうのをマゴーに衣装っていうんでしょう? チルノ」

「そんなに褒めても何もでないわ」

 

 二人の少女は言葉の意味が分かっていない。フランも自分がほめてあげたいのか貶したいのか半々といったところである。チルノはどちらにしろよくわかっていない。しかし、ぬっと後ろから顔をだしたこころは親指をたてて言った。

 

「じょうでき」

 

 チルノも親指を立てて返す。白い歯をにっと見せる。天真爛漫という言葉は彼女の為にあるのかもしれない。天衣無縫といってもいい、何も考えていないともいえる。

 

「それじゃあ、あとは文だけね? こころ、チルノ」

「そうね! もうこころもいるから」

「……本気か? ほんきでいっているのか?」

 

 こころが愕然とした無表情で言う。チルノとフランは顔を見合わせて、同時に首をかしげる。このあたり似てきたのかもしれない。だが「彼女」はすでに二人の後ろにいた。

 フランとチルノの肩をがしっと掴む、可愛らしい手。妙に力が入っている。吸血鬼と妖精は同じように振り返る。するとそこにはにっこりと微笑んでいるルーミアがいた。目元は笑っていない。

 

 ルーミアの浴衣は落ち着いた赤。そこに咲いているのは白く紫陽花だろう。ちょっとだけ大人びたような柄をしているが、ルーミアの影のある笑みには似合っている。彼女は無言で「どう?」とチルノ達に黒く微笑みかける。

 チルノがきょとんとした顔で応える。

 

「あいつ(文) は? もう来るのかしら?」

 

 ルーミアは答えない。彼女の後ろに闇が見えるような、そんな錯覚をこころが感じた。あわててこころもフォローする。

 

「かわいい!」

 

 にこぉとルーミアは無言で笑う。こころは「あぶないあぶない」と胸をなでおろした。

 チルノには悪気など一切ない。フランは眼をぱちくりさせている。ゲームのし過ぎで目が疲れたのだろう。しかし、とにもかくにもこれで4人の少女がそろった。あとは保護者だけである。いや、今回に限っていえばこころの財布に頼っているのでそうとも言えないかもしれない。

 

 ぎしぎしと誰かが床を鳴らす。こころが耳ざとく聞いて、しいと口元で指をたてる。そして他の三人の少女に「サランラップ」と英語で「黙る」ように伝える。多少間違えても妖怪なのだから問題ないだろう。

 ぎいぎいと床を鳴らしながら誰かが近づいてくる。その少女は黒い髪を揺らしながら、口元が少しだけ緩んでいる。少しだけ恥ずかしい気もする。元々自分は着る気が無かったのだ。

 黒い浴衣の生地。廊下のほの暗さと溶け込んでいるようなそれ。ただ、彼女はこの浴衣の「柄」を気に入っていた。

 射命丸 文はそうやって近づいていく。居間の入り口の前にくると、一度頭を掻く。それから袖を見たり、首元を整えたりした。そしてコホンと咳払い。にっこり営業スマイル。準備万端で一歩踏み出す。

 

 星空を描いた文の浴衣。慎ましやかに光る星々と彼女の左肩のあたりに描かれた白い翼の柄。それが黒い浴衣の中で静かに映える。腰紐から下に描かれているのは翼から落ちた羽根。雪の様に白い。

 

「お待たせしましたみなさん」

 

 はにかみながら文が片手をあげる。ちゃんと袖から中が見えない様に、空いた手で袖を抑えている。彼女はこころとチルノとフランそれにルーミアを見回して。手を下ろしてから襟元をもう一度整える。

 

「……どうでしょう? ま、ちょっとこの柄は私には合わないかな、とも思いましたが」

「いいじゃない! 文! お姉さまにも負けないわ」

 

 いち早く反応したのはフランだった。かつて一緒に小冒険をしたから、一番気安いのであろう。フランはうんうんと頷いて、自分のことのように嬉しそうにしている。続いて、チルノが「くっそー。鳩もいいわね」となにかよくわからないことを言い出す。一応褒めているのかもしれない。

 ルーミアはぱちぱち拍手する。ちょっと悔しげでもある。

 そしてこころは難しい顔をして両手を組んでいた。

 

「うーん」

「ど、どうしましたこころさん? なにかおかしいところがありますか?」

 

 文も聞いてみる。しかし、こころの鋭い眼光が帰って来るだけで、何も言葉はない。しばらくしてこころは文を指でびしっとさして、こういった。

 

「95点ね」

 

 すかさず文はガッツポーズ。ノリがいいのだろう。

 

「やりました! 高得点です」

 

 文は屈託がない。このあたり恥じらうということがないのは、鴉天狗の余裕というものであろう。わざとらしいガッツポーズだが、笑顔は本物だろう。こころもそれで満足したのか「ふっ」とキザッぽく笑う。

 

「こころ! あたいは!?」

 

 だが、これで黙っていないのが他の少女達である。チルノがこころの袖を引っ張る。

 文はくすりとして、

 

「ふふ。そうそうにはこれ以上の高得点はでませんよ?」

 

 と煽る。それでも彼女はチルノが自分より得点が高くても文句を言う気はさらさらない。どうせ遊びである。楽しいことがよいだろう。ただ、チルノは挑発を真に受ける。

 

「なんだとぉ! 勝負よ。ほらこころ」

「うーむ。きびしい審査をおこなうわ」

 

 チルノは胸を張る。両手を腰につけた自信満々な格好。まるで媚びるきがない。可愛らしいといえばその通りだが、可愛こぶる気が全くない。その真剣な様子にこころも無表情で答える。

 上から下までこころはチルノを見て、眼を閉じる。それから小さく息をはく。厳正な審査を頭の中で行っているのであろう。公平中立で清廉なこころ審査は十秒程度で終わる。彼女は眼を開いて、静かに告げる。

 

「849点……まだまだね」

「くっそー!」

 

 チルノが悔しがる。思ったよりも点数が低かったらしい。

 

「あ、あのこころさん?」

 

 95点が何か言っている。

 しかしこころは忙しい。次はルーミアに袖を引かれている。桃色の髪の少女はそちらに視線を移した。ルーミアはぱっと袖を離して、両手を小さく広げる。

 

「こころ! どう?」

「むむむ」

 

 顎に手をあててこころが唸る。ルーミアは少し不安げな顔をしている。

 

「852点……。高得点ね」

 

 ぱあっと花が咲くような笑みを見せるルーミア。849点は「まだまだ」だが852点は「高得点」である一点ごとにランクが変わるのかもしれない。ただルーミアが嬉しいのはチルノに勝ったことが大きい。他の少女に見えない角度でルーミアが小さくガッツポーズをしている。

 そしてフランの方へこころが振り向く。きょとんとしている。あまり興味がないのかもしれない。こころは即断した。慣れてきたのか早くなっている。

 

「855点、かな」

「……あ、ありがとう」

 

 フランはとりあえずお礼を言う。855点と言えば鴉天狗9羽分である。圧倒的であろう。

 がしっとこころの肩を掴む鴉天狗。ぴくぴくと表情筋を動かしながら作った笑顔で、言う。

 

「なるほど、素晴らしい御慧眼ですね。ところでこころさんはどれくらいの点数なのですか?」

「私? うーん」

 

 ちらりと部屋の隅の鏡を見る。それからもう一度文を見る。

 

「せん……」

「え? 聞こえませんよ?」

 

 こころの言葉を遮る文。実際こころはかなりアバウトな評価基準で判断している。ただ一つの原理は「相手が嬉しがってくれる数字」である。貨幣価値が時代によって跳ね上がる様に、一番手の文は相対的に低いだけだった。

 最初に文が思った通り、ただの遊びなのだ。ただ、こころが言いかけた言葉に他の少女も反応した。三人がじっとこころを見ている。

 

「……」

 

 こころの顔に浮かぶ大粒の汗。表情は全く変わらない。ただ、肩を掴んでいる文の手に力が入っている。言いかけた言葉が出てこない。言えば間違いなくプロレス技の餌食になるだろう。

 

 

 

「ああ、頭をつかったわ。あれ、アヤ何しているの?」

 

 そんな時に声がした。全員が振り向くとそこにいたのは藤色の髪の少女。芳香がいた。彼女は浴衣は着ていない。ただ、全員の着付けを行ったのも彼女だった。それもいちいちメモを見て、思い出しながら、チルノに相談しつつというやり方ではあった。

 フランが待たされた理由と他の少女が衣装を替えたこと、それは芳香のおかげでもある。頭を使ったとはそういうことである。

 

「いやあ、芳香さん。今点数付けをしていました。ねえ、こころさん」

「え、ええ。そうね」

「点数……?」

 

 芳香は小首をかしげる。仕草がどことなく愛嬌がある。彼女は全員を見回した。それからやわらかい微笑みを浮かべる。意識して作ったのではないだろう。

 

「みんなかわいいわ」

 

 毒の無い言葉。くすくすと笑う少女。それにつられて文達も同じように笑ってしまう。こころだけは「助かった」と文と間合いを取る。文も気が付いていたが、もう追及する気はない。それよりもやることがある。

 

「よーし。みなさんも着替えたことですし。一つ椛の家を襲撃しましょう!」

「「「「おおー」」」」

 

 扇動されてこころ、チルノ、ルーミア、フランが呼応する。「椛」が誰かなどどうでもいい。大切なのは勢いである。楽しそうな方向へまっしぐらであるべきなのだ。文は思いつきで言っただけのことにみんなが乗ってくれたので、これから椛の家を襲撃する気になった。

 

 その前に文はくるりと振り返る。

 

「ああ、そうだ芳香さん」

「芳香でいいわ。文」

「あ、そうですか。じゃあ芳香……慣れるまでかかりそうですが。よかったらあなたも来ませんか?」

「……え? なんで?」

 

 文は黙る。なんで自分が芳香を誘ったのかよくわからない。ただ、なんとなく誘いたくなっただけである。芳香もあまり考えていいなかったらしく、素直に困惑している。両手の指を合わせて少しもじもじとしている。行きたいらしい。

 文はチルノに振る。

 

「芳香が来た方がいいと思いませんか!?」

「あたいについてこい!」

 

 チルノも了解が速い。芳香に向き直って、親指で自分をさす。このようなとき、氷の妖精は間違えない。考えてもいない。芳香の頬がほんのり赤くなり、嬉しそうな、ちょっと困ったような顔つきをする。

 

「でも文、お店番があるわ……」

「他の人が帰ってくるまでいますよ。どうせお祭りは夜ですから、時間はあります」

「そう、そっか。じゃあ一緒に……いいかな」

「答えてやってください。チルノさん!」

「あたいについてこい!」

 

 便利だなと文は思う。チルノは。自分で言うと恥ずかしいことも言ってくれる。

 それでも芳香は両手を頬にあてて、静かに笑っている。これで良いのだろう。しかし、なぜ自分が彼女を誘ったのかはよくわからない。気まぐれであろうと思った。

 

「しかし、一つ問題があるわ」

 

 そこで口をだしたのがこころである。彼女は片手をあげて、皆の注目を集める。

 

「問題って?」

 

 と近くにいたフランが聞く。こころはうんと頷いて芳香を見る。

 

「浴衣、着ていないわ。着替えるといいと思う」

「……あ、だ、だって」

 

 芳香は言う。

 

「恥ずかしいから、その格好」

「……」

「……」

「……」

「……」

 

 文とこころとフランとルーミアとチルノは「恥ずかしい恰好」をしていると言われて、心を一つにした。彼女達はアイコンタクトを取り合うと、こくりこくりと頷く。そしてじりじりと芳香を囲むように近づいていく。

 

「あ、あや。わあ!?」

 

 包囲された芳香はあっさりと拘束される。両手をこころが、両足をルーミアとチルノが持って、担ぐ。そのまま浴衣を着付した部屋へ連行がされることとなった。文とフランは応援である。

 

 

 ★☆★

 

 犬走 椛は自宅でくつろいでいた。リサイクルショップで格安で手に入れた小さなソファーに背中からもたれかかっている。そのソファーはビーズが入った一人用で、レシートには「人がダメになるソファー」と書いてあった。

 

「ああ、いい……」

 

 ソファーに背中を預けて駄目になっている白狼天狗。どうやら駄目になるのは人だけではないらしい。まさかとある呉服屋で自分の家の襲撃計画が立てられているとはつゆとも知らない。

 実際人間の社会には天狗をダメにするものが多くある。スヌーポーもそうであるが、惣菜屋などの食品店、かくかくの家電製品。便利すぎて幻想郷に帰ると困りそうな気椛はする。最近はお風呂に入れるだけで「温泉」が作れる粉も見つけた。

 起き上がらず椛はスマートフォンを触る。かなりダメな動きである。

 

「そういえばそろそろ文のところにいかないとな。何を着ていこうか……メールしておくか」

 

 電話すら億劫である。正直ちょっと眠い。彼女は文に簡単なメールをする。どこに行けばいいのかというものだ。

 眠たいが椛はそれでも体を起こして、体を伸ばす。家だからかシャツとハーフパンツ。体のラインがくっきりとわかる程度の薄着である。ある意味プライベートとして普通だろう。

 椛は立ち上がって箪笥を開ける。きっちりと折りたたんだ服が入っている。たいていヴィレッジ・アイランドかバザーで手に入れた安物だった。彼女が最初に手に取ったのは、最近五百円でセールをしていたシャツである。「Welcome Hell」と書かれた奇抜なもので買って損したと思っている。

 

「これははたてにやろう」

 

 椛は箪笥に丁寧にしまう。几帳面なところがある。

 ぶるっとスマートフォンが震える。仕事中にマナーモードにしているので家に帰ってからも切っていない。見ると文から返信である。

 

『神社に集合で行きましょう』

「了解……と」

 

 手慣れた手つきでメールを返す椛。少し時間はありそうだと、彼女はふと考えた。

 椛は出る前にシャワーを浴びようと、風呂場へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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