姫と王と鬼さんとモブA(全員訳アリ)   作:一途一

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三億円事件の番組を見てセドリック三十九年型が欲しくなりました。

お楽しみ下さい。


何か起こる予感(100%的中)

「君、ここ間違っているよ。直しておいてくれるかな?」

 

「すいません…直して来ます。」

 

「君…最近ミスが多いぞ?彼女に振られたのをそんなに気にしていたら

他の事で心が持たないぞ?」

 

「そうですよね…」

 

僕、五能廻間は最近彼女に振られた。

何でそんなに気分が落ちるのかって?そりゃあ、初恋だったからだ。

しばらく付き合っていたんだが、『五能くん、普通過ぎて毎日に面白味がない。』

何て言われて振られれば、誰だって落ち込むだろう?(そうだと信じたい。)

そんな感じで、失恋とかじゃ無くて、“普通過ぎて、何の面白味が無い男”だと思われているのが傷ついたのである。

 

 

 

 

「なあ、どうしたら“普通過ぎる男”を脱却出来ると思う?」

 

「またその話か…これと同じ話もう何回もしてるぞ?」

 

今話かけているのは同僚兼親友の、田中である。

こいつ、名前は普通過ぎるくらいなのに、そのルックスで社内の女性を虜にしているという噂が後を絶たない。

体交換してくれよ。

 

「ああ、じゃああれだ、あそこ行ってこいよ。『封じ山』」

 

「どこだそれ?」

 

「富士山の裏にある、日本屈指のパワースポットって言われてる場所だよ。

色々噂が絶えない場所だよ。例えば、『富士山』と、『封じ山』って、読み方が似てるだろ?

それで、富士山に神の力があるなら、封じ山には妖怪の力があるんじゃないか、って。」

 

「何だそれ、只の噂話だろ?」

 

「まあまあ。案外面白い発見があるかもだぞ?

今度の休日にでも行ってこい。」

 

「うーん…何かありそうで怖いな…」

 

「怖く無いって。ほら、そこに行ったら妖怪の力、とか手に入るかもだぞ?」

 

少し間を空けて、

 

「それはちょっと気になる…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

というわけで、来てしまいました封じ山。

 

田中は、『一番のスポットは封じ洞窟っていう色んな妖怪を封印している場所らしいぞ。実際は只の洞窟らしいがな。』と言っていた。

まずはそこを訪れてみよう。

 

 

洞窟の中は、思ったよりも広かった。

鍾乳石などもあって本格的に洞窟って感じだ。

しかしこの洞窟、ずっと何かに引き寄せられている気がする。本当に何か封印してるのか?

このまま引き返した方がいいんじゃないかとも思いつつ、つられて動いてしまう。

 

そして着いたのは、何も無い壁だった。ここで引き寄せられることは無くなった。

一体何があるのだろうか。

壁を伝って行くと、何やら模様を見つけた。この模様は…星?

気になってそれに触れてみる。すると、壁が音を立てて奥の方に崩れた。

怖くて閉じた目を開けてみると、手前に一つ、奥には三つの石碑の様な物があった。

 

「何だ…これ?」

 

手前の石碑は何も書いても無い只の石の棒に見える。

 

気になるのは奥の棒である。

 

1番右の石碑には、『姫』

 

2番目の石碑は何故か十字架の形をしていて、真ん中に『KING』と書いてあった。

 

3番目の石碑には、四文字で『鬼子母神』の文字が。

 

周りは手付かずで、苔が生い茂っている。

 

とんでもないものを見つけてしまったなと思いつつ、1番前の石の棒を見る。

三つの特徴的な物の前にある。何の変哲もない普通の石の棒。

少し自分の様に思えて来た。

 

 

 

「石の棒だけに意思の棒。ってか。」

 

 

 

 

そう言って石の棒に触れると、急に目の前の石碑達が光り出し、この空間が光に包まれて行った。

少しして目を開けると、そこには3人の人の姿が。

 

一人目はまるで日本のお姫様の様な服装をした綺麗な女性。得体が知れない。

 

二人目は紳士服を着た背中に小さめの蝙蝠の羽の様なものが生えている青年。吸血鬼かな?

 

三人目は額に一本の長い角が生えている一人の中学生くらいの身長の女の子。鬼っぽい。

 

一人目はともかく、二人目と三人目は絶対にやばい。

本当に何かが封印されているとは思わなかった。

三人が口を開く。

 

 

 

 

 

「其方が私を助けてくれたのですか?」

「貴方が私を助けてくれたのですか?」

「お前が私を助けてくれたのか?」

 

 

ここは丁寧に対応しておかないと後々大変なことになる。

 

 

「助けたっていうか、勝手に出て来ただけですよ。僕は何もしてません。」

 

 

「そうか…だが、其方からは割と大量の妖力が発せられてるぞ。体は人間なのに。」

 

「そうですよ。しかもここ貴方以外の人いないじゃないですか?」

 

「とういことはお前だ。」

 

 

 

「知りませんよそんなの…僕は帰りますね。」

 

ここは帰るのが賢明な判断のはずだ。なんか凄い顔の整った三人が目の前にいるが、得体の知れない物程危険な物は無い。

そうして帰ろうとすると、

 

「待ってくれ其方、今はいつじゃ。」

 

「今?今は令和ですよ。」

 

「令和、とういうのは何じゃ?」

 

「年号ですよ。ああ、西暦で言うと今は2019年ですね。最近変わったばっかりですけどね。」

 

「2019年…私が封印された時から200年は経ってますね。」

 

「じゃあ、帰りますね。僕。」

 

「待つのじゃ。」

 

「え?」

 

「その…家、泊めてくれぬか?」

 

「…?…!確かに…私からもお願いします。」

 

「私も頼む。」

 

「何故僕があなた方を家に泊めないと行けないんです?」

 

お姫様が少し考える仕草をして、

 

「それは、ここでは我らの存在が段々薄れて行くからじゃよ。

其方の様な妖力を沢山持っている者の近くにいないと我らは消えてしまうのじゃ。」

 

「皆さん強くないんですか?」

 

「「「いや、強い。」」」

 

「…じゃあ何で消えてしまうんですか?」

 

「強さと存在出来るかは違うのじゃよ。自分の強さが皆に分かるから存在出来る。皆そんな存在なんじゃよ。」

 

「私は違いますがね。」

 

「吸血鬼さんは何故違うのですか?」

 

「私は人間との混ざり物だからですね。私は妖力の無い所では力が弱くなるだけで、普通に行動出来ます。」

 

「そんな訳で、泊めてはくれぬか?」

 

「うーん…」

 

食費、水道代、ガス代…ただ、泊めないと二人の存在が消える…

泊める他ないじゃ無いか。

 

「しょうがないですね…但し、しっかり家事とかして貰いますからね。」

 

「おまかせ御用じゃ!」

 

「じゃあ行きましょうか。」

 

「おっと…その前にやらないといけない事があるな…」

 

そう言うと鬼の少女が拳を振り上げて、1番前の石碑を殴り、砂の様に霧散させた。

少女は付いた石の破片を振り払った。

「あースッキリしたこの忌々しい封印石め。

じゃあ、行くか。」

 

 

冷や汗が止まらない。

自分は内心、取り返しのつかない事をしたと思った。

だけど、もう後戻りは出来ない。

汗を手で拭い、拳を握る。

いざという時に、三人を止めなければならない。

 

 

ボソ…「やってやんよ…」

 

 

「何か仰いましたか?」

 

 

「い、いや…何も。」

 

 

 

 

 

やっぱ無理かも。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

次の日、洞窟の石碑跡が発見、研究チームが派遣されて、調査が行われた。

 

その場所には、妖力の残滓と、足跡があった。

 

足跡の数と歩幅から予想される人数は四人。その内の二人は男性、もう二人は女性である事が分かった。

 

一人の女性は中学生程の身長であることと、一人の男性がスニーカーを履いている事が分かったため、

スニーカーの足跡の男が封印を解いた人間だと断定された。

 

「…以上のことから、ここに偶然、又は意図的に来た人間が封印を解いた可能性があります。」

 

「分かった。如月君。」

 

「皆、よく聞け、これより第二研究院は、この封印を解いた男と、他の三人を追う。

確実に見つけろ。そして、再封印するのだ。」

 

「「「「「了解!!」」」」」

 

 

一斉に研究員が立ち、各々行動し始める。

 

「妖力の追跡はどうだった?如月君。」

 

「残念ながら、洞窟を出た所で途切れていました。ローラー作戦で妖力の残滓を追う事になりました。」

 

「頼むぞ。如月君。今回の作戦の主な目的は“あの姫”を再び封印する事だ。」

 

 

 

 

 

「分かりました。安倍さん。確実に対象の居場所を特定しましょう。」

 

 

 

 

「全ては…この国の未来の為に。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?

主は五能ニキが心配で心配で仕方がありません。(ゲス顔)
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