姫と王と鬼さんとモブA(全員訳アリ)   作:一途一

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第二話で御座います。

今回は鬼さんの出番があんまりないですね。


これからの話に向けての踏み台の様な話です。



鬼さんの見た目は中学生(これ重要)

封じ山からバスなどを乗り継ぎ、家まで帰って来た。

道中、初めて見る現代の物に三人は目を輝かせていたが、今は割愛しておこう。

今は家で三人と自己紹介している。

 

「儂の名前は紫姫。妖怪の国の姫をしておった。読み方は『しき』じゃぞ。気軽にしきりんとでも呼んでくれたら嬉しいのじゃ。」

 

「私の名前はレグエル・アージャー。イギリスで吸血鬼をしていました。半人半妖です。」

 

「私の名前は貫。つらぬきと書いて『かん』だ。力が強いだけの鬼だ。」

 

 

三人とも自己紹介を終えた。次は僕の番か。

 

「僕は五能廻間…えっと、只の会社員…です。」

 

「何でそんなに言い淀むんだ。『会社員』響きがいいじゃないか。」

 

「そうですよ、そこまで躊躇うものでも無いんじゃないんですか?」

 

「そうじゃぞ。どこが恥ずかしいんじゃ。」

 

今の知識がない人達の言葉がグサグサ刺さる。

誤解されても困るし、今の内に説明しとこう。

 

「会社員、と言うのはその企業に勤めている人の事を言うと思うんですが、

その中でも僕は割と下っ端でして…特に誇れる事でも無いんですよ。」

 

「おいおい、そう言うでない。組織において下の者は必要不可欠じゃ。

別に誇ってもいいではないか。」

 

「そうですよ。貴方は誇っていいんです。」

 

 

駄目だ。この人達いい人過ぎる。

このまま何を言っても無駄になる気がして来たので終わりにする。

 

「それにしても貴方の家、大きいですね。」

 

「親が資産家で、今海外に移住してて、この家を譲り受けたんですよ。」

 

「ほう…では何故会社員という立場になったのです?」

 

「何ででしょうね。普通の暮らしも味わってみたい。なんて昔は思ってたんですけどね。

実際なってみると大変でしたね。」

「だけど、この暮らしが楽しいんですよ。会社に出勤して、働いて、夜は仲間たちと呑みに行く。

この暮らしが堪らないんです。それに、僕そこまで教養は無いんで、丁度良いって感じなんですよ。」

 

「そうだったのでしたか…」

 

「まぁ先ずは皆が生活する準備をしましょう。」

 

語りを自分で切って話を始める。

 

「今重要なのは皆さんが着る服です。食料やお金はどうにでもなります。

だけど、生活する為にはまずは服が必要でしょう?流石に貴方達の服装ではお世辞にも日常生活が出来るとは思えませんしね。」

 

「確かにそうだな…」

 

「儂もこの格好じゃ外に出れないのう…」

 

「私はこの服装でもいけますがね。羽さえ隠せればどうにかなります。」

 

「羽を隠したら穴あき服になっちゃわないですか?」

 

「あ、本当ですね。私の分も買わないと…」

 

「じゃあ早速服を買いに行きますか…この家、女性用も男性用も服が余り無いし、それにお下がりを着せる訳にも行きませんからね。

取り敢えず今は仕方が無いので、服を取って来ますね。」

 

「私も行きます。これでも昔仕立てなどをした事があるので。」

 

 

 

クローゼットに着くと、思ったよりとんでもない速さで服が選ばれて行った。

アージャーさんが事前に測って、自分の服、紫姫さんの服を選んだらしい。流石に貫さんのサイズの服は無かった様だが。

どうやら目で見てバスト、ヒップ、ウエストを測ったそうだ。

目で見て測るってどういう事だ。

 

「凄いの〜!めっちゃ似合うのじゃ〜!もうこれで良いのではないか!?」

 

「そうですね…ここまで似合うものがここにあったとは…凄いですね、アージャーさん。」

 

「私もここまで似合う物がこの家にあるとは思いませんでした。」

 

「…私の服は?どうするんだ。」

 

「そうだね。貫さんの服と、皆の分の下着を買いに行きます。」

 

「ちなみに、五能さんは、どこで服を買う予定で?」

 

「ショッピングモールっていう、何て言うんですかね。大きくて、色んなお店が集まっている所ですね。

食料品も、衣服も雑貨も全部そこで揃う様な場所ですね。」

 

「どこにあるんだ?」

 

「そうですね。ここから10分ぐらいですかね…」

 

「じゃあ、行きますか。貫さんはここで待機してて下さい。僕と紫姫さんとアージャーさんで行ってきますから。」

 

「おい、何で置いてきぼりなんだ。」

 

「だって、その服装で行けないじゃないですか。」

貫さんは、綺麗とはお世辞にも言えない格好をしていた。

 

「流石に、その格好で連れては行けないし…それに、こんな小さい身長の人は連れては行けないですしね。」

 

「小さいとは何だ!これでも、お前の十倍は生きているんだぞ!」

 

「小さいのはしょうがないでしょう…取り敢えず、アージャーさんが買う服の大きさを覚えていますから。服の事は大丈夫です。」

 

「ぬぅ…」

 

「じゃあ行ってきますから。大人しくしていて下さいね。」

 

「分ってるよ。」

 

「そう言って手のひらをひらひらする貫さん。」

 

◇◆◇◆

 

ショッピングモールは、久しぶりに行った。

ここに来るのは、実に2年ぶりぐらいである。

目の前では二人が目を輝かせながら歩いている。どうやら初めて見るみたいだ。

 

「面白い場所じゃの〜、屋内に店が沢山集まっておる。」

 

「そうですね。私もここまで大きい建物は見た事が無いです。」

 

どうやら大きさとそこに入っている店の量に感嘆しているらしい。

 

「まずは服屋に行きましょうか。」

 

「そうじゃなー」

 

服屋に着くと、アージャーさんが紙を紫姫さんに渡した。

 

「これ、貫さんの服の参考サイズです。これを使って選んで下さい。」

 

「あれ?付いてこないのかの?」

 

「僕も遠慮します…」

 

「五能も?」

 

「いや、僕女性のそういうお店入るの苦手なんで…」

 

「私もちょっとそういうのは…」

 

「え゛〜儂そんな服のセンス無いんじゃが。」

 

「大丈夫、貴方なら出来ますよ。」

 

「うーん、しょうがないのじゃ。儂が選んできてやろう。」

 

「僕達は夕食の買い物をしに行きましょう。」

 

「そうですね。」

 

そして僕達は食品売り場に向かった。

 

「凄いですね、ここ。新鮮な魚がありますね。」

 

意外にも新鮮な魚に驚くアージャーさん。

そんな感じで楽しく買い物していると、アージャーさんに話しかけられた。

 

「五能さん、ずっと気になっていたんですが、何で敬語なんです?」

 

「そうですね、なんか接してると勝手になっちゃうんですよね。」

 

「少し直した方が良いですよ。ずっと敬語で接しているといつか舐められちゃうかもしれませんし。」

 

「そうですか…じゃあ、元に戻した方が…」

 

「良いですね。元の喋り方がどうか分かりませんけど…」

 

「分かった。いっつも僕こんな感じなんだけど、これで良いかな?」

 

「そうですね。それで良いかと。」

ボソ「それにキャラ被りは避けたいですし…」

 

「え?」

 

「いえ、何も。」

 

そんな感じで買い物を終えると、丁度紫姫さんが服を買い終わった様だ。

 

「二人〜買い終わったのじゃ〜」

 

「どうだった?しっかり買えたかい?」

 

「なんか話し方変わらなかったか?お主。」

 

「元に戻した方が良いってアージャーさんに言われたんだ。」

 

「そうなのじゃな…なんかイメージが180度変わった気がするのじゃ。」

 

「そうかい?これが普段の喋り方なんだが…」

 

「取り敢えず帰って、お披露目会したいのじゃ。ちょっとこれを選ぶのに時間かかったからのう。」

 

「そうだね。一旦帰ろうか。」

 

 

 

 

 

 

家に帰ると、貫さんがだらけていた。

「暇ぁーーー」

 

「取り敢えず夜ご飯作るんで、その間に買ってきた服、着てみたらどうだい?」

 

「おっ、そうだな。」

 

そう言ってトタトタと廊下を駆けていく貫さん。

途中で止まって、

 

「なんかお前喋り方変わったか?」

 

「戻した方が良いってアージャーさんに言われたんだよ。」

 

「そうか…なんかそっちの方が良いな。」

 

「そりゃどうも。」

 

 

 

◇◆◇◆

 

可愛い。只一言に尽きた。

 

いや、恋愛的な奴じゃなくて、こう、母性(父性?)をくすぐられる感じの服装だった。あの頭撫でたくなる感じ。

 

ワンピースの様な白い服に、ベルトをしていて、とても動きやすそうな格好だった。

 

「これは我ながら完璧じゃな…」

そう言って貫さんの頭を撫でる紫姫さん。

 

「凄い…良いと思います。」

 

アージャーさんもびっくりしていた。

 

「なんだお前ら。そんな子供を見る様な目で見やがって。」

 

「子供で…良いのではないか?」

 

「良くないわ!」

 

 

 

本人は気に入ってない様だが。

 

 

 

 

こんな感じで、僕の日常はだんだんと変わった物になってきていた。

 

 

 

◇◆◇◆

 

「どうだ。ローラー作戦は上手く行っているか?」

 

「そうですね。少しですが妖力の残滓が残っているのを確認しています。」

 

「分かった。頼んだぞ、如月君。」

 

「承知しております。」

 

 

 

 

「早く見つけなければ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




廻間ニキが住んでいる家は、洋館を意識して下さると嬉しいです。

貫さんの顔は清楚な感じで、子供っぽい設定なので
母性がくすぐられるのは必然ですね。

まだ2話ですが、精進していきたいですなぁ…

いつ幻想入りさせようか…
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