休憩です。
適当ですがお楽しみ下さい。
今日はいつもの平日、朝御飯の時間だ。
僕の隣には紫姫さん。その隣には貫さんが居る。
そして、目の前には、アージャーさんとそれにべっとりくっついているリブアルさん。
「キング!和食ってあんまり食べたことないけど美味しいですね!」
「あ、ああ。そうだね…」
アージャーさんは凄い疲れた顔をしている。
紫姫さんの話によるとどうやら昨夜ベッドで襲われかけたらしい。
苦労人だなー(遠い目)
紫姫さんはそれを見てニヤニヤし、
貫さんは黙々とご飯を食べている。
僕も食べよう。
◇◆◇◆
先週休みを有休を使って取って、車を直してもらったのだが、
凄い大掛かりに来たせいで、国際問題になりかけてるらしい。
ニュースとかネットは見たら絶望するから見ない様にしている。
だが、会社は行かなければならない。
見物人が居ないのは、国が近づかないように言っているからである。
軍用ヘリが来る様な場所なので、近づかない方が良い。と。
そんな感じで外からは監視されてるので、外に出るには裏口から出なければならない。
草の生い茂っている、道とは言えない場所だが。
そんな感じ家から出て、会社に向かっていると、電気屋のテレビでニュースをやっていた。
『イギリス政府は、依然としてあの軍用ヘリの所属を明らかにせず、
日本政府はイギリス政府に不信感を募らせています。』
帰ろっかな。
という訳にもいかず、しょうがなく会社へ向かう。
いつものデスクに座ると、田中が話して来た。
「有休なんて取って、一体どうしたんだ?連絡しても返って来ないし。」
「色々あったんだよ。」
「色々…?もしかして、軍用ヘリのニュースと関係が!?」
「ある訳ないだろ。馬鹿か?」
「今日はいつにも増して当たりがきついな。」
「それより、知ってるか?」
「何をだよ。」
「そのイギリスの軍用ヘリ、どうやらイギリスの秘密の特殊部隊だっていうか噂があるんだよ!」
「秘密の特殊部隊だったらあんなに派手に現れないだろ。」
「そうだな…そうだ!お前、あのヘリが行った洋館の近くに住んでたよな!」
その洋館に住んでるんだがな、と言う言葉を飲み込む。
「そうだが?お前の望む様な情報は無いぞ、近づけ無いんだしな。」
「うーん、何にも分からん!」
「じゃあ早く仕事しろ。」
そう言って話を切る。
こんな感じで今日からまた仕事をしなければならないと思うと頭が痛くなる。
帰りたい。
僕の仕事は基本デスクワークで、基本的に企画の立案などをしている。
動く事は中々無い。
僕は特にどうといった事も無く仕事を終えた。
そうして家に帰ると、場所が変わっただけで朝と全く同じ光景が広がっていた。
べっとりくっついているリブアルさんに、嫌がるアージャーさん。
それをニヤニヤしながら見ている紫姫さん。
一つ違う光景があった。
貫さんが寝ている。
寝息を立てて、ソファに横たわっていた。
今まで気になっていたのだが、この角、一体どうなっているのだろうか。
貫さんの横に座り、考える。
角、と言えばサイとかが角を生やしているが、あれは爪のような物質で構成されているらしい。
どんな感触なのだろう。
ちょっと触ってみたい。
手が自然に伸びていった。
角の先から人差し指で優しく撫でていく。
触り心地としては、滑らか。少し熱を帯びている気もする。
「んぬぅ…」
声が聞こえ、慌てて手を離す。
視線を外して、立とうとすると、そこには紫姫さんが。
「五能殿〜?そんな恍惚とした顔をして貫殿の角を触ってどうしたのじゃ〜?」
「なっなななな何も僕はしてない…」
「ほう…?ならばこれはどうかの?」
そう言って取り出したのはフィルムカメラだった。
誰だ。こんなん渡したの。
取り敢えずこのデータを消去しなければ…
「あっ!あんな所で二人がどえらい事に!」
「どえろい事じゃと!?」
聞き間違うとは…賭けだったのだが上手く行った。
そして俊速でカメラを奪い、素早くフィルムを取り出し、アージャーさんへ投げる。
アージャーさんは見事にキャッチし、
「ありがとうございます五能さん。これは後できっちり処理しておきます。」
「騙したな五能殿!?」
「人の写真を勝手に撮る方が悪いんだよ。カメラまでは奪わないから、
こんな事に使うんじゃないよ。」
「ぬ…」
少し嫌そうな顔をし、
「しょうがないのじゃ…もうやらぬ…」
渋々認めた。
アージャーさんはどうにかしてリブアルさんを引き剥がし、フィルムの処理へ向かった。
この光景を見て思う。
今までの生活もそれなりに楽しかったが、こんな特殊な生活も悪くは無いのでは…と。
だが、その陰で何かが蠢いている事に気づいている者は未だ少数であった。
◇◆◇◆
「安倍さん。」
「ん?どうしたんだ、如月君。」
「少し厄介な事になりました。」
「どういう事かな?」
「イギリスの“騎士団”がある洋館にて、対象と接触していた事が分かりました。
“騎士団”と言えば、世界一の特殊組織で、魔法使いや半人半妖の末裔など、
様々な者が集まっています。しかも、“騎士団”のトップが洋館に留まっているとか…」
「そうか。だが、それは関係ない。」
「我ら第二研究院が目的とするのは、ただ一人。」
「紫姫。それだけだ。」
不穏な風が吹いているのに、五能はまだ気づいていない。
幕間でした。
紫姫さんは過去に何をやらかしたんでしょうね?
次回は遂に第二研究院と衝突します。